オスカーとは?
オスカーは、南米原産の淡水魚で、見た目は海の魚のメバルの口を小さくした感じです。
飼いやすいかどうかの結論としては、レッドオスカー、タイガーオスカー、アルビノなどいくつかの品種がありますが、どれも丈夫で飼いやすい中型熱帯魚だと思います。
水槽サイズの話を先に。
飼い始めは60cm水槽でも大丈夫、でもいずれは120cmへ
オスカーは、非常に賢くて良く懐くので、とても飼いごたえのあるかわいい魚です。
筆者は、赤い発色の綺麗なタイガーオスカー1匹と、地味ながらカッコいいワイルドオスカー、レッドオスカーを飼い始めました。
オスカーのカラーバリエーションはとても豊富で、全く同じ模様の個体はいないのではないかと言うくらいです。
何匹も一緒に飼いたくなる魚ですが、大きくなると縄張り意識が強くなってケンカすることも多いので、大きな水槽が必要になります。
筆者は、7cm位の幼魚から飼い始めました。
先に水槽のサイズの話が大事なのでしておくと、
最初の幼魚の時こそ60cm水槽で大丈夫ですが、成長がとても早いので、半年後には120cm水槽に移す必要がありました。
単独飼育なら60cm水槽でも何とかなりますが、出来れば90cm水槽が理想です。
オスカーの種類:さまざまなオスカー
- レッドオスカー(黒い胴体に広範囲に広がる赤い模様が特徴)
- タイガーオスカー(黒い胴体に虎模様のような赤い模様が特徴、赤い模様の範囲が狭い)
- アルビノオスカー(白い胴体に赤い模様が特徴、白い個体になるのでオスカー独特の怖さがない)
- レオパードオスカー(黒い胴体に広範囲に広がる赤い豹のような模様が特徴)
- イエローオスカー(黒い胴体に淡い黄色い模様が特徴)
ロングフィンタイプ(通常のオスカーより長く発達したヒレが特徴)もいます。
【飼育方法】水槽のセッティング・水換え
水槽のセッティングですが、底には何も敷かないのがメンテナンス的には一番楽です。
しかし、砂利などを敷いてあげると掘り返したりして魚のストレス解消にはなるようです。
私は、最初は玉砂利を敷いていましたが、結局何も敷かない状態にして、大きな流木を入れました。やはり何か入っていた方が落ち着く様です。
とはいえ、暴れまわったり、泳ぎ続けているのでレイアウト水槽には不向きな魚になり、怪我の原因にもなります。
あるいは、アクセント程度でアヌビアス・ナナなどを活着させた流木を入れる程度で良いかと思います。
また、オスカーは強い光を嫌います。
これは、彼らの故郷、南米の川を思い浮かべると納得がいくと思います。
枯れた植物から出る色素のため、赤茶色に濁った水に適応しています。
明るすぎるとストレスになり、また、発色も薄くなってしまい、本来の色彩を楽しめなくなります。
室内の明かりだけでも、水槽内にゴチャゴチャと物を入れていなければちゃんと魚は見えますし、その方が鮮やかな色になります。
次に濾過装置ですが、オスカーは良く食べ、食い散らかすので濾過装置は強力なものを使った方がいいです。
私は上部濾過装置に加えて、外部濾過装置(エーハイムのクラシック2213)も併用していました。
それでも、週一回の水換え(3分の1)は必須です。
魚は尿としてアンモニアを排泄するからです。
特に、オスカーの様な肉食魚は餌のほとんどがタンパク質なので、多くのアンモニアを排泄します。
これはさすがに濾過装置では綺麗に出来ないので、水換えが欠かせなくなるのです。
私は、水換えにはホースを使い、サイホンの原理で吸い出した水を直接、ベランダの排水溝に流していました。
当然ですが、この時底に溜まっているフンや食べ残しも一緒に吸い出して流してやりましょう。
また、濾過装置のろ材もかなりのハイペースで汚れます。
ヒーターは、水槽の大きさに合った物を使えば良いのですが、好奇心旺盛なオスカーが近づいたりつついたりしても大丈夫な様に、カバーをつけておきましょう。
水温は25〜27度に設定します。
オスカーのエサと与え方
オスカーは大食いで、成長も速いです。
7cmの稚魚が、翌年には20cmを超え、2年で30cmを超えます。
これは筆者が飼っていた3匹の実際の記録です。
最終的には、40cmに迫る大きさになります。
生餌・人口餌なんでもたべます。ただし、食べ方が下手くそでエラから食べかすを出してしまい水槽をすぐ汚してしまいます。
汚れた水を嫌うので頻繁な水替え作業が必要となり、ストレスを感じてしまうと胴体の色が変わってしまいます。
とは言え、肉食魚ですから、たまに小魚や小さいザリガニ、エビ類などを与えると追いかけ回して食べる迫力あるシーンを見られ、また、オスカーにとっても狩猟本能を刺激されて良い影響があります。(と思います。)
また、クリル(乾燥オキアミ)は、赤い魚の発色が良くなると言われていますが、やはりオスカーにもこれは当てはまります。
タイガーオスカーやレッドオスカーには、おやつ程度にあげるといいと思います。
与える量について、良く、数分で食べきる量を…などと書かれていますが、はっきり言ってこれほど分かりにくい表現はないですよね。
私なりの方法ですが、その魚の胃袋の大きさを想像してみています。
オスカーに関して言えば、その子のお腹が全部胃袋だとしたらどの位入るだろうか?と想像してみると、どのくらい与えればいいか見当をつけています。
おおむね20cmを超えるまでは1日2回(朝と夕方)、それ以上のサイズになったら1日1回あげましょう。
注意点として、金魚を与えるのはなるべく避けましょう。
リュウキン、デメキンなどのコロっとした金魚は餌としては最悪です。
脂が多すぎるのです。脂身ばかりのステーキを食べさせられているようなものです。
また、金魚に含まれる成分がビタミンDを破壊するため、あげすぎると体調を崩します。
基本的にはひかりクレストカーニバルだけ与えて、機会があれば取ってきた小魚やエビ、昆虫をあげる。そしておやつにクリルを3,4個。こうしておけば安心です。
水質について
オスカーは丈夫な魚ですが、いくら丈夫とはいっても限度はあります。
上に書いた通り、週一回、3分の1の水換えが出来ていても、彼らの汚すペースに追いつかないことがあります。
pHが下がって酸性度が上がると、様々な病気にかかりやすくなります。
水槽の掃除は行ってあげましょう。
成長と繁殖方法
オスカーの成長が速いのは先にも書いた通りです。2年で30cmを超えます。
タイガーオスカーがオス、ワイルドオスカーがメスでした。
120cm水槽でも、苛められている個体の安全に過ごせるスペースが無いようだったので、この1匹は90cm水槽で単独飼育しました。
こういうことも起こるので、予備の水槽はあった方がいいです。
どうやら産卵を意識している様子だったので、産卵できるようにと大きいタッパーに川砂を入れた物を沈めてみました。
底一面に砂や砂利を入れると、水換えが面倒になると思ったからです。
砂を掘って巣を作って産卵するのかなと勝手に思い込んでいました。
しかし、結局砂を掘り返したりして遊んだだけで、そこには産卵しませんでした。
熱帯魚を飼う際に、水温を年間を通して同じ設定にしていても産卵することはありますが、オスカーは野生では雨季に産卵するということを見聞きしたので、水温をやや低め、24.5℃くらいにして1ヶ月ほど様子を見て、26℃に上げたところ、産卵をしました。
熱帯にも雨季、乾季といった季節があります。
この辺を意識して水温や水質を微調整してあげると、産卵行動の引き金になるのではないかと考えています。
結局、砂には巣を作らず、流木にびっしりと卵が産み付けられていました。
2匹で卵を守っていましたが、無精卵が多かったのか水質が悪くなってしまったのか、大半は孵化せずカビてしまいました。
それでも数十匹は孵化し、20匹ほどはちゃんと育ちました。
稚魚は生後1週間ほどで遊泳を始め、最初から小型熱帯魚用のフレーク状の餌を食べます。
3cmほどに育ったら、アカムシも良い餌になります。
生きたアカムシは、ペットショップより釣り具屋さんでよく売っています。
稚魚は、4〜5cmになった所で一部はちゃんと飼ってくれそうな友人にあげ、残りはペットショップが引き取ってくれました。
赤みの強いもの、ワイルドオスカーに近い地味な色合いのものなど、個体ごとにカラー、模様が違い、改めてこの魚の魅力を再認識しました。
稚魚は、遊泳を始めた所で親と離し、60cm水槽で飼育しました。
混泳は不向き
成長し大きくなるにつれ、気性が荒くなり縄張り争いをします。
シクリッド科の中型魚になるので他魚にも攻撃し、混泳は不向きになると思ってください。
しかし、オスカーは水槽内の上層・中層を泳ぎ回るので、低層にいるポリプテルスやプレコ等とは混泳出来る事があります。
(魚ごとの相性もあるので必ずしも混泳出来るとは限りませんが・・)
餌を与えた際や日頃ポリプテルスとオスカーが喧嘩を頻繁に見掛けます。
一方的にオスカーがポリプテルスにちょっかいを出してるだけで、同サイズになるので追い掛け回したりとかは見られません。
まとめと最後に寿命について
オスカーは正しく飼育すれば10年は生きます。
ですのでオスカーを飼うからには、10年以上飼い続ける覚悟で飼い始めて下さい。
本当に人によく慣れる可愛い魚で、手から餌を食べるなんてことも当たり前になります。
これを読んだ方が、オスカーと素晴らしい時間を過ごせることをお祈りしています。