ヌマエビの飼い方!混泳にお勧めの5種類を徹底紹介!
アクアリウム構築において、半ばメインの淡水魚のおまけものの扱いを受けることが多いヌマエビ。
それこそレッドシュリンプなどの見た目が派手なものでなければ、なかなかエビ専用のアクアリウムを組むまでは行くことは少ないです。
ですがタンクメイトとしては有能であり、水槽の底の方でカリカリと藻を食べてる姿はとても愛らしく、実は働きもののアクアリウム要員でもあります!
ヌマエビとは
ヌマエビとは主にヌマエビ科に属するエビたちの総称です。
全世界で452種、日本には約20種ほど生息していて、水の澄んだ河川であれば捕獲することも容易な身近な生物です。
より正確に言えば、ヌマエビとだけ言うと、正式名称「ヌマエビ」のヌマエビが出てくるのですが、今回はヌマエビ科に属するものの総称としてヌマエビを用いて、正式名称「ヌマエビ」のものに関しては、カギカッコにて括ることで分けていきたいと思います。
基本的に淡水の生物ですが、繁殖には海水、または汽水を必要とする種類もあるために、飼育においては注視する必要がありますね!
ヤマトヌマエビ
最初に解説するのは一番アクアリウムで見かけるのではないかと思われるヌマエビである、ヤマトヌマエビです。
ヌマエビの中では比較的大型で、食欲も旺盛で水草のゴミを掃除してくれ、
魚に食べられることもなく掃除屋としても有能という事で、タンクメイトとして好評です。
ただし食欲が強い分、糞(フン)も多く、あまり一度に多く飼いすぎると水質の悪化を招くこともあります。
また草食性が強いため、水草などを食べてしまう、もしくは根っこを引き抜いてしまうこともあります。水草は食べられるもの、としてヤマトヌマエビには喜んで与えてあげましょう。
稚エビの成長のためには海水、汽水を必要とし、個人で繁殖用のアクアリウム構築は難しい面があります。
とはいえ、ペットショップで購入できるヤマトヌマエビは淡水でそのまま飼育可能な個体がほとんどです。
寿命もオスは5年、メスは最長20年と長期飼育が可能なため、長く飼育出来る個体です。
ペットショップなどで販売されている個体も値段も安価で、入手しやすいです。
ガサガサ・自然界での捕獲は多少難しい面もありますが、流れの緩やかな川や沼の草の根元など、しっかりと下調べをしていれば問題なく見つけられるでしょう。
ミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビの次に採用されているであろうヌマエビがミナミヌマエビです。
ヤマトヌマエビよりもだいぶん小さく、食欲も控えめながらも、水槽の掃除人としての役割はある程度果してくれるうえ、固形飼料などに群がる愛らしいしぐさなどで人気なヌマエビです。
ただしその体の小ささから、魚によってはヤマトヌマエビは平気でもミナミヌマエビは捕食してしまうものもおり、ミナミヌマエビ自身も魚などから身を隠すように物陰に隠れてしまいがちではあります。
また、どうしても食欲という面ではヤマトヌマエビにかなわず、苔取り能力は1/3ともいわれています。
淡水内で繁殖が可能であり、稚エビが生き残れる環境であれば数世代にわたる飼育が可能です。
ペットショップでの購入が可能であり、値段も安価です。
また自然界でのガサガサでは夏場に関西以南であれば流れの緩やかな小川などで大量に捕獲できます。
ヒメヌマエビ
かなり小型なヌマエビです。
食欲は控えめで、性格もおとなしく物陰に隠れがちなため、タンクメイトとしての役割で見ればヤマトヌマエビやミナミヌマエビに一歩及びませんか、その特徴的な体色から主に観賞用として好まれています。
水温が低く水質の澄んだ場所を好み、長期飼育は難しいです。稚エビの成長には海水、汽水を必要とするため、個人でのアクアリウムでは難しいでしょう。
探せばペットショップなどでも取り扱ってはいますが、野生での捕獲は難しいかと思われます。
ミゾレヌマエビ
色々とややこしい見た目をしたヌマエビですね!
体長はヤマトヌマエビよりは一回り小さいながらもミナミヌマエビよりは大きく、プロでも近縁種との違いや同定が難しく、よく「ヌマエビ」としてペットショップにて販売されています。
また近年では本物のミゾレヌマエビと評してヌマエビを売る場所も出てきて、ある意味ペットショップなどでミゾレヌマエビを購入するのは難しいかもしれません。
ミゾレヌマエビは名前の通り、体にミゾレ(白い斑点)が出るのが特徴なのですが、これは別にミゾレヌマエビのみの特徴ではない上、ミゾレヌマエビを飼育しているうちにこの斑点が消えることが多々あるため、こういった勘違いが起こるとされています。
ただし、ヤマトヌマエビよりおとなしいわりにミナミヌマエビより苔取り能力が強いため、タンクメイトとしておススメできる種ですね。
稚エビの成長に海水、汽水を必要とし、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビと比べて長期飼育が難しいです。
野生での捕獲も可能ではありますが、捕まえたヌマエビがミゾレヌマエビかどうか見分けるのが大変です。
トゲナシヌマエビ
最後に紹介するのは、ミゾレヌマエビと同じほどの大きさのトゲナシヌマエビ!
名前の通り額角が短く、全体的に白くくすんだ色をしているヌマエビです。
食欲、活発さに関してもミゾレヌマエビと同程度で、タンクメイトとして向いています。
稚エビの成長に海水、汽水を必要とし、ミゾレヌマエビと比べれば長期飼育がしやすいかと思われます。
(お勧めしません)スジエビ
おまけとして、お勧めしないのですがスジエビもいます。
スジエビは非常に肉食性の強い雑食で、藻類や水草はほとんど食べません。
水槽のお掃除要因を探すなら、ヌマエビにしましょう。
近くの川でガサガサ取ってくる場合も、ヌマエビにまぎれて入っていることがあり、
同水槽内に入れてしまうと、ヌマエビも小魚もみんなスジエビのごはんに。。なんてことになりかねません。
ヌマエビの簡単な飼い方
ヌマエビの飼育法において気を付けることは大きく分けて4つあります。
- 水について
- 土壌や水槽内に入れるものについて
- 混泳相手について
- 繁殖について
ヌマエビの種類によって差異はありますが、今回はどのヌマエビにも共通するものを纏めていきたいと思います。
水について
ヌマエビは基本的に水質、水温変化に弱いです。
水質に関しては弱酸性を好み、水温に関しても20~25℃でキープできると望ましいです。
水質は安定するように、週一での水替え、それも一気に変えるわけではなく、水槽の1/3程度の水ずつ、水質を合わせるようにしつつ変えていってください。
また、水槽に入れる前も水合わせを入念に行い、慎重に合わせていってください。
土壌や水槽内に入れるものについて
ヌマエビは身を隠す場所があることを好みます。また繁殖などを考えると水草も必要ですね。
おススメの土壌はソイルなどの、水質を弱酸性に安定させるものです。
流木などを入れても同様の効果を求めることが可能なうえ、隠れ家にもなります。
マツモやオオカナダモなどが適していると思われます。
ウィローモスなどもよいのですが、草食性の強いヤマトヌマエビなどは食べ荒らしてしまうことがあります。
混泳相手について
小型魚であれば基本的に問題はありません。
大型の肉食魚ですと、ヌマエビが格好の餌となってしまいますのでお勧めしません。
また、小型であれどベタやエンゼルフィッシュはヌマエビを食べてしまいますので、混泳はおススメしません。
コリドラスやネオンテトラ、メダカ、ドジョウといったものであれば問題ないと思われます。
繁殖について
筆者宅の室内水槽でメダカと一緒に飼っているミナミヌマエビが抱卵、出産しました。
20~30個ほど卵を抱えた母エビから10匹ほどの子エビが生まれてきてくれました!
足をシャコシャコ動かして必死に卵に空気を送っております。
抱卵直後は、最初は黒っぽい卵を抱えています。
1週間ほど経つと、お腹の黒っぽかった卵が透明な卵になります。
なんか水草の上でじっとすることが増えたような気がします。
ミナミヌマエビの親はこのまま卵から稚エビが孵化するまでお腹のなかで育てます。
まだ抱卵に慣れていない親エビだと卵を落っこどしてしまったり、
急な水質の変化(水替えや水草のトリミング)があると、脱皮してしまい、
脱皮によって卵を一緒に落としてしまうので、ミナミヌマエビが抱卵中の場合は、
水槽をなるべくいじらないようにしてあげましょう。
ちなみに、一度落っこどしてしまった卵はもう不可することはありません。。
誕生初日の動画。親エビと一緒に映り込む稚エビがおわかりでしょうか。。
米粒みたく、小さく、目をこらさないと全く見えません。
必死に水草にしがみついているのが可愛らしいです。
動き回るようなことはほどんどなく、水草の中や水槽の角の壁に引っ付いてじっとしています。
室内水槽に水草が繁茂しているのであれば水草についたコケを食べて大きくなってくれるので、
とくに稚エビのごはんは、よほど個体数が多くない限り不要かなと思います。
2週間ほど経つとオーストラリアンクローバーの葉の大きさくらい(1cmくらい)になります。
まとめ
今回は一見地味に見えますが、隠れたアクアリウムの功労者であるヌマエビについて見てきました。
よくよく観察してみれば愛らしい面がいっぱいあるので、もしよろしければヌマエビのみのアクアリウムもぜひ組んでみてくださいませ。
また、夏になると自然のヌマエビが大量発生しておりますので、もし近くにヌマエビの住む池などがありましたら一度アミを突っ込んでいただければ、うまくやれば一度でたくさんのヌマエビも取れたりします。