
アブラボテを初めて見たとき、私はその体側に走る青緑色の縦帯に思わず息をのみました。タナゴの仲間の中でも、あのシックな色合いと繁殖期のオスが見せる橙〜赤の婚姻色のコントラストは格別です。
「タナゴを飼いたいけど、アブラボテってどんな魚?」「二枚貝を使った繁殖に挑戦したい」「混泳はうまくいく?」——そんな疑問を持つ方に向けて、私が実際にアブラボテを飼育してきた経験をもとに、基礎知識から繁殖まで徹底的に解説します。
この記事でわかること
- アブラボテの生態・学名・分布など基本情報
- 飼育に必要な水槽・フィルター・底砂の選び方
- 適正水温・pH・水換えの管理方法
- おすすめの餌と給餌頻度
- タナゴ類との混泳・混泳NGな魚
- 二枚貝(イシガイ・マツカサガイ)を使った繁殖方法
- 婚姻色を最大限に引き出す飼育のコツ
- 白点病・尾ぐされ病など病気の予防と対処
- 初心者がやりがちな失敗とその対策
- よくある質問(FAQ)10問以上を完全回答

アブラボテの基本情報・生態
分類・学名・英名
アブラボテはコイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属に分類される日本固有の淡水魚です。学名はTanakia limbata(タナキア・リンバータ)で、「縁取りのあるタナキア属の魚」という意味を持ちます。英名は「Acheilognathus limbatus」または「Bitterling」(タナゴ類の総称)とも呼ばれます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Tanakia limbata |
| 分類 | コイ目 コイ科 タナゴ亜科 タナゴ属 |
| 英名 | Bitterling(タナゴ類総称) |
| 体長 | 5〜8cm(成魚) |
| 寿命 | 5〜7年(飼育下) |
| 原産地 | 日本固有種(本州中〜西部) |
| 保全状況 | 準絶滅危惧(NT)/環境省レッドリスト |
分布・生息環境
アブラボテは本州の中〜西日本に生息し、特に近畿地方・中国地方・瀬戸内海周辺に多く見られます。東海地方の一部にも分布しますが、関東以東ではほとんど見られない西日本固有の魚です。
生息環境は流れの緩やかな河川の下流域・ため池・水田周辺・用水路など。水深は浅く(30cm〜1m程度)、泥底または砂泥底の環境を好みます。繁殖には二枚貝が不可欠なため、イシガイやマツカサガイが生息するような、カルシウム分を含む清澄な水域にいることが多いです。
体の特徴・体色
アブラボテの最大の特徴は体側中央を走る青緑色(または藍色)の縦帯です。この縦帯は光の当たり方によって緑・青・紫に変化し、見る角度で異なる表情を見せます。体型はタナゴ類の中でもやや体高があり、側扁(側面から見て平たい)した卵型です。
オスとメスの見分け方は以下の通りです。
| 特徴 | オス | メス |
|---|---|---|
| 体色 | 青緑縦帯 + 繁殖期に腹部が橙〜赤に発色 | 全体的に地味、縦帯はやや薄め |
| ヒレ | 背ビレ・尻ビレに黒い縁取り(婚姻色時) | 黒縁なし、半透明 |
| 産卵管 | なし | 繁殖期に長い産卵管が伸びる |
| 体型 | やや細身 | 腹部がふっくら |
| 追い星 | 繁殖期に吻端周辺に白い突起 | なし |
婚姻色について
アブラボテのオスは繁殖期(春〜初夏:4〜6月)になると劇的に美しく変化します。腹部が鮮やかな橙色〜赤色に染まり、背ビレと尻ビレの縁が漆黒に。平時の渋い青緑縦帯とのコントラストが最高潮に達し、「日本淡水魚の中でも指折りの美しさ」と評される発色を見せます。
婚姻色を最大限に引き出すポイント
適正水温(15〜22℃)を守り、春〜初夏は水温を少し低めに維持することで、自然界に近い繁殖スイッチが入ります。また、十分な栄養(多様な餌)と清水(週1/3換水)が美しい発色の基盤になります。
アブラボテの飼育に必要な設備

水槽サイズの選び方
アブラボテは体長5〜8cmの中型タナゴですが、活発に泳ぎ回るため最低60cm規格水槽(60×30×36cm)を推奨します。繁殖を目指す場合や複数飼育では90cm以上があると安心です。
| 水槽サイズ | 飼育目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 45cm水槽 | 1〜2匹(単独飼育向け) | 繁殖は困難 |
| 60cm水槽 | 3〜5匹 | 最低ライン・繁殖可能 |
| 90cm水槽 | 8〜12匹 | 二枚貝飼育・本格繁殖に最適 |
| 120cm以上 | 15匹〜 | 自然環境に近い群泳が楽しめる |
フィルターの選び方
アブラボテは清澄な水を好むため、ろ過能力が高いフィルターが必要です。おすすめは外部フィルター(エーハイムクラシックなど)で、水流を適度に絞りながら高いろ過能力を発揮できます。
投げ込み式フィルター(水作エイトコアなど)も、サブフィルターとして組み合わせるとろ過能力が上がり水質が安定します。特に繁殖水槽では二枚貝の飼育も必要になるため、水質安定は最重要課題です。
底砂の選び方
アブラボテの自然環境は泥底〜砂泥底のため、飼育水槽では細かい砂底(田砂・川砂など)が最もおすすめです。底砂選びのポイントは以下の通りです。
- 田砂・川砂(細粒): 自然に近い環境を再現でき、繁殖用二枚貝も安定して置ける
- 大磯砂(中粒): 管理しやすいが、やや硬水化するので水質調整が必要な場合も
- ソイル: 弱酸性に傾くため、アブラボテにはやや酸性になりすぎる場合あり
水草・レイアウトのコツ
アブラボテは水草の陰に隠れる習性があるため、水草をある程度茂らせたレイアウトが向いています。おすすめの水草は以下の通りです。
- マツモ・アナカリス(アオミドロ対策にも効果的。日本産淡水魚水槽の定番)
- カボンバ(柔らかい水流を好む場所に植える)
- バリスネリア(タナゴが好む細葉の水草。繁殖行動を促す効果も)
- ウィローモス(流木・石に活着。稚魚の隠れ家にもなる)
レイアウトには石・流木を配置して隠れ場所を作ると、魚が安心して発色も良くなります。二枚貝を導入する場合は、貝が半分以上埋まれる程度の底砂の厚さ(5〜7cm程度)を確保してください。
照明・ヒーターについて
アブラボテは温帯の日本産淡水魚なので、夏の高温(28℃超)には弱いですが、冬(10℃程度)は問題なく越冬できます。
- 照明: LED照明で1日8〜10時間点灯。強すぎると藻類が繁殖するので注意
- ヒーター: 冬も10℃以上を維持できる室内なら基本不要。15℃以下になる場合はヒーターを使用し18℃程度に設定
- 冷却ファン: 夏の水温上昇対策として扇風機型クーラーを使用。28℃超は危険
必要機材まとめ(60cm水槽・3〜5匹飼育の場合)
・外部フィルター(エーハイム 2213など)
・田砂または川砂(5〜7cm敷き詰め)
・水温計(デジタル式がおすすめ)
・LEDライト(6,000〜7,000K白色)
・水草(マツモ・アナカリスを適宜)
・石または流木(隠れ家用)
・水質検査キット(pH・アンモニア・亜硝酸チェック用)
水質・水温の管理方法

適正水温
アブラボテの適正水温は10〜25℃で、最適水温は15〜22℃です。この温帯域の魚にとって、夏の高水温(28℃超)は危険域に入るため注意が必要です。
| 水温 | 状態 |
|---|---|
| 10〜15℃ | 活動が鈍り食欲低下。越冬モードに移行 |
| 15〜22℃ | 最適水温。活発に泳ぎ食欲旺盛、発色も良い |
| 22〜26℃ | やや高め。問題なく飼育可能だが夏は注意 |
| 27〜28℃ | 危険水温に近い。要冷却対策 |
| 28℃超 | 危険。酸欠・体調不良のリスク大 |
pH・硬度の管理
アブラボテは弱酸性〜中性の水を好みます。日本の水道水はほぼこの範囲に入るため、カルキ抜きさえすれば特別な水質調整は不要なことがほとんどです。
| 水質パラメータ | 推奨値 | 備考 |
|---|---|---|
| pH | 6.5〜7.5(中性付近) | 7.0前後が最適 |
| 総硬度(GH) | 4〜10°dH(軟水〜中硬水) | 二枚貝飼育時は少し硬めが良い |
| アンモニア(NH3) | 0 mg/L | 検出されたら即換水 |
| 亜硝酸(NO2) | 0 mg/L | 立ち上げ直後に注意 |
| 硝酸(NO3) | 50 mg/L以下 | 100超えたら換水 |
水質チェックには定期的に試験紙を使いましょう。テトラ テスト 6in1は1枚でpH・亜硝酸・硝酸・GH・KH・塩素を一度に測れる優れものです。
水換え頻度・方法
アブラボテは清澄な水を好むため、水換えは週1回・全水量の1/3程度を基本とします。水換えの際は以下のポイントを守ってください。
- 水温を合わせる: 新しい水は水槽と±2℃以内に調整
- カルキ抜きは必須: 塩素は魚のエラを傷める。液体中和剤を使用
- 底砂の汚れも吸い取る: ホースで底砂の糞・残餌を同時に除去
- 一気に換えすぎない: 50%以上の換水は水質が急変して危険
アブラボテの餌の与え方

おすすめの餌
アブラボテは自然界では付着藻類・植物プランクトン・動物プランクトン・水生昆虫などを食べる雑食性(植物性寄り)の魚です。飼育下では以下の餌を組み合わせると栄養バランスよく育てられます。
- 川魚専用の配合飼料: タナゴ・フナ用に設計された人工飼料。植物性成分が豊富で最適
- 冷凍アカムシ: 動物性タンパク質を補給。週2〜3回のおやつとして最適
- 乾燥ミジンコ・乾燥アカムシ: 手軽に栄養補給。鮮度が大切なので少量ずつ
- ほうれん草(茹でて細かく刻んだもの): 植物性の補足として時々与えると体色が良くなる
餌の量と給餌頻度
給餌の基本は1日2回(朝・夕)、3〜5分で食べ切る量です。食べ残しは水質悪化の原因になるため、食べ切れなかった場合はスポイトで取り除いてください。
| 状況 | 給餌方法 |
|---|---|
| 通常飼育 | 1日2回(朝・夕)・少量ずつ |
| 繁殖前(春) | 栄養強化のため冷凍アカムシを週3回追加 |
| 夏の高水温期 | 食欲が落ちる場合は1日1回に減らす |
| 冬(15℃以下) | 代謝が低下するので給餌を半分以下に |
| 旅行・不在時 | 3日程度なら絶食でも問題なし |
生き餌・冷凍餌について
アブラボテは生き餌にも反応しますが、専門的に生き餌を用意する必要はありません。冷凍アカムシや乾燥ミジンコで十分です。ただし、以下のような生き餌は体色向上・繁殖促進に非常に効果的です。
- 冷凍アカムシ(ユスリカの幼虫): 嗜好性が高く食欲を刺激。体色向上に効果的
- 冷凍ミジンコ: 植物食性成分も含む万能の補助食
- 生きたミジンコ: 稚魚の初期飼料として最適。繁殖時には必須
混泳について

混泳OKな魚種
アブラボテはタナゴ類の中では比較的温和な性格ですが、繁殖期には縄張り意識が強くなります。以下の魚種との混泳は比較的うまくいきやすいです。
| 魚種 | 相性 | コメント |
|---|---|---|
| ヤリタナゴ | ◎良好 | 同じタナゴ亜科。体格も近く共存しやすい |
| タイリクバラタナゴ | ○可 | 数を多めにして縄張り分散させると◎ |
| ゼニタナゴ | ○可 | 温和な種。水質要求も似ている |
| ドジョウ | ◎良好 | 底面を泳ぐ。水質管理の指標になる |
| モツゴ(クチボソ) | ○可 | 温和で中層を泳ぐ。相性良好 |
| タモロコ | ○可 | 穏やかな性格で問題なし |
| ミナミヌマエビ | △注意 | エビが食べられる場合あり。隠れ家が必要 |
| ヒメタニシ | ◎良好 | コケ対策になり水質向上にも貢献 |
混泳NGな魚種
以下の魚種との混泳はトラブルが起きやすいため避けてください。
- カネヒラ(同じタナゴ亜科・大型種): 体格差があり、アブラボテが攻撃されやすい。また貝を奪い合う
- 大型のコイ・フナ: アブラボテを食べてしまう危険性あり
- ブルーギル・オオクチバス: 外来捕食者。完全NG(法律上も問題あり)
- カムルチー(雷魚): 捕食者。論外
- アフリカンシクリッド等の攻撃性の強い熱帯魚: 水温・pH域も異なり混泳不可
混泳のコツ
混泳を成功させるためのポイントは以下の3点です。
- 水槽を十分に広くする: 60cm以上。できれば90cmで縄張りを分散させる
- 隠れ家(石・水草)を豊富に用意する: 弱い個体が逃げられる場所を確保
- 繁殖期(4〜6月)は注意深く観察する: オスの縄張り争いが激化する時期。必要なら隔離も検討
アブラボテの繁殖方法(二枚貝産卵)

繁殖の基礎知識:なぜ二枚貝が必要なのか
アブラボテをはじめタナゴ亜科の魚たちは、二枚貝の体内(出水管)に産卵するという世界的にも珍しい繁殖戦略を持っています。卵は貝の体内で保護され、孵化した稚魚も一定期間貝の中に留まります。
この共生関係は非常に精巧で、タナゴの産卵管の長さ・形状と二枚貝の種類にはある程度の対応関係があります。アブラボテには以下の二枚貝が使われることが多いです。
- イシガイ(Unio douglasiae): 最も入手しやすい。産卵成功率も高い
- マツカサガイ(Pronodularia japanensis): アブラボテの自然域に多い種
- ドブガイ(Sinanodonta woodiana): 大型で丈夫。入手しやすいが外来種に注意
雌雄の見分け方
繁殖を成功させるにはオスとメスを確実に揃えることが第一歩です。繁殖期以外は判別が難しい場合がありますが、以下のポイントで見分けられます。
- 産卵管(メスのみ): 繁殖期に肛門付近から長い管が伸びる。これがあれば確実にメス
- 体色: 繁殖期のオスは腹部が橙〜赤色に発色。メスは地味なまま
- 追い星: 繁殖期のオスは吻(口先)周辺に白い突起(追い星)が出る
- 体型: メスは抱卵で腹部がふっくらする
繁殖条件と産卵の流れ
繁殖の適期は春〜初夏(4〜6月)、水温は18〜22℃が目安です。繁殖させるためには以下の環境が必要です。
- 二枚貝を水槽内に配置する: 貝が半分以上埋まる程度の砂底(5cm以上)に設置
- 春の水温変化を再現する: 冬は15℃程度にして、春に徐々に水温を18〜22℃に上げる
- 栄養をつける: 産卵前の2〜3週間、冷凍アカムシなどを多めに与える
- ペア(最低1組)を確保する: オス1〜2匹・メス1〜2匹が基本
産卵はオスが二枚貝の周囲でメスを誘い、メスが産卵管を使って貝の出水管に卵を産み込む形で行われます。1回の産卵で10〜40粒程度を産みます。
孵化〜稚魚の育て方
産卵後、約2〜4週間で稚魚が貝から出てきます(水温によって変動)。出てきたばかりの稚魚は非常に小さい(3〜5mm程度)ため、以下の点に注意して育てましょう。
- 初期飼料: 生きたミジンコ・インフゾリア(ゾウリムシ)が最適。市販の稚魚用パウダーフードも可
- 隔離: 稚魚は親魚や他の魚に食べられる危険があるため、別水槽または隔離ケースで育てる
- 水流に注意: 稚魚は非常に小さく、強い水流に流されるため、スポンジフィルター使用を推奨
- 成長速度: 約3〜4ヶ月で2cm程度、1年で親と同程度の大きさに成長
二枚貝の管理ポイント
二枚貝は水質浄化にも役立ちますが、死亡すると水質が急激に悪化します。週1回は貝の様子をチェックし、殻が開いたまま閉じない・動かないものは即撤去してください。貝の餌として植物プランクトン(グリーンウォーター)を定期的に与えると長生きします。
かかりやすい病気と対処法

白点病(イクチオフティリウス症)
アブラボテに最もよく見られる病気です。体表に白い小さな点(1mm以下)が現れ、患部を底砂や水草に擦り付ける行動が見られます。
- 原因: 寄生虫(イクチオフティリウス)。水温の急変やストレスで免疫が下がったときに発症しやすい
- 対処: 水温を28℃に上げて寄生虫を弱らせる + 「ヒコサンZ」「グリーンFリキッド」等で薬浴
- 予防: 水温の急変を避ける。新しい魚を入れる前にトリートメント(別水槽で2週間管理)を実施
尾ぐされ病(カラムナリス症)
ヒレの先端が白濁し、溶けるように欠けていく病気です。進行が早いため早期発見・早期治療が重要です。
- 原因: カラムナリス菌(細菌性)。水質悪化・過密飼育・外傷から感染
- 対処: 「グリーンFゴールド顆粒」「エルバージュエース」などの抗菌薬で薬浴
- 予防: 定期的な換水で水質維持。過密飼育を避ける
その他の主な病気
| 病気名 | 症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 松かさ病 | うろこが逆立つ(松ぼっくり状) | グリーンFゴールドリキッドで薬浴。治療困難 |
| 水カビ病 | 体表に白い綿状のカビ | グリーンFで薬浴。水温上げて免疫力回復 |
| エロモナス病 | 腹水・立鱗・潰瘍 | パラザンD(エロモナス対応薬)で早期治療 |
| ネオン病(プレコ病) | 体色が白く褪色する | 有効な薬剤が少ない。隔離して様子観察 |
飼育のよくある失敗と対策
初心者がやりがちなミス10選
- 水槽が小さすぎる: 45cm以下では狭く、ストレスで体色が出ない。60cm以上を用意する
- 水合わせが雑: いきなり水槽に放流すると水温・pH差でショック死。30分〜1時間かけてゆっくり水合わせを
- 立ち上げ直後に放流: フィルターのバクテリアが定着していない水槽はアンモニアが急上昇。2〜3週間の空回しが必要
- 夏の水温管理を怠る: 30℃超えで急死する場合あり。冷却ファンまたはクーラーは必須投資
- 給餌の量が多すぎる: 食べ残しが腐って水質悪化→白点病・尾ぐされ病の原因に
- カネヒラとの混泳: カネヒラは体が大きく気が強い。アブラボテが攻撃される
- 二枚貝が死んでいることに気づかない: 死んだ貝をそのままにすると水質が急悪化。毎週チェックを
- 稚魚が親に食べられる: 産まれた稚魚は即隔離しないと翌朝には消えている
- トリートメントなしで混泳させる: 新魚から白点病が蔓延するリスク。最低2週間の別水槽管理を
- 水草を入れずに飼育する: 隠れ場所がないとストレス過多。体色も出ない
長期飼育(5年以上)のコツ
アブラボテの寿命は飼育下で5〜7年といわれています。長期飼育を実現するためのポイントをまとめます。
- 換水の継続: 週1回1/3換水を怠らない。これだけで多くのトラブルが予防できる
- 過密飼育を避ける: 魚が増えすぎたら譲渡・返却を検討する
- 季節変化を再現する: 冬は水温を下げて代謝を落とす(自然な老化防止)
- フィルター清掃は丁寧に: 月1回程度、フィルターのスポンジを飼育水(水道水NG)で軽くすすぐ
- 照明時間を管理する: 1日8〜10時間を守り、光合成サイクルを安定させる
よくある質問(FAQ)

Q, アブラボテはどこで入手できますか?
A, 専門のアクアリウムショップや日本産淡水魚を扱うネット通販で購入できます。野外採集する場合は、採集が許可されている地域かどうか事前に確認してください。価格は1匹500〜1,500円程度が目安です。
Q, 一人で始められますか? 飼育は難しいですか?
A, 基本的な水槽セットと適正水温管理ができれば初心者でも飼育できます。難しいのは夏の水温管理と二枚貝を使った繁殖ですが、繁殖しなくても十分楽しめます。まずは60cm水槽で3匹から始めてみてください。
Q, アブラボテとカネヒラ・ヤリタナゴの違いは何ですか?
A, 3種ともタナゴ亜科ですが、体のサイズ・婚姻色・生息域が異なります。カネヒラは体が大きく(8〜12cm)婚姻色が特に鮮やか。ヤリタナゴは体が細長く槍のような形。アブラボテは中間的なサイズで、体側の青緑縦帯が特徴です。
Q, 二枚貝なしで繁殖できますか?
A, 自然界に近い形での繁殖は二枚貝が必須です。飼育下で代用品(人工産卵用パイプなど)を試す方もいますが、成功率は非常に低いです。本格的に繁殖を目指すなら二枚貝の入手と管理が必要になります。
Q, 婚姻色はいつ頃出ますか? きれいに発色させるコツは?
A, 婚姻色は春〜初夏(4〜6月)に最も鮮明になります。発色をよくするためには、適正水温の維持・多様な餌(冷凍アカムシ含む)・十分な水量(60cm以上)・水質の清潔さが重要です。ストレスが少ない環境ほど発色がよくなります。
Q, ヒーターは必要ですか?
A, 室内飼育で冬でも10℃以上を保てる環境なら不要です。ただし、夜間に急冷する場所や10℃以下になる場合はヒーターを使用して最低水温を15℃程度に保つと安心です。
Q, 水草は何がおすすめですか?
A, マツモ・アナカリスが最もコスパが高く、日本産淡水魚との相性も抜群です。バリスネリアやカボンバも相性良し。管理が楽で水質浄化にも役立つのでぜひ入れてください。
Q, アブラボテはどのくらい大きくなりますか?
A, 成魚で5〜8cmが標準サイズです。飼育環境が良く、栄養が十分であれば最大8cmに達することもあります。1年で5cm程度まで成長し、その後はゆっくり大きくなります。
Q, 採集した個体を飼育しても良いですか?
A, 採集した場所・地域の規則を必ず確認してください。都道府県によっては採集・飼育が禁止または制限されている場合があります。また、アブラボテは環境省レッドリスト(準絶滅危惧)に指定されているため、個体数を減らさないよう配慮が必要です。
Q, 混泳水槽で貝が死ぬことが多いのですが…
A, 二枚貝は水質悪化・高水温・栄養不足で死にやすいです。①週1回の換水で水質維持、②夏は25℃以下を保つ、③グリーンウォーターまたは植物プランクトン系の液体フードを週1〜2回与える、の3点を実践してください。
Q, アブラボテが底に沈んで動かないのですが大丈夫ですか?
A, 冬の低水温期(15℃以下)は自然な行動として活動が著しく低下します。問題は水温が適切(15〜22℃)なのに動かない場合で、これは病気のサインの可能性があります。体表・ヒレの異常、食欲の有無を確認して、異常があれば隔離・薬浴を検討してください。
Q, オス同士が激しく争っています。どうすれば良いですか?
A, 繁殖期のオス同士の縄張り争いは自然な行動ですが、弱い個体が傷ついている場合は隔離が必要です。対策として①水槽を大きくして縄張りを分散させる、②水草・石で視覚的な仕切りを作る、③メスの数を増やして競争圧を分散させる、が有効です。
まとめ:アブラボテは西日本の宝石
アブラボテは日本の西日本に生きる、知る人ぞ知る美魚です。普段は青緑の縦帯がシックに輝き、春になれば橙〜赤の婚姻色が咲き乱れる——そのギャップに毎年感動させられます。
飼育は難しくなく、60cm水槽・外部フィルター・細かい底砂を用意して水質と水温を守れば、初心者でも十分楽しめます。繁殖を目指すなら二枚貝の入手・管理が必要になりますが、稚魚が貝から出てくる瞬間は一生忘れられない感動があります。
アブラボテはまた、環境省のレッドリストに掲載された準絶滅危惧種でもあります。飼育を通じて日本の淡水生態系への関心が高まり、身近な自然を守ることへのきっかけになれば——それが「日淡といっしょ」の願いでもあります。
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日本産淡水魚の飼育についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてどうぞ。
- → ヤリタナゴの飼育方法完全ガイド
- → 日本産淡水魚水槽の立ち上げ方
- → 二枚貝(イシガイ・ドブガイ)の飼育・管理方法








