はじめに:小型カラシンのジェリービーンテトラ
初めてアクアリウムを始めるにあたり、
カラフルな熱帯魚の群泳に憧れを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
キラキラとした目の輝きが魅力的なアフリカンランプアイ、飼い込む程に体色に深みが増し、颯爽と泳ぎ回るラスボラやバルブ系の熱帯魚も群泳として人気の種類ですが、小型カラシンの仲間はその中でもトップクラスの人気を誇っていると言えます。
そんな仲間から今回は
「ジェリービーンテトラ」について皆様にご紹介させていただきます。
この小型カラシンは他の種類とはちょっと違った特徴が魅力となっており、その体色の美しさや穏やかな性質から人気が高い種類でもあります。
1,ジェリービーンテトラってどんな種類?
ジェリービーンテトラは全長約4cm程の小型カラシンの仲間です。
ネオンテトラやカージナルテトラと比べると透明感のある細長い体型をしているため、かなりスマートで繊細なな印象を受けます。
体色はやや緑がかった蛍光イエローで、背ビレ、尾ビレがオレンジ色に染まります。また、調子が良いと背ビレの先が僅かに黒く染まったり、「ある個体」は尻ビレもオレンジ色に染まるようになります。
頭部に対して目が大きく、体色と同じ色をしているためキラキラと輝きます。また、しっかりと歯があるものの口は小さいので餌のサイズには少し気を使ってあげたい種類です。
群れを作る種類なだけあって1匹だけだと不安がってなかなか落ち着かず物陰に隠れがちになってしまうので、なるべくまとまった匹数で飼育してあげると落ち着きも早くなり体色も揚がりやすくなります。
2,生息地はどんな場所?
ジェリービーンテトラはカージナルテトラ達とは違い、アフリカ大陸に生息しているという特徴があります。
この事から、アフリカに生息しているカラシンの事を「アフリカン・カラシン」と呼ぶ事もあります。
ジェリービーンテトラは西アフリカの河川の上流から中流に群れを作って生息しており、小型種ながら遊泳力が強めな種類でもあります。
3,自然下では何を食べるの?飼育の時は何を与えれば良い?
ジェリービーンテトラは肉食に近い雑食性の小型カラシンとされており、自然下では小さな落下昆虫やボウフラのような水生生物等を食べていると考えられています。
飼育下では入荷直後でなければ人工飼料もよく食べてくれるため餌に困らされる事は少ないです。
もちろん沸かしたてのブラインシュリンプベビーやアカムシ等の冷凍飼料も喜んで食べますので飼育した時はたまに与えてみてください。
4,他に呼び名はあるの?
基本的にはジェリービーンテトラという流通名でショップに入荷されます。
何故この名が付いたのかという理由ですが、本種の見た目や美しさがカラフルな洋菓子「ジェリービーン」を彷彿とさせたからという説があります。
昔は学名から「ラディゲシア・ロロフィ」と呼ばれる事もあったようです。
5,お迎えできる場所やお値段について
ジェリービーンテトラは常にいる種類という訳ではありませんが、熱帯魚も扱っている総合ペットショップやアクアショップで販売されており、入荷していれば通販でお迎えする事も可能です。
気になるお値段の方ですが、ショップや輸入状況によって左右されるため断定はできませんが1匹あたり700〜1500円くらいが大体の相場と言えます。
ショップによっては群泳好きには堪らない「まとめ売り」をしている事もあり、値段もお手頃になるため利用しない手立ては無いです。
6,混泳はできるの?オススメのタンクメイトは?
ジェリービーンテトラは前述した通りとても穏やかな性質をしているため、水質の問題以外では気が強い種類でなければ混泳を楽しむ事ができます。
筆者がオススメするタンクメイトは同じアフリカン・カラシンである小型種の「アドニステトラ」も性質が大人しく体色の対比が楽しめるかと思います。
また、小型コイの仲間「ミクロラスボラ・ブルーネオン」や小型グラミーの仲間「ハニードワーフグラミー」「ピグミーグラミー」、他にもコリドラスやオトシンクルスの仲間等も良いタンクメイトになります。
甲殻類では「ビーシュリンプ」や「チェリー系シュリンプ」も混泳ができます。
カージナルテトラやグローライトテトラ等とも混泳ができない事はないですが、南米小型カラシンは小型アフリカン・カラシンより少し気が強いため混泳する際は「群れの規模」や「動静」に注意しましょう。
7,ジェリービーンテトラの飼育の注意点とは!?
見た者に繊細な印象を与えるスマートボディー、キラキラと輝く蛍光イエローの体色が魅力的なジェリービーンテトラですが、飼育にはその見た目に似合った注意点があります。
しかし、注意点に慣れてしまえば他の種類と同じように簡単に飼育できる種類でもあるのです。
★飼育時に注意すべきポイント★
- 口が小さいので餌のサイズに気を付ける事。
- 肌が繊細なのでなるべく網は使わない事。
- 水質の急変や悪化に弱いので水質に気を遣う事。
少ないようですがこの3つが飼育にはとても大事です。
ジェリービーンテトラの飼育方法について
1,入手、水合わせ、導入
ジェリービーンテトラは常にショップにいる種類ではありませんが、アクアショップや熱帯魚にも力を入れている総合ペットショップであれば入荷するのでタイミングさえ合えばその姿を実際に見る事もできます。
また、なかなか入荷のタイミングが合わなかったり近所のペットショップで見つからない場合は通販を利用すると良いでしょう。
何故ならジェリービーンテトラはスマートボディーと蛍光イエローの細かいラメのような体色という特徴があるため「コショウ病」や「エロモナス症」の初期症状に気付きにくい面があるからです。
病魚の持ち込みは皆様が楽しみにしているアクアライフを崩壊させる原因になりかねないため入念にチェックして損はありません。
体表、ヒレ、口先や泳ぎ方を観察して特に異常が見られなければ改めてショップの店員さんにお願いをして掬ってもらいます。
ジェリービーンテトラを無事ご自宅にお迎えできましたら、次は「水合わせ」を行います。
導入する水槽の水をあらかじめバケツ等で幾分か取って水位を下げ、袋ごと水槽に20分程浮かべて水温を合わせます。
水温を合わせ終わったら袋を開封し、中の水を1/4〜1/3捨てて水槽の水を入れ、10〜15分程様子を見ます。
特に異常が見られなければ、袋の中の水がほとんど水槽の水になるまで同作業を繰り返します。
2,水槽、水質、水温
ジェリービーンテトラは小型種なので、5〜6匹程の小さな群れであれば45cmくらいの水槽でも飼育を楽しめます。
20匹以上の大きな群泳を楽しみたいのであれば、60cmかそれ以上のサイズの水槽がオススメです。
水質は弱酸性を好んでいますがチョコグラやワイルドベタのように極端にphの数値が低い水ではなく、数値的には6〜6.7くらい、低くても5.8くらいを目安にすると水も作りやすくキープしやすいです。
水温は筆者宅では24〜27℃で特に問題無く飼育していました。
3,フタ
群れを作る種類は大抵の場合「臆病」な面が見え隠れしています。
ジェリービーンテトラも同じ仲間がいると安心して群れを作ってくれるのですが、ふとした拍子に大きな振動や音、動きを見ると驚いて水槽から飛び出してしまう事があります。
しかも場合によっては群れ全体がパニック状態に陥ってしまったり、スマートボディー故にキャビネット等の隙間に入り込んでしまい見つけた時には手遅れだったというケースも少なくありません。
4,底床(底砂)
観賞魚用の砂であれば基本的に問題無く使用する事ができます。
ソイルは水草栽培や水質を弱酸性に傾ける作用があるので良く使われていますが、「水草用肥料」を使う事で川砂や砂利系でも水草を栽培できます。
5,フィルターについて
ジェリービーンテトラの飼育にはどの種類のフィルターも使う事ができます。
6,水草
ジェリービーンテトラは水草にイタズラをする事はほとんどなく、むしろその独特の体色や群れを作って泳ぐ姿が水草によく映えるため、水草メイン水槽に導入される事も多い種類です。
彼らが泳ぐスペースを大きくとって「ヘアーグラス」や「グロッソスティグマ」を密生させたレイアウトも爽やかですが、「ハイグロフィラの仲間」や「パールグラス」「アヌビアス」等も育てやすく人気があります。
他にも同じアフリカ産という事もあり「ボルビディス」も育てやすく、深い緑色がジェリービーンテトラの蛍光イエローを引き立ててくれるのでオススメの水草です。
7,混泳について
最初の方でもご紹介しましたが、ジェリービーンテトラはとても穏やかな性質の持ち主なので大抵の性質が穏やかで好む水質が同じ種類は混泳させる事ができます。
むしろ混泳に向かず、気を付けたいのが「ブルーテトラ」等の気が強い系カラシンや「エンゼルフィッシュ」等の大きくなる種類です。
ブルーテトラは古くから気が強い事で知られており、同種他種問わずオラついてきます。
スマトラ等の一部の種類も気が強いため追い回す可能性を考慮して混泳は避けた方が無難です。
8,給餌について
ジェリービーンテトラは繊細な見た目に反して意外と何でも良く食べてくれる種類です。
ただし、口が小さいので粒が細かいタイプの人工飼料を与えたり、フレークタイプの人工飼料を与える場合は大きいと感じたら指で細かくすりつぶしながら与えましょう。
動物質の餌も非常に食い付きが良いので冷凍飼料のブラインシュリンプベビーやアカムシも時々与えてみるのも効果的です。
アカムシは大きい場合はハサミで細かく切ってから与える等食べやすさに考慮してあげましょう。
もし皆様が苦でなければ、沸かしたてのブラインシュリンプベビーは彼らにとって栄養価の高い最高の餌になるのでジェリービーンテトラをお迎えしたら是非試してみてください。
給餌の間隔ですが、1日2回、全員に餌が行き渡るように与えます。
9,掃除、水換えについて
飼育している匹数や汚れ具合、水槽のサイズ等にもよりますが大体1週間〜10日に1度、1/3〜1/2の量の水換えをします。そして合わせて掃除もします。
飼育器具の電源を全て切ったら水槽内部の掃除を始めます。
メラミンスポンジやスクレイパー等でガラス面のコケやヌメリ等の汚れを擦り落とします。
ですが、手早く終わらせるために動きを早くし過ぎると、水の振動と手に怯えてパニックになる事があるため焦らずゆっくり掃除しましょう。
ガラス面の汚れが落とせたらレイアウトアイテムを洗います。レイアウトを変えない、汚れがあまり目立たないという場合は歯ブラシ等で汚れを擦り落とし、レイアウトを変える場合や汚れが酷い場合は水槽から取り出してから洗います。
この時ジェリービーンテトラやタンクメイトが水草の茂みに隠れている事があるためゆっくり慎重にトリミングし、出てきた不要な葉はこまめに取り除くようにします。
この時もタンクメイトやジェリービーンテトラが紛れていないか注意が必要です。
トリミングで出た不要な葉や枯れ葉はそこら辺に捨てる事無くちゃんと燃えるゴミとして処分しましょう。
あらかた水槽の汚れが落とせたらクリーナーポンプを使って水ごと汚れを排出していくのですが、導入したジェリービーンテトラが2cmくらいの幼魚だったりするとクリーナーポンプに吸い寄せられる事もあるため注意しながら汚れを排出していきます。
フィルターの掃除ですが、揚水パイプやストレーナーに汚れが詰まっている事があるため、濾過力改善のために水換えに合わせて掃除をします。
また、ウールマットや一体型濾過材の場合も目詰まり解消のために飼育水で洗いますが、汚れや傷みが酷い場合は新しい物と交換しましょう。
セラミック等の生物濾過剤は大体1ヶ月に1度くらいの間隔で掃除し、飼育水ですすぐようにして溜まった汚れを落とします。
この時濾過バクテリアは多少減ってしまいますが、掃除と水換え完了後に市販の濾過バクテリアを添加すればある程度濾過力をまかなう事ができるので用意しておくと安心です。
掃除が終わったら飼育器具を戻し、新しい水を水槽に足していきます。カルキ抜きは必ず済ませ、水温も調整しておくと安全です。
水を足し終えたらフタをセットし、飼育器具の電源を入れて水槽掃除と水換えは終了です。
ジェリービーンテトラがかかりやすい病気と治療方法について
繊細な見た目の割りに一度慣れれば飼育も簡単な部類に入る種類ではありますが水質や水温の急変には弱いため、ある日を境に急に病気になってしまう事もあります。
①コショウ病
ウーディニウム症やベルベット病とも呼ばれる病気です。
感染力も強いため、場合によっては全ての個体を治療したり水槽もリセットしなければならない厄介な病気です。
発症すると、体表の付着物の他にヒレをたたんで力無く泳いだり体を小刻みに震わせる、底砂や流木等に体を擦り付ける等の症状があり、放置していると付着物が全身を覆い尽くして死に至ってしまいます。
原因は病気の魚を水槽に持ち込んでしまった事や水質の悪化が挙げられます。ジェリービーンテトラは元々水質や水温の急変に弱い事もあり水質が悪いとけっこうな確率でかかってしまいます。
治療方法はマラカイトグリーン、メチレンブルー、グリーンF系の魚病薬を使った薬浴です。
病魚を隔離水槽に移したら魚病薬を規定量投与して薬浴をしますが、小さな幼魚の場合は体の負担を考慮して規定量の1/5〜1/2の量で行うようにします。
治療中は5〜7日に1度半分の量を水換えし、再び魚病薬を投与して薬浴を続けます。体表の付着物がなくなれば治療は終了です。
コショウ病は持ち込み以外では水槽掃除やフィルター掃除を怠っている状態だと発生しやすいですが、逆に掃除や水換えをしっかりしているとほとんど発生しないと言われています。
②白点病
どんな魚種でも病気と言われたら必ず挙げられてしまう病気です。
最初はヒレや体表、エラの近くに数個の粒々が現れるだけですが放置すると全身に広がっていき、やがて衰弱して死んでしまいます。
原因は水質水温の急変や悪化、病気の魚を水槽に持ち込んでしまった事等が挙げられます。
治療方法はアグテン、メチレンブルー、マラカイトグリーン、グリーンF系の魚病薬を使った薬浴です。
病魚を治療用水槽に移したら魚病薬を規定量投薬して薬浴を行います。コショウ病と同じく、幼魚の場合は規定量の1/5〜1/2の量に抑えて治療をします。
使った薬にもよりますが、アグテンの場合は3日に1度、マラカイトグリーン、メチレンブルーの場合は1週間に1度、グリーンF系の中でも「グリーンFクリアー」は2週間に1度半分の量の水換えをし、再び投薬して治療を続けます。
③エロモナス症
世のアクアリストを戦慄させる悪名高い病気です。
ですが、原因となる細菌は常に水中にいる「常在菌」の一種であるため、予防するためにはエロモナス菌が大繁殖してしまうような環境を作らないようにしなければなりません。
症状としては体の至るところに充血が見られるようになり、次第にウロコが逆立ってくる「松かさ病」、目が飛び出したようになる「ポップアイ」はそれぞれ患部に分泌液が溜まった事でその症状を現します。
また、次第にウロコが白くなってボロボロと剥がれ落ち、表皮が溶けたようになって筋肉組織が剥き出しになってしまう「穴あき病」もエロモナス症の症状の1つです。穴あき病の場合は水温が低いと発生しやすい特徴があります。
発症の原因は食べ残した餌の腐敗による水質の悪化や腐敗した餌を食べてしまった事、病気の魚を持ち込んでしまった事等が挙げられます。
治療にはエルバージュ、グリーンFゴールド、観パラD、パラザンDを使った薬浴を行います。
病魚を治療用水槽に移したら規定量を投薬して治療しますが幼魚の場合は規定量の1/5〜1/2に抑えて様子を見ながら投薬して治療をします。
治療中は3〜5日に1度半分くらいの量の水換えをし、再び投薬して治療を続けます。
ジェリービーンテトラの繁殖について
あまり聞く話ではありませんが、極稀に本種だけ群泳させていると、水草の隙間から小さな蛍光イエローちゃんが「コンニチハ」する事があります。
小型カラシンの仲間を「狙って」繁殖させるのはなかなか大変ですが、そちらは以前皆様にご紹介させていただいた「コーヒービーンテトラ」についての記事を参考にしていただけたらと思います。
①ジェリービーンテトラの雌雄の見分け方は?
ジェリービーンテトラは大切に飼育されて立派な成魚になると、それぞれちょっとした「違い」が現れるようになります。それを簡単にまとめてみました。
オスの特徴
- スマートなのは相変わらず。
- 各ヒレのオレンジが濃いめ。
- 尻ビレにオレンジの発色が現れる。←ココ重要!
- 尻ビレが若干大きい。
- ライバルがいるとヒレをピコピコ動かしてやんわりフィンスプレッディングするようになる。
- メスに対してヒレをピコピコしながら寄り添おうとする。
メスの特徴
- 心なしかお腹がふっくらしている。
- 尻ビレがほぼ無色。←ココ重要!
- 尻ビレが小さめ。
- ほとんどフィンスプレッディングをしない。
②繁殖までもっていくには?
繁殖させる場合において一番大切な事は「健康かつしっかりお世話して立派な成魚にする事」です。
まず未成熟では繁殖自体無理ですし、ガリガリに痩せた個体や体型が崩れてしまう程肥満状態の個体では体力も無く、生殖機能も正常に動きません。
また、飼育環境に配慮する事も大事です。環境の悪い状態では彼らも子孫を残す気はないようで、ある程度の条件が揃わない限りなかなか産卵に至る事はありません。
③マッチングさせるためには、やはり「アレ」!
繁殖には雌雄が不可欠です。先程雌雄判別についてご紹介いたしましたが、入荷した個体によってはまだ雌雄判別ができない事もあります。
ですが、ジェリービーンテトラは群れをなす種類です。群れの規模が大きい程見た目も美しく、成長した後にマッチングしやすくなります。何やら10匹以上の群れだと繁殖の可能性が上がるのだとか。
つまり、群泳と言う名の「婚活パーティー」を開催してあげるのです。
群れで飼育する事で我々が気付いた頃には「お見合い」が済んでいる状態になります。
しっかり成長して婚活パーティーができるようになると、オス個体は自らの存在をアピールするようになります。
④卵や稚魚のために
ジェリービーンテトラの団体様による婚活パーティーの後は、調子やタイミングが合っていれば数日で産卵に至ると考えられます。
お恥ずかしながら、筆者は彼らの産卵の瞬間を見た事がありません。稚魚と目が合った事はあります。
少しでも卵や稚魚の生存率を上げるため前もってレイアウトに「リシア」や「ウィローモス」「ショート・ヘアーグラス」等の水草を多用したり、ストレーナー部分に「ストレーナースポンジ」を装着する等の措置をしておきましょう。
また、このように状態が整った水槽で生体が勝手(?)に繁殖している事を「自然繁殖」と言ったりもします。
それだけ条件が整っているからこそ成し得る訳ですが、ジェリービーンテトラの稚魚は非常に小さいため、餌となる微生物が生存と成長のカギを握っています。
PSB等のバクテリアの添加や水質の維持に気を付け、稚魚とコンニチハできる日が来るのを願いましょう。
自然繁殖!筆者のプチ体験談
◇筆者、目と目が合った瞬間…!
私の体験談です。自然繁殖は本当に驚かされます。
数年前、とあるペットショップにラスボラ・エスペイをメインにした水槽が展示されていたのでそれを眺めていると「ピピバラ」という水草の影から小さい魚が飛び出して来ました。
1cmあるかないかのその小さな魚は紛れもなくエスペイの稚魚だったのです。
独特の三角模様はまだ薄く、朱色の発色もありませんでしたが偶然とはいえとんでもない発見をした事で少しホッコリした気分になりました。
◇こんなところでも自然繁殖!
熱帯魚の自然繁殖ネタは色々ありますが、良い環境を提供する事を心掛けていると思わぬ種類がやってくれたりします。
特にマリンアクアリウムではそれが顕著で、クマノミであればイソギンチャクが居座るライブロックに産卵していたり、ルリスズメであれば入り組んだ形状のサンゴの骨格やライブロックに産卵する事もあります。
◇覚えてて損はない?繁殖のキッカケ作り
「フィンスプレッディングもしてるのに何で産卵しないのか?」と思った時、タイミングが合わなくて見れなかっただけという事もありますが、個人的には「あるお世話」の後に産卵行動に移る種類が多い気がします。
それは「水換え」なのですが、どうやら僅かな水質や水温、水中の成分の変化を敏感に感じ取っているようです。
実際にコーヒービーンテトラやアフリカンランプアイも水換え後に産卵行動に移る事も多く、特にレインボーフィッシュは水換え後のアピールが顕著でした。
「繁殖」は必ずしもさせる必要性はありませんが、群泳やフィンスプレッディングでは見られない色彩や興味深い行動が多いです。
まとめ
今回は蛍光イエローの小型カラシン「ジェリービーンテトラ」についてご紹介させていただきました。
繊細な見た目とアフリカから来たという事で飼育に難ありかと思いきや気を付けるべきポイントに注意していれば初心者でも飼育ができ、その煌めきを集めた群泳を楽しむ事だってできるのです。
また、小型種なので水槽のスペースを取らず、美しい姿を見られるのも本種の魅力です。南米産の小型カラシンとは違う、どこか日淡にも通じるような見た目と泳ぎ方は爽やかさすら感じさせてくれます。
病気に関しても水質の悪化や病気の魚を持ち込まない事を徹底する事で抑制できるものが多いので良い環境を全力で提供してあげましょう。
その群泳と輝く体色はカラフルなお菓子「ジェリービーン」のように、きっと皆様を甘く上品にもてなしてくれる事でしょう。