泳ぐ精巧なガラス細工! ペルーグラステトラの飼い方
画像引用元:チャーム楽天市場店
「透明な熱帯魚」と聞いて、皆様はどんな魚を思い浮かべるでしょうか?
トランスルーセント・グラスキャットやグラス・ブラッドフィン等、透明な熱帯魚は意外にも種類が多く、名前に「グラス」を冠している事があります。
今回は、比較的新しく輸入されるようになった熱帯魚、「ペルーグラステトラ」の飼い方をご紹介したいと思います。
この魚は体の透明度もさることながら、見た目の上品さはまさに「生きるガラス細工」と言っても過言ではない素晴らしい魚です。
まだまだメジャーではない熱帯魚ですが、この記事を読まれて少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
ペルーグラステトラとは?
画像引用元:チャーム楽天市場店
その名前が示す通り、南米ペルー原産のカラシンの仲間で、日本には2003年に紹介された、かなり新しい種類です。
他の透明度の高いカラシンの仲間だけでなく、熱帯魚全体から見ても透明度はトップクラスであるといわしめる程です。
大きさは4〜5cm程の小型種で、やや菱形に近い体型は厚みがあまりなく、それも手伝って体の透明度をより顕著なものとしています。
頭と腹部は輝く白銀色で、全身は骨と浮き袋が透けて見える程透明です。尾ビレの付け根に黒いスポットが1つあります。
見た目は非常に繊細で、か弱いイメージを持たせますが、環境に慣れればそれとは裏腹にかなり丈夫な魚です。わりとよく泳ぎ回り、中層を泳ぐ事が多いです。
飼育環境のご紹介
餌は何をあげれば良い?
ペルーグラステトラはアカムシやイトミミズ等の動物質の餌を好んで食べます。
環境に慣れてくると、人工飼料や乾燥餌も食べてくれるようになります。前述の通り口が小さいので、指で細かく潰しながら与えると食い付きが良くなります。
混泳、水草について
非常に温和な性格なので、相当性格のキツイ魚でない限りは混泳が可能です。
この種類だけを泳がせる「群泳」も幻想的な風景を見せてくれるのでオススメです。
水槽、水質、フィルターについて
小型種のため、45cm水槽でも5匹は飼う事ができます。水質は弱酸性〜中性を好みます。
水の悪化を嫌う面があるので、濾過力の高い上部式フィルターや外部式フィルターがオススメです。
水温について
25〜27℃が適温です。
水温の急変は体調不良を招くので、ヒーターを使って水温を一定に保ちましょう。
底砂について
川砂や砂利でも飼育は可能ですが、弱酸性に水質を傾けてくれるソイルがオススメです。
水草も育て易くなり、吸着タイプのソイルは汚れの原因を吸着して水質の安定に一役買ってくれます。
水換え、掃除について
汚れ具合によりますが、週に一回、1/3〜1/2の量を水換えします。水道水は必ずカルキ抜きをしましょう。
ガラス面の汚れやコケはスポンジで擦り落とします。
フィルターのウールマットも洗いますが、汚れや傷みが酷くなったら新しい物に換えます。
病気のサイン
非常に透明な魚ですが、体調が悪いと体が白濁します。白点病になっても白点が目立つので簡単に見分ける事ができます。
もし病気になってしまったら、その個体を別水槽に隔離して魚病薬による治療を始めます。
白点病はメチレンブルーやマラカイトグリーン系の薬を使って薬浴します。
尾腐れ病等の別名を持つカラムナリス症にはエルバージュ等の薬を塗布したり薬浴させる事で治療できます。
透明だからこその魅力!照明の明暗やレイアウトで変わる「印象」
彼らはその透明度故にあらゆるレイアウトに対応し、印象を変えます。
例えば黒いバックスクリーンの水槽に明るい照明だと、彼らの体はまるで淡い光をまとったように白い輝きを見せ、暗い水槽だと透明な体は周囲に溶け込み、ひっそりとしていながらも動きのあるレイアウトになります。
水草水槽に群泳させれば中層を仲間達と颯爽と泳ぎ、涼しげな印象を与えてくれます。
また、カラフルな魚達と混泳させると、混泳仲間の体色を引き立てながらも、その爽やかな白銀と透明の体は水槽に更なるアクセントや煌めきを与えます。
まとめ
まるでガラス細工に命が宿ったような魚、ペルーグラステトラは元々丈夫な種類のため、飼育も簡単な部類になります。
ただ、常時ペットショップにいる魚ではないのが惜しまれます。
このように珍しいカラシンを「珍カラ」と呼ぶのですが、珍しいだけに留まらぬ美しさがあるのも大きな魅力です。
ガラスのように美しい体を持つ彼らは、ある時は光をまとう妖精のように、またある時は暗がりにたゆたう御霊のように振る舞います。