ラミレジィの飼い方・育て方を徹底解説!
ラミレジィはアクアショップや魚コーナーがあるお店でもわりと見かけられて、
単独飼育でも水槽が色鮮やかになり、大切に育てればとてもきれいな体色を出してくれるドワーフシクリッドの仲間です。実際筆者も、
筆者飼育のラミレジィ
- コバルトブルーラミレジィ
- ゴールデンラミレジィ
- ドイツラミレジィ
の3種類を飼育しており、繁殖まで経験しておりますので、
その経験からラミレジィの飼い方・育て方を紹介していきます。
ちなみに以前ご紹介したアピストとは、同じ小型シクリッドの仲間になります。
ラミレジィとは
パピリオクロミス属の中南米産のドワーフシクリッドです。
ヴェネズエラ、コロンビアを流れるオリノコ川、メタ川に分布する最もポピュラーなドワーフシクリッドの一種です。
流れの緩やかな澄んだ水域で、底質は砂底から泥底、水草が豊富にみられる場所に生息しています。
明るい黄色を基調に鱗片とヒレに輝青色の極小斑点が現れ、背びれの前方3棘は黒く、
発情すると目は赤色を呈します。
ドイツブリード、オランダブリード、東南アジアブリードなどが日本に入ってきており、
ロングフィンタイプ、ゴールデン、バルーンタイプなどがいます。
筆者自宅のラミレジィ
コバルトブルーラミレジィ
体色は名前の通り透き通った青色なのが特徴です。
アクアショップでもよく見かけることが多いのがコバルトブルーラミレジィです。
値段もラミレジィのなかでは比較的安く800円~1500円ほどで売られています。
体長も5~7センチほどの小型になります。
ゴールデンラミレジィ
こちらも名前の通りになりますが、綺麗な金色なのが特徴です。
値段は1500~2500円ほどで流通していることが多いです。
ラミレジィはどの種類もサイズや寿命は一緒になります。
特に色がはっきりしているのでゴールデンラミレジィの単独飼育でもインパクトがあります。
ドイツラミレジィ
ドイツラムの愛称で知られていて愛好家が多いです。
体色は黒・赤・黄色・青が入っていてとてもきらびやかなのが特徴です。個体によって青色が多かったり赤色が多かったり様々です。
値段は1200~2500円ほどです。
特に餌や環境でとても体色が綺麗にでるので飼いこんでいけばアクアショップで見るよりも格段に綺麗な体色を出してくれます。
水草水槽にも合うので水草水槽をしている方やしようとしている方にオススメです。
他にもオランダラミレジィ・ジャパンラミレジィ・バルーンラミレジィなどがいます。
ラミレジィの飼い方のポイント!
- 気が強いので喧嘩をしないように水草を多めに入れて隠れ家を作る。
- 混泳は同居する魚を選んで。(ミナミヌマエビは食べられてしまう)
- 栄養の高い餌をあげる。
それぞれご紹介してまいります!
①気が強いので水草を多めに入れて隠れ家を作る
ラミレジィは気が強いので多数ラミレジィを飼育すると喧嘩してしまい、
小さい個体は弱ってしまうので多数飼育する場合は水草を多めにいれて隠れ家を作ってあげましょう。
オススメはロタラ系の水草や背の高くなる水草がいいです。
②混泳は同居する魚を選んで
他の熱帯魚とも一緒に飼うことができますが、気が強い魚のため同種間の縄張り争いをすることもあります。
同種間で飼う場合、30センチ水槽などの小型水槽で飼う際には最大でもペアでオスメス1匹ずつだけ飼うのをオススメします
小型水槽だとどうしても縄張り争いの喧嘩をしてしまうので隠れ家が多くても追いかけられてしまいます。
また、ラミレジィはミナミヌマエビなどの小型のエビが大好物なのでエビ類は食べられてしまうので注意です。
コケ取りの生態を入れる場合はヤマトヌマエビなどの少し大きめなら食べられる心配はないです。
それでもミナミヌマエビなどを飼いたい場合は大きめの60〜90センチ水槽で隠れ家や水草を多めにいれてあければ大丈夫です。
栄養の高い餌をあげる
筆者が現在与えているエサは、
- テトラ:テトラミンのフレークタイプを8回/日
- ADAオリジナルフィッシュフード AP-2を8回/日
- ブラインシュリンプ 2日/週 皿式で孵化させて与えています。
※エンドラーズと混泳しており、動きの遅いラミレジーがエサを食べれるように、フードタイマーを使用して、給餌回数を多くしています。
ラミレジィは熱帯魚の餌ならなんでも食べてくれますが、餌で発色がとても変わってきますので栄養価の高い冷凍赤虫もオススメです。
他はディスカス専用の餌なら色揚げも期待できます。
頻度は1日2回で朝と夜に食べ残しが出ないようにあげてください。
ラミレジィの飼育環境
水槽のサイズ
30センチ水槽からでも可能とされています。
飼育から繁殖まで広く楽しむという条件から言えば、水質を安定させやすいという観点から45~60センチ水槽が推奨されています。
フィルター
どのようなフィルターでも構わないとされています。
強い水流を好まないので、フィルターの吐水口付近に水流を弱くする工夫を施す必要があります。
筆者の水槽では、外部フィルターの吐水口を水槽の壁面にあてたり、フローパイプを接続して水流を分散しています。
外部フィルターの給水口にはスポンジフィルターを装着し、稚魚やエビを吸わないようにしています。
飼育水
南米産ドワーフシクリッドは水質、特にアンモニア、亜硝酸塩濃度の増加に敏感です。
アンモニアや亜硝酸塩は、魚の排せつ物やエサの食べ残しなどによって生じ、ろ過がよく効いていない場合には、数値が上昇し、病気の発生につながります。
ラミレジィは弱酸性の水質を好みます。
PH5.0~6.0の水質が適していますので他の熱帯魚が飼える環境であれば問題ありません。
筆者の水槽では、水道水に水質調整剤(カルキ抜き)とバクテリア(商品名:イノベーション)を添加しています。
水質は、テスト試験紙で、㏗6.4、KH 0(稀に3)、NO₂ 0、NO₃ 25-100といった数値になっています。
亜硝酸塩は‘0‘なのでろ過は効いているようです。
最近ブラインシュリンプを与えており、NO₃が75-100の高値のままです。
水槽という閉鎖空間なので2回/週、50Ⅼの水替えをしています。
底砂の種類
ソイル100% 24Ⅼを使用しています。
水草のレイアウト水槽なので、水槽奥を深めにして植栽ゾーンにしています。
底砂はソイルにすれば水質が弱酸性になるのでソイルを選ぶようにしましょう。
水草
アマゾンソードナローリーフ、エキノドルス、アヌビアスナナ、ブセファンドラで、それぞれの根元に固形肥料を入れています。
エアレーション
昼間はCO₂添加、夜間はエアレーションしており、すべてタイマーでコントロールしています。
ライト
LEÐ90センチを1台、45センチを1台設置しています。
外気温が昼間は30度を超えるときは、水槽ファンを設置しており、室温は28℃以下になるようエアコンを使っています。
水温は23~28度で管理するようにしてください。
地域にもよりますが夏場で水温が30度超える日が続くと弱ってしまいますので水槽用の扇風機などで温度調整するようにしてください。
冬場はヒーターを入れて管理するようにしてください。
混泳について
ラミレジーの口に入る魚やエビは食べられてしまいます。
筆者宅の同居魚のエンドラーズの親魚は大丈夫ですが、稚魚は食べられていると思います。
ミナミヌマエビの稚エビはラミレジーの口に入る大きさなので、ウイローモスなど隠れ家が必要になります。
縄張り意識も強いので、1ペアーのみ、または同種5匹以上が良いと感じます。
他の魚やエビも縄張りゾーンからは、追い払われてしまいます。
オスメスの見分け方
成熟したメスは、腹部が淡桃色を呈し、輸卵管が1ミリ位突出しています。
オスはメスより一回り大きくなります。
ラミレジィの繁殖方法
ペアの絆が大事
ラミレジィはペアを作って繁殖しますので繁殖を狙う方はアクアショップですでにペアで販売されているラミレジィを買うのが早いです。
ペアの絆がとても強く、雌雄共同で子育てをします。
また、繁殖期でなくても一緒に行動しているので、ペアは容易に判別できます。
水槽内で、他の魚を追い払うように仲良くしているペアは相性の良いペアといえるようで、繁殖が成功することが多いと感じます。
繁殖方法
繁殖のしかたは、オープンスポウナーと呼ばれる方法で卵を産みます。
水槽内に産卵する場所となる、石や流木を配置しておくと、産卵が近づいたペアは気に入った場所にテリトリーを作り、卵を産み付ける場所を念入りに掃除してから産卵が行われます。
産卵が近くなるとメスは婚姻色がでてきてラミレジィがとても綺麗な姿を見せてくれますよ。
水温
水温は26~28℃が良いとされます。 低水温の場合、孵化までの時間が長くなるため、
それだけ水性菌に冒される危険性が高くなるそうです。
産卵前のラミレジィの特徴
メスはお腹がふっくらし、腹部の淡桃色が濃くなります。
オスは普段に比べて一層色彩が濃くなり、体を震わせたりしてメスにアピールします。
産卵から孵化まで
上にあげたオープン・スポウナーの産卵方法で、平らな石の上や水草の表面、流木に産卵します。
我が家のラミレジィは水槽隅の石の上に産卵していました。
石の上に隙間なくきれいに産み付けられた卵は、雌雄が交互にファニングして、新鮮な水流をおくるなどの世話を行います。
さらに、同居魚のエンドラーズを激しく追い払っていました。
1週間程立ったある朝、「卵がない!」と思い、よく観察していると親魚の周りに、もやもやしたものがありました。 よく見ると孵化した稚魚たちでした。
ガラス面の掃除ができず、コケだらけになっていたので稚魚たちが見えなかったのでした。
孵化したての稚魚は、お腹に栄養分を蓄えているので、孵化してから3日間はお腹の栄養分を吸収して成長します。
また、稚魚が泳ぎだすまではメスにエサを与えなくても問題ないということです。
稚魚がお腹の栄養を吸収し終えると、いよいよ泳ぎだすので、この時期からブラインシュリンプを与えるようにします。
乾燥飼料を細かく砕いたり、専用のベビーフードでも稚魚を育てることができるようです。
私はブラインシュリンプを孵化させて、毎朝与えるようにしていました。
繁殖後の後日談
ラミレジーの産卵から稚魚の孵化まで観察できたのは今回が初めてでした。
とても相性の良いペアで、いつも一緒に泳いでいました。
雌雄で産卵場所を探していたようなのでアヌビアスナナを活着させたココナッツハウスをプレゼントしてみました。
結局ペアが選んだのは、平らな石の上で、水槽前面のフローパイプ下の緩い水流のある場所でした。
稚魚をつれて、雌雄交代で遊泳にいく様子を微笑ましくみていたのですが、ある朝、稚魚の姿が全く見えなくなりました。
おそらく親魚が食べてしまったのだと思います。
ラミレジー親子の遊泳中に、はぐれた稚魚をまわりのエンドラーズがねらっており、メスが激しく追い払っているのを何回か目撃していました。
あの時に同居魚のエンドラーズを別水槽に隔離することができたらラミレジーの子育てを今日も見ることができたのかもしれません。
専門書によると、
親魚は稚魚を守るためにかなり神経質になっているから、親魚を刺激しないよう細心の注意を払いたい。
との記載がありました。
ラミレジーの繁殖について学んだことは、「健康で良いペアを選ぶことができれば、私の飼育技術でも繁殖することは可能なので、ペアのみで単独飼育ができる環境を整えたほうが良い」ということです。
まとめ
筆者はラミレジーは2007年から数年に一度の間隔で飼っており、
- 90センチ水槽にラミレジーを5匹~10匹
- 小型カラシンやエンドラーズ
- お掃除部隊のヤマトヌマエビ
- オトシンクルス
などを混泳させていました。
初心者向けといわれていますが、水質管理は必須です。
バルーンラミレジーという丸い体を持ったかわいいタイプを購入したこともありました。
ただ、バルーンラミレジーは、人工的に作出された感があり、ワイルド好きの私の嗜好とは方向性が違うと感じました。。
ラミレジーを一言で言うなら、「小型美魚」です。
青や黄色、黒の配色の美しさや光沢感が目を引きます。
その性質も魅力の一つです。
好奇心旺盛なのか、水槽の前に人が立つと水槽の前面に寄ってきます。
水槽に手を振ると手に向かって近寄ってくるので、小型犬を飼っているような気分が味わえます。
動きは、ドワーフシクリッド独特の、「すっと進んで止まる」の繰り返しで進んでいくのでおっとりとしているように見えますが、
縄張りから他の魚を追い出すときはとても素早く動きます。そんな本能的な動きも魅力の一つです。
発色を良くしていくのは試行錯誤の末の飼育しながらなのでとても奥が深いです。
同じドイツラミレジィでも色合いは個体差は様々です。