淡水熱帯魚

【幸運の小型カラシン】ラピステトラの飼育方法を徹底解説!混泳はできるの?水温は?

はじめに

画像引用元:チャーム楽天市場店様

皆様は「ラピスラズリ」という宝石をご存知でしょうか?

深い青色の中にキラキラとした輝きがあり、持ち主に幸運を引き寄せるとも言われている宝石です。アクアリウムの世界には、そんな幸運の石の名前を冠した熱帯魚がいます。

その熱帯魚こそ、今回の主役「ラピステトラ」です。
宝石の名前に恥じない深い青色のラインと活発で元気良く水槽内を泳ぎ回る姿はまさに「生きる宝石」です。

そんなラピステトラの飼育方法や飼育の注意点等についてアレコレご紹介していきたいと思います。

ラピステトラってどんな魚?

ラピステトラは約5cm程の大きさの小型カラシンの仲間です。
常時ショップで見ることができない「珍カラ」ですが、そのラピスラズリのごとき濃紺の太いラインとそれを挟むように走る青いラインが体側に入る美しい種類です。

また、この特徴的なラインに目が行きがちですが、腹側の白銀色や背中側の優しい飴色のコントラストも必見です。飼育環境に落ち着いてきて更に色が揚がってくると各ヒレにもうっすらと水色がのり、美しさに一層磨きがかかります。

性格は意外と活発な種類で、同種間では少々小競り合いをするため「ブルーデビルテトラ」と呼ばれる事もあります。しかし、遊泳スペースと隠れ家を用意すれば大きな問題もなく飼育できます。

水質は弱酸性〜中性を好んでおり、体側のラインを強く発色させるためには亜硝酸、硝酸塩の濃度を低く保つ事がポイントです。また、水質の悪化と高水温に弱い面があります。

餌は選り好みせず何でもよく食べてくれます。

導入時に気を付け、一度水に慣れればかなり丈夫なので珍カラの中ではとても飼育しやすい種類です。

生息地は?

ブラジルのグアマ川原産と言われています。2000年に日本に初めて輸入され、その美しさから熱帯魚ファンの注目を集めました。現地では小さな群れを作って暮らしているとされています。

ブラジルの現地を流れるシングー川に生息しています。

餌は何を食べているの?

ラピステトラは野生下では、蚊の幼虫等の水生昆虫やミジンコ、稚エビ等の小型の甲殻類、落下してきた小型の昆虫を食べています。

飼育下ではフレーク、顆粒、ペレットタイプの人工飼料を選り好みせずモリモリ食べてくれますが、冷凍のアカムシやイトミミズ、ホワイトシュリンプ、乾燥クリルやアカムシも喜んで食べます。

そのお値段は?

ラピステトラはワイルド個体だと1匹あたり大体1500〜2000円前後で販売されている事が多いです。少々高級な種類と言えますが、最近はブリード個体も出回っており、値段も1000円前後で販売されてかなりリーズナブルになっています。

ラピステトラの仲間は?

ラピステトラに近い仲間は何種類か日本にも輸入されています。

そのどれもがワイルド個体であり珍しさから値段も高めです。

・レッドデビルテトラ

燃えるような赤い体色とレンガ色のラインが特徴的なラピステトラの仲間です。性格はやや荒く、体色が薄いメス以外だと激しいケンカをする事があるため混泳には注意が必要です。

ショップによってはペアで販売している事もあり、中には体に付着した発光バクテリアの効果によって「プラチナ化」した個体も販売している事もあります。

・グリーンライン・ラピステトラ

ラピステトラの仲間の中では大人しい種類で、若干緑がかった飴色の体色と各ヒレが明るいオレンジに染まり、体側を走る黒いラインを挟むように薄い若葉色のラインが入る美しい種類です。

・レモンラピステトラ

見た目はラピステトラと同じように見えますが、体色と各ヒレが明るいレモン色に染まる爽やかな色彩が特徴です。性格はラピステトラと同じ活発な種類です。

 

飼育のポイントは?

ラピステトラの特徴から分かる飼育のポイントは

  • 導入時の水合わせに気を付ける。
  • 群泳、混泳をさせる場合は隠れ家を作る。
  • 弱酸性〜中性のキレイな水質を保ち、水温は若干低めにする。

となります。

これらのポイントを元に、飼育方法についてご紹介させていただきます。

ラピステトラの飼育方法について

・個体選びの注意点

ショップにラピステトラが入荷していたら即買い!といきたいところですが、逸る気持ちを抑えてまずは個体の様子を確認しましょう。

ヒレをキビキビと動かして元気そうに泳いでいるか、体に充血や謎の付着物はないか、ウロコは逆立っていないか等をしっかりと確認しましょう。

これは、水槽内に病気の魚を持ち込まないためでもあり、
怠ってしまうと今後のアクアライフを大きく左右する問題となってきます。

Q.ラピステトラを通販で購入したいけど状態が分からないから不安!

A.  ラピステトラだけでなく通販で生体を購入する際に必ず直面する問題です。

最寄りに熱帯魚を取り扱っているショップがなかったり、欲しい種類が通販に頼らないと買いに行けないという事は珍しい事ではありません。そのためにショップも通販をしていますし、購入された生体の状態にも気を配っています。宅配技術も進歩しているため、昔程不安がる必要はないと思います。

ショップによっては生体の状態を教えてくれたり、珍しい種類のまとめ買いの際に体調を崩した個体がいれば、購入者に連絡をしてその分を返金してくれます。ただし、配達中に何があるか分からないので魚達が届く時間帯には必ず家にいてすぐに受け取り、生体の状態を確認しましょう。

・水槽に導入する際の注意点

ラピステトラ飼育の最初のポイントです。
ラピステトラは水質や水温の変化に敏感な面があるため、慎重に水合わせを行います。

まずは水槽内の水を少し取り、ラピステトラを袋ごと水槽に浮かべてゆっくりと水温を合わせて行きます。その状態で30分程水槽に浮かべると水温合わせは完了です。

次に袋を開けて中の水を少し取り出し、水槽内の水を入れます。10〜20分様子を見て異常がなかったら再び袋の水を少し取り出して水槽内の水を入れ、様子を見ます。これを3〜4回程繰り返します。

袋の水がほぼ水槽内の水になり、ラピステトラにも異常が見られなければ水槽に放ちます。水槽内の水が足りなくなってしまったら新たに水を作って足したり、あらかじめ取り出しておいた水槽内の水を戻します。

導入直後は水槽に来たばかりで緊張しているため、様子を見ながら1〜3日は餌を与えないようにしましょう。慣れない世界で餌を与えられてもあまり食べようとせず、残った餌が水を汚す原因となってしまいます。

・水槽、水質、水温について

ラピステトラは小型種なので1〜2匹であれば45cm水槽で飼育できます。5匹以上を飼育する場合は、活発な性格を考慮して60cm以上の水槽が望ましいです。

水質は弱酸性〜中性を好み、濾過がしっかり効いた亜硝酸、硝酸塩が少ないキレイな水が適しています。

水温は熱帯魚にしては低めを好んでいるため、サーモスタットを使って22〜24℃に設定します。水温は25℃以上にならないように気を付けましょう。

・フタについて

ラピステトラは水槽内を活発に泳ぐため、何かの拍子に驚いて水槽を飛び出してしまう事があります。

それを防ぐためにもフタは必ずするようにしましょう。

・底砂について

アルカリ性に傾ける作用のあるサンゴ砂以外であればラピステトラの飼育に使う事ができます。

数ある底砂の中でも、弱酸性に水質を傾け、水草の栽培にも向いているソイル系の底砂がオススメです。

大磯砂も使えますが、セット直後は弱アルカリ性〜中性に傾くため、安定するまではテスターで水質を確認し、中性に安定したのを確認してから導入するようにするとphショックの予防に繋がります。

・水槽のレイアウトについて

飼育のポイントの1つです。
活発な性格のラピステトラは小競り合いをするので隠れ家をたくさん作ってあげましょう。

水草はラピステトラとの相性が非常に良く、ラピステトラも水草にイタズラする事はありません。レイアウトされた水草はタンクメイトや小競り合いに敗れたラピステトラの隠れ家にもなり、その色彩を引き立ててくれます。

ただし、夜間は水草も呼吸をするので水槽内の二酸化炭素濃度が上がって魚達が酸欠になる恐れがあるため、消灯後はエアレーションをすると酸欠の予防に繋がります。

流木や石もラピステトラやタンクメイトの隠れ家になり、水槽内に自然の雰囲気を醸し出してくれます。しかし、流木の中にはアク抜きされていない物もあるため使う前は必ずアク抜きをしましょう。石も種類によっては水質を弱アルカリ性に傾ける作用があるので、特徴をよく確認してから使いましょう。

・混泳について

同種間では小競り合いをする程活発なラピステトラですが、タンクメイトにもちょっとイタズラをする可能性があります。

そのため、タンクメイトにはラピステトラに負けないくらい気が強い種類や体が大きい種類、見た目が違う種類が適しています。また、大きな群れを作る種類をたくさん入れると流石にイタズラしにくいようです。

気が強い種類としてはカラシンの仲間ではモンクホーシャやファラゴテトラ等がいます。コロンビア・レッドフィンテトラは体が大きく色彩も違うのでイタズラされにくいです。また、ネオン系やラミーノーズテトラはまとまった匹数を導入すれば群れを作ります。

他にもグラミーの仲間は大人しく、ラピステトラとは見た目が全く違うのでお互いに平和に過ごす事ができ、コリドラスやオトシンクルスの仲間はそもそも興味がないのかイタズラをしに来る事が殆どありません。

・フィルターについて

フィルターは水槽のサイズや魚の匹数に合わせて選びます。

小型水槽であれば外掛け式フィルターやパワーフィルター等でも飼育が可能で、水槽のサイズが60cm以上であれば濾過力の高い上部式フィルターや外部式フィルターが向いています。

また、水質を保つ補助として投げ込み式フィルターやパワーフィルターを併用する事も効果的です。

・水換え、掃除について

水換えの頻度は水槽のサイズや魚の匹数、水槽の汚れ具合によりますが、2週間に1度、1/3〜1/2の量の水換えを行います。水槽掃除の時は必ず水槽器具全ての電源を切りましょう。

ガラス面に付いた汚れやコケはスクレイパーやスポンジで落とし、石等に付いた汚れはブラシで落としますが、石や流木等の汚れが酷い場合は水槽から取り出してから汚れを落とします。汚れた水はクリーナーポンプを使って吸い出します。

水槽の掃除が終わったら水をゆっくりと足していきます。この足し水は必ずカルキ抜きをして水温も合わせておきます。

水足しが終わったら器具を戻し、電源を入れて終了です。

・フィルターの掃除について

フィルターは頻繁に掃除をする必要はありませんが2〜3週間に1度はウールマット等の物理濾過材を洗って目詰まりを取るようにしましょう。

また、1ヶ月に1度は生物濾過材も飼育水で軽くすすいで汚れを落とします。飼育水で生物濾過材を洗うのは濾過材にバクテリアが住み着いているため、汚れを落としつつその減少を抑えるためです。生物濾過材を洗った後が不安な場合は市販の濾過バクテリアを添加すると良いでしょう。

しかし、濾過材も数ヶ月使っていれば効果が薄くなってしまったり傷みが酷くなってボロボロになってしまいます。そうなったら濾過材を新しい物に変えます。特に物理濾過のウールマットは傷むのが早いため、ある程度まとめて購入しておくと便利です。

Q.どうしてカルキ抜きは必ず必要なの?

A.微量の塩素(カルキ)が含まれているからです。
私達は普段水道水を飲んでいます。
この水道水の中には殺菌や消毒のために微量の塩素(カルキ)が含まれており、人間にとっては安全な物です。しかし、魚達にとっては話は別で、塩素とは無縁の水で暮らす彼らにとって、この成分は毒なのです。塩素は魚の体内に入ると大事な呼吸器官であるエラを破壊して窒息死させてしまいます。これを防ぐため、飼育水にはカルキ抜きが不可欠なのです。

・餌の与え方について

ラピステトラはよく泳ぎ回るため見ていて飽きない魚です。その分餌もよく食べてくれます。

1日2回、水槽内のラピステトラやタンクメイト達がしっかりと餌を食べているのを確認しながら与えます。

オトシンクルスやコリドラスがタンクメイトの場合は、ラピステトラのお腹を最初に満たしてあげてからタブレットタイプの餌を与えると餌を奪われずに済みます。

ラピステトラがかかりやすい病気と治療方法について

・白点病

その名の通り、体表に白い点々が現れる病気です。この点々は最初はほんの数個程度ですが、放っておくと次第に数が増えていき、終いには病魚の全身に拡がってエラを塞いで死に至らしめてしまいます。

更にこの病気は痒みがあるのか病魚は白点を落とすために体を石や流木に擦り付け、逆に体を傷付けてしまいます。その傷は細菌感染症の原因にもなってしまうため、なかなか見過ごせない病気なのです。白点病の主な発症の原因は、水温の急変や水質の悪化です。

治療方法は病魚を治療用水槽に隔離し、メチレンブルーやマラカイトグリーン、アグテン等の魚病薬による薬浴を行います。1週間に1度は1/2の水換えをし、減った分の薬を足していきます。

全身を見渡してみて、白点が全てなくなっていれば治療は完了です。白点病は意外としつこく、治るまで2〜3週間かかる事があるため早期発見早期治療を心掛けましょう。

・松かさ病

悪名高い「エロモナス病」の1種です。発症原因は水質の悪化や免疫力の低下等ですが、古い餌を食べて発症したケースもあります。

この病気は、エロモナス菌がウロコの下に入り込む事で発症し、ウロコの下に分泌液が溜まってしまうためウロコが逆立ってしまいます。また、初期症状では体表に充血が見られる事もあります。

この病気は1度発生すると感染力も強く死亡率も高いため、日々の飼育の中で予防に努めるのが得策です。

治療方法は病魚を治療用水槽に隔離してから観パラDやグリーンFゴールド、パラザンD、エルバージュ等の魚病薬による薬浴を行います。3〜5日に1度、1/2の量の水換えをしたら減った分の魚病薬を足していきます。

この病気は非常にしぶとく、完治に2〜3ヶ月もかかる事があります。ラピステトラは清浄な水を好む種類なので、しっかりと濾過を効かせて飼育しましょう。

・ウーディニウム症

別名コショウ病、ベルベット病とも呼ばれる病気で、この病気にかかると体表に乳白色〜淡黄色の粉のような物が付着します。病魚は体をプルプルと震わせたり、ヒレをたたんで力なくフラフラと泳いだりします。

実はこの粉のような付着物は「ウーディニウム」という鞭毛虫で、体表やエラをヒレに寄生して悪さをしているのです。

発症の原因は水質の悪化ですが、病気の魚を連れ込んでしまった事でも発症します。また、フィルター内部が汚れていても発症するため、フィルターも水質もキレイに保つ事で発生を抑える事ができます。

治療方法は病魚を治療用水槽に隔離し、メチレンブルーやマラカイトグリーン、グリーンF系の魚病薬で薬浴を行います。1週間に1度は1/2の量を水換えし、減った分の薬を足していきます。全身を見渡してみて、粉のような付着物が全てなくなっていれば治療は完了です。

・外傷

ラピステトラは同種間で小競り合いをする種類です。
そのためヒレや体表をかじられてしまい、ケガを負ってしまう事があります。

このケガは、普段はすぐに回復してしまう事が多いのですが、水質の悪化等で弱ってしまった個体は傷の治りも遅く免疫力も下がっているため、傷口から感染症にかかってしまう事もあるのです。

治療方法は、ケガをして弱った個体を治療用水槽に隔離し、メチレンブルーやグリーンF系、エルバージュ等の魚病薬で薬浴を行います。傷口の殺菌と消毒がメインとなるため薬浴は2〜3日程続け、餌は栄養価の高い冷凍アカムシや高タンパクの人工飼料を与えて体力をつけてあげましょう。

・水カビ病

別名「綿かぶり病」とも呼ばれる病気です。濾過の効いてない水カビの発生しやすい水槽環境で発症しやすい病気ですが、ラピステトラがかかる場合は小競り合いによって負ってしまった傷口に細菌やカビの一部が入り込んでしまった事で発症します。

放っておくと次第にカビに浸食されてしまい、「生きたまま分解」というおぞましい最後を遂げてしまいます。

治療方法はヒレ先や体表にほんのちょっと生えているだけであれば、ピンセットで除去した後に魚病薬で薬浴をします。水カビの浸食が進んでいる場合は、患部を傷付けないように水カビの根元付近をハサミで切除してから薬浴を行います。切除が難しい場合はそのまま薬浴をさせます。

治療にはメチレンブルーやアグテン、マラカイトグリーン、グリーンF系の魚病薬を使います。薬浴は水カビの菌糸に浸食され白濁した部分がなくなるまで続け、3〜5日に1度水換えを行い減った分の薬を足します。白濁部分がなくなってきたら様子を見ながら水換えをしつつ、少しずつ薬を薄めていきます。

水カビ病は病気の進行状態にもよりますが、軽度であれば1〜2週間程で治る事もあります。症状がかなり進行していると治療にも時間がかかり死亡率も高いため、日々状態を観察し水槽の環境も維持する事が大切です。

まとめ

今回は幸運を呼ぶ宝石・ラピスラズリの名前を冠した小型美魚、
ラピステトラについてご紹介させていただきました。

その繊細な美しさとは裏腹に小競り合いする程元気いっぱい泳ぎ回るラピステトラはブルーデビルテトラとも呼ばれる事もありますが、その姿を見れば小悪魔程度にしか思えないでしょう。

また、餌も何でもよく食べ、一度水に慣れればかなり丈夫な種類なので飼育難易度が高いと言われる珍カラの中ではとても飼育しやすく、手に入りさえすれば初心者の方でも飼育を楽しむ事ができると思います。

気になった方は是非、この小さな青い宝石を自宅に迎えてみてはいかがでしょうか?
元気いっぱいに水槽を泳ぎ回り、水草にも映える青い色彩は飼育者の心に癒しという幸運を授けてくれる事でしょう。