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クリクリおめめに大きなお口!カジカの飼育方法


皆様は「カジカ」という日本淡水魚についてご存知でしょうか?
ハゼのような見た目に川底の小石や砂を思わせる体色、ピョンピョンとした泳ぎ方が可愛らしい川魚の仲間です。最近ではペットショップで取り扱われる事も増えており、見かける機会も大分多くなってきました。
カジカは食性から口が大きく、目もクリクリとしていて意外と可愛らしい顔をしています。かなり飼育欲をそそられる魚なので、是非、今回の記事を参考にして迎え入れてみてください。
それでは早速紹介していきたいと思います。
この記事でわかること
- カジカという魚の正体(スズキ目カジカ科)とハゼ・ドンコ・ゴリとの違い
- 大卵型・中卵型・小卵型という3つの種群と生息地のちがい
- 水槽・水質・水温・フィルター・底砂など飼育に必要な機材と適正値
- 冷水性ゆえに最も重要な「夏場の高水温対策」の具体的な方法
- 生き餌・冷凍餌を中心とした餌付けのコツと給餌頻度
- 肉食ゆえの混泳の難しさと、相性のよいタンクメイト・悪いタンクメイト
- 白点病・水カビ病など、かかりやすい病気と治療法
- 飼育歴20年・水槽6本の管理人なつが実際に体験した飼育のリアル
- 10問以上のよくある質問(FAQ)で初心者の不安を解消
まずは飼育を検討するうえで気になる、カジカの基本データをざっとまとめておきます。「うちの環境で飼えるかな?」という最初のチェックに使ってください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | スズキ目カジカ科カジカ属 |
| 最大全長 | およそ15cm前後 |
| 寿命の目安 | 飼育下で5〜8年ほど(大切に飼えば長命) |
| 食性 | 肉食性(水生昆虫・小魚・小型甲殻類など) |
| 適正水温 | 20〜23℃(高水温に弱い冷水性) |
| 適正水質 | 中性〜弱アルカリ性 |
| 推奨水槽 | 単独45cm以上/複数60cm以上 |
| 混泳難易度 | 高い(肉食のため基本は単独飼育向き) |
| 飼育難易度 | 中(丈夫だが水温管理に注意) |
| 入手しやすさ | 比較的容易(ウツセミカジカ・カンキョウカジカが流通) |
川底の食いしん坊「カジカ」について


カジカはどんな魚?
カジカはハゼにとてもよく似た魚ですが、分類上はスズキ目カジカ科の魚です。
日本の固有種としても知られておりますが、地方によってはハゼ科の魚と引っくるめてゴリ、ドンコと呼ばれていたりします。
「カジカ」という名前が指す範囲のややこしさ
カジカという呼び名は、実はかなり広く曖昧に使われています。狭い意味では純淡水性のカジカ科カジカ属を指しますが、地方名としては底にじっとしているハゼ型の魚をまとめて「ゴリ」「ドンコ」「ぼうず」などと呼ぶ文化が各地にあります。金沢の郷土料理「ゴリ料理」のゴリも、地域によってカジカ科だったりヨシノボリだったりと、指している魚が一定しません。
つまり「カジカと呼ばれている魚=カジカ科カジカ属」とは限らないということです。ショップやネット通販で「カジカ」として売られている個体も、ウツセミカジカやカンキョウカジカ、ごくまれにハナカジカなど中身は様々です。飼育の難易度や必要な水温が種類で変わってくるので、迎える前にできるだけ正体を確認しておきたいところです。
ペットショップで購入できる種類は?
ペットショップでよく取り扱われている種類は、琵琶湖の個体群である「ウツセミカジカ」と朝鮮半島等にも生息している「カンキョウカジカ」の2種類が主な種類です。
どちらも安価なので販売されていれば入手がしやすい川魚です。
ウツセミカジカ購入時のチェックポイントとしては、まず体表に白点や赤い充血、ヒレのほつれがないかを確認しましょう。底にぺったりと張り付いているのはカジカとして正常な姿なので心配いりませんが、横倒しになっていたり、呼吸が異常に速かったりする個体は避けます。可能なら、その場で店員さんに餌を食べるところを見せてもらえると安心です。カジカは口を開けてパクッと餌に飛びつくので、食欲があるかどうかは一目でわかります。
生息地は?
カジカは分類上大きく3つのグループに分かれており、それぞれ生息地が違います。
- 大卵型
- 中卵型
- 小卵型
の3つに分類されます。
1つ目である卵が大きい特徴がある「大卵型」は本州のほぼ全域、九州北西部、四国の山地の主に上流域、アマゴやイワナが生息する渓流のように水がキレイなところを中心に生息しています。
2つ目は卵が若干小さい中卵型と小卵型の個体群で、こちらは河川の中流〜下流に生息しています。
さらに詳しく説明すると、中卵型は日本海に流入する河川に生息し、小卵型は太平洋に流入する河川や琵琶湖に生息しています。
生息環境から逆算する「飼育の正解」
生息地の話は単なる豆知識ではなく、そのまま飼育のヒントになります。カジカが暮らすのは、夏でも水温が上がりにくく、酸素をたっぷり含んだ流れのある清流です。底には大小の石が転がり、その隙間が彼らの隠れ家であり狩り場でもあります。
これを水槽に置き換えると、「低めの水温」「高い溶存酸素(しっかりした水流とエアレーション)」「石組みの隠れ家」「キレイな水」という4点が飼育の柱になるとわかります。逆に、止水に近いぬるい環境や、隠れ家のない殺風景なベアタンクはカジカにとってストレスが大きい環境です。野外でどんな場所にいるのかを思い浮かべながらレイアウトを組むと、自然と彼らが落ち着く水槽になります。
何を食べているの?
自然下では小石の多い川底に潜んで、カワゲラ等の水生昆虫や小魚、ヌマエビ等の小型の節足動物、イトミミズ等の底生生物を捕食しています。
つまりカジカは生粋の肉食魚です。植物質はほとんど口にせず、動くもの・タンパク質に強く反応します。この食性を理解しておくと、後で出てくる「混泳が難しい理由」も「餌付けのコツ」もすっと腑に落ちるはずです。小さな同居魚は餌としか見てもらえませんし、逆に言えば動く生き餌に対する反応は抜群に良いということでもあります。
カジカの特徴は?

最大15cm程の大きさに成長する肉食性の川魚です。
体色は個体差が大きく、小石が多い川底に溶け込みやすい茶褐色や灰色をベースに黒〜褐色の帯状の模様があります。また、細かい茶褐色やクリーム色のドット模様が体全体に入り、より迷彩効果を高めています。
先ほどご説明にあげた産卵する卵の大きさに差があり、大卵型、中卵型、小卵型に分けられています。
大卵型は一生を淡水で過ごし、
中卵型は両側回遊性のため卵から孵った仔魚は海に降り、成長すると川に戻って来ます。
最も卵の小さい小卵型も両側回遊をする個体が殆どですが、琵琶湖の個体群は「ウツセミカジカ」と呼ばれ、海の代わりに広大な湖を利用し、浮遊生活の場所にしています。
ハゼ・ドンコ・ヨシノボリとの違いを表で整理
カジカは「ハゼっぽい底物」とまとめて語られがちですが、ドンコやヨシノボリとは分類も生態も別物です。混同しやすい代表的な魚との違いを表にまとめました。お店で見比べるときの参考にしてください。
| 種類 | 分類 | 腹ビレの形 | 好む水温 | 見分けのポイント |
|---|---|---|---|---|
| カジカ | スズキ目カジカ科 | 左右に分かれる(吸盤なし) | 低水温(20〜23℃) | 頭が大きく口が広い。体に細かいドット模様 |
| ドンコ | スズキ目ドンコ科 | 左右に分かれる(吸盤なし) | 常温〜やや高め | ずんぐり大型化。頬が張り目つきが鋭い |
| ヨシノボリ | スズキ目ハゼ科 | 丸い吸盤状に癒合 | 常温で適応広い | 腹ビレが吸盤。頬に赤い斑紋が出る種が多い |
| ヌマチチブ | スズキ目ハゼ科 | 丸い吸盤状に癒合 | 常温で適応広い | 体に青白い小斑点。頬に水玉模様 |
カジカの種群について、より詳しく
カジカは遺伝的な違いや生活史の違いからそれぞれ異なる集団があります。主な大きな集団には大卵型、中卵型、小卵型があります。
- 大卵型の特徴
河川陸封型という海に降らず一生を淡水で生活するという生活史を持ちます。産卵期は2〜6月頃で、「大卵型」と呼ばれように卵の直径が約2.6〜3.7mmと大粒の卵になっています。 - 中卵型の特徴
日本海側に流入する河川に生息し、両側回遊型の生活史を持つため、卵から帰った仔魚達は海に降り、ある程度成長すると川を遡上し淡水で生活します。
産卵期は3〜4月頃と短いです。卵の直径は約2.2〜3.2mm程の大きさで、大卵型よりやや小さめです。 - 小卵型の特徴
中卵型と違って太平洋側に流入する河川に生息しています。両側回遊性なので一度海に降り、ある程度成長してから川を遡上して淡水で生活をするものが殆どです。
しかし、琵琶湖周辺に生息する小卵型のカジカは両側回遊性ではなく、琵琶湖を海の変わりに生活史に取り込んだ湖沼陸封型の生活史を持っています。
産卵期は3〜5月頃で、中卵型より少し長めです。卵のサイズは最も小さく、約1.8〜3.1mm程です。
最近の分類研究としてはそれぞれを別種として分ける考え方や、大卵型がカジカ、中小卵型はウツセミカジカという見方にしようという考え方があるそうです。
飼育者目線でこの3型の違いを整理すると、要点は「もともと海と行き来する回遊性か、淡水だけで完結する陸封性か」という点に集約されます。回遊性の中卵型・小卵型も、水槽内では海に降りなくても問題なく育てられますが、稚魚から育てる場合は孵化直後の極小サイズに合わせた餌(ブラインシュリンプなど)が必要になるなど、繁殖を狙うときに知識として効いてきます。下に3型の違いを表でまとめておきます。
| 種群 | 生活史 | 主な分布 | 卵の直径 | 産卵期 |
|---|---|---|---|---|
| 大卵型 | 河川陸封型(一生淡水) | 本州ほぼ全域・四国・九州北西部の上流域 | 約2.6〜3.7mm | 2〜6月頃 |
| 中卵型 | 両側回遊型(仔魚は海へ) | 日本海側に流入する河川 | 約2.2〜3.2mm | 3〜4月頃 |
| 小卵型 | 両側回遊型(一部は湖沼陸封) | 太平洋側に流入する河川および琵琶湖 | 約1.8〜3.1mm | 3〜5月頃 |
実はイクメン!産卵場所にもこだわりが…
カジカはオヤニラミ等のようにオスが産卵後の卵を孵化するまで守り育てる魚です。
その繁殖地には流れが緩い平瀬やとろ場を利用しています。産卵場所にもかなりこだわりがあり、沈んでいる石や泥砂質の場所は産卵場所に利用しません。
産卵場所として利用するのは、しっかりと川底に固定された石と川底の隙間を利用します。その中でも出入口が一ヶ所しかない洞窟のようになり、ある程度水通りが良い隙間だけです。
洞窟状だけど水通しが良い場所を産卵場所として使う理由は諸説ありますが、カジカの卵はとてもデリケートで水の通りが悪いとすぐに卵に水カビが生えて孵化する前に死んでしまうから、と言われています。
ちなみに産卵する時は、お腹に卵を抱えたメスをオスが産卵場所に誘い、メスは屋根である石側にお腹を着けてぶら下げるように卵の塊を産卵するそうです。オスが放精し、受精させるとメスはすぐに産卵場所を後にし、オスが卵を保護するようになります。
「カジカ」の漢字の意外な事実!?
カジカの漢字名は「鰍」と書きますが、所変われば全然違う魚を指すようです。
中国では「鰍」の漢字が示すのは何と「ドジョウ」。カジカを表す時は「杜父魚」と書くそうです。国や文化が違うだけでこんなにも違うのはとても興味深いです。
ちなみにお寿司の大人気ネタ「マグロ」の漢字である「鮪」も中国では「チョウザメ」の事を指すようです。
この姿…海にいる「アイツ」に似てる
ポチップ
ほぼ全国に生息しているカジカは、親しみからかたくさんの別名を持っています。「石伏、石斑魚」と書いて「いしぶし」と読んだり、体のドット模様から「霰魚(あられうお)」、「川鰍」等があります。
特に私がしっくり来るのは「川虎魚(かわおこぜ)」という別名で、石に似た模様や川底でジッとして動かない様子は確かに海にいる擬態の天才、オコゼに近いものを感じます。カジカはオコゼと違って毒棘が無いのでとても安全安心です。
「私は石!」
先ほども述べたように、カジカは川底の石に成り済まして危険を回避したり餌の小魚を油断させて捕食したりするのですが、体色をただ溶け込ませている訳ではありません。何とカジカ、その場所からジッとして動かないのです。
小さい頃は何かに驚くとピョンピョンと跳ねるように泳いで逃げるのですが、大きく成長した歴戦個体とまでなると、その程度の事では殆どその場から動かずひたすら石になりきります。
体に触れられてからようやく暴れまわって逃げるため、自身の擬態能力には相当の自信があるようです。
よく似てるけど、違うのよ…
見た目があまりにも似ているため、ハゼとよく勘違いされるカジカ。
ポチップ
ですが、ある部分をよく観察すると、川に生息するハゼ達とは違う魚である事が分かります。
それは腹ビレで、同じ河川に生息しているヌマチチブやヨシノボリ等のハゼの仲間は腹ビレが丸く吸盤のようになっています。しかし、カジカの腹ビレは吸盤のような形はしておらず、しっかり2つのヒレに分かれています。
「他人の空似」なんて言葉がありますが、ハゼとカジカにも同じ事が言えそうです。
カジカの飼育方法について

水槽、水質、水温について
ポチップ
カジカは成長すると15cm程の大きさになるため、単独飼育の場合は45cm程の広さがあれば飼育が可能です。
複数飼育する場合は60cm以上の広さの水槽を用いるようにすると良いでしょう。
水質は中性を好みますが、弱アルカリ性の水質でも飼育が可能です。
カジカは高水温に弱いため、20〜23℃くらいを保つようにしましょう。
飼育の数値目標がひと目でわかるよう、適正な水質パラメータを表にまとめました。特に意識してほしいのは「水温」です。カジカ飼育で失敗する原因の大半は、夏場の高水温と、それにともなう酸欠・水質悪化です。水温だけは最優先で守ってあげてください。
| パラメータ | 適正範囲 | 許容できる範囲 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 水温 | 20〜23℃ | 15〜25℃ | 26℃以上が続くと危険。夏は冷却必須 |
| pH | 6.5〜7.5(中性) | 6.0〜8.0 | 弱アルカリ性にも耐性あり |
| アンモニア | 0mg/L | 0mg/L | 検出されたら即水換え。立ち上げ不足が原因 |
| 亜硝酸 | 0mg/L | ごく微量 | ろ過が未成熟なサインなので要注意 |
| 溶存酸素 | 多いほど良い | — | 高水温で酸素が減る。エアレーション推奨 |
| 水流 | 緩やか〜中程度 | — | 清流の魚なので適度な流れを好む |
夏場の高水温対策を徹底解説
カジカ飼育で最大の関門が、日本の蒸し暑い夏です。室温が30℃を超えると、何も対策しない水槽はあっという間に28℃、30℃と上がっていきます。冷水性のカジカにとってこれは命に関わる水温です。対策のレベルを段階別に整理しておきます。
| 対策 | 冷却力 | コスト | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 部屋のエアコン | 高い | 電気代は高め | 在宅時間が長い・複数水槽をまとめて管理 |
| 水槽用クーラー | 非常に高い | 本体が高価 | ハナカジカなど特に低水温が必要な種 |
| 冷却ファン | 中(マイナス2〜4℃) | 安価 | 23℃前後をキープしたい一般的な飼育 |
| 凍らせたペットボトル | 低い(一時しのぎ) | ほぼ無料 | 停電時・緊急時の応急処置 |
| 水量を増やす | 補助的 | — | 大きめ水槽は水温が上がりにくい |
現実的には、エアコンで部屋ごと管理しつつ冷却ファンを併用するのが、コストと効果のバランスが良い方法です。ファンは水を蒸発させて気化熱で冷やす仕組みなので、回しっぱなしにすると水位がどんどん下がります。足し水を忘れると今度は水質が濃縮されてしまうので、夏場はこまめな足し水とセットで運用してください。
フタについて
カジカは基本的にあまり泳ぎ回るタイプの魚ではありませんが、暴れたり驚いた時の力は強く、場合によっては簡単に飛び出してしまうため必ずフタをするようにしましょう。
特に注意したいのが、餌やりや水換えのために手を入れた瞬間や、地震・物音などで驚いた瞬間です。普段は石のようにじっとしている子でも、こういうときの瞬発力は侮れません。フタはぴったり閉まるものを選び、コードを通すための隙間もできるだけ小さくしておきましょう。冷却ファンを使う夏場はフタを少し開けることになりますが、その場合はネットや自作のメッシュで飛び出し防止策を講じておくと安心です。
フィルターについて
カジカはキレイな水を好むため、60cm水槽以上の広さの場合は濾過力の高い上部式フィルターや外部式フィルターがオススメです。
45cm水槽で単独飼育の場合は外掛け式フィルターや投げ込み式フィルター、パワーフィルターを組み合わせて使うとキレイな水質を維持しやすくなります。
カジカは肉食魚で、食べる量が多い分だけ水を汚す量も多めです。さらに高水温が苦手なため、夏場はバクテリアの働きも不安定になりがちです。そのため、ろ過は「ちょっと過剰かな」と思うくらい余裕を持たせておくと安定します。フィルターの種類ごとの特徴を整理しておきます。
| フィルター | ろ過力 | おすすめ水槽 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 外部式 | 非常に高い | 60cm以上 | 静かでろ材量も多い。水流調整もしやすい |
| 上部式 | 高い | 60cm以上 | 酸素を取り込みやすくメンテも簡単 |
| 外掛け式 | 中 | 45cm前後 | 手軽。投げ込み式との併用がおすすめ |
| 投げ込み式 | 中 | 45cm前後 | エアレーションを兼ねられるのが利点 |
底砂について
川魚や観賞魚飼育用の川砂や砂利であれば問題なく使用できますが、カジカの生息地は小石の多い場所であるため、大磯砂等の砂利系の底砂が個人的にはオススメです。
底砂選びのもうひとつのポイントは、後述する石組みの隠れ家を安定させる土台になるという点です。砂が細かすぎると石を積んだときに沈み込んでぐらつきやすく、地震や水換えのときに崩れる原因になります。大磯砂のような粒のしっかりした砂利なら石が安定し、カジカが好む洞窟状の隠れ家を作りやすくなります。見た目も渓流の川底らしくなり、カジカの迷彩模様がよく映えるのも嬉しいところです。
混泳について
カジカは肉食性の魚なので他種との混泳は避けた方が無難です。
5cm程の大きさの時はドジョウやタナゴとも混泳が可能ですが、成長したカジカは口も大きく開くため、これらのタンクメイトを次々と丸飲みにしてしまいます。
複数飼育の場合はオヤニラミ程ではないものの、縄張り争いや小競り合いをする事がありますが、隠れ家を多く作る事によって多少収まります。
「結局なにと一緒に飼えるの?」という疑問に答えるため、相性を表にまとめました。基本スタンスは「単独飼育がベスト」ですが、どうしても混泳を試したい場合の目安にしてください。なお、口に入るサイズの魚やエビは、たとえ表で△としていても遅かれ早かれ食べられると考えておいた方が安全です。
| 相手 | 相性 | 理由・注意点 | |
|---|---|---|---|
| カジカ単独 | ◎ | 最も安心。縄張りトラブルもなく餌の管理も楽 | |
| 同サイズのカジカ複数 | ○ | 60cm以上+隠れ家多めなら可。サイズを揃える | |
| 小型のタナゴ・メダカ | × | 確実に捕食される。同居は避ける | |
| ミナミヌマエビ等のエビ | × | 格好の餌。混泳ではなく餌として扱われる | |
| 大型のドジョウ | △ | 口に入らないサイズなら可能だが油断は禁物 | |
| ヨシノボリ等のハゼ | △ | 底層が競合し小競り合い。サイズ差があると危険 | |
| オヤニラミ | × | 互いに肉食で気が強い。激しく争うため不可 |
餌について
ポチップ
カジカは慣れると人工飼料や乾燥飼料も喜んで食べてくれるようになりますが、慣れていない間は冷凍のアカムシやイトミミズ、ホワイトシュリンプ等を与えます。また、ミナミヌマエビやアカヒレ等もよく食べるのでたまに与えるようにすると、食事に変化を起こす事で餌飽きによる拒食を防ぐ事ができます。
与える量は1日2〜3回、3分程で食べきれる量を与えます。ただ、非常に食いしん坊な種類の魚なので、お腹がパンパンになるまでついつい食べさせてしまう事もあると思います。その場合は1日空けて翌日から給餌を再開するようにしましょう。
もし人工飼料を与える場合は低層を主な生活圏にしているため沈下性のペレットタイプや顆粒タイプの餌や、ナマズ用の餌が浮くタイプの餌より反応が良いです。
餌の種類と与え方を表にまとめました。基本は生き餌・冷凍餌でスタートし、慣れてきたら少しずつ人工飼料に移行していくのが定石です。栄養が偏らないよう、何種類かをローテーションするのがおすすめです。
| 餌の種類 | 食いつき | 頻度の目安 | メモ |
|---|---|---|---|
| 冷凍アカムシ | 非常に良い | 主食として毎日〜隔日 | 餌付けの定番。まず最初に試したい |
| イトミミズ | 非常に良い | たまに | 嗜好性抜群。水を汚しやすいので量に注意 |
| ホワイトシュリンプ(冷凍) | 良い | 主食ローテに | 大きめの個体向け。栄養価も高い |
| ミナミヌマエビ等の生き餌 | 非常に良い | ときどき | 本能を刺激でき良い変化づけになる |
| アカヒレ等の小魚 | 非常に良い | ときどき | 大型個体向け。与えすぎは水質悪化に |
| 沈下性ペレット(肉食魚用) | 慣れれば良い | 主食化を狙える | 沈むタイプを選ぶ。浮上性は反応が鈍い |
人工飼料に餌付けるコツ
生き餌や冷凍餌は確実に食べてくれますが、毎日続けると手間もコストもかかります。長く付き合うなら、保存がきいて栄養バランスも整った沈下性の人工飼料に餌付いてくれると一気に楽になります。コツは、いきなり人工飼料だけにせず、最初は冷凍アカムシに少量を混ぜて「これも餌だよ」と認識させることです。
カジカは動くものに反応する性質があるので、ピンセットやスポイトで餌を軽く動かしながら目の前に運ぶと食いつきやすくなります。沈下したペレットが底でじっとしていると無視されがちですが、ふわっと落とすように与えると反射的に飛びついてくれることが多いです。空腹の時間帯を狙って与えるのも効果的で、数日生き餌を抜いてから人工飼料に挑戦すると成功率が上がります。
スポイトであげるのも良いけど
私がカジカを飼っていた頃、まだ5cm程の小さい個体2匹を45cm水槽で飼育していました。普段はスポイトでアカムシを与えていたのですが、水槽前に出した指を追うようになったのを機に、ピンセットでアカムシを挟んで与えてみました。すると2匹のカジカは、ピンセットを恐れる事なく、挟まれているアカムシをピンセットごと食い付いて食べていました。
たまにイタズラで挟む力を強くしてなかなか取れないようにしてあげると、アカムシの端っこを咥えて一生懸命引っ張って食べていました。その健気に頑張る食いしん坊ぶりは皆様にも是非一度は見て欲しいものです。
水草について
ポチップ
カジカは水草にイタズラをする種類ではありませんが、力が強いためマツモのように柔らかく千切れやすい水草はあまりレイアウトに向きません。
もし植える場合は根をしっかり張ってくれるバリスネリア系の水草やアナカリス等の茎がしっかりしている水草がオススメです。
水草には景観だけでなく、水質浄化や酸素供給、そしてカジカが身を隠す目隠しとしての役割もあります。ただし、カジカは低水温を好むため、高水温を好む南国系の水草とは相性がいまひとつです。アナカリスやマツモ、バリスネリアのような低めの水温にも耐える丈夫な種を選ぶと無難です。育成にCO2添加や強い照明が必要な水草は、カジカ向けの薄暗くて涼しい環境では育ちにくい点も覚えておきましょう。
隠れ家について
カジカは隠れ家があると落ち着くため、レイアウトに石や流木を使って隠れ家を作ってあげましょう。
石を底砂でしっかりと固定して積み上げ、洞窟状の隠れ家を作ってあげると喜んで出入りしてくれるようになります。
隠れ家は「数」も大切です。複数飼育の場合、隠れ家がひとつしかないと取り合いになって争いの火種になります。匹数より多めに、それぞれが1つずつ確保できるよう用意してあげると、縄張り争いがぐっと減ります。市販のシェルターや土管を使うのも手軽でおすすめです。石を積むときは、必ず底砂の上ではなく水槽のガラス底に直接、安定するように組むのが鉄則。砂の上に積むと、カジカが下を掘って崩落させ、下敷きになる事故につながります。
水換え、掃除について
水槽内の匹数や汚れ具合にもよりますが、水の汚れを嫌う種類のため1週間〜10日に一度、1/3〜1/2の量の水換えをします。水槽に入れる水が水道水の場合は必ずカルキ抜きをしてから使うようにしましょう。
ガラス面についた汚れやコケはスポンジで擦り落とします。石やシェルター等が汚れている場合は一度水槽から取り出し、タワシや歯ブラシを使って汚れを落とします。
フィルターを掃除する場合は物理濾材であるウールマットは水でもみ洗いします。汚れや傷みが酷い場合は新しい物と交換します。
投げ込み式や外掛け式等の簡易フィルターの場合は生物濾過材と物理濾過材が一体化されている事が多いため、水換えの際に出た飼育水を使ってバクテリアの減少を抑えつつ、目詰まりの原因となる汚れを洗い落とします。これも汚れや傷みが酷い場合は新しい物と交換します。
生物濾過材は頻繁に洗う必要はなく、2週間〜1ヶ月に一度、飼育水で水洗いをします。各種フィルターのパイプ部分は意外と汚れが溜まりやすい部分なので専用のブラシで汚れを掻き出しキレイにします。
水換えで意外と見落としがちなのが「水温合わせ」です。冷水性のカジカは水温の急変にとても敏感で、夏場に冷たい水道水をどっと入れると一時的に喜ぶように見えても、急激な変化はかえってストレスになります。新しい水はできるだけ飼育水と近い温度にしてから、ゆっくり時間をかけて入れてあげましょう。冬場も同様で、冷たすぎる水を一気に入れないよう注意します。底砂に溜まったフンや餌の食べ残しは、プロホースなどの底床クリーナーで水換えのたびに吸い出すと、水質が安定しやすくなります。
立ち上げで失敗しないために
カジカは丈夫な魚ですが、それは「ちゃんと立ち上がった水槽」での話です。セットしたばかりの水槽はバクテリアがまだ十分に増えておらず、餌の食べ残しやフンから出るアンモニアを分解しきれません。ここに食欲旺盛なカジカを入れると、アンモニアや亜硝酸が急上昇し、エラや体表を傷めて病気を招きます。
理想は、フィルターを回しながら2〜4週間ほどパイロットフィッシュや少量の餌で「空回し」をして、バクテリアを育ててからカジカを迎えることです。市販のバクテリア剤を使うと立ち上げを早められます。水質検査キットでアンモニアと亜硝酸が検出されないことを確認してから本命を入れる、このひと手間が後悔しないための最大のポイントです。
番外編・もし「奇跡」が起こっていたら…

カジカ飼育に起こるかも知れない「奇跡」を2種類紹介していきたいと思います。
奇跡その1、迎え入れたカジカが「ハナカジカ」だった場合
ショップではたまにウツセミカジカでもなくカンキョウカジカでもなく、単に「カジカ」で販売している場合もあります。カジカは胸ビレの鰭条の数や僅かな模様の違いで種類判別をしますが、超低確率でハナカジカがいる事があります。
ハナカジカもエゾハナカジカも飼育方法自体は殆ど変わらないのですが、ある一点だけかなり気を使う必要があります。
それは水温で、高水温が苦手なカジカの中でも特にこの2種類は水温にシビアな面があり、飼育する時は水温の上限は20℃を心掛け、15〜18℃を維持するよう注意する必要があります。
夏場は水温が上昇しやすいため、凍らせたペットボトルを水槽に浮かべたり、気化熱を冷やして水温を下げるファンを使用します。より確実に低水温を維持したい場合は少々高価ですが、水槽用のクーラーを使うと確実です。
もし手元の個体がハナカジカ系かもしれない、と思ったら、夏前に水槽用クーラーの導入を本気で検討してください。ファンや凍らせたペットボトルだけでは、真夏に18℃以下を安定して維持するのは難しいのが現実です。ハナカジカは特に水温に対してシビアなので、「他のカジカより一段階厳しい冷却が必要」と覚えておきましょう。
奇跡その2、産卵しそう
一般家庭では殆ど聞かないカジカの繁殖についてですが、複数匹を大事に飼育していれば可能性はあると思います。理由としては、飼育下での繁殖が不可能なら、各地で放流している稚魚はどこから来たの?って話になってしまうからです。
卵を抱えたメスのカジカのお腹はびっくりする程パンパンで、初見だと餌の食べ過ぎを疑ってしまう程です。このメスのカジカが洞窟状の縄張りの中にいるオスの元へ行くようになれば繁殖ができるかも知れません。カジカは6cm程の大きさでも繁殖が可能であると言われているため、日頃から観察をしていればその兆候に早く気付けると思います。
もし、お腹がパンパンだった個体のお腹がある日を境に急にぺちゃんこになっていたら産卵したと思っても良いです。
産卵したであろうオスの縄張りを見つけたら、卵を守るオス以外を隔離して、洞窟状の縄張りの閉ざされた側をほんの僅かに隙間を空けて近くで湧水の代わりにエアレーションをして水を動かしてあげましょう。
稚魚が孵化したら何を食べさせる?
もし奇跡的に孵化までこぎつけたら、次の壁は稚魚の餌です。生まれたばかりのカジカの仔魚はとても小さく、いきなりアカムシを食べることはできません。孵化直後はブラインシュリンプの幼生(ベビーブライン)や、ごく細かい稚魚用フードからスタートするのが基本です。両側回遊型の小卵型などは、本来なら海や湖でプランクトンを食べて育つため、十分に小さい餌を切らさず与え続けることが生存率を左右します。
稚魚水槽は水質の変化に弱いので、こまめな少量換水とエアレーションで清浄な環境を保ちます。成長に合わせて餌のサイズを少しずつ大きくしていき、口に入るようになったら冷凍アカムシへと移行します。家庭でここまで育て上げられたら、まさにカジカ飼育の到達点と言えるでしょう。
カジカがかかりやすい病気について

カジカは日本産淡水魚の中でもかなり丈夫で飼いやすい種類ですが、それでも病気にかかってしまいます。ここでは特にかかりやすい病気を治療方法と一緒に紹介していきます。
具体的な病気の解説に入る前に、各病気の症状・原因・主な治療法をひと目で見渡せるよう表にまとめました。共通して言えるのは、カジカは薬に弱いため魚病薬は規定量の1/5〜1/2から慎重に使うこと、そして何より「病気を出さない水管理」が最大の予防だということです。
| 病気 | 主な症状 | 主な原因 | 主な対処 |
|---|---|---|---|
| 白点病 | 体に白い点。体を擦り付ける | 水質悪化および水温の急変 | 塩水浴または規定量を薄めた薬浴 |
| 水カビ病 | 体表に綿状のカビ。患部が白濁 | 食べ残しおよび生物ろ過の不調 | 患部除去のうえ薄めた薬浴 |
| エロモナス症 | 充血・松かさ・穴あき | 水質悪化および古い餌 | 隔離して薬浴。早期発見が重要 |
| カラムナリス症 | ヒレや口がボロボロに爛れる | 水質悪化および外傷からの感染 | 隔離して薬浴。塩も併用可 |
| 寄生虫症 | 体表の虫・エラの異常な動き | 導入魚および生き餌からの持ち込み | 虫の除去と薬浴。強めのエアレーション |
・白点病
水質の悪化や水温が急変した時等にかかる事があります。カジカの細かいドット模様と勘違いしやすいですが、かかると石や砂利等に体を擦り付ける行動を取るようになるので注意深く観察すればすぐに見つける事ができます。
治療方法は、カジカは弱アルカリ性に耐性があるので白点が少ない場合は塩水浴で治療する事ができます。水10Lに対し、塩を50g溶かして作った塩水で塩水浴を行い数日すると白点が消失している事があります。
白点の数が多く、病気が進行している場合は魚病薬による薬浴を行います。
治療にはメチレンブルーやグリーンF、マラカイトグリーン等の魚病薬を使います。カジカは薬品に弱いため、規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴をします。
薬浴は白点がなくなるまで続け、薬浴の水も5〜7日に一度換え、再び薬浴をするようにします。
白点病の原因虫は水温が高いほど活発に増え、低いほど活動が鈍くなる性質があります。一般的な熱帯魚なら水温を上げて治療することもありますが、高水温に弱いカジカではこの方法は使えません。あくまで水温は適正範囲に保ったまま、塩水浴や薄めの薬浴で対応するのが安全です。早期に気づければ塩水浴だけで治ることも多いので、毎日の観察で「体を擦り付ける仕草」を見逃さないことが何より大切です。
・水カビ病
生物濾過が上手く機能せず食べ残しにすぐカビが生えるような環境だと発生しやすい病気です。高水温が苦手な日本産淡水魚の飼育環境では、なかなか生物濾過の要であるバクテリアが増えにくいためかなり起きやすいです。
治療についてですが、ヒレの先や体にちょっと付いている程度であればピンセットで除去してから魚病薬による薬浴を行います。
病気が進行し、水カビがかなり生えている状態の場合はハサミで患部を傷付けないように切り取って除去してから薬浴をします。水カビの除去が不安な場合はそのまま薬浴をしてもかまいません。
薬浴にはグリーンFやアグテン、マラカイトグリーン等の魚病薬を使います。使う際は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬します。
パッと見だと分かりづらいですが、水カビの菌糸は魚体のかなり深くまで根を張っている事が多く、患部も白濁して脆くなってしまいます。そのため薬浴は白濁した患部がしっかり回復するまで行います。治療が遅れる程回復が難しくなり、死亡率も高くなる病気なので普段から水カビが発生しないように水槽を管理し、病気の早期発見を心掛けるようにしましょう。
・エロモナス症
水質の悪化や古い餌を食べた事で起きる病気です。感染力も高いため、場合によっては水槽を一度リセットし、消毒処置をする必要があります。
症状の出方も様々で、ウロコが逆立ったり、体のいたるところに充血が見られたり、ウロコが剥がれ落ちて体に穴が空いたりといった症状があります。
発見したらすぐに隔離して魚病薬による治療を行います。治療にはパラザンDや観パラD、グリーンFゴールドを使います。投薬の際は様子を見ながら規定量の1/5〜1/2の量を少しずつ投薬します。
これを症状がなくなるまで続けますが、エロモナス症はかなりしぶとい病気であり、治るまでかなり時間がかかります。なので普段から出さないように注意して飼育をする事がとても大事です。
・カラムナリス症
尾腐れ病や口腐れ病等、症状が出た部位によって呼び方が変わる病気です。水質の悪化や水温の急変が原因で発生します。また、勢い余って口先を石や流木にぶつけてしまい、その傷口から感染、発症する事もあります。最初は充血していた患部が爛れたようにボロボロになってしまう恐ろしい病気です。
治療には、まず隔離してから魚病薬による薬浴を行います。魚病薬にはパラザンDや観パラD、グリーンFゴールド等の魚病薬を使います。白点病のように病魚の飼育水を塩水にする事も効果があります。投薬の際は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬します。これを5〜7日に一度水換えをし、治るまで薬浴を続けます。
・吸虫やウオジラミによる寄生虫症
ウオジラミやイカリムシは体表を注意深く観察すると発見できますが、吸虫はエラの中に寄生するためエラブタの動きや体の動きをよく観察するようにしましょう。
特に吸虫の場合は殖えすぎるとエラブタが閉まらなくなり、呼吸困難に陥ってしまうため注意が必要です。
治療方法ですが、イカリムシ、ウオジラミはピンセットを使って魚体から除去します。この時イカリムシの場合は体内に食い込んでいる頭部が途中で千切れないように慎重に引き抜きます。頭部が体内に残ってしまうと、そこから再び再生してしまうためです。
除去が終わったら寄生虫の卵や幼虫を殺虫するため薬浴をします。吸虫の場合はエラの中にピンセットを入れる訳にはいかないので、そのまま薬浴をします。
魚病薬にはトロピカルNやリフィッシュを使います。規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬するだけでなく、吸虫によって呼吸困難になっている可能性があるため強めのエアレーションを行います。これを寄生虫が死滅するまで行います。死んだ寄生虫は底に落ちているため、薬浴を繰り返して寄生虫の死骸が出てこなくなれば治療は完了です。
採集個体や生き餌を導入するときは、寄生虫を一緒に持ち込んでしまうリスクがあります。新しく迎えた個体や野外で採ってきた生き餌は、いきなり本水槽に入れず、別容器でしばらくトリートメント(様子見・必要なら予防的な処置)をしてから合流させると、寄生虫や病気の持ち込みを大きく減らせます。少し面倒でも、このひと手間が水槽全体を守ることにつながります。
そっくりさんが多すぎる!カジカの仲間達について!

カジカの仲間や近縁種を、特徴とともに表でざっと見比べておきましょう。「カジカ」とひと口に言っても、純淡水で一生を過ごす種から、海と川を行き来する大型種まで実に多彩です。
| 名前 | 主な分布 | 特徴 | 飼育の注意 |
|---|---|---|---|
| ハナカジカ | 北海道・東北・新潟 | 渓流上流に生息。釣りの外道にも | 特に低水温が必要。夏は厳重に冷却 |
| カンキョウカジカ | 北海道・本州北部・朝鮮半島 | 流通が多く入手しやすい | 一般的なカジカに準じる |
| ウツセミカジカ | 琵琶湖水系および太平洋側河川 | 湖沼陸封性の個体群 | 一般的なカジカに準じる |
| アユカケ(カマキリ) | 太平洋・日本海側河川 | 25cm超の大型。降河回遊性 | 大型化するため広い水槽が必要 |
| ヤマノカミ | 有明海奥部とその流入河川 | エラブタが朱色。降河回遊性 | 分布が極めて狭く希少 |
・ハナカジカ
北海道や青森県、岩手県等の東北地方、新潟県に生息するカジカの仲間です。食いしん坊なので簡単に釣りの仕掛けにかかり、渓流釣りではヤマメやニジマス釣りの外道とされています。
北海道にはよく似た「エゾハナカジカ」も生息していますが、ハナカジカがより上流に生息する事で住み分けをしているようです。
岩手県や山形県では各県で希少種としてレッドデータに登録し、保護している地域もあります。
また、北海道が舞台の「ゴールデンカムイ」というアニメでは主人公達がカジカの鍋物を食べているシーンがありますが、海で獲れたという話がないのでおそらくこの種類だと思われます。
・カンキョウカジカ
日本では、北海道や富山県以北の日本海流入河川や岩手県以北の太平洋側に流入する河川に生息しており、国外では朝鮮半島等にも生息しているグローバルなカジカの仲間です。ペットショップで見かける機会が多い種類でもあります。ちなみに私が飼っていたカジカも同じ種類です。
・ウツセミカジカ
種類名というよりは琵琶湖周辺に生息し、湖沼陸封性のある「個体群」としての呼び名という感じのカジカの仲間。
たまにペットショップで売られている事がありますが、太平洋側の流入河川に生息する小卵型のカジカも同じように区別されずに呼ばれる事があるので真偽の程は不明です。
・アユカケ
ポチップ
カジカの仲間というよりは近縁種です。別名では「カマキリ」と呼ばれています。
降河回遊性という生活史を持っており、その大きさは25cmを越える事もある中型種です。青森県や高知県、島根県等の太平洋、日本海に流入する河川に生息しています。
様々な逸話を持っている魚であり、特に有名なのは「石に化ける」と「アユを自身のトゲで引っかける」という話です。前者の方は実際にテレビクルーが撮影しており、体をピッタリと石にくっ付け、呼吸すらせずに石になりきっている様子が記録されています。後者の話については、確かにエラブタに鋭いトゲをアユカケは持っていますが、実際にそれを使ってアユを捕食する姿は観察された事がないようです。どちらかと言うと石に化け、やって来たアユを急襲するタイプだと思われます。
生息数が少ないため、多くの自治体に絶滅危惧種として保護されており、特に福井県の九頭竜川ではアユカケの生息地として国の天然記念物になっている程です。
・ヤマノカミ
「山ノ神」といういかにも神々しい名前のカジカの仲間です。他のカジカと比べると頭部が扁平でエラブタの下部が鮮やかな朱色に染まるのが特徴です。前述のアユカケと同じ降河回遊性の魚でもあります。
日本では有明海の奥部とそこに流入する河川にしか生息していません。海に生息する「シマヒメヤマノカミ」と混同してしまいそうですが、シマヒメヤマノカミがミノカサゴのようなカサゴの仲間であるのに対してヤマノカミは一種類だけで「ヤマノカミ属」を構成しています。
別名も神々しく、「川の神」や「神勧請」という呼び名もあり、これらは本種の独特の見た目や生息地域での山神信仰から来ているとされています。
ちなみに「ぬし釣り」というゲームでは序盤のストーリーを進めるために釣らなければなりませんが、生息地に小魚が多過ぎて肝心のヤマノカミが釣れず、釣り上げるコツが分からないプレイヤーをイラ立たせるというとんでもない魚として知られています。
ピンチ!彼らを追い詰める問題について

カジカは生息地の分布的には広い範囲に生息しているため数が多い魚だと思われがちですが、それは大きなミステイクです。
その原因は様々ありますが、ダムや堰の建設によって海にも降れず、川にも登れなくなってしまっている事や河川の埋め立てや護岸工事、道路建設によって生息地だけでなく湧水の量も減ってしまい産卵場所まで奪われている事も個体数が大きく減った要因となっています。
そんなカジカ達の数を何とか回復させようと、河川に稚魚の放流をする活動もしているようですが定着率は低く、失敗に終わっている事すらあります。長野県のとある河川で行われた放流試験のデータによると、稚魚を放流してから9ヶ月後の生存率は僅か30%程であったと言われています。
そんなか弱い彼らを守るため、意外と知られていない事が多いですが、遊漁規制や漁業調整規則等により採取禁止期間や生まれた卵の採取の禁止期間を設定しています。
渓流釣りの方にとってはヤマメやニジマス釣りの外道のイメージが強いかも知れませんが、そこはキャッチ&リリースで速やかに川に返してあげて欲しいところです。
採集する前に知っておきたいルールとマナー
カジカは地域によって採集が制限されている場合があります。多くの河川では漁業権が設定されており、遊漁券が必要だったり、種類や時期によって採捕が禁止されていたりします。「川にいる魚だから自由に獲っていい」わけではない、というのは飼育を志すうえで必ず押さえておきたい大前提です。
採集してよい場所・時期かどうかを事前に各都道府県の漁業調整規則や地元の漁協で確認し、ルールの範囲内で楽しみましょう。また、採ってきた個体を最後まで責任を持って飼いきれるか、飼いきれなくなったときにどうするか(絶対に別の川へ放さない)まで考えてから持ち帰ることが大切です。外来種問題や遺伝子のかく乱を防ぐためにも、採った場所以外への放流は絶対に避けてください。
筆者とカジカの小さな思い出

・何だこれ…?
これは私が幼く、まだカジカという魚を知らなかった頃の思い出です。
私の故郷では禁漁期間が終わるとたまに漁師さんが、秋の味覚として数匹のカジカを我が家に持って来てくれました。
その大きな口と太短い体の見た目から、私はオコゼか何かだと思っていました。それを母が捌いて調理し、味噌汁や焼き物になってテーブルに並びます。味は淡白だけど美味しい魚である事を覚えています。そんな中、幼い私がカジカの名前を知るキッカケになる出来事が起こります。
それは酒や醤油に漬けたカジカの卵を食べた事です。地元ではカジカの卵は希少な食材であり、珍味でもあります。それを初めて食べた時、頭の中は「何だこれ!?」っと衝撃が走りました。
卵の味とかそういう次元の話ではなく、ハタハタの卵を遥かに凌駕するバリンバリンでガリガリとした、とても魚卵とは思えない歯応えを、私は今でも覚えています。
その衝撃に驚いた私は初めて祖父に、あのオコゼのような姿の魚がカジカであり、口にした物がカジカの卵である事を教えてもらったのです。
今では口にする事もありませんが、できる事ならカジカを増やすための手伝いをしたいところです。
まるで犬のような魚
初めてカジカを知ってから数年後、私はペットとしてカンキョウカジカを2匹家に迎え入れました。まだ5cm程の小さな個体でしたが、私が迎え入れた個体は白っぽい体色に黒褐色の模様が入るメリハリのある体色のカジカでした。
最初は隠れ家に籠ってビクビクしていたカジカでしたが、次第に飼育環境に慣れていきパクパクモグモグとたくさん餌を食べるようになりました。そんなある日、水槽前に椅子を持って来て座り、水槽を眺めていると2匹のカジカがピョンピョンと跳ねるように泳いでこちらに近付いて来たのです。
肉食性が強いせいか、視力が思ってるより発達しているらしく、人を認識できているようでした。胸ビレで上体を起こすように立ち上がる姿はまるで飼い犬のように可愛らしく、どこか凛々しさを感じる物でした。
父が水槽を覗くとどこかへ隠れてしまうのですが、私が来るとピョンピョンと泳ぎ寄って来ます。指を水槽前にチラつかせるとクリクリした黒目がちの眼でしっかりと指を見つめ、ピョンピョンとその後を追いかけて来ました。さらにはちょっとした出来心で水面近くで指をチラつかせてみました。するとカジカ2匹とも底層を離れて上層を泳ぎ、器用にホバリングしながら指に触れようと口先だけ水面から出していました。
その時、私はカジカは人によく慣れる魚なのだと確信しました。それからカジカ達は私が高校生になるまで生き続けてくれました。老齢で白内障になっても気配で分かるのか、私が来ると積み重ねた石の上にちょこんと乗っていました。
今思えば、人懐っこいだけでなくかなり寿命が長い川魚でもあると思います。
・白点病で学んだ、立ち上げの大切さ
楽しい思い出ばかりではなく、正直に失敗談もお話しします。これはカジカを飼い始めた当初のこと。早く泳ぐ姿が見たくて、水槽をセットして数日しか経っていない、まだ生物ろ過がまったくできあがっていない状態でカジカを入れてしまったのです。
案の定、数日でアンモニア臭がするようになり、水質検査をしたらアンモニアと亜硝酸が振り切れていました。カジカは体を石に擦り付けるようになり、ほどなく体に白い点が…白点病の併発です。慌てて水換えと薄めの塩水浴で対処し、なんとか持ち直してくれましたが、あのときの「やってしまった」という後悔は今でも忘れません。立ち上げを甘く見て、生き物を危険にさらしてしまったのは完全に私の落ち度でした。
夏の水温との終わらない戦い
もうひとつ、カジカ飼育で毎年向き合ってきたのが夏場の水温です。冷水性の彼らにとって日本の夏は過酷で、私も最初の頃は対策が後手に回り、水温が27℃近くまで上がってカジカがぐったりしてしまったことがありました。底でじっとしているはずの子が、エラを激しく動かして苦しそうにしている姿を見たときは本当に焦りました。
それ以来、初夏のうちに冷却ファンを準備し、ピーク時はエアコンを併用するようになりました。凍らせたペットボトルを浮かべる応急処置も何度もやりました。水量の多い水槽のほうが水温が上がりにくいことにも気づき、レイアウトも見直しました。タナゴやメダカ、ドジョウとはまた違う、カジカならではの「涼しさへのこだわり」に応えるのは大変ですが、それも含めて愛おしい川の住人です。
あるとちょっと楽しくなる?便利アイテムについて!

・プレコ用の産卵筒
ポチップ
「カジカなのにプレコ?」と思う方も多いと思いますが、このプレコ用の産卵筒は奥行きがある洞窟状のアイテムになっています。
カジカが隠れ家として最も好む形状でありながら素材も丈夫なため、手軽に隠れ家として設置する事ができます。
・ハゼ用土管
こちらは海水魚のハゼを飼育する時に使われているアイテムです。サイズが小さめなので、5cm程のサイズのカジカに使う事ができます。
・爬虫類用シェルター
ここに来てまさかの爬虫類用飼育アイテムですが、意外と魚類の飼育にも使えます。タッパータイプのシェルターではなく、素焼きのタイプや岩でできたようなデザインの洞窟状のシェルターが重量もあるのでオススメです。
・錐(きり)
まさかの工具です。何に使うかというと、前人未到のカジカの繁殖を目指したい方もいると思いますので、前述したシェルターの袋小路部分の通水性を良くする加工を施すためのアイテムです。
・水温計と水質検査キット
最後に、派手さはないけれど絶対に持っておいてほしいのが水温計と水質検査キットです。カジカ飼育は「水温」と「水質」がすべてと言っても過言ではありません。デジタル水温計があれば夏場の危険な水温上昇にいち早く気づけますし、アンモニアや亜硝酸を測れる試験紙や試薬があれば、立ち上げの完了を確認したり、不調のサインを数値で捉えたりできます。
「なんとなく大丈夫そう」で済ませず、数値で水槽の状態を把握する習慣をつけると、トラブルを未然に防げます。私の失敗談も、もっと早く水質を測っていれば防げたものでした。地味な道具ほど、長くカジカと付き合ううえで頼りになります。
カジカ飼育のよくある質問(FAQ)

最後に、カジカの飼育で初心者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。迎える前の不安解消に役立ててください。
Q. カジカの飼育難易度は高いですか?初心者でも飼えますか?
A. 水温管理さえクリアできれば、餌食いも良く丈夫で初心者でも飼いやすい魚です。ただし冷水性のため、夏場に水温が26℃以上に上がる環境では冷却対策が必須になります。まずはエアコンや冷却ファンで水温を保てるかを確認してから迎えるのがおすすめです。
Q. カジカは何度くらいの水温で飼えばいいですか?
A. 適正水温は20〜23℃です。15〜25℃程度なら許容範囲ですが、26℃以上が続くと危険です。特にハナカジカやエゾハナカジカは水温にシビアで、15〜18℃を維持する必要があります。夏は水槽用クーラーや冷却ファン、エアコンでしっかり冷やしてあげましょう。
Q. カジカとドンコ、ヨシノボリの違いは何ですか?
A. 一番わかりやすいのは腹ビレの形です。ヨシノボリなどのハゼ科は腹ビレが吸盤状ですが、カジカとドンコは吸盤になっていません。さらにカジカとドンコは水温の好みが異なり、冷たい水を好むのがカジカ、常温でも平気なのがドンコです。カジカはスズキ目カジカ科、ヨシノボリはハゼ科、ドンコはドンコ科と分類も別です。
Q. カジカの餌は何を与えればいいですか?
A. 肉食魚なので、慣れないうちは冷凍アカムシやイトミミズ、ホワイトシュリンプなどの生き餌・冷凍餌が確実です。慣れてくると沈下性の肉食魚用ペレットにも餌付きます。栄養が偏らないよう数種類をローテーションし、ときどき生き餌を与えると拒食予防にもなります。
Q. カジカは他の魚と混泳できますか?
A. 基本的には単独飼育がおすすめです。肉食性が強く、口に入るサイズの魚やエビは食べてしまいます。同サイズのカジカ同士なら60cm以上の水槽に隠れ家を多めに設置すれば複数飼育も可能ですが、サイズ差があると小さい個体が食べられたり弱ったりするので注意が必要です。
Q. カジカはどのくらいの大きさの水槽が必要ですか?
A. 単独飼育なら45cm水槽以上、複数飼育なら60cm以上が目安です。最大15cmほどに成長すること、肉食で水を汚しやすいことを考えると、余裕を持った大きさの水槽のほうが水質も水温も安定して管理しやすくなります。
Q. カジカの寿命はどれくらいですか?
A. 飼育環境が良ければ5〜8年ほど生きる長命な魚です。管理人のなつのもとでは、幼魚から迎えた個体が高校生になるまで(数年間)生き続けた経験があります。水温と水質を適切に保ち、ストレスの少ない環境で飼えば、長く付き合えるパートナーになってくれます。
Q. カジカは人に慣れますか?
A. とてもよく慣れます。視力が発達していて飼い主を認識し、近づくとピョンピョンと寄ってきたり、指を目で追いかけたりします。その姿はまるで飼い犬のようで、「川のワンちゃん」と呼びたくなるほど。人懐っこさはカジカ飼育の大きな魅力のひとつです。
Q. カジカがかかりやすい病気と予防法は?
A. 白点病・水カビ病・エロモナス症・カラムナリス症・寄生虫症などにかかることがあります。原因の多くは水質悪化と水温の急変です。予防には、しっかり立ち上げた水槽でアンモニア・亜硝酸を出さないこと、定期的な水換え、適正水温の維持が重要です。カジカは薬に弱いので、治療時は魚病薬を規定量の1/5〜1/2から慎重に使います。
Q. 水槽を立ち上げてすぐにカジカを入れても大丈夫ですか?
A. おすすめできません。セット直後の水槽はバクテリアが不足しており、食欲旺盛なカジカを入れるとアンモニアや亜硝酸が急上昇して病気の原因になります。フィルターを2〜4週間ほど空回しし、水質検査でアンモニア・亜硝酸が検出されないことを確認してから迎えましょう。これは管理人なつが実際に失敗から学んだ教訓です。
Q. カジカは川で採集して飼ってもいいですか?
A. 地域や時期によって採集が制限されている場合があります。多くの河川には漁業権があり、遊漁券が必要だったり採捕禁止期間が設定されていたりします。事前に都道府県の漁業調整規則や地元の漁協で確認しましょう。また、採集した個体を別の川へ放すことは生態系のかく乱につながるため絶対に避け、最後まで責任を持って飼育してください。
Q. カジカは飛び出すことがありますか?フタは必要ですか?
A. 普段はじっとしていますが、驚いたときの瞬発力は強く飛び出すことがあります。フタは必ず設置してください。冷却ファンを使うためにフタを少し開ける場合は、ネットやメッシュで飛び出し防止策を講じておくと安心です。
まとめ

最近ショップで見かける機会が増えてきたカジカですが、水質の悪化や高水温に気を付ければ、餌食いも良く丈夫で飼育のしやすい川魚です。
カジカは種群によってそれぞれ違いがあったり、地域によっては保護されている程自然下では数が減って大切にされている魚です。そんな背景がありながら、人に慣れやすい性格であるため、最初は「変わった魚だな」と思って接していても、気付けば飼い主の指を追いかけたり、外出しようとする飼い主の姿をガラス面限界まで寄ってきて見つめていたりする可愛い一面もあります。
もちろん帰って来るとピョンピョンと跳ねるように近付いて来たり、中にはビュンと泳いで慌てて会いに来る個体までいます。その姿はまるで飼い主に忠誠を誓う飼い犬のようです。犬のような鳴き声は無くても、彼らはそのクリクリとした眼で飼い主の事をよく見て、全身を使い仕草をもって飼い主に思いを伝えようとしてくれます。
皆様ももし、カジカの飼育に興味を持ちましたら是非ご自宅に迎え入れて見てはいかがでしょうか?
最後にもう一度だけ、大切なことを繰り返します。カジカ飼育の生命線は「夏場の水温管理」と「しっかり立ち上げた水槽での水質維持」です。この2つさえ押さえれば、あとは食いしん坊で人懐っこい彼らとの楽しい毎日が待っています。日本の渓流が育んだ小さな番人を、責任を持って、しっかり調べて、ときに工夫しながら大切に育ててあげてください。あなたとカジカの暮らしが、日本の自然の豊かさを感じられる素敵な時間になりますように。



