混泳・群泳が美しいラスボラ・エスペイの飼い方
今回紹介するのは、ラスボラ系の熱帯魚の中では最も有名な「ラスボラ・エスペイ」です!
小型ながらにも美しい模様が特徴で、
「初めて熱帯魚を飼育してみたいけれども、大きい水槽は設置できない。。」
という方にお勧めの品種です。
この記事では生態はもちろん、飼育方法や注意点なども詳しく説明してまいります!
ラスボラとは?
先ほど、ラスボラ系という言葉を使いました。
ではまずそのラスボラとは何なのかについて説明していきたいと思います。
ラスボラとは、コイ目コイ科ラスボラ属に属している魚の総称で、主に東南アジアを原産としています。
エスペイの他には
- 「アイスポット・ラスボラ」
- 「ラスボラ・ヘテロモルファ」
などが有名です。
アイスポットの方は他の二種に比べシンプルな柄をしています。
ヘテロモルファはエスペイとほとんど変わらない見た目です。
多少エスペイの方は柄が濃く、細長いシルエットをしていますね。
ラスボラ・エスペイの生態
それではここから、エスペイについて説明していきます。
アクアリウムショップでこの魚を見つけると、その小ささに驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
エスペイは体が小さいことも特徴の一つで、成長してもネオンテトラよりもひと回り小さいくらいにしかなりません(2〜3cm)。
しかしそんな小さな体にもはっきりとした模様があり、レイアウト水槽にも映える魚となっています。
寿命は小型熱帯魚の中では長い方で、平均2〜3年ほどです。
この小さい体で長生きというのは魅力的ですね。
水槽の中層あたりを好む魚で、複数飼育をするとすんなりと群泳してくれます。
大きな水槽に群泳させるのもお勧めです!
飼育難易度は低め
比較的丈夫な魚ですので、飼育難易度は低いです。
しかし体が小さい分、急激な水質変化には弱いです。
水合わせ、水替えの際にはいつも以上に気を使うようにしましょう。
特に小型水槽での飼育を考えている方は注意が必要です。
小型水槽は少しの水替えや水足しで水質や水温が急変しやすいため、少量ずつ行いましょう。
カルキ抜き剤などの水質調整剤は使用量を間違えると魚にダメージを与えてしまいます。
(あまり神経質になりすぎてはいけませんが、適当に調整剤を使用すると本来の効果が得られない可能性があります)。
水換えは週一回でOK
また、飼育しはじめの方への注意ですが、ついつい水槽に手を加えたくなり毎日水替えをしてしまう方がいらっしゃいます。
水替えの頻度が多すぎるとバクテリアが定着せず水槽や水の汚れの原因になりますので気を付けましょう。
水替えは一週間に一回、1/3〜1/4の水を交換しましょう。
飼育に適した環境
底砂・ソイル
エスペイに適した水質は弱酸性です。
ソイルや流木を用いたレイアウトにすると弱酸性に傾きます。
逆にサンゴ砂やサンゴを用いたレイアウトはアルカリ性に傾けてしまいますので注意が必要です。
先ほどにも説明しましたが、エスペイは水質変化に弱い魚です。
ヒーターは入れてあげよう
それに加えて水温の変化にも弱いので、冬のヒーターは必須です。
できれば夏も冷却ファンなどを購入しましょう。
秋ごろになると気温が急激に下がる恐れがあるので、冬になったらとは言わず秋や春先もヒーターを入れておくことをお勧めします。
ヒーターは大体一年でダメになってしまいますので、気温が下がりすぎないうちからメンテナンスを忘れないようにしましょう。
色揚げの方法
エスペイの特徴といえば綺麗なオレンジ模様です。
この美しい柄をさらに色揚げするためには、エスペイに適した環境にできる限り近づけることが大事です。
水質や水温はしっかりと保ちましょう。
またストレスを軽減させることも色揚げの方法の一つです。
餌を適切な量あげ、水流は弱めましょう。
流木や岩などで隠れ家を作り、複数飼育をすることでストレス軽減につながります。
繁殖難易度
これまで説明してきたように、エスペイはメジャーで丈夫な魚ではあるのです。
しかしその一方で繁殖難易度は高いです。
グッピーやプラティなどのように、オスメスを混泳させておけばほっといても増えるというような品種ではありません。
繁殖がうまくいくことが少ないので、今後エスペイは数が減少するかもしれないとも言われています。
繁殖経験がなく、繁殖をしてみたいという方にはお勧めできません。
そういった方はまずはグッピーやプラティなどから始めましょう。
産卵が成功しても、稚魚は相当小さいサイズですので飼育難易度は高いです。
餌なども人工飼料ではなくブラインシュリンプなどの稚魚用の餌をあげるようにしましょう。
成魚のエスペイ以上に水質変化に敏感なので、稚魚に体力がついてくるまでは水替えは控えましょう。
水替えをしないながらにも、しっかりと水質が悪化しないように注意が必要です。
同種・異種との混泳について
ラスボラ系の品種はどの種類も温和な性格をしているので、混泳には向いています。
数十匹で群泳させているととても綺麗ですよ。
しかし一方で、異種との混泳時には注意が必要です。
ラスボラは体が小さいため、口に入ってしまうサイズの魚との混泳はしないほうが無難です。
例え温和な性格だとしても、口に入るサイズだと食べてしまう可能性があります。
おすすめとしては、エスペイの群泳に、口が小さく小型魚にあまり興味を示さないパールグラミーなどがいいと思います。
もちろんネオンテトラなど温和な性格の小型熱帯魚とも混泳できます。
筆者が飼育しているラスボラ・エスペイの紹介
私がこの魚を飼育しようと思ったきっかけは、稼働させていた水槽の色合いが地味だったからです。
その水槽はしまどじょうやトランスルーセントグラスキャット、コロンビアレッドフィンなどメインカラーがシルバーやグレーの魚ばかりでした。
コロンビアレッドフィンは小型熱帯魚ながらにも縦長で少し大きく、同種同士で追いかけていることがあるので混泳相手としては不安だったのですが、すばしっこいエスペイは傷つくことなく混泳に成功しています。
地味だった水槽もこの子たちと水草のおかげで色が増え、綺麗な水槽になりました。
「地味な水槽に明るい色が欲しい」という方にはおすすめですね。
餌もしっかり覚えてくれるので、近づくと口をパクパク動かしてくれます。
そんな姿もとてもかわいいです。
まとめ
今回はラスボラ・エスペイについて基本的なことをまとめました。
購入時は相当小さなこの子たちですが、成長は早いのですぐに小さいネオンテトラ程度にはなりますよ。
価格もまとめ買いですと十匹1500円くらいで購入できますので(アクアリウムショップによって価格差はあります)、すぐに手の出しやすいお手頃な熱帯魚となっています。
これから飼育を始める方は、今回この記事で説明したことを覚えて、注意点を守り飼育しましょう。
※写真に写っていた水草
- ロタラ
- ハイグロフィラ
- ミリオフィラムマトグロッセンセグリーン