淡水熱帯魚

【繁殖成功・孵化レポートあり】コーヒービーンテトラの飼い方・繁殖方法について徹底解説!【増やし方指南】

Contents
  1. はじめに
  2. コーヒービーンテトラについて
  3. 混泳の注意点は?
  4. 大体のお値段は?
  5. 約20数年前までは○○な魚だった!?
  6. コーヒービーンテトラの飼い方について
  7. かかりやすい病気について
  8. コーヒービーンテトラの繁殖方法について
  9. 産卵確認!卵と稚魚のお世話について
  10. 実際どうなの?ブリード個体の繁殖について
  11. 繁殖に役立つ!?ちょっとしたアイテム
  12. コーヒー豆だけじゃない!?カラシンの豆情報!
  13. まとめ

はじめに

画像引用元:チャーム

コーヒービーンテトラと聞いてピンと来る方はなかなかいないと思います。

何故なら、このカラシンの仲間はマニアの間で「珍カラ(珍しいカラシンの意)」と呼ばれているからです。

このような事もあってか、

「飼育が難しいのでは?」
「値段も高そう」

と言った声を聞く事があります。

しかし、今回ご紹介するコーヒービーンテトラは数ある珍カラの中でも入手しやすいだけでなく、かなり飼いやすい種類です。

ファントム系のテトラらしくフィンスプレットをしたり、飼い込むと滲み出るような色彩の美しさは他のテトラでは見ることのできない独特な表現をしています。

一般的なテトラじゃ満足できない!という方、あるいはカラシンの仲間に興味があるという皆様を、コーヒービーンテトラを通じて珍カラの世界へ案内したいと思います。

飼いやすい種類のテトラだよ!

 

コーヒービーンテトラについて

生息地は?

南米を流れるアマゾン川に生息しています。ブラジルのアマパ州やペルー等で採取され、日本に輸出されると言われています。最近ではブリードされた個体も輸入されるようになりました。

名前の由来は?

コーヒービーンテトラの名前の由来は、本種最大の特徴とも言える体の胸にあたる部分にある一際大きな黒いスポットから来ています。

この大きなスポットを主な原産国であるブラジルの特産品のコーヒー豆に見立てて、このように呼ばれるようになりました。

実際に見てみるとかなり大きなスポットなので、コーヒー豆と呼ばれるのも納得です。

何を食べているの?

自然下では落下した昆虫や柔らかい植物、小さな甲殻類、水生昆虫等を餌にしています。
飼育下では好き嫌いなく何でも食べてくれますが、水草を食べるという行動はあまり見られません。

性格は?

彼らは大人しい性格をしており、他種との混泳も可能です。

同種間では発情したオス同士がヒレをいっぱいに広げてフィンスプレットを行い優劣を競います。時々同居している他種にも行いますが、同種と違って追いかけ回す事はありません。

中には水槽の前に出した指にすらフィンスプレットをする個体もいますが、その場合は遊んでいるようにも見え、可愛いらしくもあります。

体の特徴は?

大きさは4cm程の小型種です。

コーヒービーンテトラは小型テトラの中でもファントム系のテトラとなっており、そのためネオンテトラと比べても体高が高く、各ヒレが大きめでしっかりとしているので大きさの割にはかなり見応えのある種類となります。

また、ファントム系ではありますが、各ヒレはレッドファントムテトラ等のように大きくなる事はありません。

前述の通り体にある大きな黒いスポットが特徴の種類ですが、入荷直後や環境に慣れていない個体は薄い黄色のような体色をしており、本来の美しい姿とはかけ離れた見た目をしています。

ですが、じっくりと飼い込むと全身が透明感と深みのあるレンガ色になり、尾ビレ・腹ビレ・尻ビレが朱色に染まり、さらに背ビレの黒いスポットと相まって派手さと渋さを両立した美しい姿となります。

 

混泳の注意点は?

このテトラは基本的に大人しい種類のため、スマトラのように気が強い種類やヒレを齧る性質がある種類との混泳は控えた方が良いです。

レッドファントムテトラ等の他のファントム系テトラともフィンスプレットをする姿を見る事ができますが、この場合はお互いにしつこく競い合うため混泳をさせないか、たくさん隠れ家を用意する事で解決できます。

荒い性格の他の魚との混泳は控える

 

大体のお値段は?

取り扱っているショップ等にもよりますが、一匹あたり約1000〜2000円で売られている事が多いです。

これはコーヒービーンテトラが「ワイルド(野生採取)」か「ブリード(養殖)」なのかが大きく関係しています。

ブリード個体の方が安価なのですが、後述する問題があるため、本来の特徴を楽しみたい方は多少高くてもワイルド個体を選ぶ事が多いです。

ワイルドとブリードの違いは?

同じコーヒービーンテトラであっても、ワイルドかブリードかによってその特徴に少々違いが出てきます。

最大の違いは、本種の特徴であるコーヒー豆模様の大きさです。ワイルド個体は大きく立派なスポットであるのに対し、ブリード個体はその代名詞とまでいわれるスポットがかなり小さくなっています。

極端な個体ではコーヒー豆どころかアサガオの種のようです。
そのため、本種本来の特徴を楽しむためにワイルド個体を選ぶ方も多いです。

かといってブリード個体が悪い訳ではなく、コーヒー豆模様を失った代わりに非常に丈夫な個体が多いです。

比べてワイルド個体は少々水質に敏感なところがあり、環境に慣れるまでは病気になりやすいという一面があります。

ブリード個体の飼いやすさは、養殖された事により水質の適応力が上がった事でワイルド個体の弱さをある程度克服した結果だと思います。

また、年々ブラジルから輸入される種類等が規制されており値段がどうしても高くなるワイルドと比べて値段が安いのもブリード個体の強みです。

どちらにも一長一短があるため、迎える際はお好みの個体を選ぶようにしましょう。

ワイルドにもブリードにもどちらにも良さがある!

 

約20数年前までは○○な魚だった!?

今ではブリード個体も出回るようになり、見かける機会も増えた本種ですが、かつては「幻の魚」「高級珍カラ」等と呼ばれていました。

値段は今でも高いかも知れませんが、その当時は入荷量や頻度がかなり少なく、一匹数千円はする程の高級熱帯魚だったそうです。

コーヒービーンテトラの群泳はかなり財力に自信のある人だけが叶えられる、まさに「幻の光景」だったのです。

お目が高い!

実は日本人に縁がある熱帯魚!

「コーヒービーンテトラ」という名前はあくまで国内で流通するための「ニックネーム」のような物です。
全世界で共通の正式名称である学名は「Hyphessobrycon takasei」。読み方は「ハイフェソブリコン・タカセイ」です。

ここでお気付きになったでしょうか?

「タカセイ」つまり「たかせ」という日本人の名前が付いているのです。

これはこじつけではなく、かつてブラジルで熱帯魚の輸出業を営んでいた日本人「高瀬茂一」という方の功績を讃えて名付けられました。

この方は様々な熱帯魚の発見や研究に貢献し、魚類学者の方とも親しい関係だったそうです。

このように、熱帯魚と日本人の関係は意外なところにあったりする物なのです。

泳ぐコーヒー豆の特徴や豆知識の後は、いよいよ飼い方について紹介していきたいと思います。

飼育方法について紹介していくよ

 

コーヒービーンテトラの飼い方について

水槽、水質、水温

本種は小型種のため、5〜6匹程の数であれば45cm水槽、10匹以上を泳がせる場合は60cm水槽で飼育をする事ができます。

水質は中性〜弱酸性を好んでいます。

水温は23〜27℃が適温です。意外かも知れませんが高水温が苦手なため、30℃にならないように注意し、水温の急変も防ぐためにヒーターを使って水温を一定に保ってあげましょう。

フタ

何かの拍子に驚いて水槽から飛び出してしまう恐れがあるため、飛び出し防止用に必ず水槽にフタをします。

底砂

水質を弱酸性に傾ける作用があるソイル系の底砂がオススメですが、アルカリ性に傾ける作用がなければ砂利や砂でも使う事ができます。

ただし注意が必要で、砂利系の底砂を使用して水槽を立ち上げるとしばらく中性〜弱アルカリ性に傾いてしまうので、ちゃんと安定した水質になるまで期間を空け、テスターを使って水質の安定を確認してから導入するようにしましょう。

フィルター

外部式フィルターや外掛け式、上部式フィルター等を使う事ができます。水槽の大きさに合わせてフィルターを選びましょう。
また、濾過材にはゼオライト等の水質をアルカリ性に傾ける作用がある濾過材は使わないようにします。

コーヒービーンテトラは珍カラの中でも好き嫌いなく何でも食べてくれます。人工飼料だけでも充分飼育が可能ですが、乾燥餌や赤虫等の冷凍飼料も喜んで食べてくれます。
1日に2〜3回、3分程で食べきれる量を与えましょう。

水草や隠れ家

あまり水草に悪さをするような種類ではありませんが、イタズラが心配な場合はアヌビアスやミクロソリウム、アマゾンソード等の葉っぱが硬くて丈夫な水草を使うのが無難です。

また、流木や石を使って隠れ家を多めに作ってあげる事で弱い個体の逃げ場を確保してあげましょう。

水換え、掃除

汚れ具合にもよりますが、週に一回、1/3〜1/2の量の水換えをします。水道水は必ずカルキ抜きをしてから使います。ガラス面の汚れやヌメリはスポンジでキレイに擦り落とします。

フィルターの掃除もしますが、生物瀘材は有用な菌が死んでしまうためあまりしつこく洗わないようにし、ウールマットはもみ洗いをします。あまりにもウールマットの汚れや傷みが酷い場合は新しい物と交換します。

石等の置物系の汚れが酷い場合は取り出してからタワシやブラシ等で汚れを擦り落とします。

水槽への導入

ショップで元気の良い個体を買ってきたとしても油断をしてはいけません。
特にカラシンの仲間のワイルド個体は病原菌を持っている事があり、混泳水槽に入れたら持ち込んでしまった菌で水槽が悲惨な運命を辿ってしまったという失敗談を聞いた事があります。

これを防ぐためには、水槽に導入する前に「トリートメント」をしましょう。

ブリード個体であっても病原菌を持ち込む可能性はあるので、どちらにせよ必要な行程です。
エアレーションやヒーター等を設置したバケツや予備の水槽等に移し、メチレンブルーやグリーンF系の魚病薬で薬浴をしながら1週間程様子を見ます。

もしこれで発病もなく元気そうであれば、メインの水槽へ晴れてデビューさせてあげましょう。

 

かかりやすい病気について

白点病

「聞き飽きた病名」と思うかも知れませんが、聞き飽きる程に出やすい病気です。コーヒービーンテトラはアルカリ性の水質を嫌うため塩水が使えません。

白点病が出た場合は病魚を隔離してメチレンブルーやグリーンF等で薬浴をして治療します。

水カビ病

一度水に慣れてしまえば丈夫な本種ですが、それまでは細菌感染系の病気になりやすい面があります。特にワイルド個体は、ヒレの先等をよく見ると水カビが付いている事があるのです。

もし水カビ病を見つけたら、その個体を隔離してピンセット等で水カビの部分を取り除きます。その後、ニューグリーンF等の細菌感染系の病気に効能がある魚病薬を投薬して薬浴をします。
症状が軽ければ1週間程で治る事があります。

穴あき病

以前にも紹介した事のある悪名高きエロモナス病の一つです。急にウロコが白くなって剥がれたと思ったら、今度は皮膚に穴があいて筋肉組織が剥き出しになり、非常に痛々しい見た目になります。

もしウロコが白く濁ってきたと思ったらすぐに隔離して、観パラDやグリーンFゴールド、エルバージュ等を投薬して薬浴をします。

以上がコーヒービーンテトラの基本的な飼育方法ですが、本種はカラシンの仲間の中でも比較的繁殖がしやすい事で知られています。
狙っていなくても「水草メインの水槽で複数飼育をしていたら稚魚が泳いでいた」なんて事もあります。問題なく飼育ができれば珍カラなんて関係なく繁殖ができるのです。

という事で、ここからはコーヒービーンテトラの繁殖について紹介していきたいと思います。

コーヒー豆量産計画!?

 

コーヒービーンテトラの繁殖方法について

画像引用元:チャーム

最初にやるべき事は?

どんな魚でも繁殖させる前には必ず状態良く健康に飼育する事が一番大切です。

痩せていたり病み上がりの状態では体力的にも難しいです。また、意外と見落としがちになるのが「肥満」です。

可愛さのあまりについつい餌を与え過ぎてしまう方もいますが、それが毎日続いてしまうと脂肪が付き過ぎて本来の体型が崩れてしまうだけでなく、内臓にも脂肪が付いてしまい生殖機能に異常を起こしてしまいます。

こうなってしまっては繁殖はできません。新しい命の誕生を見るためにも、飼育環境だけでなく魚の体の事も気遣ってあげましょう。

そもそも「魚の肥満」ってどんな感じなの?

痩せているなら見た目にもヒョロヒョロでガリガリな感じがすぐ分かるのですが、肥満の魚はパッと見だと分からない事があります。

肥満の魚は良く言えば「脂が乗っている」ですが、観賞魚の世界では無縁の言葉です。

肥満の魚は脂肪が付き過ぎてしまい、体型が「不自然」になります。この不自然な体型というのは体高の高い低いは関係はなく、体内が白く濁ったように見えたり、ウロコが逆立っているわけでもないのに体全体が浮腫んだようになっていたりします。背中もあからさまな盛り上がり方をするためかなりの違和感を感じます。

肥満が進むと内臓への負担等が原因で突然死する事もあるため、繁殖するしないは関係なく注意が必要です。

大切な家族の一員なのですから、肥満には充分に気を付けて餌の与え過ぎはしないようにしましょう。

オス・メスの判別の方法は?

コーヒービーンテトラを含め、ファントム系のテトラは雌雄判別が簡単な種類が多いです

特に成長したオスはフィンスプレットを頻繁に行うため、極端に言うと「フィンスプレットをしているのがオス」と思っていただいても間違いではありません。

フィン(ヒレ)を広げて威嚇しあう行動のこと』だよ!

ですが、計画的な繁殖のためにオスとメスそれぞれの特徴をポイントごとにまとめますと、

コーヒービーンテトラのオスの特徴

  1. 各ヒレが朱色に染まる(特に尻ビレが顕著)。
  2. 体型はメスと比べると若干シャープな見た目。
  3. フィンスプレット大好き。繁殖可能になると頻度がさらに上がる。
  4. 尾ビレの中央の切れ込みが少し深めで丸みが少ない。

コーヒービーンテトラのメスの特徴

  1. 成長しても各ヒレにあまり色が乗らない。
  2. 尾ビレの中央の切れ込みが浅く、丸みを帯びているように見える。
  3. 成長するとお腹がふっくらとしてくる。
  4. フィンスプレットを殆ど行わない。

このような特徴になります。

小さい頃は判別が難しいですが、これらの特徴は成長に伴って徐々に現れるので焦る必要はありません。

健康状態も良くしっかり飼い込めたらいよいよ繁殖計画スタートです。

産卵用の水槽を用意する

本種は小型種なので、産卵用の水槽のサイズは小型のもので大丈夫です。目安としては、1〜2ペアであれば25cmキューブ水槽でも繁殖が可能です。

卵が吸い込まれるのを防ぐためにフィルターは使用せず、エアレーションをします。エアレーション卵がない時は通常運転ですが、産卵を確認したらエアーの量を調整できるようにします。

水温を一定にするためにヒーターを設置しますが、底面から5cmは離して設置します。

卵を見つけやすくするために底砂は敷かず、代わりにウィローモスを底面の1/3〜1/2くらいが隠れるくらい入れます。ウィローモスは水質浄化や稚魚の隠れ家にもなります。

繁殖開始!オスからの超情熱的なアプローチ!

繁殖できる状態になると、オスはメスに対してアプローチをするようになります。各ヒレをいっぱいに広げ、メスの目の前に体を出して「見て見て!キレイでしょ?」と必死にアプローチをします。

しかしメスも簡単になびく事はなく、最初の方は無視していたり、迷惑そうにして逃げたりします。

それでもオスは諦める事なく、むしろより激しくメスにアプローチを仕掛けます。中にはメスを追い回す事もあり、双方ヒレがボロボロになる事があります。

こうしたオスの激しいアプローチをメスが受け入れると、ようやく産卵行動に移ります。

気になる産卵行動は?

コーヒービーンテトラに限らず多くの種類の魚たちが「ばらまき型」という産卵行動を取ります。

その名の通り、底に卵をばらまくように産卵します。これは一ヵ所にまとめて産卵するよりも、卵をばらまくように産卵した方が卵が外敵に発見されても食べ尽くされる可能性が減り、卵の生存率が上がるためと言われています。

「あれ…?産卵してくれない…」そんな時は!

せっかくペアができたのに産卵行動に移らない時はphを疑って見ましょう。phが7.0(中性)でも産卵しない場合は6.0(弱酸性)前後までphを下げて様子を見ます。phが下がった事が刺激になり、産卵行動に移行するはずです。

これでも産卵に至らない場合は水換えをするのも効果的です。多くの熱帯魚が雨季等の影響に刺激を受けて産卵に至ると言われています。水換えの影響が刺激となり、産卵行動に移りやすくなります。

また、あえて照明を使わずに薄暗い状態の方が産卵行動をとりやすいです。以前紹介したアプロケイルスは明るくても産卵行動をとりますが、コーヒービーンテトラは明るいところでの産卵はあまり気乗りがしない個体も多いです。

もし産卵行動に移らなかった場合は、前述した二つの方法にプラスして薄暗い状態にしてみると良いでしょう。

 

産卵確認!卵と稚魚のお世話について

産卵を確認したら、卵の食害を防ぐために親魚を元いた水槽に戻してあげましょう。親魚は体力を消耗しているため、赤虫やブラインシュリンプ等の栄養価の高い餌を食べさせてあげましょう。

コーヒービーンテトラの卵は産卵から孵化までの日数が早く、稚魚も小さいためPSBとブラインシュリンプベビーの孵化、稚魚用のパウダーフードを準備します。

産卵初日〜

卵の大きさは約1mm程の大きさです。丸い形をしており、薄い茶色っぽい色をしています。

産卵2日目〜

早くも受精卵と無精卵の違いが出てきます。受精卵の色は薄い茶色っぽい色のままですが、無精卵は白っぽくなっています。
この時ルーペ等で受精卵を観察すると、薄茶色の卵黄部分と白っぽい稚魚の体の部分が見えます。

産卵3日目〜

水温が25℃前後だと、すでに孵化している場合もあります。無精卵はカビてくるのでスポイトで取り除きます。卵の中は透明な稚魚の体がうっすらと見えます。

産卵4日目〜孵化初日

受精卵であれば産卵から3〜4日程で孵化をします。
大きさは約2〜3mm程で、腹部の大きなヨークサックが目立ちます。よく見ると目もちゃんとありますが、口はまだ未発達です。生まれたばかりなのに、時折垂直に泳いだりします。しかし体力もヒレも未発達なのですぐに底に沈みます。

孵化後2日目〜

初日よりヨークサックが小さくなってきますが、まだ吸収し切っていないため給餌はしません。未発達な体を動かして短い距離を移動したりします。体はまだ半透明です。
死んでしまった稚魚がいた場合はスポイトで取り除きます。

孵化後3日目〜

ヨークサックも大分吸収され、稚魚も体が軽くなったからか頻繁泳ぐようになります。
大きさは3〜4mm程です。体の色は全体的にはまだ半透明ですが、背中側が若干黒っぽく見え、メダカの稚魚のような印象を与えます。
口が小さいため、PSBを添加します。

孵化後4日目〜

孵化直後と比べて体がしっかりしてきます。しかしまだ体力もなくヒレも未発達のため、ピョン…ピョンといったような泳ぎ方です。時折水面を目指して泳ぎますが、まだ到達できる程の力はありません。
コーヒービーンテトラは成長が早く、その分摂取した栄養もすぐに使われてしまうためPSBを規定量添加します。成長が早い稚魚は栄養失調になりやすいため注意が必要です。

孵化後5日目〜

ピョンピョン泳ぎだった稚魚の中からコツを掴んだのか、スーッと泳ぐ個体が出始めます。ですが、親魚のようにホバリングはできないため、疲れるとすぐに底の方に沈んでしまします。
体色や大きさの違いはありませんが、ルーペ等で見るとヒレの先を小刻みに動かす様子が確認できます。餌としてPSBを添加します。

孵化後10日目〜

大きさは約5〜6mm程。貧相な見た目だった稚魚に体高が僅かに出てきます。底に沈む事も少なくなって、泳ぐ距離も伸びできます。口もしっかりしてくるので、細かい餌なら自分で食べられるようになります。

パウダーフードを少しずつ与えると沈んできた物をついばむようにして食べます。パウダーフードは1日に2〜3回、時間をかけて与え、稚魚全体が食べたのを確認します。まだまだ繊細な時期なので、栄養失調を抑制するためにもPSBを添加します。

孵化後15日目〜

大きさはあまり変わりませんが、体全体がうっすらとレモン色になり、茶色っぽい模様も現れます。
浮き袋や消化器も見やすくなるので、餌を食べているかのチェックがしやすくなります。PSBは変わらず添加します。

孵化後20日目〜

順調に育っていれば、大きさは約7〜8mm程に成長します。体力もついてテトラらしく泳げるようになってきます。

まだまだ小さいですが、よく見ると背ビレや尻ビレ、腹ビレが形成されつつあります。尾ビレも徐々に伸びてきており、若干ですが中央に切れ込みができ始めています。

餌は変わらずパウダーフードとPSBを与えます。また、フンや食べ残し等が腐敗しないようにスポイトで取り除きます。減った分の水は足し水をしますが、水流で稚魚を巻き込まないようにゆっくりと行います。

孵化後27日目〜

大きさは約1cm程に成長し、孵化直後よりは大分安心感のあるサイズになります。殆どの稚魚が水面付近まで泳げるようになり、餌もさらに食べるようになります。

流石に1ヶ月も残餌取りと足し水だけだと水槽も大分汚れてしまい、病気の原因となってしまうので、簡単に水槽掃除を行います。

エアストーンやヒーターを取り出し、スポンジで水流を起こさないように優しくガラス面や底面の汚れを落とします。水はサイフォンの原理を利用して吸い込み事故防止のためにエアチューブを使って1/3〜1/2の量の水を抜きます。

エアストーンはあまり削らないように歯ブラシ等で、ヒーターは布やスポンジで汚れを落とします。掃除が終わったらエアレーションとヒーターを設置して新しい水をゆっくりと静かに入れていきます。

水を入れ終わったら電源を入れてヒーターとエアレーションを作動させます。

餌はもちろん与えますが、水換えによって水槽内の良いバクテリアが減っているためPSBを規定量添加します。

孵化後33日目〜

大きさも1.2cm程になり、まだ小さいですが各ヒレも確認できるようになります。尾ビレはまだまだ親魚のようにしっかり分かれていませんが、立派な尾ビレに少しずつ近づいています。

この頃にはブラインシュリンプのベビーも食べられるようになるため、2日くらい前にはあらかじめブラインシュリンプを孵化させておきましょう。

餌のメインはパウダーフードで、ベビーブラインシュリンプを少量与えるといった感じです。PSBは変わらず添加します。

孵化後40日目〜

順調に育っていれば1.5cm程にまで成長している個体もいます。見た目も体高が低くてヒレの小さい小魚といった感じになります。体色は薄いレモン色のままですが、茶色い模様は大分薄くなっています。コーヒー豆模様はまだ出ていません。

ベビーブラインシュリンプを積極的に食べるようになったら、メインの餌をパウダーフードから徐々に替えていきます。生き餌のベビーブラインシュリンプは栄養価が高いだけでなく、動きがあるため稚魚が喜んで食べてくれます。また、生きている間はパウダーフードのように底に沈んで腐敗する事もないため非常にありがたい餌です。

孵化後47日目〜

見た目も何となくヒレの小さいファントム系テトラといった感じになります。目も黒っぽくなり、徐々にコーヒービーンテトラの特徴が出てきます。体色は黄色みが抜けてきて、やや暗い半透明な体になってきます。特徴的なコーヒー豆模様はまだハッキリと確認できませんが、一部の稚魚の体にはうっすらと黒い色素が見えます。
ここまで来ると稚魚の死亡率も大幅に減ってきます。

孵化後55日目〜

大きさも2cm程になり、各ヒレもしっかりしてきてファントム系テトラらしくなります。泳ぎ方もたどたどしさがなくなり、親魚と同じような泳ぎ方になります。コーヒー豆模様も小さいながら現れ始めます。

孵化後75日目〜

大きさも2.5cm程になり、コーヒービーンテトラの特徴もしっかりと出てきます。背ビレにも黒い模様が現れ、体には小さいながらコーヒー豆模様が浮かんでいます。
一般的に流通するサイズは3〜4cm程ですが、この大きさまで育てば繁殖は成功と言えます。

2ヶ月以上成長の様子を綴ってはいますが、あくまで安心サイズまでの道のりを書いています。流通サイズまで成長するにはさらに1ヶ月くらいかかります。

稚魚自体の成長は早いと思いますが、他の種類の魚と比べると特徴が出るまではけっこうな時間がかかる気がします。

 

実際どうなの?ブリード個体の繁殖について

一般的にグッピー等を除いてブリードされた個体はなかなか繁殖しないと言われています。これはけっこう多くの種類にあてはまり、有名なのがシクリッドの仲間です。一部の改良品種を除いて孫の代あたりから急に本能が鈍るのか、繁殖が難しくなると言われています。

また、コーヒービーンテトラのように種類の特徴が消えてしまうブリード個体がいるのも事実です。その場合はまだ模様がハッキリしている個体を選別する事で何とか特徴を保てる事がありますし、雌雄のどちらかをワイルド個体にする事で特徴への影響を抑制する方法もあります。

これはあくまで私の個人的な考えですが、ブリード個体は様々な理由で「繁殖をさせるのが難しくなった」だけで、雌雄どちらも生殖機能を失っていない限り、時間をかけたり選別交配をすれば「繁殖ができない」わけではないと思います。

コーヒービーンテトラの初繁殖の思い出

私が初めて自分で飼育したファントム系のテトラがコーヒービーンテトラでした。その後、ロゼウステトラやミノール等も飼い始め、抱卵個体もいた事から最初はロゼウステトラを繁殖させようと思っていました。

ところが本命のロゼウステトラより先に、コーヒービーンテトラが繁殖を開始、産卵までしたため、その兆候に気付けなかった事と彼らをより理解しようと考えを改め「意図せず」ではなく「狙って」繁殖をするようになりました。

適した餌やメンテナンスに四苦八苦したその後はコーヒービーンテトラの繁殖経験を活かしロゼウステトラも無事繁殖できたので、この方法はファントム系テトラの繁殖に応用できるという事も分かりました。

恩師には「いやいや、(繁殖させる)順番が逆だから」と笑われましたがそれも良い思い出です。

コーヒービーンテトラの繁殖のお次は、産卵に使えるアイテムや似たようなネーミングの小型カラシンを紹介したいと思います。

 

繁殖に役立つ!?ちょっとしたアイテム

細かい格子状のネット(プラスチック)

100均等でインテリアや園芸用に売っている格子状のしっかりしたネットが意外と産卵時に役立ちます。

格子の隙間が5〜10mm程の物が丁度良く、産卵用水槽の底から2〜3cm程の高さのところに取り付けると、産卵時にばらまかれた卵が格子の隙間を抜けて底に落ちるため親魚と簡単に隔離する事ができます。

ブラックウォーター

なかなか産卵行動に移らない時に使えるアイテムです。水質を酸性に傾ける性質があるだけでなく、水も茶色っぽく色付くため安心して産卵行動に移るペアもいます。

また、前述した格子も併用する事でスムーズに採卵できるのでオススメです。

シュロの皮

最近ではメダカの繁殖にも使われるアイテムです。

過去にはシュロの皮の束や裂いた物を水槽の底面に沈めて設置する事で、コーヒービーンテトラと同じ「ばらまき型」の産卵行動をとるネオンテトラの繁殖に成功したという記述があります。

私はまだメダカ以外で使った事はありませんが、産卵床としてかなり優秀な素材である事に違いはありません。

 

コーヒー豆だけじゃない!?カラシンの豆情報!

実は名前に食べ物の名前がついている小型カラシンは意外といたりします。どんな種類がいるのか、少しだけ紹介したいと思います。

ジェリービーンテトラ

アフリカから輸入されてくる2.5cm程の大きさの小型種です。体型は細身で、透明感のある体にメタリックな蛍光イエローの体色と背ビレ、尾ビレが蛍光オレンジに染まる美種です。
名前の由来は、見た目がお菓子の「ジェリービーン」に似ている事から来ています。

レッドチェリーテトラ

見た目はレモンテトラのような珍カラです。導入直後は薄いミカン色ですが、飼い込むと全身が目が覚めるような鮮烈な赤色に染まります。まさにサクランボカラーです。

ピーチテトラ

こちらも見た目はレモンテトラのような珍カラです。目の上の赤いアイシャドウに全身淡い桃色が可愛いらしい種類です。
レモンテトラの黄色が元気な印象を与えるなら、こちらは柔らかく穏やかな印象を与えてくれます。

スーパーレモンテトラ

淡いレモン色が可愛いレモンテトラですが、彼らの仲間には「スーパーマン」のような存在がいます。
別種説や生息環境の違いによる説等がありますが、その体色は完全に完熟レモンそのもので、レモンっぽい体型も相まって「泳ぐ小さなレモン」という言葉がピッタリの珍カラです。

 

まとめ

今回は泳ぐコーヒー豆、コーヒービーンテトラについて色々と詰めこんでご紹介させていただきました。

コーヒービーンテトラは水に慣れるまでが勝負所な種類ではありますが、慣れてしまえば珍カラの中ではそれほど飼育が難しくありません。餌は何でも食べてくれますし、積極的に人前に姿を現してくれるため飼っていて楽しいテトラです。

繁殖に至っては狙って行うと餌やらメンテナンスやらで少々手間がかかるイメージがあると思いますが、水草メインの水槽で飼育していると勝手に繁殖していた、なんて一面もあります。それほど繁殖させやすい種類という事なのです。

今では幻という程でもなく珍カラの中でもポピュラーな種類になりつつある本種ですが、その人気は現在でも色褪せる事なくマニアの間でも高い人気を誇っています。

もし彼らを家に迎え入れたなら、その成長を楽しみながら健康的に大事に育て上げましょう。きっと彼らは小さな体を美しく染め上げ、必ず皆様の期待に応えてくれます。

水中を元気良く泳ぎ回るコーヒー豆達の乱舞、是非ご自宅でコーヒーでも飲みながら楽しんでみてはいかがでしょうか?