私がニホンウナギを初めて飼い始めたのは、川遊びで偶然捕まえた1匹がきっかけでした。細長い体でするりと手をすり抜け、バケツの隙間から脱走しかけた瞬間、「これは普通の魚じゃない…」と直感したのを今でも覚えています。
ニホンウナギ(Anguilla japonica)は、日本を代表する淡水魚のひとつ。鰻丼でおなじみの「うなぎ」そのものです。ところが飼育という視点から見ると、非常に奥深い魚でもあります。一度懐いたら30年以上生き続け、手から餌を食べてくれるほど人に慣れるのです。長い付き合いになるからこそ、正しい知識を持って飼育してほしいと思い、この記事を書きました。
現在、ニホンウナギは絶滅危惧IB類(環境省レッドリスト)に指定されており、個体数の急激な減少が問題になっています。飼育する際は命の重みを理解し、最後まで責任を持って世話をすることが大切です。
- ニホンウナギの基本情報(学名・分類・生態・絶滅危惧の背景)
- 飼育に必要な水槽サイズとセットアップの方法
- 適切な水質・水温の管理方法
- 餌の種類と餌付けのコツ(人工飼料への移行方法)
- 脱走対策の重要性と具体的な方法
- 混泳できる魚種・できない魚種の見極め方
- 繁殖の基礎知識(降河回遊・自然界での産卵)
- かかりやすい病気と対処法一覧
- 長期飼育(30年)を実現するための管理術
- よくある疑問・失敗をQ&A形式で解説

ニホンウナギの基本情報
分類・学名・分布
ニホンウナギは分類上、ウナギ目(Anguilliformes)・ウナギ科(Anguillidae)・ウナギ属(Anguilla)に属する魚です。学名はAnguilla japonica(アングィラ・ヤポニカ)。「ヤポニカ」はもちろん日本を意味しており、日本を代表する淡水魚のひとつです。
分布域は広く、日本(北海道南部〜九州・沖縄)・朝鮮半島・台湾・中国沿岸に生息します。国内では北は北海道南部から南は九州・奄美大島に至るまで、流れのある河川や湖沼に広く見られます。
かつては「ウナギのいる川は豊かな川」と言われるほど各地の河川に生息していましたが、近年は個体数が激減。環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)に指定されており、このまま減少が続けば近い将来に絶滅する危険性が非常に高いとされています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Anguilla japonica(Temminck & Schlegel, 1846) |
| 分類 | 条鰭綱 ウナギ目 ウナギ科 ウナギ属 |
| 英名 | Japanese eel |
| 分布 | 日本全国(北海道南部〜九州・沖縄)・朝鮮半島・台湾・中国 |
| 保全状況 | 絶滅危惧IB類(EN)環境省レッドリスト2013 |
| 産卵場所 | マリアナ海溝西方の太平洋(推定深海域) |
体の特徴・大きさ
ニホンウナギの体型は「ウナギ型」と呼ばれる細長い円筒形。鱗は非常に小さく皮膚に埋もれており、触れるとぬめりがあります。このぬめりは粘液によるもので、乾燥から体を守るとともに、岩の隙間や泥の中を動きやすくする役割があります。
- 体長:天然個体で30〜100cm程度。飼育下では60〜80cmになることも珍しくありません
- 体重:大型個体では1〜2kgに達することも
- 体色:背面は黒褐色〜緑褐色、腹面は白〜黄白色。「銀ウナギ」(産卵前)は腹部が銀白色に変化する
- 歯:細かい歯が多数あり、小魚やエビを捕食するのに適した口の構造
- 背鰭・臀鰭:尾部まで続く長い連続した鰭。これがウナギ独特の泳ぎを可能にしている
生活史・回遊について(降河回遊)
ニホンウナギの生活史は、世界の淡水魚の中でもとりわけ謎に満ちていました。産卵場所が長らく不明で、2009年に東京大学の研究チームがマリアナ海溝西方の海域で産卵場所を特定したことが大きなニュースになりました。
生活史の流れは以下のとおりです:
- 産卵:マリアナ海溝付近の深海で産卵(秋〜冬)
- レプトケファルス幼生:葉のように平たい幼生として、黒潮に乗り東アジアの沿岸へ(数ヶ月〜1年)
- シラスウナギ:沿岸に到達後、体が細長い透明な「シラスウナギ」に変態。川を遡上し始める
- 黄ウナギ:河川・湖沼で5〜15年成長。この段階を「黄ウナギ」と呼ぶ(飼育されるのはこの段階)
- 銀ウナギ:成熟すると体色が変化(腹部が銀白色に)。秋〜冬に産卵のため海へ降河する
- 降河・産卵・死:故郷のマリアナ海域へ戻り産卵。産卵後は死亡する
この一生をかけた大回遊こそが、ニホンウナギを飼育下で繁殖させることが非常に難しい理由です。飼育下では銀ウナギになった後の産卵が現実的に不可能なため、繁殖させることができません。
性格・行動パターン
ニホンウナギは夜行性で、昼間は土管・流木の陰・砂の中などに潜って静止していることがほとんどです。日が沈む頃から活発になり、水槽内をうねうねと動き回ります。
性格は基本的に臆病で神経質。最初は餌を食べないことも多く、人間の存在を怖がります。しかし毎日同じ時間に同じように世話をすることで徐々に慣れていき、飼育者の顔を認識して近寄ってくるようになります。完全に慣れた個体は手から直接餌を食べることもあります。
ニホンウナギの基本飼育データ
| 項目 | 推奨値 |
|---|---|
| 体長(成体) | 60〜100cm(飼育下平均60〜80cm) |
| 寿命 | 飼育下で20〜30年以上 |
| 水温 | 15〜28℃(適温20〜26℃) |
| pH | 6.5〜7.5 |
| 水槽サイズ | 90cm〜120cm(幅)推奨 |
| 活動時間 | 夜行性(夕方〜夜間) |
| 食性 | 肉食性(小魚・エビ・ミミズ・人工飼料) |

ニホンウナギを入手する方法
ニホンウナギを飼育するには、まず個体を入手する必要があります。購入・採集それぞれの方法と注意点を解説します。
ショップで購入する
アクアリウム専門店や通販サイトで購入するのが最も一般的で安全な方法です。
- アクアリウム専門店:実際に状態を見て購入できる。元気な個体を直接選べる点が最大のメリット
- 通販(チャームなど):専門店が近くにない場合に便利。梱包・輸送も専門業者なので安心
- 熱帯魚ショップ:日本産淡水魚を扱う店舗では販売していることがある
購入時に確認すべきポイント:
- 体表に傷や白いカビ状のものがないか
- 動きが活発で力強いか(ぐったりしている個体は避ける)
- 水槽の水が清潔か(濁っていたり臭いが強い水槽の個体は要注意)
- 餌を食べているか店員に確認する
価格は体長によって異なりますが、20〜30cm程度の若魚が2,000〜4,000円程度が相場です。大型個体(50cm以上)は希少なため、5,000〜10,000円以上になることもあります。
天然採集する場合の注意事項
河川・湖沼でウナギを採集する場合、必ず事前に確認が必要な法律・規制があります。
採集前に必ず確認を:多くの河川・湖沼では漁業権が設定されており、ウナギの無断採集は漁業法違反になります。採集予定地域の都道府県漁業調整規則・内水面漁業組合への確認が必須です。無許可での採集は罰則の対象になります。
採集が許可されている地域での主な捕獲方法:
- 筒漁(うなぎ筒):竹筒や塩ビパイプを川底に沈めておき、入ったウナギを取り出す伝統的な方法
- 夜釣り(ウナギ釣り):夜間にミミズやアオイソメを餌にした延縄・置き釣りで釣る
- タモ網:石の下や護岸の隙間に潜んでいる個体を夜間に探してすくう
採集個体は病原菌や寄生虫を持っている可能性があるため、飼育水槽に入れる前に2週間程度の別水槽でのトリートメント(様子見・塩浴)を行うことを強くおすすめします。
養殖個体と天然個体の違い
| 項目 | 養殖個体 | 天然個体 |
|---|---|---|
| 人工飼料への慣れ | すでに慣れている場合が多い | 最初は食べないことも |
| 病気・寄生虫リスク | 比較的低い | 高め(トリートメント必須) |
| 価格 | 比較的安定 | サイズ次第で変動大 |
| 人への慣れ | 慣れやすい傾向 | 最初は非常に臆病 |
| 飼育難易度 | 比較的容易 | やや難しい(特に最初) |
飼育に必要な環境・水槽セットアップ
ウナギは大型魚です。小さな水槽に入れると成長に伴い窮屈になり、ストレスから体調を崩すことがあります。最初から十分な大きさの水槽を用意することが長期飼育の第一歩です。
水槽サイズの選び方
ニホンウナギの飼育には、幅90cm以上の水槽が理想です。成体が60〜80cmになることを考えると、体長の1.5倍以上の幅が必要です。
- 幼魚期(30cm以下):60cm水槽でも可。ただし成長に伴い早期に移行が必要
- 若魚期(30〜50cm):90cm水槽が必須
- 成魚(50cm以上):120cm水槽が理想。少なくとも90cm以上は確保したい
水深は30〜40cm程度で十分です。ウナギは底に潜む魚なので、横幅と底面積を重視してください。
フィルター選び
ウナギは大型肉食魚のため、排泄物の量が多く水を汚しやすいです。そのため、濾過能力の高いフィルターが必須となります。
おすすめのフィルター種類:
- 上部フィルター:最も一般的。メンテナンスが容易で濾過能力も高い。ウナギ飼育には最適の選択肢
- 外部フィルター:濾過能力が非常に高い。ただし蓋を外してメンテする際の作業性が若干劣る
- 投げ込みフィルター(底面エアレーション):補助的に使用する。エアレーション兼用で使いやすい
特に90cm〜120cm水槽では、上部フィルター+投げ込みフィルターの組み合わせが安定しています。水流が強すぎるとウナギにとってストレスになる場合があるため、排水口の向きを調整して流れを緩やかにしてあげましょう。
底砂の選び方
ウナギは砂や泥に潜る習性があります。底砂を入れてあげると、昼間は砂に潜って休む自然な姿を観察できます。
- 大磯砂(細目):使いやすく管理も楽。ウナギが潜りやすい粒径
- 川砂:より自然な環境を再現できる。ウナギの本来の生息域に近い
- 田砂:粒が細かくウナギが潜りやすい。定番の選択
底砂の厚さは5〜8cm程度が理想です。ウナギが体の半分以上を埋めて休めるくらいの深さがあると喜びます。ベアタンク(底砂なし)でも飼育は可能ですが、ストレスを軽減するためにも底砂の設置を推奨します。
隠れ家の重要性
ウナギは昼間に隠れる場所が必ず必要です。適切な隠れ家がないと、ずっと泳ぎ回ってストレスになり、食欲不振や体調不良につながります。
おすすめの隠れ家:
- 塩ビパイプ(内径7〜10cm):最も手軽で安価。ホームセンターで購入可能。長さ40〜60cmに切って使う
- 土管(テラコッタ):観賞性が高い。メダカ用の土管を大きなサイズで使う
- 流木:自然な見た目。ただし隙間の大きさを確認して脱走経路にならないように注意
- アクアリウム用ウナギ筒:専用品。ウナギが入りやすい形状に設計されている
水槽セットアップ必要機材一覧
| 機材 | 推奨スペック | 備考 |
|---|---|---|
| 水槽 | 90cm〜120cm | 横幅重視。高さ40cm以上 |
| フィルター | 上部フィルター | 水量の5〜10倍/時の流量 |
| エアポンプ | 水作 水心 SSPP-3S | 投げ込みフィルター兼エアレーション |
| ヒーター | 300W(90cm用) | 水温20℃以上を維持 |
| サーモスタット | 自動温度調節型 | ヒーターとセットで使用 |
| 蓋(ふた) | 隙間なしが必須 | 脱走防止の最重要アイテム |
| 底砂 | 大磯砂または田砂(5〜8cm) | 潜る行動を促す |
| 隠れ家 | 塩ビパイプまたは土管 | 体が入るサイズ確認必須 |
| 水温計 | デジタル水温計 | 毎日確認推奨 |
| 照明 | なし・または弱光 | 夜行性のため強光は不要 |

水質・水温の管理方法
ニホンウナギは日本産淡水魚の中では比較的丈夫な魚ですが、水質の悪化には敏感に反応します。特に大型肉食魚は食べる量も多く、排泄物による水質汚染が進みやすいので、こまめな管理が必要です。
適正水温
ニホンウナギの生息水温は5〜28℃と広いですが、活発に活動し健康に飼育できる適水温は20〜26℃です。
- 20〜26℃:最も活発。食欲旺盛で成長も早い。この範囲を維持するのが理想
- 15〜20℃:やや活動が鈍くなる。食欲が落ちる個体もいる
- 10〜15℃:冬眠モードに近い。ほとんど動かず餌も食べない
- 30℃以上:危険域。溶存酸素量が下がり、ウナギが弱る
冬季はヒーターで20〜23℃を維持することをおすすめします。室内飼育であれば夏場も28℃を超えることは少ないですが、真夏の高温時期は冷却ファンなどの対策を。
pH・硬度・溶存酸素
ニホンウナギが生息する日本の河川・湖沼は、一般的に弱酸性から中性の水質です。飼育水も同様の条件を維持しましょう。
| 水質パラメータ | 理想値 | 許容範囲 |
|---|---|---|
| 水温 | 20〜26℃ | 15〜28℃ |
| pH | 6.8〜7.2 | 6.5〜7.5 |
| 硬度(GH) | 5〜10°dH | 3〜15°dH |
| アンモニア(NH₃) | 0 mg/L | 0.02 mg/L以下 |
| 亜硝酸(NO₂) | 0 mg/L | 0.1 mg/L以下 |
| 硝酸塩(NO₃) | 20 mg/L以下 | 50 mg/L以下 |
| 溶存酸素(DO) | 7 mg/L以上 | 5 mg/L以上 |
水換えの頻度とやり方
水換えは週1回、全水量の1/3程度を目安にしてください。大型肉食魚は水を汚すスピードが速いため、週2回行う飼育者もいます。
水換えの手順:
- カルキ抜きした水を水槽と同じ温度に合わせておく(±2℃以内)
- 水槽の底に溜まった糞・食べ残しをプロホースで吸い出す
- 全水量の1/3を排水する
- 新水をゆっくりと注入する(急激な水温変化に注意)
- ウナギの様子を確認する
注意:水換え時はウナギが興奮して暴れることがあります。蓋を必ず閉めてから作業し、排水ホースや手をかじられないように気をつけてください。ウナギには細かい歯があり、噛まれると傷になることがあります。
バクテリアの定着と水槽の立ち上げ
新しい水槽を立ち上げる際は、有益なバクテリアが繁殖するまでの「水槽の立ち上げ期間」が必要です。この期間(通常2〜4週間)は水質が不安定になりやすく、特にアンモニア・亜硝酸が上昇しやすい状態です。
バクテリアが十分に定着するまでは魚を入れずにフィルターを回し続けるか、バクテリア剤を添加して立ち上げを促進しましょう。急いでウナギを入れてしまうと、アンモニア中毒で弱らせてしまうことがあります。
水槽立ち上げの具体的な手順:
- 水槽を洗剤を使わずに水洗いする(洗剤は残留してウナギに有害)
- 底砂を洗い、5〜8cmの厚さで敷く
- カルキ抜きした水を満水まで入れる
- フィルター・ヒーター・エアレーションをセット・通電する
- 水温を22〜24℃に設定する
- バクテリア剤を規定量添加する
- 2週間〜1ヶ月、魚なしで稼動させる(パイロットフィッシュを使う方法もある)
- 水質テストでアンモニア・亜硝酸がゼロになったことを確認してからウナギを導入する
ウナギを迎える際は、購入したお店の水と水槽の水の水温・水質合わせ(水合わせ)を必ず行いましょう。袋のまま水槽に浮かべて30分〜1時間かけてゆっくり温度を合わせ、その後スポイトで少しずつ水槽の水を袋に入れて水質に慣れさせます。この作業を省くと導入時のショックで弱ることがあります。
季節ごとの水温管理
日本の四季に合わせたウナギの水温管理についてまとめます:
| 季節 | 外気温目安 | 水温管理 | ウナギの状態 |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 10〜20℃ | ヒーター使用(20℃以上を維持) | 徐々に活発化。食欲が戻る |
| 初夏〜夏(6〜8月) | 20〜35℃ | 28℃超えたら冷却ファン検討 | 最も活発。食欲旺盛 |
| 秋(9〜11月) | 15〜25℃ | 水温低下に注意。10月からヒーター待機 | 徐々に食欲低下 |
| 冬(12〜2月) | 5〜15℃ | ヒーターで20℃以上を維持または自然冬眠 | 15℃以下で食欲激減・活動休止 |
室内飼育であれば冬もヒーターで通年20〜24℃を維持することをおすすめします。自然に合わせて冬眠させる場合は、水温を8〜12℃程度で安定させましょう。中途半端な水温(13〜16℃)が最もウナギの体に負担をかけます。

餌の与え方・餌付けのコツ
ニホンウナギは肉食性で、自然界では小魚・エビ・カエル・ミミズ・水生昆虫などを捕食しています。飼育下での餌付けは、慣れるまで時間がかかることが多いです。
おすすめの餌と種類
ニホンウナギの飼育で使う餌は、大きく分けて「生餌」「冷凍餌」「人工飼料」の3種類があります。
1. ミミズ(最もおすすめ)
天然でも最もよく食べる餌です。採集したもの、釣具店で購入したもの、どちらでもOK。ウナギが反応しやすく、食欲の落ちた個体の食欲を刺激するのにも使えます。
2. 冷凍赤虫(アカムシ)
入手しやすく扱いやすい冷凍餌。幼魚期から若魚期は特によく食べます。解凍して与えるだけのシンプルさも魅力です。
3. 人工飼料(配合飼料)
養殖用のウナギ配合飼料や底生魚用ペレットが使えます。慣れた個体はよく食べてくれます。水を汚しにくく、栄養バランスも良いため、人工飼料への移行を目標にしましょう。
餌の量と与える頻度
ウナギの餌の頻度は週2〜3回が適切です。毎日与えると食べ残しが増えて水を汚すことになります。夜行性なので、夕方〜夜間に給餌するとよく食べてくれます。
| 成長段階 | 体長目安 | 給餌頻度 | 1回の量 |
|---|---|---|---|
| 幼魚 | 15〜25cm | 週3〜4回 | ミミズ1〜2本または赤虫少量 |
| 若魚 | 25〜45cm | 週3回 | ミミズ2〜3本または人工飼料少量 |
| 準成魚 | 45〜60cm | 週2〜3回 | ミミズ3〜5本または人工飼料適量 |
| 成魚 | 60cm以上 | 週2回 | ミミズ5〜10本または人工飼料適量 |
人工飼料への餌付け方法
生餌から人工飼料への移行は、ウナギ飼育の大きなテーマです。手順を守れば成功率が上がります:
- 最初の1〜2週間は生餌(ミミズ)だけで慣らす
- 生餌と人工飼料を混ぜて与える期間を設ける(生餌8割→人工飼料2割→徐々に逆転)
- 人工飼料だけを与える日を週1〜2回設ける
- 空腹状態で人工飼料を与えると食べてくれやすい(給餌前日は絶食)
- 人工飼料は水に溶けやすいので、30分後に食べ残しを必ず取り除く
餌付けのポイント:ウナギは嗅覚が発達しているため、においの強い餌に反応しやすいです。匂いが強いミミズや冷凍赤虫を使った後、そのにおいを残したまま人工飼料に移行すると成功しやすいです。

脱走対策:ウナギ飼育最大の難関
ニホンウナギ飼育において、脱走対策は絶対に外せない最重要事項です。ウナギは「隙間があれば必ず逃げる」と断言できるほど脱走能力が高く、毎年多くの飼育者が水槽の外でウナギを発見しています。
⚠️ 重大警告:ウナギは水槽の蓋の隙間から脱走し、床の上で長時間生き続けることができます(皮膚呼吸と粘液のおかげで空気中でも短時間は生存可能)。しかし気づかないと死亡します。蓋の管理は命に関わる問題です。
脱走の仕組みを理解する
ウナギが脱走できる理由は主に以下の特徴によります:
- 細長い体型:体径(直径)が小さければどんな隙間でも通り抜けられる
- 強い筋力:体全体の筋肉を使い、垂直な面も這い上がれる
- 粘液:ぬめりで摩擦が少なく、狭い隙間をするりと抜ける
- 夜行性の行動:人間が寝ている夜間に活動し、静かに脱走する
体長60cmのウナギでも、直径1〜2cm程度の隙間があれば脱走できると言われています。これは想像以上に小さい隙間です。
蓋の作り方・選び方
市販の水槽用蓋は、ほとんどがフィルターの配管や電源コードを通すための切り欠きがあります。この切り欠きがそのままウナギの脱走口になります。
脱走対策の具体的な方法:
- 蓋の切り欠き部分をスポンジで埋める:配管が通るギリギリの大きさにカットしたスポンジを詰める
- 重石を乗せる:蓋の上に重石(石や重いもの)を置いてウナギが押し上げられないようにする
- 自作蓋:塩ビ板またはアクリル板を水槽サイズにカットし、配管穴だけを最小限に開ける。これが最も確実
- 蓋受けのシリコン処理:蓋と水槽フレームの境目をシリコンテープで塞ぐ
| 脱走リスク箇所 | 対策方法 | 難易度 |
|---|---|---|
| 蓋の切り欠き(配管口) | スポンジで充填・自作蓋に変更 | 低 |
| 蓋と水槽の隙間 | 重石を乗せる・シリコンテープで塞ぐ | 低 |
| 水換え中の開放 | 作業中は別容器に移動させる、または短時間で作業完了 | 中 |
| エアチューブの穴 | エアチューブが通る穴も最小限に | 低 |
| 上部フィルターの給排水口 | 細かい網で防護 | 中 |
脱走を発見した場合の対処法
万が一ウナギが脱走して床で発見した場合:
- 素手でつかもうとせず、濡れたタオルで包むようにして持ち上げる(ぬめりで手から落ちることがある)
- 水槽に戻す前に、外傷がないか確認する
- 体が乾燥していた場合は、ゆっくり水に慣らす(いきなり水槽に入れない)
- 水槽に戻した後、数時間は隠れ家に落ち着いているはず。餌は翌日以降に
- 脱走経路を必ず特定して塞ぐ

混泳について
ニホンウナギは基本的に単独飼育が推奨される魚です。夜行性の肉食魚であるため、混泳には慎重に取り組む必要があります。
混泳できる魚種(比較的安全)
| 魚種 | 混泳の可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| コイ(体長30cm以上) | △ 比較的可 | 体が大きければ食べられにくい |
| フナ(体長20cm以上) | △ 比較的可 | ウナギより大きい個体を選ぶ |
| オヤニラミ | △ 要注意 | 縄張り争いに注意。十分な広さが必要 |
| ギギ・ギバチ | △ 条件付き | 棘でウナギが傷つく可能性 |
| メダカ・タナゴ類 | ✕ 不可 | 確実に食べられる |
| エビ・貝類 | ✕ 不可 | ウナギの好物なので100%食べられる |
| 金魚 | ✕ 不可 | 食べられる可能性が高い |
| スッポン | ✕ 不可 | お互いに危険。傷つけ合う |
混泳のコツと注意点
どうしても混泳させたい場合の最低条件:
- 水槽は120cm以上のできる限り広いもの
- 混泳相手はウナギよりも明らかに大きい個体を選ぶ
- 隠れ家をそれぞれに確保する(縄張り争いを緩和)
- 給餌はそれぞれに十分な量を与える(空腹状態での混泳は危険)
- 混泳後は毎日観察し、外傷がないかチェックする
なお、ウナギ同士の複数飼育については、同サイズであれば可能な場合もあります。ただし、餌の食べ方が個体によって差があるため、1匹が太り1匹が痩せるという問題が起きやすいです。十分な大きさの水槽と、個体別の給餌管理ができる場合のみ検討してください。

繁殖について
ニホンウナギの繁殖は、飼育下では事実上不可能です。これはウナギの生活史の特殊性によるもので、産卵のためにはマリアナ海溝付近まで回遊する必要があるからです。
ニホンウナギの繁殖(自然界)
自然界でのニホンウナギの繁殖サイクルは以下のとおりです:
- 成熟年齢:雄5〜12年、雌12〜20年(個体差が大きい)
- 銀ウナギへの変化:成熟すると腹部が銀白色に変化し「銀ウナギ」になる。目が大きくなり、胸鰭が長くなる
- 降河:秋〜冬(10〜12月)に川を下り海へ向かう
- 回遊:約3,000kmを泳いでマリアナ海溝西方の産卵場へ
- 産卵:新月の夜に産卵すると推定(詳細は未解明)
- 死:産卵後に死亡(サケと同様の一回繁殖型)
雌雄の見分け方
飼育下でのニホンウナギの雌雄判別は非常に難しく、外見上の性差はほとんど見られません。一般的に:
- 雌の方が大型になる傾向がある(60〜100cm)
- 雄は比較的小型(40〜60cm止まりの個体が多い)
- 完全な判別は解剖または内視鏡検査が必要
完全養殖の現状
ニホンウナギの完全養殖は、水産総合研究センター(現・水産研究・教育機構)などが長年研究を続けています。2010年に初めて完全養殖(人工的に産卵させ孵化させた稚魚を育てる)に成功しましたが、コスト面で天然シラスウナギの漁獲に比べ大幅に高く、商業化はまだ実現していません。
将来的な完全養殖の普及が、ニホンウナギの個体数回復と食文化の両立につながると期待されています。

かかりやすい病気と対処法
ニホンウナギは丈夫な魚ですが、水質悪化やストレスによって各種の病気にかかることがあります。早期発見・早期対処が回復の鍵です。
水カビ病(サプロレグニア症)
白いワタのようなものが体表に付着する病気。水温低下・水質悪化・外傷から感染することが多いです。
- 症状:白いカビ状の綿が体表・ヒレに付着
- 原因:サプロレグニア属の水生菌。水温が低いと発生しやすい
- 対処法:隔離 → 水温を24〜26℃に上げる → 薬浴(メチレンブルー・グリーンFゴールド)
- 予防:水温管理の徹底・外傷を作らない環境づくり
エロモナス症(穴あき病・松かさ病)
エロモナス菌による細菌感染症。重症化すると治療が難しくなるため、初期対処が重要です。
- 症状:体表に赤い出血斑・潰瘍(穴あき病)、鱗が逆立つ(松かさ病)
- 原因:水質悪化によるエロモナス菌の増殖
- 対処法:薬浴(グリーンFゴールドリキッド・観パラD)。重症例には抗生物質
- 予防:定期的な水換えで水質を清潔に保つ
白点病(イクチオフシリウス症)
体表に白い小さな点が無数に現れる寄生虫性の病気。
- 症状:体表・ヒレに白い砂粒状の点。体をこすり付ける行動
- 原因:繊毛虫イクチオフシリウスの寄生。水温の急変で発生しやすい
- 対処法:水温を28〜30℃に上げる(虫の繁殖を阻害)。薬浴(メチレンブルー)
- 予防:水温の急激な変化を避ける。新しい魚を導入する際はトリートメント
病気一覧と対処薬まとめ
| 病気名 | 主な症状 | 使用する薬 | 回復期間 |
|---|---|---|---|
| 水カビ病 | 白いカビ状の付着物 | メチレンブルー・グリーンFゴールド | 5〜14日 |
| 穴あき病(エロモナス) | 体表の赤い潰瘍・出血 | グリーンFゴールドリキッド・観パラD | 7〜21日 |
| 松かさ病(エロモナス) | 鱗が逆立つ | グリーンFゴールドリキッド | 治癒困難な場合も |
| 白点病 | 白い砂粒状の点 | メチレンブルー・高水温処理 | 5〜10日 |
| ヒレ腐れ病 | ヒレの溶解・欠損 | グリーンFゴールド | 7〜14日 |
| 拒食・食欲不振 | 餌を食べない | 水質改善・餌の変更 | 1〜4週間 |

飼育のよくある失敗と対策
初心者がやりがちなミス10選
ニホンウナギを初めて飼う方が陥りがちな失敗をまとめました。事前に知っておくことで回避できるトラブルばかりです。
-
蓋の隙間を甘く見る
「少しくらいの隙間なら大丈夫」→大丈夫ではありません。1〜2cmの隙間でも脱走します。 -
小さな水槽を選ぶ
「まだ小さいから60cmで…」→半年〜1年で窮屈になります。最初から90cm以上を用意しましょう。 -
水換えをさぼる
「フィルターがあるから大丈夫」→大型肉食魚はフィルターだけでは追いつきません。週1回は水換えを。 -
急激な温度変化
「水換えの水温を合わせなかった」→温度差5℃以上で体調を崩します。必ず温度合わせを。 -
導入直後に無理に餌を与える
「新しい環境に慣れる前に餌を与えた」→拒食が長引きます。最初の1週間は静かに放置が正解。 -
隠れ家を用意しない
「水槽がすっきりした方がいい」→ウナギはストレスで体調を崩します。必ず隠れ家を。 -
混泳相手を軽く考える
「ウナギより大きいから大丈夫」→肉食魚は夜間に突然相手を噛むことがあります。十分注意を。 -
採集個体を大量に入れる
「川で捕まえた魚と一緒に…」→野生魚は寄生虫・菌を持っている可能性が高い。トリートメント必須。 -
水草を入れすぎる
「自然な環境を作りたい」→ウナギの活発な動きで水草は引き抜かれます。底砂や流木中心のレイアウトに。 -
飽きたら川に放流する
「大きくなりすぎたから放流する」→絶対にやめてください。飼育個体の放流は生態系破壊につながります。飼い続けるか、アクアショップへの引き取りを相談してください。
最重要:ウナギを放流してはいけない理由:飼育下のウナギは病原菌・寄生虫を保有している可能性があり、野生個体への感染リスクがあります。また、遺伝子汚染や生態系のバランス崩壊につながります。絶滅危惧種であるニホンウナギを守るためにも、最後まで責任を持って飼育してください。
長期飼育(10年以上)のコツ
ニホンウナギは適切な環境下では30年以上生きる長寿魚です。長期飼育を実現するためのポイントをまとめます:
- 水質の安定が最優先:週1回の水換えを10年・20年続けることが基本
- 餌の多様化:同じ餌ばかりでなく、ミミズ・赤虫・人工飼料をローテーションして栄養バランスを保つ
- ストレスのない環境:水槽の移動や大幅なレイアウト変更はなるべく控える
- 冬季の管理:15℃以下になると食欲が落ちる。ヒーターで20℃以上を維持するか、自然の水温変化に任せて冬眠モードにする(中途半端な水温が一番危険)
- 定期的な健康チェック:体色・体型・食欲に変化がないか毎日確認する習慣を
- 水槽の大型化:成長に合わせて水槽サイズをアップすることを惜しまない
ニホンウナギと絶滅危惧種問題
ニホンウナギが絶滅危惧IB類に指定された背景には、複合的な要因があります。飼育者としてこの状況を正しく理解することは、ウナギと長く付き合ううえでとても大切なことだと思っています。
個体数減少の主な原因:
- シラスウナギの採りすぎ(乱獲):天然のシラスウナギを大量に捕獲し養殖に使用することで、川に遡上する個体数が激減した
- 河川環境の悪化:ダムや堰の建設によって遡上が妨げられ、上流域への分布が減少
- 水質汚染:農薬・生活排水・工業廃水による生息域の汚染
- 気候変動:海流パターンの変化によって幼生の輸送ルートが影響を受けている可能性
- 食文化の需要:年間消費量が多く、天然・養殖あわせて大量のウナギが食べられている
飼育者としてできることは、まず飼育個体を絶対に自然界に放流しないこと。そして、ウナギの現状を周囲の人に伝えること。「うなぎを食べるだけでなく生態を知り大切にする人が増える」ことが、長期的な個体数回復につながると信じています。
フィルターの長期メンテナンス
10年以上の長期飼育では、フィルターのメンテナンスも重要な課題です。ウナギは排泄物が多いため、フィルターが目詰まりすると急激に水質が悪化します。
定期メンテナンスの目安:
| メンテナンス内容 | 頻度 | 注意点 |
|---|---|---|
| ウールマット(物理濾過材)の洗浄または交換 | 月1〜2回 | 飼育水ですすぐ。水道水で洗うとバクテリアが死滅する |
| 生物濾過材(リングろ材等)の洗浄 | 3〜6ヶ月に1回 | 飼育水でやさしくすすぐだけ。絶対にゴシゴシ洗わない |
| 投げ込みフィルターの洗浄 | 2〜4週間に1回 | フィルター全体の目詰まりを確認 |
| 水槽ガラス面のコケ掃除 | 2〜4週間に1回 | スクレーパーで前面のみ。背面・側面はコケを残してもOK |
| 底砂のプロホース掃除 | 週1回(水換え時) | 全体を一度にやらず、毎回1/3ずつ区画を変えて行う |
よくある質問(FAQ)
Q, ニホンウナギはペットショップで買えますか?
A, 一般的なペットショップではあまり見かけませんが、アクアリウム専門店や通販(チャーム等)で購入できることがあります。天然採集個体と養殖個体(シラスウナギから育てたもの)が流通しています。価格は体長によって異なり、15〜30cm程度で2,000〜5,000円程度が相場です。
Q, 川で捕まえたウナギを飼育してもいいですか?
A, 地域によっては漁業権が設定されており、無断での採集が禁止されている場合があります。まず地元の漁業協同組合や都道府県の水産担当部局に確認してください。採集が許可されている地域でも、ニホンウナギは絶滅危惧種であることを忘れず、必要最小限にとどめ、最後まで責任を持って飼育してください。
Q, 水槽にウナギを入れたら他の魚が消えました。どうして?
A, ウナギが食べた可能性が高いです。ウナギは夜行性の肉食魚で、夜間に隣の魚を捕食します。特に自分の口に入るサイズの魚は食べてしまいます。混泳させる場合は、ウナギよりも大きい魚に限定してください。
Q, ウナギが全く餌を食べません。どうすれば?
A, 導入直後(1〜2週間)は新しい環境への適応中なので食べないことが多いです。まず静かに見守りましょう。それでも食べない場合は①水質チェック(アンモニア・亜硝酸の確認)②水温チェック(20℃以上あるか)③隠れ家の確認④餌の種類を変える(ミミズが最も効果的)を試してください。
Q, ウナギがよく脱走を試みます。何かストレスがありますか?
A, 脱走行動は本能的なものですが、頻繁に試みる場合は水質悪化・水温問題・隠れ家不足などのストレスが考えられます。水換えを増やし、隠れ家を増設し、水温が適正範囲内にあるか確認してください。
Q, ウナギと一緒に水草を入れてもいいですか?
A, 入れることは可能ですが、ウナギが動き回る際に引き抜いてしまうことが多いです。根張りの強い水草(アヌビアスやミクロソリウムなど、流木や石に活着させるタイプ)を選ぶか、底砂に重石で固定するなどの工夫が必要です。
Q, ウナギの体に白い点が出ています。病気ですか?
A, 白点病の可能性があります。水温を28〜30℃に上げると自然治癒することもありますが、症状が重い場合はメチレンブルーなどで薬浴してください。水温の急変や水質悪化が引き金になることが多いので、環境の見直しも行ってください。
Q, ウナギはいつから人に慣れますか?
A, 個体差がありますが、毎日同じ時間・同じやり方で給餌を続けることで、早い個体は1〜2ヶ月で顔を認識するようになります。無理に触ろうとせず、まず「この人から餌が来る」と学習させることが重要です。
Q, 冬にウナギが全く動かなくなりました。死んでいますか?
A, 水温が15℃以下になると冬眠モードに入り、ほとんど動かなくなります。これは正常な行動です。体色が変わっていないか・呼吸しているかを確認してください。呼吸していれば生きています。無理に餌を与えようとせず、春に水温が上がるのを待ちましょう。
Q, ウナギを複数匹飼うことはできますか?
A, 可能ですが注意が必要です。同サイズの個体を120cm以上の大型水槽で飼育する場合に限り検討できます。複数飼育では個体ごとに食欲差が出て、1匹だけ痩せていくことがあります。餌はそれぞれに行き渡るよう観察しながら与えてください。
Q, ニホンウナギの寿命はどのくらいですか?
A, 飼育下では20〜30年以上生きることが知られています。世界的に有名な例として、スウェーデンで150年以上生きたウナギ(ヨーロッパウナギ)の記録があります。ニホンウナギも適切な環境なら非常に長生きします。一生のパートナーとして大切に飼育してください。
Q, ウナギを食べることは考えていませんが、飼育は問題ありませんか?
A, もちろん問題ありません。観賞魚・ペットとしての飼育は素晴らしいことです。ただし飼育を始める前に「最後まで責任を持って飼育できるか」を必ず確認してください。30年という長い年月を覚悟した上で飼育を開始してください。
まとめ:ニホンウナギとの長い付き合いを楽しもう
ニホンウナギは、飼育するほどにその奥深さを感じさせてくれる魚です。脱走対策という独特の課題はありますが、それをクリアして環境が整ったとき、ウナギとの本当の意味での同居が始まります。
最初は物陰に隠れてなかなか姿を見せてくれなかったウナギが、3ヶ月・半年・1年と時間をかけて少しずつ人間に慣れていく様子を観察するのは、他の観賞魚では味わえない特別な体験です。手から餌を受け取る瞬間、10年・20年と共に時を過ごす感覚……それがニホンウナギ飼育の最大の醍醐味だと私は思っています。
この記事で解説したポイントをまとめます:
- 水槽は最初から90cm以上を用意する
- 蓋の隙間対策は最優先事項。スポンジや重石で完全に塞ぐ
- 水換えは週1回1/3を欠かさず行う
- 餌付けは急がず、毎晩同じリズムで継続する
- 混泳は基本的に単独飼育が安全
- 絶対に川や池に放流しない
- 最後まで30年の責任を持って飼育する
ニホンウナギに関してご質問があれば、コメント欄でお気軽にどうぞ。みなさんの飼育を応援しています!
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