ミニマムな世界へようこそ!
画像引用元:チャーム楽天市場店様
小さい物に対して「ミニ」とか「プチ」という言葉を使う事がありますが、
今回ご紹介する「ゴマハゼ」にもピッタリな言葉だと思います。
ゴマハゼは汽水に住む、とても小さなハゼの仲間で、時々ペットとして入荷する事があります。
その体の小ささは、自然下では目をよく凝らさないと中々見つけられない程です。
しかし、その仕草や表情はとても可愛らしく、水槽内で泳ぐ姿は見ていて飽きません。
ゴマハゼとは?
画像引用元:チャーム楽天市場店
ゴマハゼは全長1.6〜1.8cmという、2cmにも満たないとても小さなハゼの仲間です。
その体色は白っぽい半透明な体に、名前の通りの黒ゴマ模様が散りばめられています。
背ビレの前半は黒く、後半部分に黄色が入り可憐な印象を与えます。
寿命は一年程とされていて、貝殻の隙間等に入って産卵するといわれています。
生息場所は?
河口域や内湾等の汽水域に多数の群れを作って生息しています。
日本では和歌山〜宮崎県の太平洋側や愛媛、対馬等にも生息しています。
餌は何を食べるの?
とても小さなゴマハゼは、小さな動物性プランクトンを食べています。
そのため、飼育下では冷凍飼料であるブラインシュリンプのベビーやコペポーダを与えます。
このようなゴマハゼの特徴から見えてくる飼育のポイントは…
- 餌は細かく、小さい物を与える事
- 水流は弱めにする事
- 体が小さいので、ストレーナースポンジを使う事
- 網は使わない事
以上が飼育の大きなポイントです。
ゴマハゼの飼育方法
水槽、水質、水温について
水槽は小型水槽でも充分に飼育できます。市販の小型水槽のセットがオススメです。
水質は弱アルカリ性を好んでいます。人工海水の素を使って飼育水である汽水を作ります。
水温は20〜26℃が適しています。
水温が急変しないように、ヒーターを使って温度を一定に保ってあげましょう。
ゴマハゼ導入(水合わせ)について
ゴマハゼは体が小さい分、ちょっとした変化や衝撃が大ダメージになってしまいます。
そのため、水合わせは時間をかけてゆっくりと行います。
水槽に移す際も、網で掬ってしまうと体が網の繊維で擦れてケガをしてしまうため、
底砂について
川砂や砂利も使う事ができますが、アルカリ性に傾ける作用があるサンゴ砂がオススメです。
水槽のレイアウトについて
汽水では水草は殆ど育たないため、石や貝殻、サンゴの骨格を使ったレイアウトが主流です。
フィルターについて
ゴマハゼがフィルターに吸い込まれる可能性があるため、外掛け式フィルターにストレーナースポンジを着けた物や吸い込まれる心配がない底面フィルターがオススメです。
調整弁を利用して水流を弱くする事も重要です。
パワーフィルターや投げ込み式フィルターの場合は、
エアポンプに調整弁をつけたり、調整つまみで水流を弱くする事で吸い込む力も弱める事ができます。
どうして水流を弱めるの?
流れの弱いところに生息するゴマハゼは体力がなく、強い水流に抗う事ができません。
流れに負けて体力を消耗し続けて死んでしまいます。
水換え、掃除について
汚れ具合によりますが、週に一回、1/3〜1/2の量の水を換えます。
水道水は必ずカルキ抜きをしてから使ってください。
ゴマハゼを吸い込んだり、水流に巻き込まないようにゆっくりと水換えをします。
ガラス面についた汚れはスポンジで擦り落とします。
餌の与え方について
冷凍ブラインシュリンプベビーやコペポーダを飼育水で解凍し、スポイトで取り、水流に乗せて与えます。
近くで吹きかけても食べる個体はいますが、大体ビックリして逃げてしまうため注意が必要です。
ブラインシュリンプについては詳しくはこちらの記事で解説しております。
汽水の小型水槽レイアウトにオススメのアイテム
フジツボの骨格
一つ入れるだけで磯や海岸の雰囲気を出してくれるアイテムで、サンゴとはまた違った楽しみ方ができます。
ミニテトラポット
ペットショップでたまに取り扱っている素焼きの小さなテトラポットです。
ある程度の個数をまとめてレイアウトすると、内湾や漁港のような、一味違った雰囲気になります。
まとめ
ゴマハゼはとても小さいため、導入時や餌等に気を使いますが、
そこさえクリアできれば愛らしい姿を楽しむ事ができます。
一生懸命餌をパクパク食べる姿や、ピョコピョコと中層を泳いだり、
レイアウトのアイテムで遊ぶ姿は、まさに癒しの一時になるでしょう。
実は自然下では環境悪化等で絶滅危惧種に指定されている種類もいるゴマハゼ。