飼いやすい!繁殖させやすい!熱帯魚・グッピー
熱帯魚としては飼育しやすく、体も丈夫なので熱帯魚初心者の人でもよく飼うのがグッピーです。
上の写真は筆者の水槽のひとつです。
- グッピー3ペア
- ミッキーマウスプラティ4匹
- シルバーパールグーラミィ2匹
- ホワイトコリドラス2匹
- オトシンクルス2匹
が仲良く泳いでいます。
グッピーの生態・繁殖
グッピーは「卵胎生魚」といい、
卵を産んでその卵から稚魚が出てくるわけではなく
グッピーのお腹の中で1ヶ月ほど稚魚が育ち、
そのままピョンとお尻の方から3から5ミリほとの小さな稚魚が産まれます。
お母さんグッピーのお腹が日に日に膨らみ、だんだんと黒っぽくなり、
産まれる数日前からはそのお腹にキョロっとした稚魚の小さな目玉が何個が見えるようになります。
そうなるとお産はもうすぐ始まります。
ほとんどが夜から朝方にかけて産まれていることが多いため、
グッピーが妊娠しているのがわからなかった飼い主さんは、
と焦りますがご安心を。
稚魚は5ミリくらいでほんとに小さいのですが、見た目はちゃんとした魚になっています
産まれて3時間ほどは下の方でジーッとしていますがその後からはちゃんと泳いでいます。
お母さんグッピーのお腹が膨らみ黒くなり始めたら水槽内側に吸盤でくっつく産卵ケースを設置し、お母さんグッピーをそこに入れます。
お母さんグッピーに食べられないように下には稚魚が産まれ落ちて行けるようになっています。
下の方によく見ると産まれたばかりの稚魚がいます。
稚魚が下に落ちて分かれるようになっているのでお母さんグッピーに食べられないような設計になっています。
産まれて1週間くらいの稚魚。
まだ色は付いてませんがメダカみたいな色です。
グッピーの寿命
グッピーの平均寿命は約1年くらいです。
上手に育てても長くても1年半ほどなのでペットショップやホームセンターなどで購入する場合は産まれてからすでに生後3〜4カ月程度に成長している個体のため、
自分の水槽で育て過ごせるのは長くても1年間あるかないかくらいになります。
体長は大きいものでも5cm程度で、メスはちょうどメダカより少し大きめで尻尾に少し色がついてオスよりも地味で少し丸い体になっています。
オスの方はいろいろな模様、色があり選ぶのに迷うほどです。
こんな感じで尻尾がヒラヒラとした種類もいます。
国産グッピーと”外”国産グッピー
外国産のグッピーはいろいろな種類が輸入されていてショップに行くか、今はネットでも販売されています。
国産は高価ですが、人気のある種類もあり国内でもグッピー愛好家の間ではコンテストがあるほどです。
ホームセンターや、熱帯魚屋さんで安く売っている個体は外国産グッピーですが、もともと体が丈夫ですごく飼いやすく初心者には向いています。
ペアで350円〜400円くらいで売っているので買うときに店員さんに赤っぽい色、黄色いこんな感じの魚と好みの色を伝えると選んでくれます。
ちなみに昔、筆者が学生時代にバイトをしていたショップに熱帯魚の本を持ってきてこんな色のグッピーを選びたいと言うお客様もいましたので、
今なら好きな魚の写真をスマホで見せてこんな色のグッピーが欲しいとショップ店員さんに言うのもおすすめです。
グッピーの主な種類
グッピーにはいろいろな種類がいます。
- ワイルドグッピー
- 尻尾からVの字になっているダブルソードグッピー
- きれいな白系できらきらと鱗全体が光っているネオンタキシードグッピー
- マルチタキシードグッピー
- 綺麗な赤色のフラミンゴグッピー
- 全体が黄色いシンガードラゴングッピー
- 尻尾が長く白っぽいくとてもきれいなドイツイエロータキシードグッピー
- 尻尾が長く体全体に黒い模様があるキングコブラグッピー
- 尻尾が長くキングコブラグッピーにブルーが入ったブルーグラスグッピー
- グッピーの代表的な色のモザイクグッピー
- きれいな単色のレッドテールグッピー
- 独特な渋い紺色単色のグッピーであるモスコーブルーグッピー
などなど
グッピーでもたくさん種類がありますが、メスと掛け合わせていろいろな色のベビーグッピーが産まれてくるのも楽しみです。
外国産で安く売られている個体は、全部一緒の水槽に入れられて売られているので買うときにどんな色が良いかを店員さんと選ぶと良いです。
ちなみに、グッピーという名前は植物学者で発見者の「レクメア・グッピー氏」の名前から付いているそうです。
飼育のセット方法
グッピー3ペア(オス3匹、メス3匹)や、オスだけ6匹くらい、他に水草とネオンテトラ5〜10匹くらいなら45センチのコンパクトな水槽でも飼育できます。
その場合は外掛け式のフィルターか、底面式フィルターが使いやすいと思います。
スタンダードな60センチ水槽なら、他にも熱帯魚が一緒に飼えるサイズです。
ホームセンターでも60センチ水槽なら熱帯魚が育成できるセットとしても売っているので安上がりになり初心者にもセットしやすいでしょう。
我が家もこの60センチ水槽でグッピーと他の熱帯魚を混泳して飼っていますが良い感じです。
水の管理と水作り、水換えのやり方
水道水にはどの観賞魚にも悪い塩素、カルキがあるため熱帯魚用のカルキ抜きが必要です。
我が家には水槽が多いので業務用の大きいものを使っていますが普通サイズもあるので4in1液があるとすぐに飼育水が出来るので使っていますが、
他にPSBという生きているバクテリア液を毎日60センチ水槽に3〜5ccを観賞魚用のスポイトで水槽に直接いれて飼育しています。
筆者は熱帯魚用のスポイトで60センチ水槽に毎日5cc位を入れています。
バクテリアなので蓋を開けた時にはちょっと匂いがしますが‥、水槽に入れると匂いはしません。
ちょうど、ゆで卵のような硫黄の様な匂いです。
熱帯魚ショップでも培養している自作のPSB液を各水槽に毎日入れているところもあります。
フィルターと底石について
フィルターは上部フィルターと底面用フィルターを使っています。
べアタンク(底石を敷かない水槽)ではなく底石を入れている方の水槽には熱帯魚用(淡水魚)の汚れにくい、苔の生えにくい底石を使っています。
これだと小粒石で安定しているので水草を植えたり増やすためにも水草を切って底石に挿して増やすこともできます。
グッピーの繁殖の楽しみ方と、繁殖力!
綺麗なオスを選びメスと3ペアくらい水槽に入れておくと1ヶ月半ほどしたら稚魚が産まれているので、
はじめはあまりたくさんペアを入れない方がよいかと思います。
繁殖して飼い主の知らないうちにたくさん増えます。
繁殖させたくなければ、ペアではなく綺麗なオスだけを飼うと良いです。
尻尾がながく綺麗なオスはグリーンの水草とも相性バツグンです。
なかには高級な国産グッピーのオスとメスをかけ合わせて品種改良しているマニアの方もいます。
グッピーと同じ卵胎生魚はどんな魚がいるの?
グッピーのように卵ではなくお腹の中で稚魚を育てて産む「卵胎生種魚」には、グッピーの他にもいます。
- プラティ
- バルーンモーリー
- ライヤーモーリー
- ソードテール
- ゴールデン・デルモゲニー
がいますので飼いながら繁殖(だいたいが自然に繁殖します)をし、
稚魚を成魚まで育ててみるのも楽しいです。
他の熱帯魚との相性と混泳について
グッピーは仲間同士や他の魚にも攻撃もせず性格も大人しい魚なので、混泳させることが出来ます。
ただし、ヒレが派手なので他の魚にかじられることがあり、混泳させる魚は大人しい魚を選んだ方が良いと思います。
わが家では、
- ドワーフグーラミィ
- まだ幼魚であるエンゼルフィッシュ
- 20センチに成長しているセルフィンプレコ
- オトシンクルス
なども一緒に泳いでいますが問題なく仲良く泳いでいます。
お産用の産卵ケース
写真上のものはスタンダードな水槽内に吸盤でつけて使うタイプ。
写真下のものは、水槽が小さい時や今回みたいに2つのお産があるときに外掛け産卵ケースです。
水槽内でお産をしてしまうと親グッピーや他の魚にほとんどが食べられてしまいます。
グッピーを増やしたい、稚魚を育てたいという人は水槽内に吸盤でくっつけるタイプの産卵ケースか、または外掛けの産卵ケースを使うと良いでしょう。
写真は我が家の水槽のひとつ。
他の熱帯魚の他にグッピーを3ペア(オス3匹、メス3匹)入れていたら同時にお母さんグッピーのお産が始まってしまいました。
そのため急遽、いつも使用している水槽内に入れるスタンダードな産卵ケース(写真中央にある水槽内のケース)の他に、
外に掛ける外掛け産卵ケース(写真右側の水槽上にかけてある透明なケース)を同時に使いました。
外掛け産卵ケースもお産以外に弱っていそうな魚や、まだ小さい魚を一時的に入れておくのに便利なのでお産以外にも使っています。
グッピーに適した水温と水質は?
グッピーはだいたい26度から28度の水温で飼育できるので他の熱帯魚と一緒に買う場合はその魚の合う水温も確認し、設定すると良いと思います。
水質は、ワイルドグッピーのみが中性で他の種類のグッピーは中性から弱アルカリ性ですので他の熱帯魚と一緒に入れても飼いやすいです。
ワイルドグッピーのみ、水質に少しだけ注意が必要です。
グッピーに合う水草
グッピーや熱帯魚のストレス軽減や水質管理には水草の設置がオススメです。
グッピーは弱アルカリ性の水質を好みますので、弱アルカリ性で育ちやすい水草でクリプトコリネ、レトロスピラリスなどを選ぶと良いと思います。
グッピーの餌
我が家の水槽には他の熱帯魚もいるのでこの餌を昔から使っています。
大きめの熱帯魚にはそのままフレーク状を魚の上にあげ、小さめの魚や幼魚には指でフレーク状を細かくしてあげています。
稚魚の育て方と稚魚用の餌
稚魚にはグッピーの稚魚にも使えるベビーの餌を産卵ケースにいる稚魚にあげています。
産卵ケースの場合、ケース内の水が汚れやすいのでスポイトで汚れやフンを取ると良いでしょう。
パウダー状なのでこぼさないように注意したほうが良いです。
指にくっつくので適量を指にとり稚魚にあげています。
稚魚には1日3〜4回少量をあげてください。
その後、産卵ケース内の底にフンなどの汚れがたまりやすいのでスポイトで取ると綺麗になります。
グッピーの病気と治療法
グッピーがなりやすい病気には、ヒレが白く濁ってしまう「カラムナリス病」があります。
グッピーが罹りやすい病気のひとつで、病状が進行していくと白濁はヒレ全体へと広がり、やがてヒレが裂けてボロボロになってしまうので、初期症状が出たらすぐに別の水槽に移すことが良いでしょう。
「カラムナリス病」はとても感染力が高い病気ですが、早期に治療すれば完治が見込めます。
また、熱帯魚につきものの病気である「白点病」と「綿カビ病」もあります。
と思ったら白点病または、綿カビ病の可能性が高いので、
- その個体だけ別水槽に移すか
- 水槽に入れて薬浴(今は水草が入っていても使える薬剤がある)
すると良いです。
ちなみに、筆者は病気予防のために水換え時に水槽水に少量の塩を溶かして入れています。
「綿カビ病」は、季節の変わり目の春と秋に多いのでその期間は温度を1から2度ほどあげるのも病気予防になりますが、
他の熱帯魚と一緒に飼っている時は病気の魚を別水槽に移して薬浴するか、
予備の水槽セットがない場合は水草も入っていてOKの薬剤「アグテン薬」があります。
水換え(必ず通常の水換え同様に水道の塩素とカルキ抜きの液体を入れて)をしてから、
薬剤に書いてある適量を入れしばらくの間、薬浴して様子を見ましょう。
熱帯魚を扱っているホームセンターにもある薬浴剤です。
これは水草も入っている水槽にも使えて便利です。
我が家には熱帯魚水槽が多いので、買って常備してあります。
水槽に水草が入っていない場合は老舗メーカーの「グリーンF」薬剤がおすすめです。
ペットショップで薬剤を購入する場合は、
店員さんに言わないと棚から出してもらえない場合もあるのでその時に、
- 水草が入っているか入っていないか?
- どんな症状が出ているのか?
を言うとその病気に合わせて薬剤を選んでくれますので悩むよりも症状が悪化する前に早めにショップで相談するほうが良いです。
また白点病、カラムナリス病、綿カビ病の他に、泳ぎ方に元気がない場合や、動きが鈍い場合は「細菌感染症」が疑われます。
新しく買ってきた熱帯魚やグッピーがすでに「細菌感染症」に罹っている熱帯魚だと知らずに連れて帰り、
同じ水槽に入れてしまうことで、グッピーや他の熱帯魚にも感染してしまうと病気です。
細菌性感染症は、ヒレを閉じたまま力なく泳ぎ、やがては死に至る恐い病気です。
早めに症状が出ている熱帯魚だけ別の水槽に移して薬浴しないとそのままでは水槽内の魚全部が死んでしまうので1匹でも症状がある魚がいたら別の水槽に移してください。
熱帯魚を飼っていると時には病気になる魚もいます。
早め早めに別の水槽に移すことが他の熱帯魚に感染しないので良いと思います。
最後に、どの熱帯魚も同様ですが毎日の水質と夏場の水温、あとはフィルターを徹底管理することで病気予防もできるので、寿命を延ばすことにもつながります。
あとはパクパクとよく餌を食べてくれてかわいいからと餌のやりすぎも水質悪化、水の汚れが早くなるためやめたほうがよいでしょう。
まとめ
グッピーはカラフルでいろんな種類があり自分でもすぐに繁殖ができる熱帯魚です。