古くから観賞魚として愛されてきたメダカの仲間達は、今でも多くの人々の目を惹く美しさと愛らしさをもってアクアリウムの世界にも君臨し続けています。
「熱帯魚はグッピーに始まりグッピーに終わる」とまで言われる卵胎生のグッピーや、品種改良により眩い輝きを持つ品種や月夜のように優しい煌めきを放つ品種が生まれている日本メダカ。
さらにはド派手な体色で見る者を虜にしてきたノソブランキウス・ラコヴィーやクラウンキリーなど種類も多く、いつでもアクアリウムの世界に賑わいを持たせてくれています。
1,ブルーの体色が美しいメダカ!オリジアス・ウォウォラエの特徴について
①分類
ウォウォラエは日本メダカも含まれる「Oryzias(オリジアス)属」に分類されており、学名は「Oryzias wolasi」です。
②生息地について
インドネシアのスラウェシ島原産の種類と言われており、南東スラウェシ州で採集されているようです。
③大きさはどのくらい?
日本メダカの親戚にあたるウォウォラエは大きさも同じくらいで、成長しても約4cmほどの小さな魚です。
④どんな見た目をしているの?
ウォウォラエは日本のメダカと同じような体型をしていますが、成長したオスの背ビレ、尻ビレの軟条が少し伸びる事があります。
彼らの最大の特徴は光が当たる角度によって鮮烈なメタリックブルーを発色する事で、このブルーは見る角度や使うライトによっては背中側がメタリックパープルにも見えます。
個体によってはこのブルーが尻ビレや尾ビレの一部にもなるため美しいです。
他にも体の前半部分がシルバーを帯びる事もあり、オリジアス属のメダカの中ではかなり派手な種類と言えます。
メダカの仲間特有の大きな目にもうっすらとブルーが乗るため涼しげな印象を与えます。
⭐以前は良く似た種類が入荷していた!
ウォウォラエが入荷したのは2010年と最近の事で、その鮮烈な美しさから瞬く間に人気の熱帯魚となりました。
しかし、ウォウォラエが入荷するまでは「青いメダカ」として「オリジアス・ネオンブルー」という種類が入荷されており、ウォウォラエの人気や知名度が広まった現在では、その姿はあまり見かけません。
オリジアス・ネオンブルーは本種と比較するとネオンブルーの発色が弱く、各ヒレがあまり色付かないため派手というよりは清楚な印象を受ける種類です。
⑤どんな性格をしているの?
とても温和な性格をしているため、群れだけでなく別の種類の魚やエビとも混泳させる事ができます。
⑥どんな物を食べているの?
自然下のウォウォラエは水面に落下してきた蚊やユスリカなどの昆虫や、イトミミズ、アカムシなどの水生生物、ミジンコや生まれたばかりの稚エビなどを捕食しています。
飼育下ではメダカ用の人工飼料や熱帯魚用人工飼料なども良く食べてくれるため、安心して飼育する事ができます。
⑦どこでお迎えできるの?大体のお値段は?
ウォウォラエは人気のあるメダカなので、アクアショップやアクアリウムにも強い総合ペットショップであればお迎えしやすいです。
また、通販を利用すれば探してお迎えもしやすいです。
大体のお値段についてですが、ショップによっては性別がオスかメスかで値段に差がある時があり、その場合は美しくなるオスの方が高くなります。そのため大体の目安として、1匹あたり800〜1200円くらいと考えておくと良いでしょう。
2,オリジアス・ウォウォラエの飼育で注意すべき事について
ウォウォラエは品種改良をしていないオリジアス属のメダカの中でも鮮やかなメタリックブルーという珍しい体色をしているため、人気のある種類になります。
〜🏝️ウォウォラエ飼育の注意ポイント🏝️〜
- スレに弱いためネットは極力使わない事。
- 導入直後は弱いので水合わせを慎重に行い、しっかりと観察する事。
- 水質悪化には弱いので濾過力のあるフィルターを使う事。
- 痩せやすいので餌をしっかり食べさせる事。
3,オリジアス・ウォウォラエの飼育方法について
①お迎え
ウォウォラエは卵生メダカの中では改良品種を除いて比較的見る機会も多く、お迎えしやすい種類です。
しかし、入荷状態によっては痩せていたり体表が荒れている事もあるので購入前に健康チェックをします。
体表やヒレに付着物がないか、ヒレが不自然に裂けたり溶けていないか、キビキビと元気良く泳いでいるか、痩せたり体が白っぽくなっていないかなどをチェックします。
通販の場合は健康な個体が送られてくるため基本的には大丈夫ですが、受け取ったら死着していないか、あからさまに体調が悪い個体ではないか確認しましょう。
②水合わせ、導入
元気いっぱいのウォウォラエ達を自宅にお迎えしたら、すぐにでも水槽に泳がせたくなってしまうかも知れません。
しかし、彼らは導入直後の水質の変化に弱い面があるため、必ず水合わせをしてから水槽に導入するようにしましょう。
まずは水槽にパッキングされたままのウォウォラエ達を30〜45分ほど浮かべ、水温を合わせます。
水温を合わせ終わったらパッキングを開封しますが、この時驚いて水面を跳ねる事があるので注意が必要です。
無事開封できたら中の水を1/5〜1/4捨て、水槽の水を同じくらいの量を加えて30〜45分ほど様子を見ます。特に問題が見られなければ、この行程を袋の中の水がほとんど水槽の水になるまで繰り返し、最後の水合わせの時も異常が見られなければ水槽に放ちます。
導入直後のウォウォラエ達は新しい環境に驚いているため、草陰や流木の後ろに隠れる事がありますが次第に中〜上層辺りを泳ぐようになります。
③水槽、フタについて
ウォウォラエは大きくなっても4cmほどしかないので小型水槽でも飼育する事ができます。
大体の目安として濾過力のあるフィルターを使った状態の30〜45cm水槽で4〜6匹ほど飼育できますが、10匹以上飼育したい場合は60cm以上の水槽が広くて水質管理もしやすいのでオススメです。
水槽は他の飼育器具がセットになっている商品もあるので、器具1つ1つにこだわりがないのであればセットになっている商品を選ぶとスムーズに飼育に以降する事ができます。
また、本種を含めたメダカの仲間は何かの拍子に驚くと水槽から飛び出しやすいので必ずフタをするようにしてください。
④水質、水温について
ウォウォラエは中〜弱アルカリ性のキレイな水を好んでいるため、濾過力のあるフィルターや水質を弱アルカリ性に傾ける作用がある底砂を使って環境を整えてあげてください。
水温は20〜25℃くらいであれば特に問題なく飼育できます。
Q,好みの水質で飼育するとどんな効果があるの?
A,ストレスが少ないため色が揚がったり繁殖しやすくなる効果が期待できます。
「好みの水質」というのは、彼らの「生息地の環境に近い水質」の事です。
元の生息環境に近付けて大切に飼育してあげる事でストレスが和らいで繁殖しやすくなったり、薄かった体色が揚がるという効果が期待できます。
⑤底砂について
水質を酸性に傾ける作用がなければ底砂として使う事ができます。
中〜弱アルカリ性の底砂として「大磯砂」が最もポピュラーで使いやすくてオススメです。
⭐水質を安定させるならコチラもオススメ!
アクアリウムの世界は水質を安定させるのが大切な事の1つです。
特に小型種だと小さい分体力が無いため水質の悪化が命取りになる事も少なくありません。そこでオススメなのが「麦飯石」です。
麦飯石はミネラルを溶出させるため弱酸性の水質を好む種類には向きませんが、メダカや一部のレインボーフィッシュ、汽水魚などの飼育にはお役立ちアイテムとなります。
⑥フィルターについて
飼育に使っている水槽に合う濾過力の物であれば、どのフィルターでも飼育に使う事ができます。
フィルターには大きさによってそれぞれ「○cm水槽用」とパッケージに記載されていますので、それを見ながら選ぶようにしてください。
⑦ライトについて
水草を育てたり昼夜のメリハリをつけるためにもライトは必要なアイテムです。
水槽の大きさに合わせた、好みの光を放つライトを設置しましょう。
⑧水草について
ウォウォラエは水草にイタズラをしないため相性が良く、水槽に水草をレイアウトする事ができます。
「マツモ」や「アナカリス」「カボンバ」は「金魚草」としても有名でオリジアス属のメダカ飼育にも向いています。
⑨混泳について
中〜上層を泳ぎ、性格も温和なので水質や性格の問題を解決している種類であれば混泳させる事ができます。
⭐沸かしたてのブラインシュリンプやミジンコを主に与えるのであれば、この魚も同居できる!
メダカ愛好家の方の中には「餌は活き餌のみ」というこだわりを持っている方もいらっしゃいます。
沸かしたてのブラインシュリンプやミジンコを主に与えるのであれば「淡水ヨウジウオ」の仲間との混泳もできます。
ここに来てまさかのタツノオトシゴの親戚が混泳相手に食い込んできました。
ヨウジウオは基本的に活きた餌しか食べないので飼育難易度が高いですが、性質自体は他の魚に危害を加える事がほとんど無いため水質と餌の問題さえ解決できればウォウォラエとの混泳も可能です。
■むしろ同属との混泳はオススメできない
混泳相手を選ぶ時は性質、水質の問題が大きいですが、オリジアス属は同属での混泳はあまりオススメできません。
というのもオリジアス属は体色に違いはあれど体型が似ている種類が多いため、近い種類と混泳させると繁殖した際に交雑してしまう恐れがあるからです。
⑩給餌について
ウォウォラエは人工飼料に餌付きやすいため、餌で困らせられる事はほとんどありません。
メダカ用人工飼料や熱帯魚用人工飼料も顆粒タイプ、フレークタイプ問わず良く食べますし、乾燥イトミミズやアカムシ、ミジンコへの反応も良いです。
また、冷凍アカムシやブラインシュリンプベビーなどもかなり食い付きが良いため、定期的に与えるのがオススメです。
余裕がある場合はミジンコやブラインシュリンプを沸かして与えると、普段の給餌では見られない捕食の様子を観察する事もできます。
給餌の間隔ですが1日2回、5分ほどで食べきれる量を与えます。餌を食べた個体は胸からお腹がふっくらとするため分かりやすいです。
⑪水換え、水槽掃除について
水槽の大きさや飼育している匹数、汚れ具合にもよりますが、目安として1週間〜10日に一度、1/4〜1/2の量の水換えと掃除をします。
特に水量が少ない小型水槽で飼育している場合は水質悪化のサイクルが60cm水槽より早いため、より定期的に水換えと掃除をする必要があります。
まずは飼育器具の電源をオフにし、フタやライトを安全な場所に運びます。
掃除の準備ができたら、まずは水槽の壁面についたコケやヌメリなどの汚れを落とします。スクレイパーやコケクロス、メラミンスポンジがあると簡単に落とせるのでオススメのアイテムです。
水槽の角になっている部分は汚れが落としづらいので、先の尖った綿棒などで擦ると掃除しやすいです。
レイアウトに使っている流木や石などが汚れている場合は歯ブラシなどで擦り落としますが、レイアウトを変更したい場合は水槽から取り出してからタワシなどで洗いましょう。
水草が伸びすぎていたり、葉が枯れてしまっている場合はトリミングをして整えてあげる必要があります。
⭐キレイにモコモコになってもトリミングは必要!
ホウオウゴケやバブルモスなどのコケの仲間は大切に育てるとボリュームが出て美しい見た目になります。
あまりにキレイなのでトリミングする気になれないかも知れませんが、ボリューミーに育つタイプのコケの仲間は定期的にトリミングしないと繁茂しすぎてしまい、光の当たらない部分から枯れてしまう事があります。
より美しくボリューミーにしたいのであれば、光が入りやすいようにカットするようにしましょう。
トリミングで出た不要な葉はなるべく素手で回収するようにします。
回収した不要な葉は燃えるゴミとして処分しましょう。
フィルターに揚水パイプがある場合は取り外し、専用のブラシで中に溜まった汚れを落とします。ストレーナーもゴミや汚れが挟まっている事があるのでしっかり洗いましょう。
また、一体型の濾過材を使うフィルターとウールマットは目詰まりしやすいので、水換えのタイミングで取り出して汲んだ飼育水で軽く洗って目詰まりを解消します。
あまりにも繊維が傷んでいたり、濾過力がかなり落ちてしまっている場合は新しい物と交換します。
水槽内の大体の掃除が終わったら、クリーナーポンプを使って水ごと汚れを吸い出しましょう。
この時も吸水口を魚や底砂に近付け過ぎて吸い込まないように注意が必要です。生き物の命が危ないですし、底砂によっては吸い込んだ時に壊れる原因になる事があります。
汚れを排出し終わったら、水槽に新しい水を足していきます。この新しい水は必ず温度を合わせ、カルキ抜きも済ませておく必要があります。
水の足し方は色々ありますが、水槽にいる生き物達を水流で驚かせないように足すのがポイントです。
特にウォウォラエのようなメダカの仲間は上層を泳ぎ、水流をダイレクトに受けやすいため慎重に行いましょう。
水を足し終わったら揚水パイプや飼育器具を戻し、電源を入れれば水換えと水槽掃除は終了です。
水槽の大きさによっては濾過力のある上部式フィルターや外部式フィルターを使う事もあると思いますが、生物濾過槽の掃除は2〜3週間に一度、飼育水で軽く汚れを落としておきます。
また、生物濾過材によって交換目安が違うため、その時が来たら新しい物と交換して新たに濾過バクテリアを定着させます。
4,オリジアス・ウォウォラエがかかりやすい病気と治療方法について
環境に慣れれば美しい体色を見せてくれる本種ですが、水質が悪化したりスレてしまうと病気になりやすい一面があります。
①ウーディニウム症(コショウ病)
ウォウォラエを含む卵生メダカがかかりやすい病気の1つであり伝染力が強いため、一度発生してしまうと多くの魚がこの病にかかってしまいます。
症状として、体表やヒレに黄〜淡黄色の粉状の付着物が現れます。
また、この病気にかかった個体は体を小刻みに震えさせたり力なく泳いだりという特徴もあります。ウーディニウム症は重症になると全身に粉状の付着物が広がり、やがて死んでしまいます。
発症の原因は水質の悪化や病気の魚を導入してしまった事が挙げられますが、水槽やフィルターの掃除、水換えを怠ってしまった事が大きいため、日頃の管理に気を遣うようにしましょう。
治療方法は2つあり、1つは塩水浴です。
10Lに対し30〜50gの塩を混ぜた塩水を作り、その中で飼育します。ウーディニウムは塩分に弱いため、症状が軽ければ数日で治る事もあります。
また、塩分はウォウォラエの浸透圧に作用して代謝を高める効果があるため薬浴より負担が少なくて済みます。
もう1つは薬浴です。こちらは症状が重症化していたり塩水浴をしても完治に至らない時に行います。
使う薬品はメチレンブルー、マラカイトグリーン、グリーンF系です。
治療用水槽に病魚を隔離したら、規定量を様子を見ながら少しずつ投薬します。治療中は5〜7日に一度、半分の量の水換えをしてから新たに投薬します。
②白点病
アクアリウムの世界では有名な病気で、白点虫という原虫が寄生する事で発生します。
体表やヒレに白い粒々した付着物が現れるため発見は容易ですが、放っておくと付着物の数が増え、最終的には死んでしまいます。
また、白点病になると体表を流木や底砂に擦り付ける事があり、これでできた傷口が細菌感染症の原因になる事あるため油断できません。
発症のキッカケですが、水温の急変や水質の悪化が挙げられます。
治療方法は塩水浴と薬浴で、重症化していなければ塩水浴をしてウォウォラエにあまり負担を与えないようにしましょう。
塩水浴用の塩水は水10Lに対し30〜50gの塩を混ぜて作ります。また、白点虫は25℃以上になると増殖能力が低下するため、治療中は25℃以上に水温を上げるのが効果的です。
薬浴をする場合はアグテン、メチレンブルー、マラカイトグリーン、グリーンF系を使います。
病魚を治療用水槽に隔離し、規定量の薬品を投薬して治療を開始します。
水換えの間隔は使う薬品によって異なり、アグテンは3日に一度、メチレンブルー、マラカイトグリーン、グリーンF系は1週間に一度、グリーンFクリアーの場合は2週間に一度、半分の量の水換えをして新たに投薬します。
③エロモナス病
症状の出方で呼び名が変わる病気としても知られており、致死率が高いためメダカの仲間を始めとした小型種にとって治療も難しく厄介な病気です。
初期症状として体表の至るところに充血が見られ、症状の進行とともに腹部が腫れ、ウロコが逆立つ「松かさ病」の症状を現す事が多いです。
発症のキッカケは水の腐敗による水質の悪化や免疫力の低下、古い餌を食べてしまった事などが主に挙げられます。
治療方法として薬浴を行い、使う薬品はグリーンFゴールド、エルバージュ、観パラD、パラザンDなどです。
治療用水槽に病魚を隔離したら、規定量を投薬して様子を見ます。治療中は3〜5日に一度、半分の量の水換えをしてから新たに投薬します。
治療は逆立ったウロコが元に戻り、腹部の腫れと充血が引くまで続けます。
5,オリジアス・ウォウォラエの繁殖方法について
ウォウォラエはオリジアス属のメダカの仲間とあって、大切に飼育していると水草に卵を産み付けてくれます。
また、稚魚の育成もしやすく小型美魚を卵から育て、色が揚がっていく様子を楽しむ事ができるのも本種の魅力です。
①雌雄判別について
ウォウォラエの雌雄判別はとても簡単です。
〜♠️オスの特徴♠️〜
- 成熟したオスは鮮やかなメタリックブルーとシルバーの体色を発色する。
- 胸ビレ、尾ビレの一部と腹ビレが鮮やかな赤色に染まる。
- メスより各ヒレが大きい。
- 尻ビレが大きな四角形をしており、軟条の一部が伸びる。
〜♥️メスの特徴♥️〜
- 各ヒレがオスに比べて小さい。
- 成長しても体色が薄く、メタリックブルーの発色がほとんどない。
- オスほど赤みは強くないが、尻ビレの付け根が赤く染まる(オスは発色しない)。
- 普段はスマートな体型をしているが、成熟して卵を持つようになると下腹部がふっくらとして体に厚みが出るようになる。
②繁殖させるために!
繁殖させるために、まずは健康に飼育する事が大切です。未成熟な個体や痩せている個体、体調が良くない個体では繁殖まで至りません。
③飼育する匹数について
45cm水槽で2ペアを目安に飼育すると、それぞれのペアが繁殖行動を取るためオス同士の小競り合いが少なくて済みます。
④繁殖行動について
ウォウォラエの繁殖行動ですが、メスの下腹部がふっくらとしてくると、オスはメスの目の前に出てヒレを大きく広げつつ、小刻みに動かしながらアプローチをします。
メスがそれを受け入れると、オスは背ビレと尻ビレでメスを抱きしめ、両者共に体を小刻みに震わせて産卵します。
⑤産卵グッズについて
水槽に水草を植えている場合は自然の産卵場所になりますが、市販の産卵床も卵の回収がしやすくオススメです。
・毛糸、麻紐
市販の毛糸わ麻紐を束ねた物を水面に浮かべたり沈めたりするだけで立派な産卵床になります。
・テトラ「メダカのゆりかご産卵床」
水に浮かぶタイプなので卵の回収もしやすいアイテムです。
・ジェックス 「メダカ元気 育成メッシュ産卵床付き」
こちらも水に浮かぶタイプで、メダカの卵から稚魚まで育てられるメッシュと灰色の産卵床で繁殖をサポートします。
・スドー「メダカの棕櫚産卵床」
細かくて丈夫な繊維が特徴の天然素材を使った産卵床です。
⑥卵の育成について
育成用の水槽を立ち上げても良いのですが、親魚水槽に浮かべたりして設置できる育成メッシュや隙間が小さい隔離ボックスなどがオススメです。
Q,卵の生存率を上げたいけど、どんな方法がある?
A,産卵床から卵を取り出してからメチレンブルーを溶かした飼育水に浸けるのがオススメです。
産まれたばかりの卵はカビが生えやすく、一度生えてしまうと無精卵有精卵もろともカビてしまう事があります。
せっかくの有精卵を守り生存率を上げたいのであれば、メチレンブルーを溶かした飼育水にしばらく浸けて水カビ対策をしましょう。
メチレンブルーは水カビ病にも効果があるため、卵をカビから守る事ができます。
⑦孵化までの期間について
卵の孵化日数は水温に左右されます。25℃くらいまで水温を上げれば約10日、20℃前後であれば12〜14日ほどで孵化します。
■できれば25℃前後で孵化させよう!
卵の孵化は早すぎてもダメですが、遅すぎても弊害があります。
水温が高すぎると体が上手く出来上がる前に孵化してしまう事がありますし、水温が低すぎると逆に時間がかかりすぎて卵から出るタイミングを失いダメになってしまいます。
⑧稚魚のお世話について
卵から孵化したばかりの稚魚はお腹に「ヨークサック」という栄養が詰まった袋があるため、2〜3日は餌を必要としません。
孵化から数日後、ヨークサックがなくなってピョコピョコと泳ぎ回るようになったらベビー用パウダーフードやインフゾリアを与えます。餌は1日3〜4回、少量ずつ与えます。
稚魚は体が透けているので餌を食べているかすぐに分かります。食べ残しや死んでしまった稚魚はスポイトで取り除くようにして水質を悪化させないようにしましょう。
孵化してから1週間ほど経つと、糸屑のように華奢だった体が少しずつ魚っぽい形になっていきます。
稚魚は親魚以上に水質の変化に敏感なので、水換えする時は慎重に行わなければいけません。焦って水換えをしてしまうと全滅の原因になってしまいます。
そのため給餌以外の基本的なメンテナンスは、スポイトで食べ残しや死んでしまった稚魚を取り除き、減ってしまった分の水を慎重に足すくらいに留めましょう。
孵化から約1ヶ月後には1〜1.5cmほどの大きさになるため、餌に沸かしたてのブラインシュリンプベビーを追加すると成長が早くなるのでオススメです。
ブラインシュリンプベビーは生きている間は嗜好性と栄養価の高い餌になりますが、死んでしまうと水質悪化の原因になるため食べ残して死んでしまったものはスポイトで取り除くようにしましょう。
また、この大きさになると稚魚もミニマムサイズのメダカのような体になり、体色も少しずつ滲み出てくるようになります。
ウォウォラエの稚魚は順調に成長すれば孵化してから約2〜3ヶ月経てば立派なメダカになります。
ここまで成長すれば餌も親魚が食べている物に変えても大丈夫ですし、水換えも安心して行う事ができます。
まとめ
今回は美しいメダカの仲間、オリジアス・ウォウォラエについて皆様にご紹介させていただきました。
ウォウォラエはオリジアス属のメダカの中でも美しい種類で、自然界でこれほど美しいブルーの色彩を持つ種類はそうはいません。
また、水質の変化やスレに気を付けて飼育すれば初心者でも飼育しやすい種類でもあります。
繁殖も小型カラシンやアベニーパファーより簡単なので、気軽に稚魚の成長を楽しむ事もできます。