はじめに
飼育したい種類は人それぞれですが、熱帯魚を始めるにあたって
「小さくてキレイな魚が良い!」と思う方も多いのではないでしょうか?
最近では小型水槽やボトリウムが普及しており、熱帯魚を始められる方もいらっしゃいます。
そこで今回皆様にご紹介させていただくのが「クラウンキリー」です。
古くから小型美魚として有名な種類で、大人しい性格とメリハリのある美しいシルエットと体色からとても人気のある熱帯魚となっています。
クラウンキリーってどんな魚?
クラウンキリーはアフリカ大陸が原産の小型のメダカの仲間です。
その大きさは4cm程しかありませんが、尾ビレが大きく体型もスマートで小さいため、それほど大きく感じられません。
体には黒と白のシマ模様があり、オスだと背ビレ、尻ビレにもこの模様が入ります。また、ド○クエのスライムを横倒しにしたような尾ビレの形が特徴的で、メスは付け根が黄色く周りが透明ですが、オスは黄〜山吹色に一直線のラインが入り、その周りにメタリックな水色、赤、薄青色が入ります。
頭部を真上から見ると星のように輝き、頭部に対して大きめな目はメタリックな水〜青色の輝きを放ちます。
性質はとても大人しく、クラウンキリーをいじめるような魚以外であれば混泳もできます
生息地について
クラウンキリーはアフリカ大陸のシエラレオネ、ギニア、リベリアを流れる河川に生息していると言われています。
流れが緩やかな河川なので、飼育の時は水流に気を付ける必要があります。
どんな物を食べるの?
クラウンキリーは野生下では蚊などの落下昆虫やユスリカの幼虫のような水生昆虫、イトミミズや甲殻類の幼生を食べています。
他にもどんな名前があるの?
一般的にクラウンキリーと呼ばれていますが、
本来の名前は「シュード(プセウド)エピプラティス・アニュレイタス」です。
また、特徴的な尾ビレの形と色彩から「ロケットフィッシュ」と呼ばれる事もあります。
☆「クラウンキリー」と呼ばれる理由☆
本来の名前とは違う名前で親しまれているクラウンキリーですが、この「クラウン」は何の事だと思いますか?
「王冠」と思わせておいて、実は「道化師」の事を指しています。
この魚の派手な体色が道化師の衣装やメイクを彷彿とさせるため、そう呼ばれるようになったのです。
どこで手に入るの?
クラウンキリーはとてもポピュラーな種類の1つなので、
熱帯魚も扱っている総合ペットショップやアクアリウムショップで入手する事ができます。
ペットショップやアクアリウムショップの中には通販もしているショップもあるので、クラウンキリーをお探しの際は利用してみてください。
ブリード個体とワイルド個体に違いはあるの?
最近では東南アジアでブリードされたクラウンキリーが入荷するようになりました。
ブリード個体はワイルド個体より飼育水に慣れている分飼育しやすい面があり、値段も安価です。
ワイルド個体の場合は少々神経質で、飼育環境に慣れるまでは体調を崩しやすい面があります。また、値段もブリード個体より少し高いです。
ブリード、ワイルド共に基本的に成魚ではなく若魚が入荷するため色彩が薄い事が多いですが、飼育してしばらくすると色彩が出てそれぞれ美しい姿に成長してくれるので、その成長過程を見るのも楽しみの1つです。
クラウンキリーの飼育のポイントは?
小さくてキレイで可愛らしいクラウンキリーは導入直後は少々弱い面が見受けられますが、大切に飼育すると小型美魚の名に相応しい姿を見せてくれます。
そのための飼育のポイントは
■飼育のポイント■
- 水流に気を付ける事。
- 餌は細かい物にする事。
- 水質は弱酸性〜中性を保つ事。
- 水質の急変に気を付ける事
が挙げられます。
クラウンキリーの飼育方法について
・導入
クラウンキリーはペットショップで見かけると2cm程の小さな若魚の状態でいる事が多く、健康チェックも一苦労です。
体表が白濁していたり、粉状、粒々状の付着物がある個体は避けるようにします。
そしてここからが飼育ポイントの1つ、「水質の急変の注意」です。
健康なクラウンキリーを購入したら、水槽に移すために「水合わせ」をします。
急に水槽に導入すると水質や水温の急変によりショック状態になったり弱ってしまうのを防ぐためです。
まず、水槽の水を1/3〜1/4程バケツにとっておきます。
次に購入してきたクラウンキリーを袋ごと水槽に入れ、水にしばらく浮かばせて水温を合わせます(約20〜30分程)。
水温を合わせ終わったら袋を開け、中の水を1/3〜1/4程捨てて水槽の水を入れて10〜15分程様子を見ます。クラウンキリーに異常が見られなかったらこの一連の行動を2〜3回繰り返し、異常が見られなかったら晴れてクラウンキリーを水槽に放ちます。
放ち終わったらあらかじめとっておいた水槽の水を水槽に戻して水合わせは終了です。
・水槽、水質、水温
クラウンキリーはとても小さな魚なので、30cm水槽でも5〜6匹飼育する事ができます。
自然繁殖やクラウンキリーの大規模な群泳、混泳を楽しみたい場合は60cm以上のサイズで飼育すると良い結果を得られやすいです。
水質は弱酸性を好んでいるので弱酸性〜中性を保つようにしましょう。
水温は23〜27℃くらいです。
水温が急変しないように、ヒーターを入れて水温を一定にして飼育します。
Q,好んでいる水質を維持するとどんな効果があるの?
A,健康に過ごしてくれるだけでなく、本来の体色を見せるようになります。
魚の飼育で気になるのが水質の維持です。
それぞれの好む水質を維持する事で魚達のストレスが軽減されたり、体への負担が減るため元気な姿を見る事ができます。
また、これらの理由から体色が揚がり、
その魚本来の美しい体色を見せてくれたり水槽内で繁殖行動を取る事もあります。
・フタ
クラウンキリーはメダカの仲間らしく、水槽内でも上層を泳いでいる事も多い魚です。
そのため何かの拍子に簡単に飛び出してしまいやすいという面があります。
・照明(ライト)
昼夜のメリハリをつけたり、
水草もレイアウトしている場合は育成も兼ねてライトを使うと良いでしょう。
・底砂
飼育ポイントの2つ目、「水質を保つ事」に繋がります。
アルカリ性に傾ける作用がない底砂であれば、飼育に使う事ができます。
・フィルター
飼育する匹数や水槽のサイズに合わせて使うフィルターを選んでください。
クラウンキリーの飼育にはどのフィルターでも使う事ができます。
しかし、購入したクラウンキリーがかなり小さい場合はフィルターの揚水口に吸い込まれてしまう可能性があるため、パワーフィルター、上部式フィルター、外部式フィルター、外掛け式フィルターの場合はストレーナースポンジなどを取り付けるようにすると吸い込まれ事故を抑制する事ができます。
また、飼育ポイントの3つ目である「水流」ですが、クラウンキリーは緩やかな水流を好んでいるため、調節弁を使って水流を調節しましょう。
・水草
クラウンキリーは水草にイタズラをする事はなく、
その派手な体色が水草の緑によく映えるため、非常に水草と相性が良いです。
弱酸性〜中性の水質で育成できる水草であればレイアウトに使う事ができます。
「クリプトコリネ」や「ボルビディス」、「ミクロソリウム」も人気がありますが、繁殖も視野にいれている方には「アマゾンフロッグピット」や「ウォータースプライト」、「パールグラス」などの水草もオススメです。
・隠れ家
クラウンキリーは普段はとても大人しい性質ですが、たまに小競り合いをする事があります。
・給餌について
飼育ポイントの4つ目です。
クラウンキリーは何でもよく食べてくれる魚で、人工飼料でも終生飼育ができる程です。
しかし口が小さいため、餌のサイズに気を付ける必要があります。
人工飼料であれば細かい顆粒タイプや細かいフレークタイプ、
冷凍飼料であればブラインシュリンプベビーやイトミミズが食べやすい大きさです。
普通サイズのフレークタイプを与える場合は指で摘まんで細かくすりつぶしながら与えます。冷凍赤虫を与えたい場合は小さい赤虫ならそのまま与えられますが、基本的に解凍後にハサミで細かく切ってから与えるとクラウンキリーも食べやすくなります。
給餌は1日1〜2回、3分程で食べきれる量を与えます。
Q,口のサイズに合わせないで餌をあげるとどうなるの?
A,水質悪化の原因になったり最悪の場合は死んでしまいます。
人工飼料のラベルには食べやすさが記載されている事があります。
これを鵜呑みにしてそのままのサイズで与えると、確かに食いちぎりやすそうではありますが、食べ終わる前に底に落ちてしまう事も少なくありません。
この餌の残りが腐敗してしまい、水質悪化や病気の原因になってしまう事があります。
また、稀なケースですが、口に入れたは良いものの、飲み込む事も吐き出す事もできずに窒息死してしまう事もあるため、餌のサイズは看過できない所があります。
・掃除、水換え
こちらも飼育している匹数や水槽のサイズ、汚れ具合にもよりますが、
1週間〜10日に1度、だいたい1/3〜1/2の量の水換えをします。
まずは飼育器具の全ての電源を切ります。
この時注意していただきたいのが「ヒーター」で、電源を切ってから約20分程置かないとかなり熱く、火傷の原因になってしまったり、冷めない内に空気中に出すと故障の原因になってしまいます。
電源を切ったら水槽の汚れを落としていきます。
ガラス面のコケやヌメリなどの汚れをスポンジやスクレイパーで落とします。
石や流木が汚れている場合はブラシで汚れを落とします。
レイアウトも変えたい場合は1度水槽から取り出してからブラシで汚れを擦り落としましょう。
底に溜まった汚れはクリーナーポンプで水ごと吸い出します。
フィルターの掃除は頻繁にする必要はありませんが、目詰まりの解消のためにウールマットは洗うようにしましょう。投げ込み式やパワーフィルター、外掛け式フィルターの濾過材はオールインワンタイプである事がほとんどのため、こちらも目詰まり解消のためにもみ洗いします。
スポンジフィルターの場合はスポンジが濾過の働きをしているので、汚れが溜まり過ぎないように定期的にもみ洗いをする必要があります。
もし、ウールマットや濾過材、スポンジの傷みや汚れが酷い場合は新しい物と交換します。
上部式フィルター、外部式フィルターの生物濾過や科学濾過の場合は1ヶ月〜2ヶ月に1度、飼育水で軽くすすぐようにして洗います。
水草が伸びたり子株が出過ぎている場合はハサミでトリミングして葉の長さや背丈を短くしたり、不要な子株も切り取ります。トリミングで出た不要な葉は必ず燃えるゴミとして処分してください。
掃除が終わったら全ての器具を取り付け、カルキ抜きをして水温も合わせた新しい水を水槽に足していきます。水を入れ終わったら器具の電源を入れて水槽掃除は終了です。
クラウンキリーのかかりやすい病気と治療方法について
水槽内を活発に泳ぎ、餌もよく食べて可愛いクラウンキリーですが、
体が小さい分体力も少なく、1度病気にかかると治療にかなり苦戦を強いられる事が多いです。
1,エロモナス症(松かさ病)
「初っぱなから!?」と思われるかも知れませんが、
クラウンキリーは体が小さいためよく観察していないと高確率で見落としやすい病気です。
体表が僅かに充血していたり、ウロコが逆立って膨らんでいるように見えます。
水質の悪化や魚達の免疫力の低下、病気の個体を導入してしまったなどが主な原因です。
治療方法として、エルバージュや観パラD、パラザンD 、グリーンFゴールドなどの魚病薬による薬浴を行います。
病魚を治療用水槽に隔離したら魚病薬を規定量投薬します。
3〜5日に1度水換えをし、再び投薬して治療を続けます。
エロモナス症はかなりしぶとい上に死亡率も高い病気なので、
体力が少ないクラウンキリーにとっては非常に厄介な病気です。
2,カラムナリス症
症状が出た部位によって呼び名が変わる病気です。
クラウンキリーは特に尾ビレ、次に口に症状が出やすいです。
初期症状では体の一部に白〜黄色っぽい付着物が現れます。口腐れ病の場合は次第に口先が爛れ始め、放っておくと頭部全体に症状が拡がって死に至ります。尾腐れ病の場合は尾ビレの柔軟性が失われていき、溶けるように尾ビレがボロボロになってしまいます。
治療方法は観パラDやパラザンD、グリーンFゴールド、エルバージュのいずれかの魚病薬を使った薬浴をします。
病魚を治療用水槽に隔離したら、魚病薬を規定量投薬して治療します。3〜5日に1度水換えをし、再び投薬をして治療を続けます。
3,白点病
アクアリウムの世界で非常に有名な病気で、
名前の通り白い点々が体表に現れるので発見しやすい病気の1つです。
病魚は白点の不快感からか体を底砂や流木などに擦り付けますが、この時にできた傷から二次感染が起こる場合もあるため注意が必要です。
発症の原因ですが、こちらも水質の悪化や水温の急変、病魚を導入してしまったなどが挙げられます。
治療にはアグテンやグリーンF系の魚病薬、メチレンブルー、マラカイトグリーンを使った薬浴を行います。
治療用の水槽に病魚を隔離したらいずれかの魚病薬を規定量投薬して薬浴します。
5〜7日に1度、アグテンの場合は3日に1度水換えをし、再び投薬して治療を続けます。
4,ウーディニウム症
発症すると体表に白〜黄色っぽい粉状の付着物が現れるため「コショウ病」「ベルベット病」とも呼ばれる病気です。
発症した魚は元気がなくなり、力なく泳いだりヒレをたたんでプルプル震えたりします。
原因は水質の悪化や病気の魚を導入した事などが挙げられますが、フィルターや水槽掃除をサボったり手を抜いたりすると発生する事があります。
治療にはメチレンブルーやマラカイトグリーン、グリーンF系の魚病薬を使った薬浴を行います。
治療用の水槽に病魚を隔離したら、いずれかの魚病薬を規定量投薬して薬浴をします。
5〜7日に1度水換えをし、再び投薬をして治療を続けます。ウーディニウム症は非常に感染力が強い病気なので、少しでも症状があれば隔離して薬浴をした方が無難です。
また、しっかり水槽掃除やフィルター掃除をしたり、
水質をキレイに保つ事で発生をかなり抑制できる病気でもあります。
クラウンキリーの繁殖について
雌雄判別の方法は?
クラウンキリーの雌雄判別はとても簡単で、小さい若魚の段階でも判別可能です。
オスの特徴
- メスより体が大きい。
- 各ヒレが大きく、特に尻ビレは平行四辺形のような形をしている。
- 背ビレ、尻ビレ、尾ビレに模様がしっかりと入る。
- オス同士でフィンスプレッドをして優劣を競うようになる。
メスの特徴
- オスより少し体が小さい。
- 各ヒレが小さく、特に尻ビレが丸みを帯びた形をしている。
- 尾ビレ、背ビレ、尻ビレに模様が入らず、尾ビレの場合は付け根が黄色いだけ。
- オスと比べて体がふっくらとしている。
繁殖に必要な物は?
自然繁殖の場合は60cm水槽などで水草をふんだんに使ったレイアウトを作り、群泳をさせるという方法があります。
狙って繁殖させる場合は30〜45cm水槽にヒーター、スポンジフィルターをセットし、ウィローモスやウォータースプライト、アマゾンフロッグピットを入れて繁殖用の水槽を作ります。
クラウンキリーの繁殖行動は?
クラウンキリーのオスは成熟するとメスをめぐってフィンスプレッドを始めます。
この戦いに勝ったオスが晴れてメスとつがいになる事ができ、ヒレをいっぱいに拡げて小刻みに震えながらメスにアピールします。
オスは気に入った場所にメスをエスコートし、背ビレと尻ビレでメスを抱き締めるようにして体を寄せ合い産卵します。
1度の産卵数は3〜5個程で、粘着性のある糸で水草に絡めるようにして産み出されます。
■卵の注意点について■
クラウンキリーの卵はとても小さく繊細な面があります。
特に初産の卵は栄養の問題なのか受精率が悪い事があり、かなりカビやすいです。
また、その後に産まれた卵は受精率が良くても水質が悪いとすぐにカビてしまうので注意が必要です。カビた卵を放っておくとどんどんカビが広がっていき、健康な卵にも害を及ぼしてしまうため、スポイトやピンセットなどで取り除きます。
クラウンキリーは何回かに分けて少しずつ産卵をするため、産卵が始まったら1週間くらい様子を見て、メスの下腹部がスマートになっているようであれば本来の水槽にペアを戻します。
こうする事である程度の採卵ができ、親魚による食卵も防ぐ事ができます。
卵と稚魚のお世話について
クラウンキリーの卵は水温25℃くらいだと約2週間程で孵化が始まります。
生まれてくる稚魚達もかなり小さいので、
卵や稚魚の観察をしたい場合はルーペを用意しておくと観察しやすくなります。
孵化初日
大きさは2〜3mm程で、ほぼ体色は無色です。
お腹には栄養が詰まったヨークサックをつけているため餌は必要ありません。
孵化後2〜3日目
お腹のヨークサックがなくなり餌を食べるようになります。
餌にはPSBと稚魚用のパウダーフードを少量与えます。
この時アマゾンフロッグピットやウォータースプライトがあるとインフゾリア(微生物)が自然に沸いて稚魚の餌になるため生存率が上がります。
孵化後7日目〜
稚魚の成長は早く、無色だった体は黄色みがかった薄い肌色っぽい色をしています。
泳ぎ方もホバリングが多いですが、スイスイと泳げるようになってきます。
孵化後12日〜
まるで糸くずのようにひ弱な体に僅かながら厚みがでてきます。
大きさは4〜5mm程で、積極的に餌を食べ、泳ぐようになってきます。
ヒレが少しずつ大きくなってきている時期ではありますが、水質が悪くなっているとヒレが癒着したようになる「ハリ病」が出てしまうため、スポンジフィルターのスポンジを1度しっかりもみ洗いし、1/3くらいの量の水換えをします。
孵化後17日〜
体の大きさにあまり変化はありませんが、尾ビレ、胸ビレが少し大きくなります。
背ビレ、腹ビレはまだハッキリと確認できません。
孵化後23日目〜
稚魚達の体に厚みが出て、頭上には僅かに光る部分が見え、体にはクラウンキリー特有のシマ模様が出始めます。
口はまだ小さいので、餌にはPSBと稚魚用パウダーフードを与えます。
孵化後30日目〜
体の大きさは7〜8mm程で、体色も濃くなってクラウンキリーっぽさが出てきます。
かなり小さいですが、腹ビレと背ビレが僅かに確認できます。
まだまだ小さいため、PSBとパウダーフードを与えます。
食べ残しや残念ながら死んでしまった稚魚はスポイトで取り除きます。
孵化後37日目〜
順調に成長すると稚魚の大きさも1cm近くなります。
孵化初日のような弱々しい泳ぎ方ではなく、しっかりとヒレを動かして力強く泳げる容認なります。
孵化後47日目〜
稚魚達の大きさも1.3cmを超える個体が出てきます。
模様もハッキリしてきて目も僅かにメタリックブルーがのってきます。
ブラインシュリンプベビーを口にできるようになるため、冷凍したものか、卵から沸かしたブラインシュリンプベビーを少量与えます。
積極的に食べるようであれば、PSBは水換えの時だけ添加するようにして主食をパウダーフードとブラインシュリンプベビーにします。
◆ブラインシュリンプをあげるようにしたら謎の生物発見!?◆
ブラインシュリンプベビーは稚魚や小型種に良い餌となってくれますが、しばらく与えていると水槽に小さなイソギンチャクのような生物が発生する事があります。
この生物は「ヒドラ」と呼ばれており、小さなイソギンチャクやクラゲの仲間です。
ある程度の大きさがある種類は大丈夫ですが、体の小さい稚魚はヒドラの餌にされてしまう事もあるため、ヒドラを見つけたら駆除します。
稚魚がある程度育っている場合なら稚魚を別の容器に移動させ、ヒドラが発生した水槽を熱湯消毒してしまいます。熱湯消毒後は天日で干し、ヒドラを完全に駆除できたら再び水槽を使う事ができます。
孵化後60日目〜
稚魚の大きさも2cm近くなり、
各ヒレや目のメタリックな輝きも確認できるようになります。
体色もよりハッキリし、親魚程の発色はなくても立派な若魚です。
ここまでくれば水質の急変や病気が出回らない限り安心サイズなので、繁殖成功です。
親魚水槽に移すにはまだ早く、大きさが2cmを超えたら戻すようにします。
まとめ
今回は小型水槽でも映える小型美魚・クラウンキリーについてご紹介させていただきました。
小さいので難しそうに感じるかも知れませんが、
水質や水流、餌のサイズなどに気を付ければ、意外と簡単に飼育する事ができます。
また、大事に飼育する事でヒレが伸び、ド派手な発色をした個体は非常に見応えもあります。そんな個体のフィンスプレッドやメスへのアピールは非常に美しく、この魚がどうして古くから人気があるのかが一目で分かります。
初めての熱帯魚を小型水槽で楽しみたいとお考えの方や、新しく小型種の導入をお考えの方は是非クラウンキリーも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?