プレコについて
今回は、実際にプレコを飼育している筆者がプレコの飼い方・育て方を、実際使用している水槽道具もご紹介しながら解説していきます!
まず、プレコという魚は、普通の熱帯魚のように優雅に水槽内を泳いでいるような魚ではありません。
下記の写真のようにつぶれた形で口に吸盤がくっついているので水槽のガラスにピタッとくっついていたり、
我が家のプレコはよく水槽内に入れてある筒の中やフィルター部分にピタッとくっついてゆらゆらと背びれや尻尾をゆらさせているような、ほとんど泳がないでおっとりとしている癒し系の熱帯魚です。
またプレコはコリドラスなどと同様に、
水槽内のコケをよく食べてくれる魚なので水槽内のコケ取り屋さんとして飼うこともできます。
ただ、コリドラスとの違いは、プレコは非常に大きくなる点が挙げられます。
買ってきた時はまだ10センチほどの生体でしたがほんの数ヶ月で20センチほどまで成長してくれました。
ショップで買うときにも店員さんに「すぐに成長して40から50センチになりますがお家の水槽で大丈夫ですか?」と聞かれたくらいです。
本当にあっという間に水槽内で成長するのがセルフィンプレコ君です。
我が家で飼っているセルフィンプレコのセルフィンの名前の由来には、ヨットや船の帆(セルフィン)の意味があります。
名前同様に背びれと尻尾が帆のようにピンと広がり流れがある場所が好きなプレコなので水槽のエアーの上や、ろ過装置の真下によくくっついては自分で流れに乗りながら遊んでいるように見えます。
夜になり、ライトを消したあとのほうが水槽の底石でモゾモゾとしていたり、器用に水槽内をスーッと端から端へ泳いでいます。
写真はうちのセルフィンプレコです。下には仲良しのアルビノコリドラスがいます。
セルフィンプレコの口をよく見ると吸盤のところには小さなトゲトゲの歯がたくさんあります。
大好きな筒のなかではよく寝ています。時々コリドラスやオトシンクルスも一緒に入って休んでいます。
プレコの種類と大きさについて
プレコはざっくり大きさで分けると
- 成魚になっても5センチ〜15センチくらいの小型プレコ
- 15センチ〜100センチ以上にまで成長する中型プレコ
- それ以上の大型プレコ
の3種類に分かれています。
全種類で申し上げるとだいたい300種類存在すると言われています。
近年ではプレコ自体が有名になり愛好家も増えたので幼魚は近くにあるホームセンター内の熱帯魚売り場でもよく見られるようになりました。
現在はプレコのみを特集した本も売っているほどです。
プレコも昔は高い熱帯魚でありましたが、最近は値段も600円ほどから販売されています。
個体はほとんどがブラジルやペルー、アマゾン川などの南米からの輸入で飛行機での輸送でショップに送られてくることが多いです。
ショップにいるプレコは現地で捕獲されたものが輸入されています。
さて、このプレコはよく餌を食べるので成長するのがとても早いです。
大型プレコだと1年で20cmは成長するほどです。
プレコを飼育する際には、まず自分がどのサイズの水槽が置ける環境かを認識した上で小型〜大型のどの種類のプレコにするかを決めると良いでしょう。
プレコの有名な種類:ロイヤルプレコ
プレコで有名な種類のロイヤルプレコは、体全体に綺麗なストライプ模様から人気がある種類です。
「グリーンロイヤル」、「オレンジロイヤル」、「スポットロイヤル」「プラチナロイヤル」など模様や色が魅力的なためロイヤルプレコのみの飼育水槽を置いている飼い主さんもいるほどです。
ロイヤルプレコはかなり成長する中型プレコに入りますが20センチを超える個体はほとんど見ません。
筆者もいつかは飼ってみたいと思っていますが今はショップ巡りの時に見るだけにしています。
他の熱帯魚との混泳について
プレコは温和な性格のため、
飼っているプレコが小型から中型プレコであるなら
グッピーやオトシンクルス、コリドラス、ネオンテトラなどの小さな魚やシクリッド系の15センチくらいの魚と混泳が可能です。
写真の様にこんな感じで仲良く我が家のプレコは、コリドラスと一緒に餌もたべています。
餌の取り合いや、ケンカもしないため一緒に泳がせても大丈夫です。
大型プレコの場合はアロワナやガー、オスカーなどの同じく温和な性格の大型魚との混泳も大丈夫ですが、
プレコがディスカスの体を舐めてしまい体表にある粘膜が傷ついてしまった経験があるためディスカスとの相性はイマイチかもしれません。
フィルターについて
たくさん餌を食べてフンも金魚のような長いものをするため
フィルターは外部式フィルターにするか、または私の場合は90センチ水槽に底面式フィルターと、上部式フィルター、外掛け式フィルターの3つを同時に使っています。
プレコを飼う前までは上部フィルターのみでしたが、プレコくんを入れたらすぐにフィルターがフンなどで汚れてしまったため現在は3つのフィルターを使い水質を安定させています。
底石と隠れ家になるアクセサリー
私は、以前は120センチ水槽にアロワナとオスカーを飼っていた時は「ベアタンク」と呼ばれる底に石や砂利を敷かない水槽での飼育法で育てていました。
ですが、現在は景観も考えて底砂(石)を敷いています。
いろいろ試してみて現在はコケが生えにくいという小粒の底石を使用しています。
60センチから90センチの水槽でプレコや他の小型熱帯魚を一緒に飼う場合は底石を敷き詰めて、魚が隠れることができる筒や流木、小物など入れてあげると良いですね。
水質管理について
水道水を塩素やカルキ抜きするために使用しているのは「4in1」という液体。
水槽が多いため私は業務用4in1を使用していますが、普通の小さいボトルも売っていますよ。
PSBという生きているバクテリア液を毎日60センチ水槽の場合は毎日3〜5cc、90センチ水槽には毎日6cc位を観賞魚用のスポイトで水槽に直接いれて飼育しています。
水換え時などのプレコの扱い方
20センチほどの大きさに成長しているプレコの場合は、体の全体的にトゲトゲがあるため水換えや水槽から水槽への移動するときは、通常熱帯魚などを移動する時のような熱帯魚用の網やネットではなく軽く素手でもってあげてください。
ネットなどですくいあげるとプレコの個体に傷が付いてしまうため小さなプレコ以外は、素手か又は軍手などをしたほうが良いです。
手を入れる前にはきちんと手洗いをし、手についた洗剤などはよく洗い流してからしてください。
なお、手指消毒用アルコールはつけないで水槽に手をいれてください。
この、コロナのご時世になってからよく、熱帯魚仲間から水槽内の調子が悪い、中の魚たちが元気がない、最悪な場合は翌日になって水槽内のほとんどの魚たちが全滅してしまった!と言う悩みを聞きます。
よくよく聞いてみたらそういえば手洗いしていつも通り手指消毒用アルコールもつけた手をそのまま水槽に入れて水換えや水草のレイアウト変えなどをしていた‥と聞きます。
プレコの餌
餌は、ずっとこの2種類のタブレット型を使っています。
プレコもですが、一緒に泳がせている底魚のオトシンクルスやコリドラスにも食いつきがよい餌です。
水槽に入れるとすぐに底に沈みますがすぐには溶けないため水が汚れにくいのもうれしい餌です。
左側のプレコ用の餌は、1円玉くらいの大きさなので、プレコの大きさに合わせて半分に割ってあげています。
右側のもうひとつの餌は、tetraのウエハーミニという底魚やエビ、コリドラス用の餌で小粒ですがこれも喜んでプレコも食べています。
反対に、プレコ用の餌をオトシンクルスやコリドラス、時にはグッピーやシルバーグーラミィがつっついて食べているときもあるので魚たちにとって美味しいみたいです。
時々、アカムシの乾燥状のものなども与えています。
プレコに合う水槽
飼育する水槽の種類には、アクリル水槽とガラス水槽があります。
小型プレコならアクリル水槽でも問題なく飼育できますが、
中型から大型プレコの場合は流木もカジカジと吸盤についている歯で噛じるほどなのでアクリル水槽だと傷が付いてしまうためガラス水槽が良いです。
あとはガラス水槽でもゴムのパッキンやシリコンでくっつけている水槽だとパッキンやシリコンを噛んでしまう時があるので曲がりガラス水槽だと水漏れせず長く使えるので安心だと思います。
プレコと水草
水槽に付きものの水草は、小型プレコの場合は大丈夫ですが中型プレコ、大型プレコは草食のため水草も食べてしまうため入れないほうが無難です。
なかには、生のきゅうりやセロリ、キャベツやゆでたほうれん草を食べさせている飼い主さんもいるほどなので草食系みたいです。
最近、我が家の水槽の水草も少なくなってきたので成長してきているセルフィンプレコが夜な夜な食べているみたいですので、水草はインテリア、飾りとして入れたい場合はプラスチック製の水草でも良いと思います。
照明と掃除について
照明
照明は通常の上部照明だけにしていますが問題なく飼育しています。
水草が多い水槽の場合は照明やCo2管理もする必要がありますが、
中型プレコを飼っている我が家の場合はあまり水草を入れていないので通常の熱帯魚用の上部照明のみで飼育しています。
掃除
飼いやすい種類のプレコは水質にはそんなに難しくないものですが、
よく食べてよく水をフンで汚すため水換えではなくフィルターの吸込口のスポンジやフィルター内の素材であるウールマットやろ過材を時々もみ洗いをして汚れを取ると水質悪化にならなくて魚にも良いのでおすすめします。
フィルター素材を一気に全部洗ってしまうとせっかくの良いバクテリアがなくなってしまうため、
全部一緒にもみ洗いするのではなく、今日はウール素材だけ、その1週間から10日くらいあとに他のろ過材を洗うようにするとバクテリアがなくならないため水質も安定したままで安心です。
水換えも他の熱帯魚同様に全部水を替えてしまうのではなく1/3から半分だけの水換えにすると水質に変化が少なく魚への影響を少なく出来ます。
真夏の水温管理について(我が家の場合)
夏場の管理方法ですが、水温が30度を越してしまうとプレコだけではなく混泳している魚にも悪影響となります。
この場合、水槽用に売っている小型冷却ファンを水槽上部に付けるか、またはホームセンターや電気屋さんで売っているクリップ式の小型扇風機を水槽上部にクリップして使うと水温が下がります。
ですが、水温が下がるかわりに水槽の水も蒸発してしまい少なくなりやすいのでファンを付けている時は水槽内の水を時々追加(必ず塩素とカルキ抜きをしたもの)するようにしたほうが良いでしょう。かなり蒸発してしまうので水の減りには気をつけてください。
近年のような40度近い気温のときは私はサーモスタットヒーターはコンセントから抜いて、かわりに水槽上部に冷却ファンをつけて普通の扇風機を水槽全体にあてて過ごしています。
また、エアコンのある部屋にある水槽はサーモスタットヒーターはつけたまま25から26度セットにし、冷却ファンはほとんど要りません。
まとめ
プレコは、目が昼と夜では形が変わりまばたきするように動きます。(かわいい)
他の淡水熱帯魚にはない愛嬌があり、飼育している筆者だけでなく家族も
と水槽の前に行ってはプレコを探して見ています。
プレコのかわいい瞳の形は猫の目のように周囲の明暗で変化して暗い場所では普通の魚のように丸くなり、ライトで明るくなると上を向いたCのような形に変わります。
この瞳の形がギリシャ文字のオメガ (Ω) を逆向きにしたものに似ているため「オメガアイ」と呼ばれていて可愛らしい目をしています。
もし、プレコをショップで見かけたら体の模様もですが目も見てみてください。
ほとんどの個体は茶色か黒、またはアルビノの場合は赤色のこともありますが、青い目の種類のプレコもいます。
プレコは種類もたくさんあり、そして同じ種類でも1体ずつの模様も違うので育てていくうちに「うちの子」になっていくような育てがいのある魚だと私は感じます。
しましまの縦模様の子、黒地に丸い模様がたくさんある子、まだら模様の子などいろいろな模様の種類があり、色も茶色、黒、グレー、珍しいアルビノの白など色のバリエーションもあります。