池の淡水魚

【水底で戯れるひょうきん者!】ドジョウの飼い方・種類・繁殖・おすすめアイテムを13000文字で徹底解説!【料理】

ドジョウの飼い方・種類・繁殖・おすすめアイテムを13000文字で徹底解説!

はじめに

ドジョウと言えば、用水路や小川の川底にいる身近だけど地味な魚というイメージがあると思います。確かにドジョウには熱帯魚のような色彩の派手さや他の川魚のような機敏な動きはありません。

しかし、その温和な性格やヒゲの生えたユニークな顔、高い栄養価からただ「身近」なだけではなくアクアリウムや食文化どちらでも親しまれている魚なのです。

今回はそんなドジョウの飼い方や種類、文化等について紹介していきたいと思います。実は種類によっては皆様の「ドジョウ」の概念を覆すような特徴や色彩を持つ種類も多く、文化においては都市伝説級の料理があったりと私達の知らない一面も多いので、この記事を通してドジョウの意外性を知り、興味を持っていただけたら幸いです。

それでは早速紹介していきたいと思います!

 

ドジョウの生態について

こちらでは一般的にドジョウと呼ばれている「マドジョウ」について主に紹介していきます。

生息地はどんな所?

マドジョウは日本全国に広く生息しており、湿地や水田、流れの緩やかな小川や用水路等にも生息しています。河川にも生息していますが、主に中流〜下流の方にいる事が多いです。

世界的には中国大陸や朝鮮半島等にも分布しており、日本を含め東アジアでは食用として養殖されています。

どんな特徴があるの?

ドジョウは殆どの種類が細長い円筒のような体を持っています。
マドジョウの平均的な全長は10〜15cm程ですが、中には30cm近い大きさに成長する大物個体もいます。

体色は全体的に茶褐色で背中側には不明瞭な斑点模様があります。お腹側はやや白っぽい色をしています。

性格は大人しく、アクアリウムでは同じ低層を泳ぐ魚とも争う事なく平和に過ごします。

体表には強いヌメリがあり、このヌメリが天敵からの捕食の難易度を上げ、砂や泥に潜る時に体を保護してくれます。
何かに驚いたり天敵を見つけると体をくねらせて砂中や泥の中に潜って身を守ります。

実はスゴい!ドジョウの口ヒゲ

マドジョウは口の回りに10本のヒゲがあります。このヒゲには「味蕾(みらい)」という味を感じる器官があるので、一見何も無い泥や砂の中の餌を探す事ができるのです。

しかし逆に考えるとヒゲに頼って餌を探しているため、飼育下ではヒゲにケガを負ってしまったり病気で失ったりすると餌探しがかなり下手になってしまうので注意が必要です。

呼吸方法はエラ以外にも!

ドジョウは生息している水中の酸素が少なくなると水面に空気を吸いに向かいます。口から空気を取り入れ、しばらくするとをお尻から二酸化炭素の入った空気の玉を排出します。これは「腸内呼吸」と呼ばれ、補助的な呼吸方法であると言われています。

また、皮膚呼吸もできるため水中から出されてもしばらくは生存が可能とされています。

D.M.C(ドジョウ・メイ・クライ)

何が言いたいかと言うと、ドジョウは「鳴き」ます。「泣く」ではなく鳴きます。
その鳴き声は「キュッ」や「チュ〜ッ」といった意外と可愛らしい鳴き声なのですが、この音を発している時のドジョウは水中から出されて苦しい思いをしていたり何かに怯えた状態である事が多く、人間で例えると「悲鳴」や「呻き声」に近い物だと思われます。
せめて悲鳴ではなく喜びの音として鳴けるように大切に育ててあげたいものです。

ピザ食べてCRAZY!なアイツじゃないよ!

実はカラーバリエーションがある

マドジョウは僅かですが色彩変異個体がいます。
白変種は体色が明るいオレンジ色になり「ヒドジョウ」と呼ばれています。また、黄〜ピンクがかった白色の体色に目の色も赤〜薄桃色であるアルビノ個体がおり、人工繁殖によって固定化され、どちらも主に観賞用として親しまれています。

何を食べているの?

雑食性で、自然下ではユスリカの幼虫(アカムシ)やイトミミズ等の水生昆虫を主に食べていますが、泥や砂中に有機物も食べるためベントス食性の一面も見せます。
アジメドジョウは草食性が強く、コケや藻類等の植物質の餌を吸盤のように進化した唇吸い付き、削るようにして食べます。

実はデトックス?意外な腸内呼吸の理由!

先程も紹介した腸内呼吸ですが、補助的な呼吸方法である以外の説があります。

それによるとドジョウは水中に酸素がある状態でも定期的に空気を吸いに行く事があり、腸内に空気を取り入れる事でフン等の排泄を促して体内を綺麗に保っているのだそうです。

腸内呼吸は溜め込みたくないドジョウなりのデトックス方法でもあるようです。

寒くなったらお休みなさい…

ドジョウは冬になると活動を止めて川底に潜り、冬眠をします。1シーズン眠り続けるため、秋の内にたくさん餌を食べて脂肪と体力をつけ冬に備えます。
飼育下でも水温が10℃を下回ると活動が鈍くなり、底砂に潜って冬眠に入る個体もいます。

もし飼育下で冬眠させる場合は、秋頃にイトミミズやアカムシ等の栄養価の高い餌を与え、脂肪と体力をしっかりとつけさせます。
冬になって底砂に潜ったらライトは点けず、餌も与えず、春になってドジョウの冬眠が覚めるまで待ちましょう。流石に1シーズンも寝ていればドジョウも寝ぼけてフラフラしていますが、次第に冬眠前の動きを取り戻していきます。

ちなみに冬眠のメリットとしては繁殖のきっかけになるというメリットがあります。

ドジョウの特徴の後は飼育方法について紹介していきたいと思います。

 

ドジョウの飼育方法

水槽、水温、水質について

飼育下では20cm近くまで成長する事はなかなかありませんが、60cm水槽であれば問題なく飼育する事ができます。また、ホトケドジョウのような小型種であれば30cm水槽でも飼育できます。

水温は15〜26℃が適温ですが、いくらドジョウが丈夫な魚であってもせっかく飼うのですからヒーターで水温を一定に保ってあげましょう。

水質は中性〜弱酸性を好んでいますが、極端なアルカリ性でなければ弱アルカリ性でも飼育できます。

フタについて

どんな種類の魚であっても飛び出す可能性があるため、水槽には必ずフタをしましょう。

特にドジョウは飛び出す力があるだけではなく、体のヌメリを利用してフタの隙間からスルスルと脱出してしまう事があります。そのため隙間にはウールマットを詰める等して対策を取らなければなりません。

フィルターについて

上部式フィルターや外部式フィルター、パワーフィルター等がオススメです。ドジョウはヌメリが強く、底面式フィルターだと底砂と絡んだヌメリで目詰まりを起こす可能性があるためあまりオススメしません。

餌について

人工飼料や冷凍飼料を選り好みせず食べてくれます。川魚用の人工飼料や冷凍のアカムシ等を与えましょう。

混泳している場合、ドジョウは基本的に低層にいるため同居の魚達に餌を奪われないように注意をし、スポイトで近くに餌を撒いてあげるか沈下性のタブレットタイプの餌を与える、同居の魚達のお腹を満たしてから餌を与える等の工夫をします。

草食性の強いアジメドジョウの場合は水槽内に発生したコケを食べてくれますが、それだけでは足りないための植物性の強いプレコ用のタブレットフードや顆粒フードを与えましょう。

餌は1日2〜3回与えます。顆粒やフレークタイプ、冷凍飼料であれば3分程で食べきれる量、タブレットタイプであれば食べきるのに時間がかかるため様子を見つつタブレットの個数を調節して与えます。

底砂について

底砂があるとドジョウは落ち着きますし、潜ったりもするため底砂は厚めに敷くようにしましょう。

粒が細かくドジョウが潜りやすい田砂がオススメですが、川魚飼育用の川砂等も良い底砂です。砂利も使用できますが、なるべく細かく突起の少ないタイプを使用するとドジョウも潜る事ができ、擦り傷が付きにくくなります。

水草、隠れ家について

ドジョウは底砂そのものが隠れ家になるのですが、土管や小さな植木鉢等も良い隠れ家になります。

水草は植える事はできますが、ドジョウが砂に潜った時に抜かれる可能性があるため、しっかりと植えるようにしましょう。丈夫な種類としてはバリスネリアやアマゾンソード、カボンバ等がオススメです。

水換え、掃除について

水槽の汚れ具合によりますが1〜2週間に一度、1/3〜1/2の量の水換えをします。水道水は必ずカルキ抜きをしてから使います。ガラス面の汚れやヌメリはスポンジで擦り落とします。

フィルターの中を掃除する時は、ウールマット等の物理濾過材は水洗いします。汚れや傷みが酷い場合は新しい物と交換します。

生物濾過材を洗う場合は、バクテリアの大幅な減少を抑制するため水換えの時に出た飼育水で洗い、濾過槽にセットします。生物濾過材そのものの傷みが激しかったりバクテリアの定着が悪くなり生物濾過の機能が悪くなった場合は新しい物と交換します。

混泳について

ドジョウは大人しい性質のため、多くの魚達と混泳を楽しむ事ができますが、大きさの差や同居魚の食性に注意が必要です。

たまにある失敗が金魚やフナとの混泳です。大きさに差がなければ全く問題は無く、昔ながらの川魚水槽を楽しむ事ができますが、ドジョウのサイズが小さいとフナや金魚が空腹の時にドジョウを襲うようになり頭から食べてしまう事があります。

また、同居している魚が肉食性の魚である場合、最初は3cm程のカジカやオヤニラミも大きくなるにつれてドジョウを襲うようになります。特にカジカは成長すると口がかなり大きく開き、簡単にドジョウを丸飲みにしてしまうため注意が必要です。

ドジョウにオススメの混泳魚は?

ドジョウをいじめない魚種としてタナゴの仲間やメダカ、オイカワやハヤ、ヒナモロコのような小型の川魚が混泳に向いています。特にメダカは生活圏がドジョウとほぼ被らないためお互いに平和な関係を築く事ができます。

タナゴ類は大人しい種類が多く、繁殖期が来てもドジョウに攻撃を仕掛ける事はありません。他の魚種に関しても積極的にドジョウに攻撃を仕掛ける事はないので混泳相手にピッタリです。

ただし餌の時はどうしてもドジョウが出遅れてしまうため給餌の際には注意が必要です。

「水槽のお掃除屋さん」と呼ばれますが…

ドジョウは低層を主な生活圏としており、混泳している場合は食べ残しをせっせと食べてくれます。そのため「掃除屋さん」として水槽に入れられる事が多いのですが、ドジョウはかなりの大食いであり同居の魚達の食べ残しだけでは餌が足りずに痩せていき、やがて衰弱して死んでしまいます。
そのため必ずドジョウ達にも餌を与え、しっかり食べているか確認しましょう。

ドジョウの飼育にあると便利なアイテム!

・ヒーターカバー

ヒーターは加温中だとビックリする程熱くなっており、不用意に触ると人間でも水中で火傷を負ってしまいます。ヒーターは使用上どうしても底層寄りに設置される事が多く、加熱してない状態のヒーターにドジョウが乗って遊ぶ事もしばしばあります。その時に加熱モードに入ったらドジョウはすぐに火傷を負ってしまいます。
それを防ぐためにもお使いのヒーターにヒーターカバーを装着する事をオススメします。こうする事でヒーターの上でドジョウが寛いでもカバーのおかげで火傷をする可能性が大幅に減ります。

・ストレーナースポンジ

ドジョウの飼育の際、どうしても砂を巻き上げられてしまう可能性はゼロではありません。少量なら良いのですが、これが頻繁に起こるとフィルターの水を吸い上げる大事な部品が壊れてしまい、本来のフィルターの役割が果たせず器具ごと買い換える事になってしまいます。

これを防ぐためにフィルターの吸い込み口(ストレーナー)にストレーナースポンジを装着しましょう。そうする事で底砂の吸い込みを大幅に減らす事ができます。

・流木型土管

水槽内のインテリアグッズとしてショップに置いてあります。見た目は本物の流木に負けますが、人工物であるが故に穴が複数箇所空いておりドジョウ達が好きな穴から土管に出入りできるという利点があります。
また、小さな穴から頭だけ出してポケ〜っとしている可愛らしい姿を観察する事もできるのでオススメです。

ドジョウがかかりやすい病気について

・外傷

体表のヌメリによって体を保護してはいますが、底砂の中に尖った小石や枝が入っているとヌメリを貫通してケガをしてしまう事があります。また、混泳している場合は同居の魚にちょっかいをかけられたりする事もあります。

もしケガをしている場合は隔離し、エルバージュやグリーンFゴールド等の魚病薬で薬浴をします。ドジョウは薬品に非常に弱い面があるため、規定量の1/6〜1/2を様子を見ながら少しずつ投薬します。ケガの度合いにもよりますが、傷口が塞がるまで行います。

・水カビ病

ドジョウは砂によく潜るため縁の無い病気と思えるかも知れませんが意外とかかります。何らかの理由で外傷を負い、そこに水カビが付着して発症します。もちろん生物濾過が機能していない事も原因の1つです。

その場合は病魚を隔離し、ヒレの先にちょっと付いている場合はピンセットで取り除き、水カビ病の症状が進んでいる場合は水カビのフサフサした部分を体を傷付けないようにハサミで切り取ってから薬浴をします。

魚病薬にはメチレンブルーやニューグリーンF等を使いますが、規定量の1/6〜1/2の量を様子を見ながら少しずつ投薬していきます。

・エロモナス病

水質の悪化や底砂が汚れているとかかる病気です。他の魚のようにウロコが逆立つというよりは体表の至る所に充血が見られます。また、口ヒゲが充血してボロボロになっていたり、酷い場合は溶けたようになってしまいます。

エロモナス病が出た場合はすぐに隔離し、エルバージュや観パラD、グリーンFゴールド等の魚病薬で薬浴をします。規定量の1/6〜1/2の量を様子を見ながら少しずつ投薬していきます。
また、他に発症するのを防ぐため水槽も水換えを行い底砂も洗います。

 

ドジョウの飼育方法やかかりやすい病気についての紹介のお次はドジョウの繁殖事情を紹介していきたいと思います。

 

激ムズ!!ドジョウの繁殖について

ドジョウの繁殖は非常に難しく、一般家庭ではほぼ不可能とまで言われています。
産卵行動は見た事があっても卵が細かい事や卵がかなりカビやすいため、その先に行かない事が多いのです。

しかしアクアリウムの世界にはそんなドジョウさえも繁殖させてしまう猛者がいるのも事実です。ここではドジョウ繁殖のための雌雄判別の方法、産卵行動、繁殖期についてご紹介したいと思います。

ドジョウの雌雄判別方法について

体が小さい内は分かりにくいのですが、大きさが10cmを越えてくると少しずつ違いが出てきます。それぞれに分けてポイントを挙げると

オスの特徴について

  • メスと比べるとややスマートな体型。
  • 背中の筋肉が盛り上がり角張ってくる。
  • 繁殖期になると体に外傷か病気かと思ってしまうような白点が出る。(コイやフナで言う「追い星」的な物らしいです。)

メスの特徴について

  • オスよりも体が大きい。
  • オスと比べて太さがあり、まるで讃岐うどんのような体格になる。
  • 体に白点が出ない。

このようになります。しっかりと育って繁殖期を迎えれば意外と分かりやすい特徴がある事が分かります。

ドジョウの産卵行動について

まずオスがメスを追いかけるようになります。この追いかけっこがしばらく続くと、オスは自分の体をメスの体に巻き付けるような行動を取り始めます。

最初は嫌がってオスの体を振りほどくメスですが、次第にオスを受け入れるようになり、完全に受け入れるとオスが腹部に巻き付いた時にメスは産卵を開始します。オスも放精をして卵を受精させるのですが、飼育下では何故か受精率が低く卵がカビやすいためドジョウの繁殖は困難を極めています。

養殖場ではホルモン剤を使ったり人工授精を行って繁殖させている事が多いと言われています。

繁殖期について

ドジョウは繁殖期が年に2回あり、初夏と秋の初め頃に繁殖を行います。川底にばらまくように産卵したり、種類によっては水草に絡めるように産卵するものもいます。

もし「我こそは!」とドジョウの繁殖に名乗りを上げたい方は是非参考にしていただき、この超難関に挑んでいただければと思います。

ここからはドジョウの種類について紹介していきたいと思います。

 

個性が色々!?ドジョウの仲間達の紹介!

こちらでは日本産、外国産のドジョウの仲間達を5種類ずつ紹介していきたいと思います。

日本産ドジョウの仲間

1.ホトケドジョウ

5〜7cm程の大きさの小型種です。体色は全身褐色に不明瞭な細かい斑点模様があります。水草が多くキレイな水質の小川に生息しています。

ドジョウの仲間の中では寸胴体型でコロッとした姿が可愛らしいです。浮き袋が発達しているため泳ぎが得意で中層を中心に泳ぎ回ります。口ヒゲの数は8本あります。

自然下ではマツカサガイという淡水性二枚貝の幼生の宿主となり、マツカサガイの幼生を遠くに運ぶ役割があります。また、高水温に弱いため飼育下では水温が20℃を越えないように注意しましょう。

2.シマドジョウ

8〜13cm程の大きさの中型種です。乳白色の体の横側に黒い斑点模様が並び、背中側にも黒く細いラインがあります。しかし個体差が激しいためラインが乱れたり横側に並ぶ斑点がライン状になったりと個性豊かな種類です。

何故か生息場所によって染色体の数が違うという謎があります。

体色や模様が美しいため人気があり、ショップでよく売られています。マドジョウと比べてキレイな水質を好み、ストレスにも弱い傾向があるため長期飼育が少々難しい種類です。

3.アジメドジョウ

大きさは約10cm程で体色は灰〜淡い褐色で黒褐色の網目模様が全身に広がります。ペット用というよりは食用として有名なドジョウの仲間です。

その味はドジョウの中で最も美味と言われており、漢字でも「味女泥鰌」と表される程です。餌である藻類を食べるために進化した吸盤のような口は、しっかりと吸い付いて藻類を食べられるように下向きに付いています。ちなみに日本固有種です。

飼育下では餌としてプレコ用のタブレットフードや植物質強化型の顆粒フード、湯がいたホウレン草等を与えます。また、高水温に弱いため水温が20℃を越えないように注意が必要です。

4.フクドジョウ

大きさ約20cmにもなる大型種ですが、実際はドジョウ科ではなくタニノボリ科の魚に分類されています。

日本では北海道に自然分布していますが、近年東北地方の一部の県で移入が確認されています。体が大きく筋肉質のため1匹だけでもかなりの迫力があります。
高水温に弱く、飼育下では水温を15〜20℃で保つようにするのが飼育のコツです。体色は茶褐色に黒褐色の斑点模様が不規則に並んでいますが個体差があり、中には黒褐色の模様が殆ど目立たない個体もいます。

飼育の際は60cm以上の大型水槽でカワムツ等と飼育すると静と動が一体化した美しくも迫力のある水景を見る事ができます。

5.アユモドキ

日本の固有種であり絶滅危惧種であり天然記念物でもあります。非常にキレイな水質で石等が積み重なった隠れ家の多い河川に生息しています。

大きさは15〜20cm程でユスリカの幼虫(アカムシ)やトビケラ等の昆虫類やイトミミズ等の底生生物を食べています。今までのドジョウ達と比べて体高が高く、尾ビレも二又に分かれ、目の下には棘が左右に一本ずつ生えています。

体色は黄褐色〜濃いめの灰色っぽい色をしています。名前の由来は見た目や泳ぎ方がアユに似ている事から名付けられました。
河川の改修工事や堰によって産卵場所や生息地を奪われ、ブラックバスやライギョに捕食された事により数を減らしてしまったと言われています。現在では一部の水族館でしか見る事ができない超貴重なドジョウの仲間です。

外国産のドジョウの仲間

1.クーリー・ローチ

大きさは9cm程の大きさで東南アジアから輸入されてきます。オレンジ色と黒のシマシマ模様が可愛らしいですが、クーリーローチと言う名前で多くの種類がいるため模様も種類ごとに違いがあるためコレクション性が高いドジョウの仲間です。性質はとても温和で小型水槽で飼育する事もできます。

2.ドワーフ・ボティア

大きさは4〜5cm程の小型種でドジョウの中でもアユモドキに近い仲間です。生息地はタイで、透明感のあるベージュに黒褐色のハシゴ模様が美しい種類ですが、その見た目に似合わず少々強気な所があります。中層〜上層を泳ぐ魚は大丈夫ですが、低層を泳ぐ魚と混泳させる場合はケンカしてないか確認が必要です。

3.ブラウン・ローチ

最近ショップで見る機会が増えてきた約6〜9cm程の大きさで全身黒褐色〜茶褐色のドジョウの仲間です。クーリー・ローチのように東南アジアから輸入されてきます。
底砂にソイルを使っていると一瞬で見失ってしまう程で、気付いたら水草の陰からこっちを見ていたりとまるで「黒子」のような印象を与えてくれます。

とはいえ底砂をガーネットサンドのような深みのある赤い色の物や田砂のような明るい色彩は物にすると、色の対比もあってか動くヒモ状のチョコレートかコーラ味のグミのようにも見え、可愛らしくもあります。

4.アンジェリカス・ボーシャ

約10cm前後の大きさのドジョウの仲間でアユモドキに近い種類です。生息地はミャンマーで、白い体色に黒いバンド模様が入り、さらにその中に白〜灰色の水玉模様が入るというドジョウの仲間では1位2位を争う飛んでもなく美しい種類です。

しかもこの模様には個体差もあるため、コレクション性も兼ね備えています。学名にはタイの熱帯魚シッパーで日本人の久保田氏の名前が入っており、日本と関わりがある魚でもあります。

流通名である「アンジェリカス」は「天使」という意味で、その美しさや大人しい性格を見事に表現しています。常にショップにいるような種類ではありませんが、一度見たらなかなか忘れられない種類です。

5.クラウン・ローチ

大きさは約10〜15cm前後のドジョウの仲間で、やはりアユモドキに近い仲間です。主な生息地はインドネシアで、アクアリウムの世界では古くから親しまれている有名な外国産ドジョウの仲間です。

赤みが強いオレンジ色と黒のシマシマ模様が美しい種類で、コロッとした見た目や安心して眠る時に人間のように横になって寝たりといった仕草が人気です。ショップではよく取り扱われており、水槽のマスコットとして迎え入れる方も少なくありません。

ちなみにクラウン・ローチの「クラウン」は「王冠」の意味ではなく「道化師」の意味です。派手な体色やお茶目な仕草は正しく「道化師」の名に恥じないと思います。

こうして見てみるとドジョウにも様々な種類がいる事が分かります。選ぶなら派手さか、清廉さか…なんて思ってしまいそうですが、色彩の好みは人それぞれです。そして安心してください。みんなドジョウの仲間です。ひょうきん者しか揃っておりません。

ここからは”おまけ編”としてドジョウと日本の文化について紹介していきたいと思います。

 

【おまけ編】意外と深い?日本の文化とドジョウの関係について

昔から水田や小川等の身近な所に生息していたドジョウは、その当時から人々に非常に親しまれている魚の一つでした。

栄養価が高く、よく獲れる事から食用にされたり、その親しみから童謡に登場したり、ある時にはヒゲを生やした権力者を表す例えとしてナマズと共に使われたりと日本の文化と密接に関わってきました。本当に良い意味での「密です」って感じです。

今回はそんなドジョウと関わりのある日本文化から踊りと歌、そして食文化としてドジョウ料理について紹介していきます。

幼少期が懐かしい…
童謡「どんぐりころころ」

幼稚園や保育園等のお歌の時間で恐らく誰もが歌った事があると思われる童謡です。タイトル通り「どんぐりころころ」で始まるこの歌ですが、歌詞の中にドジョウがいます。

歌自体は山から転がって来たどんぐりが池の中へと見事にウォーターハザードを決めてしまう物語となっています。
その時池の中からドジョウが現れ挨拶をすると、どんぐりの事を「坊っちゃん」と呼んで一緒に遊んでくれます。

そうしてしばらくどんぐりはドジョウと一緒に遊んでいましたが、やっぱり元々いた山が恋しくなって泣き出してしまいます。ドジョウは魚なのでどんぐりを山へ送り返す事はできず困り果ててしまうという結末になっています。

きっとドジョウにもハクレンのような力とサッカー選手のような正確なシュートができれば、この可哀想などんぐりを山へ帰す事ができたのかも知れません。

今でも見れるの?
舞踊「どじょうすくい」

昔はお花見の席やおめでたい席等を盛り上げるために踊られていたそうです。
この踊りは農民の方がザルのような物を手に泥だらけの田んぼでドジョウを獲る様子を滑稽に表現したもので、安来節というお囃子に合わせて踊られ、かつては忘年会等でお決まりの宴会芸だったと言われています。

私は小さい頃にテレビで芸人さんが鼻に綿棒や短くした割りばしを突っ込んで半裸で踊っていたのしか見た事がないので、本来の「どじょうすくい」の踊りがどのようなものだったのかは分かりません。
ただ、きっと見ている周りの人から笑顔が溢れるような楽しく、面白い踊りだったのでしょう。

お次は食文化としてのドジョウについて紹介していきたいと思います。

 

※画像も御座いますので、嫌悪感がある方はスキップしてくださいませ

 

 

【おまけ編】今や懐かしき食材!?
食材としてのドジョウについて

昔はかなり食用として親しまれていたドジョウですが、現在ではそこまで出回っていないような気がします。
そんなドジョウですが、養殖場では様々な工夫がなされているようです。

これぞ養殖の強み!
食用ドジョウについて

ドジョウは泥を食んだりするため、身に泥臭さがあったり小骨がスゴかったりとなかなか食べづらい食材でもあったようです。
取り分けこのような食材は現代社会では受け入れづらいため、養殖場の方々は様々な工夫を飼育方法に加える事で、ドジョウを素晴らしい食材へと昇華させていきました。

とある養殖場では泥臭さの原因となる底砂を敷かず、清潔な飼育水の温度を年中25℃に保つ事によって泥臭さも無く、骨も丸ごと食べられるドジョウを育てあげています。

また、別の養殖場では山の上流から流れる天然水を常に飼育水として使う事で、泥臭さの無い身の締まったドジョウの生産をしています。

ちなみにこちらの養殖場で使っている水は天然記念物であるオオサンショウウオが生息する川の水であるため水質のキレイさは折り紙つきです。何故ならオオサンショウウオはとてもキレイな水でなければ生きていけないとてもデリケートな生き物だからです。

最高品質の水で育ったドジョウ、既に贅沢な感じがします。

実は栄養価が○○並み!?

スタミナの付く魚と言えば、真っ先に「ウナギ」が頭に浮かぶと思います。私も同じ質問をされたら同じ事を思い浮かべます。しかし、昔はこんな言葉があったそうです。

「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」

これ、何を表している言葉だと思いますか?
実は双方の栄養価について表している言葉なのです。しかも意味合いは「ドジョウ1匹でウナギ1匹分の栄養価」という意味が込められています。

これはでたらめではなく、栄養価が高いのは事実でカルシウムはウナギの約9倍、カルシウムの吸収を促すビタミンDも豊富でその他ミネラルやビタミンB12もたっぷりです。
また、脂がノリノリのウナギと比べて胃もたれもしないため「真のスタミナ食材」としてのポテンシャルが高いです。

薬膳の世界では二日酔いにも効き、体力虚弱にも効くとされています。また、真偽の程は不明ですが、ウナギとドジョウを同量食べた場合の栄養価は圧倒的にドジョウの方が高く、カロリーに至ってはかなり低カロリーなのだとか。

ドジョウはとぼけた表情を常にしていますが、本当はとても凄い魚だったのです。

お待たせしました!
ドジョウ料理について!

1. まずは汁物!どぜう汁(ドジョウ汁)

簡単に言うとドジョウの味噌汁です。丁寧に下処理をしたドジョウを江戸甘味噌という合わせ味噌を使って汁物に仕立てた物です。
その素朴な美味しさから、ある詩人は「忘れられない味である」と詩を詠んでいます。

2. 焼き物も良いね♪ドジョウの蒲焼き

日本のある県ではウナギの蒲焼きではなくドジョウの蒲焼きを食べるそうです。ドジョウの方が栄養価が高いので正直言って理にかなっていると思います。

甘辛いタレを浸けて焼いたドジョウ、香ばしくて美味しそうです。仄かに苦味があるそうですが、それも味のアクセントになってより美味しそうです。

3、超有名な料理!柳川鍋

ドジョウ料理と言ったらやっぱり柳川鍋です。丁寧な下処理を施したドジョウをゴボウ、ネギと一緒に割下で煮込み、最後に溶き卵を入れて卵とじにします。
初めて知ったのですが、卵でとじない場合は「どじょう鍋」と言うらしいです。

ドジョウはウナギのように脂っこくなく、さっぱりしているため夏でもアツアツの柳川鍋を食べてスタミナ回復をする方もいるそうです。私も食べてみたいです。

4、何かおつまみに良さそう!唐揚げ&天ぷら

ドジョウは唐揚げや天ぷらでも親しまれているようで、輸入したドジョウも好まれますが、純国産のドジョウは超高級品なのだとか。
カラッと揚がった天ぷらは塩、唐揚げはそのままパクっと食べたいです。骨ごとドジョウを余す事無く食べれますし、その香ばしさがお酒に合いそうな気がするのは私だけでしょうか?

ちなみにYouTubeではお料理系ユーチューバーのトミックさんが大量のドジョウを使って唐揚げを作っていましたが凄く美味しそうでした。

5、都市伝説的な料理!地獄鍋(どじょう豆腐)

何やら物騒な料理名ですが、その由来は調理方法にあります。鍋の中に豆腐と生きたドジョウを入れて火にかけ、少しずつゆっくりと加熱していきます。するとドジョウ達は熱さから逃れるためにまだ冷たい豆腐の中に潜り込みそのまま煮られていくのです。

実際は豆腐に入る前に煮られて死んでしまうためこのような事にはならず、下処理したドジョウを豆腐の中に仕込み、煮込んだ料理なのだそうです。

この料理の発案者はお坊さんと言う説があり、その説によると肉食を禁じられているお坊さんがこっそりと肉を食べるために考えたとされ、肉であるドジョウは豆腐の中にいるため端から見れば湯豆腐を食べているようにしか見えないのだそうです。
昔はどうだったのか分かりませんが、個人的にはコソコソしないで堂々と食べた方が食べられる側としては心残りが無さそうな気がします。ただ、これも現代だから言えるのであってその時代はそうでもしない限り肉食はかなり厳しかったのかも知れません。

6、番外編!これは、料理…なのか?粉末どじょう

どちらかと言うと日本ではなく中国の食べ物です。栄養価が高いドジョウは中国では「水中人参」と呼んでおり、水中にいる薬用人参として扱っています。
主に薬膳料理に使われており、解毒作用やガンの予防、肝臓に効能があるとされています。作り方はシンプルで、泥抜きをしたドジョウを加熱乾燥した後に細かく砕いて粉末状にして完成です。

これらの事から、昔から身近にいたドジョウは様々な文化と関わりをもっている魚だと言えます。歌にも料理にも踊りにも出てくる魚はそうはいないと思います。それほど古くから親しまれている魚なのです。

 

まとめ

今回は水底に遊ぶ身近な淡水魚、ドジョウについてたっぷりと盛り込みました。身近ではあっても意外と知らない素顔があったのではないでしょうか?

ドジョウの仲間は一部を除いて大人しい種類が多く、平和主義を貫いているような魚です。ある時は餌を食べている最中にポケ〜っとし、その隙に他の個体に餌を盗られてしまったり、またある時は底砂から頭を出し、頭に砂を被ったままポケ〜っとしている事もあります。

そんな彼らですが自然下では個体数を減らしている事もあり、憂いな目に合っている事も事実です。アユモドキもそうですが、食用のための乱獲やブラックバス等の天敵が増えた事、護岸工事等によって生息地を失いつつあるのです。
そのためせっかく迎え入れたドジョウは単なる水槽のお掃除屋さんとしてではなく「家族」の一員としてしっかりお世話し可愛がってあげましょう。そうすればドジョウも飼育環境に慣れ易くなり、より平和でひょうきんな仕草を見せてくれるようになるでしょう。

また、ドジョウ料理に関しては今では養殖ドジョウが主流ですので是非お店に行って気にせず食べてみてください。もしかしたら今まで知らなかったドジョウの素晴らしさに気付いて病み付きになるかも知れませんよ。

ドジョウは仕草も表情も味も愛らしく親しみ深い、まさに万民に愛される「ひょうきん者」なのです。