はじめに
ワイルドな捕食シーンがカッコいい肉食魚、カラフルな体色が美しい熱帯魚、清楚な色彩と泳ぎが魅力的な日本淡水魚。
熱帯魚も扱っているペットショップであれば、必ず取り扱っていると言っても過言ではないポピュラー種ですが、アフリカンランプアイの小さな体には、たくさんの魅力が詰まっています。
その魅力や飼育方法等についてたくさん詰め込みましたので、是非目を通していただき、興味を持っていただけたら幸いです。
アフリカンランプアイの特徴について
画像引用元:チャームpaypayモール店様
アフリカンランプアイは全長約4cm前後まで成長する小型の卵生メダカの仲間です。
日本のメダカよりやや丸みのあるフォルムをしており、尾ビレはウチワが若干細長くなったような形状をしています。
目はメダカの仲間らしく頭部に対して大きく、クリクリとしています。
アフリカンランプアイの最大の特徴でもあり、目の上部がメタリックなネオンブルーに輝きます。
個体によっては僅かながら、下部にもこのメタリックカラーが入るため目の輝きがより顕著になります。この目の特徴から明るいライトと濃緑系の水草レイアウトで群泳を楽しむ愛好家もいます。
また、飼い込んでいくと体色も美しくなる種類です。
最初見た時は灰色がかった地味な体色をしていますが、大切に飼育し、成長させる事で透明感のある明るい飴色の体色になります。
個体によっては尻ビレや背ビレ、尾ビレに模様まで現れ、体色と目の美しさも相まって
と驚いてしまう程の変貌を遂げます。
性格はとても温和なので本種をイジめるような種類でなければ混泳させる事ができます。好奇心旺盛な所もあるため、水槽の前で指を振ったりすると指を追いかけたり集まって来たりします。
アフリカンランプアイの生息地は?
名前の通り、アフリカ大陸出身のメダカの仲間です。
生息範囲は広く、チャドやトーゴ、マリ、リベリア等の広い範囲に生息しています。
河川の上流〜中流、湿地等に生息しており、中性〜弱アルカリ性の水質を好んでいます。また、遊泳力が強く、小さな体でもしっかり水流に抗います。
どんな物を食べるの?
自然下では、蚊や小バエ等の落下昆虫やボウフラ等の水生昆虫、エビの子供や極小のプランクトンのような甲殻類を捕食しています。
飼育下では人工飼料も選り好みせずよく食べてくれるため、人工飼料だけで終生飼育ができてしまいます。
大体のお値段は?
アフリカンランプアイは「熱帯魚初心者にオススメ」と言われる程ポピュラーな種類であり、アクアショップや総合ペットショップであれば、ほぼ確実に入手できます。近くに熱帯魚を扱っているお店がない場合は通販で購入する事もできます。
気になるそのお値段ですが、1匹あたり100円ちょっとで売られている事が殆どであり、お店によってはまとめ売りをしている事もあります。
極稀に1匹のお値段が数百円以上する場合もありますが、そのアフリカンランプアイは「ワイルド個体」です。
一般的にショップで販売されているアフリカンランプアイは、東南アジアでブリードされた個体が殆どです。ワイルド個体は希少価値があり、その見た目や発色もブリード個体より主張が強いので敢えてワイルド個体を選ぶ方もいます。
☆白いランプアイもいる!?
アフリカンランプアイも品種改良されており、最近では「アルビノ個体」も販売されるようになりました。
アルビノのため、より透明感が強い乳白色の体色と赤〜オレンジ、ピンクにも見える目が特徴です。目の上の輝きは若干弱くなったように見えますが、ライトが当たるとキラキラと輝きます。
ノーマル個体より特徴的な表現が好みの方はアルビノタイプをオススメいたします。
アフリカンランプアイの仲間について
画像引用元:チャームpaypayモール店様
キラキラお目めが可愛いアフリカンランプアイの学名は「アプロケイリクティス・ノルマニー」と言います。
☆タンガニイカ・ランプアイ
アフリカにある湖「タンガニイカ湖」と湖に流入する周辺の河川に生息しているため、この流通名が付きました。
成長すると約4〜5cm程になる小型種です。
アフリカンランプアイよりコロコロとした体型をしており、体の側面に走る茶褐色のラインと淡いネオンブルーのウロコが美しい種類です。このネオンブルーは尻ビレにものるため、少し派手な印象を受けます。ランプアイの仲間ではありますが、目の輝きは薄めです。
☆アプロケイリクティス・マクロフタルムス
成長しても4cm程しかない小型種です。
その見た目はアフリカンランプアイによく似ていますが背ビレ、尻ビレの一部が伸びたり、背面の赤褐色や体側のネオンブルーも濃く、尾ビレの模様や色彩も異なっています。
学名がそのまま流通名になっていますが、実はこの後に「ハネルツィ・イシオクポ」と続きます。
☆ランプリクティス・タンガニイカ
こちらも「タンガニイカ・ランプアイ」と呼ばれるタンガニイカ湖出身のランプアイの仲間です。
しかし、成長すると15cm程になる大型種であり、なかなか見る機会の少ないレア種でもあります。成長したオスは全身がメタリックなスカイブルーの体色になるため非常に美しいです。
飼育のポイントは?
「安い、丈夫、美しい」の三拍子が揃っているため入門種として有名なアフリカンランプアイですが、ずさんな管理をしてしまうとすぐに命を落としてしまいます。
そんなアフリカンランプアイの飼育のポイントは
- 導入時の個体のチェックや水合わせに気を付ける事。
- 餌の与えすぎに気を付ける事。
- 混泳の際は捕食やイジメるような気の荒い種類は避ける事。
この3つが主に挙げられます。
アフリカンランプアイの飼育方法について
・導入、水合わせ
ショップの水槽で大きな目を輝かせながら泳ぐアフリカンランプアイ達。
群れを丸ごと購入したくなるような愛らしさがありますが、まずは健康状態をチェックしましょう。
1〜1.5cm程の大きさの体のチェックは大変ですが、これを怠ってしまうと水槽導入後に病気が大発生してしまう可能性が大きくなってしまいます。
チェックの項目ですが、体表に白い粒々や粉っぽい付着物がないか、泳ぎ方はキビキビとして元気が良いか、ヒレが溶けていたりバラバラに裂けていないか等を見ます。体表の充血やウロコが膨らみ等が確認できた個体は避けるようにしましょう。
元気いっぱいのアフリカンランプアイを購入したら、今度は用意している水槽に導入するための水合わせをします。
まず、用意している水槽の水を1/4程抜いて取っておきます。次に水槽の中にアフリカンランプアイが入っている袋を浮かべ15〜20分程おいておきます。
水温を合わせたら袋を開封し、袋の中の水を1/3程捨て、水槽内の水をコップ等で少し入れて10分程様子を見ます。異常がなければ、これを2回繰り返します。
最後の水合わせが終わり、アフリカンランプアイにも異常が見当たらなければそのままゆっくりと水槽内に放ちます。水槽に放った後は、あらかじめ抜いていた水を水槽内に戻し、水合わせは終了です。
・水槽、水質、水温について
アフリカンランプアイは小型種なので、5〜10匹であれば30cmキューブ水槽でも飼育できます。もし20匹以上の群れで飼育したい場合は60cm水槽等の大きめの水槽を用意しましょう。
水質は中性〜弱アルカリ性の水質を好んでいます。ですが、アフリカンランプアイは水質の適応力も高いため、極端に酸性に傾いていなければ弱酸性の水質でも飼育は可能です。
水温は23〜27℃くらいであれば飼育できます。水温が急変しないようにサーモスタット機能付きのヒーターを入れて保温します。
・フタについて
アフリカンランプアイは見た目によらず遊泳力が強く、水槽内では上〜中層を泳ぐため、何かに驚くと高確率で飛び出してしまいます。
・底砂について
観賞魚用の底砂であれば、基本的にどんな底砂も使う事ができます。
極端に酸性よりにするタイプのソイルやアルカリ性よりにするサンゴ砂は使わない方が無難です。
こちらは最初は水質が中性〜弱アルカリ性に傾きますが、どちらにせよアフリカンランプアイの好む水質ではあるので扱いやすいと感じます。
・フィルターについて
特に相性の悪いフィルターはない種類なので、水槽のサイズや匹数、水槽内のレイアウトに合わせてフィルターを選びましょう。
初めて熱帯魚を飼育する方には取り付けや管理がしやすい外掛け式フィルターやパワーフィルター、底面式フィルターをオススメします。
上部式フィルターや外部式フィルターの場合は濾過力に優れているため45cm以上の水槽では特に重宝します。しかし、アフリカンランプアイの体が小さい内は万が一を考えて、ストレーナーにストレーナースポンジを取り付けると吸い込み事故を抑制する事ができるので用意して損は無いです。
・照明器具(ライト)について
昼夜のメリハリをつけたり水草を成長させるためにもライトが必要です。
最近ではライトもスタイリッシュな形状の物や小型だけどパワフルな物等様々な商品があるので、水槽のサイズやレイアウトしている水草に合わせてライトを決めると良いでしょう。
Q.アフリカンランプアイの目の輝きをより楽しむためには?
A. 個人的には青系のライトがオススメです。
ライトの光を受けて輝きを増すアフリカンランプアイの目ですが、個人的にこの輝きを楽しむ方法は2つあると思っています。1つはレイアウトを濃緑系の水草を多様する事で全体的に暗くし、アフリカンランプアイを目立たせる方法。
そしてもう1つが、この青系ライトを利用した方法です。青系ライトの光を受けるとアフリカンランプアイの目の輝きはより青みを増し、周りも普通のライトよりは暗くなるため目の輝きが強く感じます。
・餌について
アフリカンランプアイは人工飼料もタイプを問わずよく食べてくれますが、けっこう食欲が旺盛なので餌の与えすぎに注意しましょう。
餌の与えすぎは肥満の原因になるだけではなく、食べ残しや大量のフンは水質の悪化や病気の原因にもなってしまいます。
目安として、1日2〜3回、3分程で食べきれる量を与えます。
この時には、必ず全ての個体が餌を食べれているか確認しましょう。また、お腹も確認します。ちゃんと餌を食べた個体は胸〜お腹がポコッと膨らみます。給餌に慣れてくると時間ではなく、魚の様子だけで餌の適量が分かるようになります。
Q.冷凍アカムシを与えたら食べるのが大変そうだった!対処方法は?
A. ハサミで細かく切って与えてみてください。
冷凍飼料の中でもポピュラーなアカムシですが、解凍するとたまに大物が紛れ込んでいる事が多々あります。魚達の口のサイズに合わないと食べ残してしまったり、飲み込むのに苦戦を強いられてしまう事もあります。
対処方法としては、飼育用のハサミを用意していただき、冷凍アカムシを解凍した後にハサミで細かく切ってあげるとアフリカンランプアイも食べやすくなります。
Q.冷凍イトミミズを与えたら水槽内に散らばり過ぎて食べ残しの片付けが大変だった!何か打つ手は無いの?
A. 色々ありますが「フィーダーカップ」を使うとある程度は楽になります。
イトミミズはアカムシと同じくらいポピュラーな餌で、ショップによっては生き餌として販売されている事もあります。
その対策としてフィーダーカップの利用をオススメいたします。
これは水槽に専用のカップを取り付け、その中にイトミミズ等を入れる事で給餌をするアイテムです。
このカップの良い所は簡単に使えるだけでなく、食べ残しがカップの中に残りやすいので食べ残しの処理にかかる手間が大幅に削れる所です。餌の散らばりが気になる場合は是非使ってみてください。
他にもピンセットで摘まんで与える方法やコリドラス等の低層を泳ぐタイプの魚を混泳させると食べ残しもあまり気にならないかと思います。
・水草やシェルターについて
アフリカンランプアイは水草にイタズラをするような種類ではなく、むしろ相性の良い魚です。
また、アフリカンランプアイはシェルターを頻繁に利用するような種類ではなく、どちらかと言うと活発に泳ぎ回るタイプです。
しかし、水草や流木の影を群れで泳ぐ事もあるため、流木や岩で自然を雰囲気も作りながらちゃっかりシェルターを作っておくと利用してくれる事もあります。
・混泳について
アフリカンランプアイはとても温和な性格なので、気の強い種類でなければタンクメイトとして混泳させる事ができます。
ネオンテトラやグローライトテトラ等の温和な小型カラシンの仲間やピグミーグラミーやゴールデンハニードワーフグラミー等の温和で小型な種類がオススメです。
低層を泳ぐクーリーローチやコリドラスの仲間も良いタンクメイトとなります。
タンクメイトとして向いてない種類はブルーテトラやセイルフィンテトラのような気が強いカラシンの仲間やエンゼルフィッシュ等が挙げられます。
・水換え、掃除について
水槽の汚れ具合や飼育している匹数にもよりますが、1〜2週間に1回、1/3〜1/2の水換えをします。掃除の時には必ず全ての電源を切ります。
ガラス面についたヌメリや汚れ、コケはメラミンスポンジで擦り落とします。また、水を抜く際はクリーナーポンプを使って底から汚れと共に吸出します。
レイアウトに使っている岩や流木が汚れていた場合は1度水槽から取り出すか、レイアウトを変えたくなければそのままブラシで汚れを擦り落とします。
水草が伸びすぎている場合はトリミングをしてキレイに切り揃えましょう。トリミングで出た不要な葉は取り除いて燃えるゴミに捨てます。
フィルターの掃除は頻繁にやるものではありませんが、こちらも2週間〜1ヶ月に1回は掃除します。
パワーフィルターや投げ込み式、外掛け式フィルターは濾過材が一緒になっている事が殆どなので、汚れによる目詰まりや濾過力低下を改善するために軽く飼育水で洗います。濾過材の傷みや性能の明らかな低下を感じた場合は新しい物と交換します。
スポンジフィルターの場合はスポンジが全てをまかなっているため、スポンジ部分を取り外して飼育水でもみ洗いします。パイプの内部は専用のブラシで洗います。最後によく洗ったスポンジとパイプ部分を組み合わせます。もしスポンジが傷んでボロボロになっていた場合は新しい物と交換しましょう。
底面式フィルターの場合は底砂が濾過材の役割を果たすため、基本的にはパイプ部分の掃除になります。底砂は水を抜く際にクリーナーポンプを使えばある程度汚れを取る事ができます。ポンプ部分は表面の汚れを落としたり、内部を専用のブラシで磨いて掃除します。
上部式、外部式フィルターの場合は基本的には物理濾過を担当しているウールマット部分を洗います。
内部の生物濾過材は1〜2ヶ月に1回飼育水で軽く洗って汚れを落とします。パイプ部分やストレーナーはブラシを使って汚れを落とし、ストレーナースポンジを使っている場合はスポンジをもみ洗いします。スポンジがボロボロになっていたり、汚れが酷い場合は新しい物と交換しましょう。
掃除が終わり、器具も設置できたらカルキ抜きをし、水温も合わせた水を水槽に足していきます。水が入ったらフタをして電源を入れます。
☆バクテリアの減少が気になったら「バクテリア添加剤」を使おう!
水槽掃除やフィルター掃除をした事でバクテリアの減少が気になってしまう方は水槽掃除後にバクテリア添加剤を添加してみてください。
他の記事でもよく紹介されている「PSB」の他にも様々な濾過バクテリアが市販されており、通販でも購入する事ができます。掃除によるバクテリアの減少は仕方ない部分がありますが、それを少しでも早い段階で補うためにも用意しておきたい一品です。
アフリカンランプアイがかかりやすい病気と治療方法について
「丈夫な種類」と言われているアフリカンランプアイも、ふとした拍子に病気になってしまう事があります。
1.白点病
症状は体表に白い粒々した物が付着します。
痒みがあるのか、病魚は体を底砂や流木等に擦り付けるような仕草をする事もあり、これによってできた傷から別の病気にかかる事もあります。
また、症状をほったらかしにしていると白点が増え、エラを塞いでしまい呼吸困難になって死んでしまう事もあります。
治療方法には塩水浴と薬浴があります。
塩水浴をする場合は10Lに対して50gの塩を混ぜて作った塩水を入れた水槽に病魚を隔離し、しばらくそこで飼育します。体表の白点が全てなくなったら水槽に戻します。
薬浴の場合はメチレンブルーやアグテン、マラカイトグリーン、グリーンF系の魚病薬を規定量溶かした水を入れた水槽で病魚を飼育します。
3〜5日に1度水換えをし、減った分の薬を足します。
2.ウーディニウム症(ベルベット病、コショウ病)
全身に黄色っぽい粉のような物が付着する症状が出る病気です。
病魚は力なく泳いだり、時々体をプルプルと震わせたりします。また、ヒレもたたんでいるため割りと見つけやすい病気です。
原因は水質の悪化や病気の魚を導入してしまった事等が挙げられます。最近では導入の失敗で聞きやすい病気というイメージがあります。
治療方法は塩水浴、薬浴、これらの併用があります。
塩水浴の場合は先述した白点病と同じように作った塩水を入れた水槽で病魚をしばらく飼育します。1週間に1度水換えをし、新しい塩水を入れます。付着していた粉っぽい物が全て取れ、魚も元気そうであれば水槽に戻します。
薬浴の場合はマラカイトグリーンやメチレンブルー、グリーンF系の魚病薬を規定量溶かした水を入れた水槽で病魚を飼育します。
こちらも3〜5日に1度水換えをし、減った分の薬を足します。全身の付着が取れて魚も元気を取り戻したら水槽に戻します。
塩水と魚病薬を併用する場合は、先程と同じように作った塩水にマラカイトグリーンを混ぜた水を入れた水槽で飼育します。
3.カラムナリス症(尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病)
最近はあまり聞かない病気ですが、水温の急変や水質の悪化、ケガからの感染等が原因で発生する病気です。
症状は体の一部に白〜黄色っぽい付着物や充血が見られ、そこから爛れたようになったり、ヒレの場合は柔軟性を失ってボロボロに裂け、溶けていってしまう恐ろしい病気です。
治療方法は塩水浴と薬浴です。
塩水浴の場合は10Lに対して50〜55gの塩を溶かして作った塩水を入れた水槽の中で病魚を飼育します。けっこうしつこい病気なので、付着物が消えて病魚が元気になるまで続けます。
薬浴の場合はグリーンFゴールド、観パラD、パラザンDを使います。こちらは5日に1度水換えをしたら減った分薬を足します。付着物が取れて患部も良くなったら治療終了です。
4.エロモナス病(まつかさ病)
症状は体表に充血が見られたり、
ウロコが松ぼっくりのように逆立ち泳ぎ方もぎこちなくなります。
原因は水換えをサボったりした事で水が腐敗して水質を悪化させてしまったり、水温の急変や病気の魚を導入してしまった事等が挙げられます。
治療方法はエルバージュや観パラD、パラザンD、グリーンFゴールド等の魚病薬を規定量溶かした水で薬浴をします。
アフリカンランプアイは体が小さく、症状が進行していると手遅れになってしまう可能性が高いため、ちょっとでも当てはまる異変が見つかったらすぐに薬浴をして治療します。
アフリカンランプアイの繁殖について
アイドル顔負けのキラキラお目めが特徴の本種ですが、繁殖も簡単なため、水草をレイアウトした水槽で本種のみを状態良く飼育していると自然と稚魚が親の群れに混ざって泳いでいる事もあります。
まだまだ淡い目の輝きと体色ですが、親達と泳ぐ姿は微笑ましくあります。
・雌雄判別の方法は?
アフリカンランプアイの雌雄は成魚まで育つと判別しやすくなります。
オスの特徴
- メスより体が少し大きめ。
- メスより体がスマート。
- 成長したオスの背ビレ、腹ビレ、尻ビレ、尾ビレの一部が伸び、白や飴色の模様や縁取りが入る。特に尻ビレは平行四辺形になる。
- 激しくはないがオス同士でフィンスプレッドをする事もある。
メスの特徴
- オスと比べると少し体が小さい。
- オスと比べるとお腹が少しふっくらしている。
- 成魚になってもヒレは小さめで尻ビレも丸みを帯びている。
・アフリカンランプアイの産卵行動は?
アフリカンランプアイのオスはメスの前に来るとヒレをいっぱいに広げてアピールをします。
メスがオスを受け入れると、オスはウィローモスや水草の茂みにメスを誘導し、横からメスを背ビレと尻ビレで抱きしめるようにしてお互いに体を震わせながら産卵します。
タイミングが良ければライトがついている時でも見る事ができます。卵は意外と大きめで1mmくらいはあります。
狙って繁殖させる方法について
産卵用水槽のために用意する物
- 水槽
- スポンジフィルター
- ヒーター
- ウィローモス
まず、水槽を立ち上げます。
水温は23〜26℃くらいを目安にします。
その中にウィローモスを入れて産卵用水槽は完成です。
次に状態の良い雌雄を何匹か産卵用水槽に移動させます。
メスのお腹がふっくらとしていて若干卵が透けて見えるくらいの個体であれば移動して数日で産卵してくれます。
ウィローモスの中に卵を確認し、メスのお腹もぺちゃんこになっていたら産卵し終わった合図です。雌雄は元の水槽に戻してあげましょう。
それまでの間、カビた卵があれば除去したり少し水換えをしてお世話をします。
アフリカンランプアイ稚魚の管理について
孵化直後はお腹にヨークサックがついているため餌を与える必要はありません。
孵化後2〜3日後
仔魚達のヨークサックがなくなり餌を食べるようになるため給餌を始めます。かなり小さいですが、メダカの稚魚用のパウダーフードを食べてくれるため、飼育難易度は低いです。
水質の悪化の抑制と仔魚の成長のためにPSBを少量添加します。
孵化から1週間
稚魚はよく泳ぐようになります。
死んでしまった稚魚や残った餌、フンをスポイト等で取り除いた後は少しずつゆっくりと水を足します。
孵化後2週間
泳ぎ方も幾分しっかりしてきて食欲もより旺盛になります。
食べ残した餌やフン、死んでしまった稚魚はスポイトで取り除きます。
減った分の水は後でゆっくり慎重に足していきます。
孵化後約1ヶ月後
大きさも1cm近くに成長します。
目の輝きはまだ薄いです。
大きさが1cmを超えるまではしばらく同じようにお世話をしていきます。
孵化から1ヶ月半
大きさも1cmを超える稚魚が出てきます。
小さいですが、ヒレの形や体型も親に近くなってきています。目の輝きはまだ強くはありません。しかし、普通のメダカの稚魚よりは目立つような気がします。
孵化後2ヶ月ちょっと経過
順調に成長した稚魚は1.5〜2cm近くまで成長しています。
目の輝きも目立ち始め、ライトの下で小さく光輝きます。
親の泳ぐ水槽に導入したい場合は、もう一回り成長してから親の群れに混ぜてあげた方が群れに追われる可能性も減り、安心安全かと思います。
まとめ
今回はキラキラお目めが魅力的なアフリカンランプアイについてご紹介させていただきました。
飼育もしやすいですが、ちゃんと管理したりコツを掴まないと立ち上げに苦労したりと熱帯魚のノウハウを教えてくれる魚でもあります。
繁殖も今まで紹介してきた種類と比べれば難易度は低いため、熱帯性卵生メダカの初めての繁殖を学ぶ事もでき、生まれた稚魚の愛らしさにはキュンとします。
「これから初めて熱帯魚を飼うよ」という方や「熱帯性メダカが気になるけど飼育しやすい種類」をお探しの方は是非アフリカンランプアイを迎え入れてみてはいかがでしょうか。
シンプルな美しさですが、彼らの郡泳を眺めた時からその心には優雅な時間が流れ、流星のような輝きを記憶する事でしょう。