今回は皆様に水槽内を元気いっぱいに泳ぎ回る「オレンジグリッターダニオ」についてご紹介させていただきます。
1,蛍光色の元気っ子!オレンジグリッターダニオの特徴について!
①分類
オレンジグリッターダニオは「Danio choprai」という学名があり、コイの仲間です。
②生息地
本種は東南アジアのミャンマー原産の熱帯魚であり、その中でも「イラワジー川」という河川に生息していると言われています。
③どんな見た目をしているの?
見た目はゼブラダニオやキャスィットダニオのような体型に近いですが、オレンジグリッターダニオの場合は前種より体高や厚みがあるため少しコロッとした体型です。
体色は透明感のある黄色に蛍光オレンジのラインがヒレや体側を走り、お腹側は少し濃いめの蛍光オレンジの上にメタリックな青緑色の不明瞭なバンド模様が入ります。
④大きさは?
本種は成長しても約4cmの小型種ですが、前述したように体型が若干コロッとしているため体格が良いです。
⑤どんな物を食べているの?
自然下の彼らは小さな落下昆虫やミジンコ、稚エビなどの微細な甲殻類、イトミミズやアカムシなどの水生生物を主に食べています。
⑥気になる性格は?
オレンジグリッターダニオは明るく活発な性格をしており、まるで物語の主人公のようです。
ただし、同種間ではたまに小競り合いをして優劣を決めようとします。
⑦どこでお迎えできる?大体のお値段は?
彼らはダニオの中ではポピュラーで人気が高いため、取り扱われている事も多いです。
アクアショップや総合ペットショップでも見つけやすいですし、近くにショップがない場合は通販でも購入する事ができます。
お値段の目安ですが、1匹あたり大体500〜600円前後です。通販の場合はさらに送料なども入ります。
2,オレンジグリッターダニオの飼育の注意点について
本種はとても活発で体色も美しいため人気が高く、丈夫なのでアクアリウム初心者にもオススメの熱帯魚です。
- 遊泳スペースを確保すること。
- 飛び出しやすいので水槽に必ずフタをすること。
- 餌を与えすぎると太って体型が崩れるので量や回数、質を考えながら与えること。
3,オレンジグリッターダニオの飼育方法について
①お迎え
彼らは入荷も比較的多い種類なので、アクアショップや総合ペットショップのアクアコーナーでも見かけやすいです。
水槽内を泳ぐ彼らを見つけたら、まずは健康チェックをします。
②水合わせ、導入
オレンジグリッターダニオをご自宅にお迎えしたら、まずは水槽に袋ごと浮かべて水温を合わせます。
大体20〜30分ほど浮かべると同じくらいの水温になります。
水温合わせが終わったら開封し、中の水を1/5〜1/4捨てて水槽の水を同じくらい足し、15〜20分ほど様子を観察します。
異常がなければ袋の中の水が、ほぼ水槽の水になるまで繰り返し、最後の水合わせの時も異常が見られなければ水槽に放ちます。
③水槽、フタ
本種は小型種なので30〜45cm水槽でも飼育はできますが、その場合は2〜3匹ほどに留め、遊泳スペースを確保する必要があります。
4匹以上飼育したい場合は60cm水槽(レギュラー水槽)で飼育すると小さな群れを作って颯爽と泳ぎ回る様子を観察できます。
④水質、水温
オレンジグリッターダニオは水質にうるさい種類ではなく、適応力もあるので飼育の安心感が強いです。
弱酸性〜弱アルカリ性の水質でも飼育できますが、phが極端に低い、または高い水質は流石に適応できないので注意が必要です。
⑤底砂
極端にphを変動させるタイプの物でなければ飼育に使う事ができます。
⑥フィルター
水槽の規格に合っていればどのフィルターでも使う事ができます。
⑦水草
本種は水草にイタズラをする種類ではなく、むしろ水草の緑や赤に良く映えるため相性はかなり良いです。
「アマゾンソード」や「ウォーターウィステリア」「ラージリーフハイグロフィラ」「ロタラ」なども育てやすい水草ですが、「バリスネリア・ナナ」や「ヘアーグラス」なども爽やかな雰囲気を演出するためオススメです。
⑧レイアウト
オレンジグリッターダニオはあまり隠れる事はなく、むしろ水槽の前面にガンガン出てくるタイプです。
⑨ライト
水草の成長を促したり昼夜のメリハリをつける役割がありますが、水槽を明るく照らす事でレイアウトを明るく見せたり魚達の体色を良くする働きもあります。
様々な商品が販売されており、けっこう悩ましいものではありますが月々の電気代を節約したい方はLEDタイプを使うのがオススメです。
Q,ライトをつけっぱなしにするとどうなるの?
A,コケが生えやすくなったり生き物が寝不足になってしまいます。
水槽を眺めたい、または帰りが遅くなって長時間ライトをつけっぱなしにしてしまったというのはアクアリウムの世界ではよくある事です。
たまになら悪影響はそこまで無いと思いますが、これが長期間続くと問題になってきます。
その主な弊害がコケが生えやすくなったり魚達が寝不足になってしまう事です。
コケが生えやすくなると水草や流木がコケだらけになって景観を損ねてしまいますし、水草は最悪枯れてしまいます。
また、寝不足になった魚は動きが悪くなり、泳ぎ方もどこかボーッとしています。
⑩給餌
オレンジグリッターダニオは人工飼料にも良く慣れ、すぐに食べてくれます。顆粒タイプ、フレークタイプなどにこだわる事もありません。
他にも乾燥クリルを砕いたものや乾燥ミジンコ、冷凍アカムシやイトミミズ、ホワイトシュリンプ、ブラインシュリンプなどもよく食べます。
給餌の間隔ですが、大体1日に1〜2回、数分で食べきれる量を与えます。
この時彼らの食い付きだけでなくお腹も観察し、少しふっくらするくらいで給餌は十分です。
⑪水換え、水槽掃除
テスターの結果やパッと見の汚れ具合にもよりますが、1週間〜10日に一度、1/4〜1/2の量の水換えを行います。
まずはヒーター以外の飼育器具の電源を切り、フタや水温計などの割れやすい物を取り外して安全な場所に移動させます。
掃除の準備ができたら、メラミンスポンジやスクレイパーなどで水槽壁面のコケやヌメリなどの汚れを擦り落とします。
コケなどは生えやすく、見映えも悪いので水槽掃除や水換え以外でもこまめに除去するのも大切です。
次にレイアウトしている石や流木が汚れていたら、歯ブラシなどで擦ってキレイにします。
レイアウトを変更したい場合は水槽から取り出し、流水に当てながらタワシなどで汚れを落とします。
水草が繁茂したり枯れてしまった場合はトリミングをして長さを調節したり、枯れた部分などを除去しましょう。
アクアリウム用のトリミングシザーが細かい作業もしやすくオススメです。
トリミングで出た不要な葉は素手やネットで回収し、燃えるゴミとして処分します。
この時、ネットの中に魚達が入ってしまう事があるため、間違って掬わないように注意が必要です。
フィルターの揚水パイプがあるものは、取り外して専用ブラシで内部を洗います。目詰まりしやすい部分なので、汚れがゴソッと取れる事があります。
一体型濾過材やウールマット、カーボンスポンジの場合も汚れが詰まっている事があるので、別容器に飼育水を入れ、その中で軽く洗います。
濾過力が落ちていたり、繊維や濾過材の傷みが酷い場合は新しい物と交換してください。
水槽内の大体の掃除が終わったら、クリーナーポンプを使って水ごと汚れを除去します。
この時オレンジグリッターダニオは結構激しく泳ぐため、飛び出しには十分注意が必要です。
水抜きが終わったら、新しい飼育水を水槽に足していきます。新しい水はすぐに足せるように、カルキ抜きをして水温も合わせておきましょう。
水を足し終わったら飼育器具を戻し、電源を入れたら水換えと水槽掃除は完了です。
上部式フィルター、外部式フィルターの場合は1ヶ月に一度、生物濾過槽を飼育水で軽く洗います。
4,オレンジグリッターダニオがかかりやすい病気について
オレンジグリッターダニオはかなり丈夫な種類なので、相当飼育環境が悪化しない限りはあまり病気にかかる事もありません。
①白点病
体表やヒレに白い点々が表れる病気です。進行とともに数が増え、最終的には病魚を死なせてしまいます。
水質の悪化や水温の急変が引き金となって発生する病気です。
②ウーディニウム症
コショウ病やベルベット病とも呼ばれる病気で、体表やヒレに粉コショウのような付着物が現れるため、白点病との見分けは簡単です。
主に水質の悪化や病気の魚を導入してしまった事が原因と言われていますが、フィルター内部の掃除を怠っていると発生しやすい事も知られています。
③エロモナス症
ウロコが逆立ったり、目が飛び出してしまうなどの症状があり、致死率が高い病気です。
水質の悪化やそれに伴う免疫力の低下、古い餌を食べてしまった事などが主な原因となっています。
5,オレンジグリッターダニオの繁殖について
オレンジグリッターダニオは健康に育てていれば、水槽内でも繁殖行動を取る事で知られています。
60cm水槽でウィローモスやヘアーグラス、グロッソスティグマなどを育てていると、集団でメスを追いかけ、バラまき型の産卵を始めます。
本種は雌雄の違いが少なく、強いて言えば成熟したメス個体は卵を抱えるためお腹がふっくらします。
この「ふっくら」は胸からではなく下腹部からなので、太り過ぎとは少し違います。
繁殖用の隔離水槽を作り、底から数cmの高さに鉢底ネットを張り付けてオレンジグリッターダニオの小さな群れを入れると、産まれた卵がネットの下に落ちるので親魚に食べられる心配はありません。
稚魚が孵ったら、初期飼料にPSBとインフゾリアを与え、ある程度大きくなったら沸かしたてのベビーブラインシュリンプを与えると成長も早くなります。
まとめ
今回は体色も動きも元気いっぱいな熱帯魚・オレンジグリッターダニオについて皆様にご紹介させていただきました。
本種は体色が美しく、蛍光オレンジ色なのでライトの下での群泳はこの体色がより強く見えるだけでなく、お腹側にあるヤマメのパーマークのような緑色も輝くため、どこか川魚のような雰囲気も兼ね備えています。
そんな彼らの泳ぎは爽やかで活発。体色と相まってずっと眺めていたくなる輝きと癒しに溢れています。
また、丈夫さに加え協調性も高く、他種との混泳に向いているのも魅力です。
ダニオの仲間の多くが他の種類を追い回す傾向が強い中、オレンジグリッターダニオは追い回す事が少なく、体型が近いペンシルフィッシュやコペラなどとも安心して混泳させる事ができます。