はじめに
今は聞かない単語ですが、皆様は「コギャル」をご存知でしょうか?
派手なメイクや髪型、服装をしていた中〜高校生の事で、今で言う「ギャル」みたいなものです。
それが今回ご紹介させていただく「コギャルテトラ」です。
1,コギャルテトラってどんな魚?
画像引用元:株式会社ペットバルーン 様
コギャルテトラは小型カラシンの仲間に含まれており、その中でも「モンクホーシャ」という仲間に分類されています。
見た目はネオンテトラのような形に近いですが、5〜7cmと大きく、体高も少し高めで体に厚みがあり、「コギャル」と呼ばれる割にはかなりマッシブな体をしています。
体色は黄色がかったベージュといった感じですが、調子が良いと各ヒレが白く縁取られ、レンガ色〜黄色といったグラデーションを帯びてきます。ウロコも淡い茶色に縁取られ、シンプルな配色なのにメリハリを感じます。
また、尾ビレの付け根には大きなブラックスポットがあり、よく目立ちます。
コギャルテトラ最大の魅力は頭部のバッチリメイクです。エラブタはチークをのせたように赤く、口元はルージュをひいたかのような朱色、そして目はこれでもかと言うくらい濃いメタリックブルーやグリーンのアイシャドウがライトの下でキラキラと輝くのです。
2,コギャルテトラの性格は?混泳はできる?
コギャルテトラは少し気が強い面があり、同種間でも小競り合いをする事があります。
他種にもちょっかいをかける事もあるため、臆病な性格の種類とは混泳を避けた方が無難です。また、口に入るサイズの魚やエビを攻撃する事もあります。
しかし、他種との混泳ができないと言う訳ではなく、同サイズの種類や小型でも気が強い種類、グラミー系のおっとりとした性格のと混泳する事ができます。
オトシンクルスやコリドラスとも混泳は可能ですが、極稀に絡みに行く事があるので動静に注意しましょう。
☆我が家でやってたタンクメイトの組み合わせ
かつて我が家で実際にしていた混泳の組み合わせです。
①コギャルテトラ+ハニードワーフグラミー
颯爽と泳ぐコギャルテトラとのんびり泳ぐグラミーが対照的。
②コギャルテトラ+モンクホーシャ・ファエノタ
どちらもモンクホーシャの仲間ですが、見た目や色彩に大きな違いがあります。
ファエノタのシャープな体型とマッドな黒、
コギャルテトラのガッチリボディと派手なメイクが対照的で見ていて飽きません。
③コギャルテトラ+底モノ系(レオパードタティア、オトシンクルス等)
コギャルテトラも底モノ達を気にする様子もなければ底モノ達もイタズラする事なく基本的に平和に過ごします。
④コギャルテトラ+透明系(トランスルーセントグラスキャット、ペルーグラステトラ等)
透明な体を持つ彼らが見えていないのか、
コギャルテトラがちょっかいをかける事は殆どありませんでした。
むしろ彼らの透明感がコギャルテトラの体色を引き立ててくれます。
しかし、「ドワーフグラステトラ」や「クリスタルレインボーテトラ」等の繊細な小型種はコギャルテトラとの混泳は避けましょう。
3,生息地は?
アマゾン川に生息していますが、種類によっては支流の一つである「アプリアナ川」「ジュルエナ川」「アリノス川(こちらはタパジョス川の支流)」等に生息しているとされています。
4,どんな物を食べているの?
コギャルテトラは落下昆虫や口に入るサイズの甲殻類、アカムシのような水生生物等を捕食しますが、特筆すべきは「草食性の強さ」です。
コギャルテトラを含む「モンクホーシャの仲間」は小型カラシンの中でもかなり草食性が強く、頑丈な顎で水草を食いちぎって食べるのです。
飼育の時もこの行動は見られますが、給餌量が足りていれば大きな被害は出にくくなります。
5,どこで入手できるの?
コギャルテトラは珍カラの部類に含まれるため、熱帯魚にかなり力を入れているショップでなければ見つけるのは簡単ではありません。
また、常に入荷するような種類でもないため、場合によってはかなり待たされる事になります。
6,気になるお値段は…?
「正確な相場」は把握できませんが、私が飼育していた頃は1匹3000〜5000円くらいでした。
入荷が少ないという事もあり、納得のお値段です。
7,コギャルテトラの仲間は?
コギャルテトラには意外と仲間がいるようで、昔はコギャルと呼ばれなくても、今では流通名にコギャルが付いている種類もいます。
①ブラックスケールコギャルテトラ
体型や大きさはコギャルテトラと変わりませんが、ウロコが焦げ茶色に縁取られる他、エラブタから腹側の尾の付け根まで紫色を帯びた茶色に染まり、その上をメタリックなパウダーブルーが彩ります。
②ピンクサファイアコギャルテトラ
コギャルテトラの名を持っていますが、見た目はどちらかと言うと少し体高のある細身系テトラと言った感じです。
口にルージュはひいていませんが、目の上にはメタリックな朱色のアイシャドウ、全身をメタリックなパウダーブルーが覆い、腹側は黄色から赤みがかった焦げ茶色に染まります。
③スカーレットムーンコギャルテトラ
様々なタイプがあるとされる「ムーンコギャルテトラ」の仲間です。
コロンとした体型と腹側の黄金の輝き、背部のレンガ色、体の側面の中央を走るチョコレート色の帯が可愛い種類で、目の上にメタリックブルーのアイシャドウが輝きます。
極稀に発光バクテリアの寄生によってウロコがラメ状の強い輝きを纏う「プラチナ個体」が入荷する事があり、別種と思わせる魅力があります。
④イエローダイヤモンドテトラ
今では「イエロームーンコギャルテトラ」等と呼ばれる種類ですが、私が飼育した時の流通名でご紹介させていただきます。
見た目は前述したスカーレットムーンコギャルテトラに似ていますが、より黄色みが強いため更に派手に見えます。
◆衝撃のお値段!果てへと至れ、我が諭吉!
大分落ち着いてきた今だからこそですが、かつての私は珍カラ狂いでしたのでイエローダイヤモンドテトラを見た時はあまりの衝撃で膝から崩れ落ちました。
何せ全身ピッカピカの「フルプラチナ個体」が2匹、我が恩師のショップの販売用水槽で元気いっぱいに泳いでいたのですから。
メタハラの光を受けた姿は魚の形をした発光体としか例えようがなく、泳ぐ姿は闇夜を駆ける流星のようでした。
当時の私は「絶対に誰にも渡すまい!」とその2匹をすかさず購入!愛弟子特価というありがたいサービスを受けましたが、6名の諭吉様が財布から羽ばたいていきました。
えぇ、購入した自分でもビックリでした。
飼育自体はとても簡単で5年も生きてくれた素晴らしい種類です。
8,コギャルテトラの飼育時の注意すべきポイントは?
コギャルテトラは珍カラの中でも非常に丈夫な種類で、熱帯魚初心者の方でも基本に添って大切に飼育すれば病気にもなりにくく、寿命も長く、美しい姿を眺める事ができます。
ですが、性質を理解してあげないと思いもよらぬ病気や事故の発生の原因となってしまうため、飼育の注意すべきポイントを挙げさせていただきます。
- なるべく弱酸性の水質をキープする事。
- 水合わせは慎重に行う事。
- 混泳させる場合は相手は選ぶ事。
- 水草の食害があるので柔らかい水草は避ける事。
- 遊泳力が強いので広い水槽で飼育する事。
特に水草の食害は発生しやすいので、一部諦めの気持ちを持ち「オヤツとしての役割も兼ねて植えている」という心構えでいた方が気楽です。
コギャルテトラの飼育方法について
1,導入、水合わせについて
なかなかショップで見かけない種類とあって、購入は基本的に通販に頼る事になるかと思います。コギャルテトラが届いたら袋越しから健康チェックをしましょう。
今では病気の魚を送るという悪質な事は殆どありませんが、一応全身くまなく調べます。ウロコが逆立っていないか、充血していないか、体に付着物はないか、ヒレが不自然にボロボロになっていないかをチェックし終えたら、いよいよ水合わせに移ります。これは飼育ポイントの1つです。
導入する水槽の水をあらかじめバケツに取っておき、コギャルテトラがいる袋を水槽に約15〜20分程浮かべます。
水温が合わさったら袋を開け、中の水を1/3〜1/4捨てて水槽の水を捨てた分と同量入れて10〜15分程様子を見ます。
異常がなければこれを繰り返し、最後の水合わせが終わったらコギャルテトラを水槽に放ちます。
最後にあらかじめバケツに取っておいた水を戻し、足りなければカルキ抜きをした水を足して水合わせ、導入は完了です。
環境が変わって最初は怯えているコギャルテトラですが、しばらくすると持ち前の陽キャな性格を発揮して水槽を泳ぎ回ってくれるようになります。
Q,よく見たら病気っぽいんだけど…。
A,メインタンクに入れる前に「トリートメント」しましょう。
通販でもショップでも稀にある出来事です。
「よくよく見たら何か怪しい!」そんな個体がいる事があるのです。
このままメインタンクに導入すると不安しかありません。
そんな場合はメインタンクに導入せず、
「トリートメント」をしてあげると病気の持ち込みを防ぐ事ができます。
トリートメントはメインタンクに導入する前準備として、水合わせ後に短い薬浴をする事で新しく導入する魚達を安心安全な状態にする事が目的です。中には導入前1週間は薬浴させてから導入するという方もいらっしゃいます。
トリートメントにはメチレンブルーやグリーンFゴールドがよく使われています。もし気になる場合は是非トリートメントをしてから導入してみてください。
また、薬浴後に粘膜保護剤の添加もオススメです。
2,水槽、水質、水温について
これも飼育ポイントの1つです。
コギャルテトラはどの種類も遊泳力が強いため、水槽のサイズは60cm以上がオススメです。
広々とした水槽だと元気いっぱいに泳ぎ回り、本来の野性味ある姿を見る事ができます。
水質は生息地の環境に合わせるため、弱酸性をキープするようにしましょう。これも飼育の大切なポイントで、中性でも飼育はできなくもないですが、飼育経験上病気にかかりやすくなったので弱酸性の水質で飼育した方が無難です。
水温は24〜27℃で飼育できます。コギャルテトラは飼育環境に慣れるとかなり丈夫な種類ですので、±1.5℃くらいでも飼育できます。
水温の急変を防ぎ、一定に保つためにヒーターを入れてあげましょう。また、水温をより正確に知るために水温計を設置するのもオススメします。
3,フタ
コギャルテトラは想像以上にアグレッシブに泳ぐ種類で、何かに驚いた拍子に勢い良くに水槽から飛び出す事があります。
飛び出し防止のためにフタをするのは必須ですが、プラスチックのフタでは軽すぎてコギャルテトラのパワーに負けてしまうため、重さのあるガラス製のフタを使うと飛び出し事故の抑制に繋がります。
4,底砂
コギャルテトラは弱酸性の水質を好むため、水質キープの意味合いも兼ねてソイル系がオススメです。
水質をアルカリ性に傾ける作用のあるサンゴ砂系は飼育に不向きなので避けましょう。
水質に特に影響を与えない人工砂等を使う場合はphコンディショナーを添加して水質を弱酸性にする方法もあります。
5,シェルターについて
コギャルテトラは小型カラシンの中では少し気が強いため、同種間でも小競り合いをする事があります。
タフなので引きこもるという事はありませんが、石や流木を使ってシェルターを作ってあげると一時的な避難場所として使ってくれます。
6,水草について
注意点の1つです。
コギャルテトラは草食性が強いため、柔らかい水草は食べられてしまいます。
特に「ヘアーグラス」「マヤカ」「パールグラス」等の柔らかい水草は味が良いのか植えると高確率で食べられてしまうので注意してください。
葉が硬い「アヌビアス・ナナ」や「ミクロソリウム」「ボルビディス」は比較的食害に遭いにくいので、水草をレイアウトする場合の参考にしてみてください。
◆油断大敵!「謎の音」の正体は…
これはちょっとした体験談です。
かつて、2日程家を空ける用事があり、お留守番フードを入れて家を出ました。
2日後に戻ってみると、水槽から「カリ…、コツ…」という謎の音がしてきたのです。慌てて様子を見ると、コギャルテトラの軍団がアヌビアス・ナナに群がって硬い葉をバリバリ食べていたのです。
それまでアヌビアス系の食害は見た事がなかったのでかなり衝撃的でした。
理由としては、お留守番フードが無くなったため、空腹を満たそうとして食べてしまったようです。
7,フィルターについて
コギャルテトラの飼育は水槽が広い分水質の浄化も大切な要素です。
この事から、上部式、外部式フィルターがオススメのフィルターです。
サブとして投げ込み式フィルター、パワーフィルターも使うと酸素の供給量を増やしたり、水質維持に一役買ってくれます。
8,給餌について
コギャルテトラは代謝が良いのか、とても食欲旺盛な種類です。
好き嫌いも無く、顆粒タイプ、フレークタイプ問わず人工飼料で飼育する事もできます。他にも乾燥イトミミズやブラインシュリンプ、冷凍アカムシ等の冷凍飼料も喜んで食べてくれます。
人工飼料で飼育する場合は一般的なタイプだけでなく、植物質をたっぷり配合した「ベジタブルタイプ」も与えようにして植物質を摂らせてあげましょう。
餌は1日に2〜3回、5分程で食べきれる量を与えます。
この時、しっかり餌を食べているか、お腹が満たされているかも確認しましょう。
9,水換え、掃除について
飼育している匹数や水槽のサイズ等にもよりますが、10〜14日に1回、1/3〜1/2の量の水換えをします。
飼育器具の電源を落とし、ヒーターが冷めてから取りかかりましょう。
ガラス面のヌメリやコケ等の汚れはメラミンスポンジやスクレイパーで落とし、流木や石の汚れは歯ブラシ等で磨いて汚れを落とします。
レイアウトを変えたい場合は、流木や石を1度水槽から出してから洗います。
レイアウトしている水草の葉にコケが生えたり枯れていた場合はハサミでトリミングしてキレイにします。
トリミングで出た不要な葉は、ネット等で集めて燃えるゴミとして捨てましょう。
底の汚れはクリーナーポンプを使って水ごと吸出します。この時水草やレイアウトの影に隠れていたコギャルテトラをビックリさせないように、ゆっくりと動かすようにして掃除を続けます。
フィルターの掃除についてですが、我が家では水換えの日に物理濾過を担当するウールマットやパイプ等を洗い、1ヶ月に1回フィルター内部を軽く洗うくらいにしていました。
ウールマットは目詰まりや汚れをもみ洗いで落としますが、傷みや汚れが酷い場合は新しい物と交換します。揚水部分のパイプやストレーナー部分は専用のブラシ等を使って内部の汚れを落としましょう。
フィルター内部の掃除をする場合は、生物濾過剤を飼育水で軽くすすいで溜まっていた汚れを落とします。水道水を使ったりウールマットのようにしっかり洗うと濾過バクテリアが激減してしまうため注意が必要です。
水槽に足す水は水温を合わせ、しっかりとカルキ抜きをしておきます。
水槽掃除やトリミングが終わったらフィルターをセットし、あらかじめ用意していた新しい水を足します。水が満たされたら飼育器具の電源を入れて水槽掃除は終了です。
Q,フィルターのポンプの揚水力が弱いからストレーナー外しても良い?
A,ストレーナーを外すのは本気でおやめなされ…。
フィルターポンプの揚水パイプの先にある網目状の部品「ストレーナー」ですが、これはフィルターに枯れ葉や生体が食べ残した餌等が過剰に吸い込まれてポンプが詰まる事を防ぐ他、飼育している魚やエビ等が内部に吸い込まれないようにするための大切な部品です。
ポンプの調子が悪いからと言って外してしまうと瞬く間に大惨事になってしまいますので、ストレーナーを外して使う事はやめましょう。
また、揚水ポンプは約1年半程で揚水力が下がるため、ストレーナーを外したくなる程揚水力が下がっているのであれば、新しい物に買い換えて快適なアクアライフを満喫してください。
Q,どうしてトリミングした水草を燃えるゴミに出すの?
A,外来種を日本に帰化させないためです。
トリミングで出た不要な葉や子株を見て、「その辺に捨てても大丈夫そう」と思う事があるかも知れません。
しかし、水草は意外と生命力が強く、元々「水上」にいたものを水中に沈めて栽培する事で「水中葉」を出させ、水草として販売されている種類もあります。
その証拠に、一部の種類の水草を伸ばしっぱなしにしていると水上に出て水上葉と出し花を咲かせるものもいます。
10,「プラチナ個体」の注意点について
コギャルテトラに限った事ではありませんが、中には「プラチナ個体」という全身が目映い輝きに包まれた珍しい特徴を持つ個体が入荷する事があります。
これは体表に寄生した「発光バクテリア」によるもので、その範囲によって呼び名が変わる事があります。
今ではどうか分かりませんが、かつては体の一部が光っている個体は「セミプラチナ」、全身がプラチナ化している個体は「フルプラチナ」と呼ばれていました。
プラチナ個体は「発光バクテリアの寄生」という性質上、水質の急変や悪化、魚が病気になった時の治療によって発光バクテリアが死滅してしまい、その輝きを失ってしまう事があるのです。
プラチナ個体を飼育し、その輝きを長く楽しむためにはノーマルタイプ以上に飼育管理に気を使うようにしましょう。
コギャルテトラがかかりやすい病気と治療方法について
コギャルテトラは1度飼育環境に慣れると病気になりにくく、とても飼いやすい種類なのですが、飼育管理を怠ると忘れた頃に病気になってしまいます。
1,白点病
「魚病の知名度で右に出る物はいない」と言っても過言ではない病気で、体表の白い点々の正体は「白点虫」という原虫の1種です。
魚にとってはかなり不快なようで、白点虫を落とそうと石や流木、底砂に体を擦りつける行動が見られます。この時体に傷が付くと二次感染の原因にもなってしまいます。
また、放置していると徐々に白点の数が増えていき、エラを塞いで呼吸困難の原因になったり治療が難しくなってしまうため油断はできません。
原因は水質の悪化や水温の急変等が挙げられます。
治療方法は魚病薬を使った薬浴を行います。
メチレンブルーやマラカイトグリーン、アグテン、グリーンF系の魚病薬を使います。
治療用の水槽に規定量の薬を入れ、その中に病魚を移します。メチレンブルー、マラカイトグリーンの場合は1週間に1度、アグテンは3日に1度、グリーンFクリアーの場合は2週間に1度半分の量水換えをして新たに投薬します。
これを白点がなくなるまで続けますが、白点病は進行しているとかなりしぶとい病気なので、初期段階で手を打てるようにしましょう。
2,水カビ病
「綿かぶり病」「綿カビ病」等とも呼ばれる病気で、体表に付着した水カビに侵食されてしまうという恐ろしい病気です。水カビの菌糸の影響で筋肉組織が白濁し、脆くなってしまいます。
原因は水槽内の生物濾過が機能していない事や、食べ残した餌を放置してカビを発生させてしまった事が挙げられます。
治療方法は薬浴を行います。ヒレ先にちょっと付いているくらいであれば、ピンセットで取り除いてから薬浴をします。
水カビがフサフサしている場合は、患部を傷付けないようにフサフサ部分をハサミで切除してから薬浴に移りますが、切除する自信が無い場合は、そのまま治療用水槽に移して薬浴させましょう。
治療に使うのはマラカイトグリーン、メチレンブルー、グリーンF系、アグテンです。
前述した白点病と同じサイクルで水換え、投薬を行います。
水カビ病はなかなかしぶとく、患部に透明感が戻るまで続けます。
治療している間は飼育環境の改善にも努め、濾過バクテリアを添加する等して水カビの発生を予防しましょう。
3,カラムナリス症
発症した部位によって「尾腐れ病」「口腐れ病」「エラ腐れ病」と呼び名が変わる病気です。
初期症状では体の一部に白〜黄色っぽい付着物や充血が見られ、次第に患部は爛れてボロボロになってしまいます。
感染力も強く、進行速度も早いため、発生すると非常に危険な病気の1つです。
原因は水質の悪化や急変、水温の急変の他、病気の魚を持ち込んでしまった事等が挙げられます。また、傷口から感染する事もあります。
治療には薬浴を行い、観パラD、パラザンD、グリーンFゴールド等を使います。
サイクルとしては、5〜7日に1度半分の水換えを行い、新たに投薬します。これを付着物や充血が消え、患部が再生するまで続けます。
カラムナリス症の感染力は桁違いなので、場合によっては水槽のリセットも視野に入れましょう。
4,松かさ病
エロモナス症の主な症状として知られている病気です。
発症した個体のウロコの下に分泌液が溜まる事でウロコが逆立ってしまいます。
初期症状では体表に充血が見られ、進行と共にウロコが逆立ち充血の範囲も広がっていきます。
原因は水質の悪化や病気の魚を水槽に持ち込んでしまった事等が挙げられます。
治療には薬浴を行い、エルバージュ、観パラD、パラザンD、グリーンFゴールドを使います。
3〜5日に1度半分水換えをし、新たに投薬をして治療を続けます。
治療に長い期間が必要なので、エロモナス症を出さないようにする事が大事です。
水換えの頻度を増やしたり、食べ残しをこまめに取り除いてキレイな水質を保つ事でエロモナス症の感染を抑制する事ができます。
5,ケガ
ケガは病気ではありませんが、
二次感染の原因にもなるためご紹介させていただきます。
コギャルテトラに限らず気が強い魚だと小競り合いをし、ヒレや体表にケガをする事があります。
このケガから細菌が入って悪さをしないように薬浴をします。
使う魚病薬はエルバージュ、グリーンFゴールド、メチレンブルー等です。
あくまで感染予防のためなので、治療用水槽で2〜3日程薬浴して療養させてから水槽に戻します。
まとめ
今回は元気いっぱいの珍カラシン・コギャルテトラについてご紹介させていただきました。
珍カラシンとあって値段は高価ですが、小型カラシンの中では体格もしっかりしていて見応えもあり、体色と頭部のバッチリメイクが相まって美しさにメリハリがあります。
また、飼育にコツが必要だったり色揚げに時間がかかる珍カラシンの中ではかなり丈夫な種類で、環境に慣れるとすぐに色が揚がりやすいという素晴らしい特徴もあります。
きっとパワフルな泳ぎと妖艶なメイクに心奪われる事でしょう。