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アプロケイルス・スマラグド(イエローパンチャックス)の飼育・繁殖方法を徹底解説!【孵化・増やす】

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全身金色のド派手な大型メダカ!アプロケイルス・スマラグド

画像引用元:チャームPayPayモール店

メダカの仲間は全世界にあらゆるところに生息し、その種類によって生態や色彩も異なります。

例えばグッピーは卵胎性で卵ではなく稚魚を産み、ノソブランキウスのような一年生魚は乾季を卵で過ごし、雨季になったら孵化します。

今回ご紹介するのは「アプロケイルス・スマラグド」という、卵生メダカの仲間の中では比較的大型の種類となります。

テトラ隊長
テトラ隊長
大きいけどメダカの仲間!

小さい頃はそこまで派手ではないものの、しっかり育ったオス個体の見た目は豪華絢爛の言葉がピッタリな程、ギラギラと輝くド派手な魚です。

なつ
なつ
そんな彼らについて、飼育方法や特徴等を紹介していきたいと思います。

アプロケイルス・スマラグドの特徴は?

体長6〜8cmにもなる、卵生メダカの中では大型の種類となります。

性質は少し気が強く、オス同士は小競り合いをします。

また、口に入るサイズの魚は食べてしまうため注意が必要です。

結構獰猛!

本種最大の特徴は、何と言っても育ったオスの黄金の発色です。

しかもただの黄金色ではなく、照明の角度によってはエメラルドの輝きを発色します。

現地の言葉で「スマラグド」は「エメラルド」を意味しているそうですが、それも納得の美しさです。

小さい頃は薄い褐色の体色にキラキラと輝く鱗があり、その頃から「派手メダカ」としての片鱗が見え隠れしています。

ちなみに別名は「イエローパンチャックス」で、成長した時の体色から名付けられています。

『イエローパンチャックス』ともいう!

メダカの仲間らしく上層を主に泳いでいます。

背ビレ、腹ビレ、尻ビレ、尾ビレの外側を縁取るような朱色が、アクセントとなっています。

目と口は大きく、特に口には薄墨色のリップがしてあり、真正面からみるとニコニコしているように見えます。

生息地は?

アプロケイルスの仲間はインドやスリランカ等の東南アジアに分布しており、川や湖、水田等に生息しています。

とはいえ実はアプロケイルス・スマラグドは出自が謎の魚です。

同属多種とのハイブリッド説やアプロケイルスの最大種「アプロケイルス・リネアトゥス」の品種改良種という説もあります。

何ともミステリアスな魚でもあるのです。

オスメス判別の方法は?

画像引用元:チャームPayPayモール店

まだ未成熟な個体でも、よく見ると判別する事ができます。

一番分かりやすいのは尻ビレの部分です。

オスは平行四辺形のような尻ビレを持ちますが、その一角が少し伸長します。

メスは一角が伸長せず、比べて見ても若干角がなく小さめな尻ビレです。

成熟すると、すぐに雌雄が分かります。

ちなみにメスの体色は薄い肌色の体色に金色がのった鱗が並び、控えめな美しさが魅力です。

特徴の紹介の次は、飼育方法について紹介していきたいと思います。

アプロケイルス・スマラグドの飼い方

水槽、水温、水質について

2〜3匹程なら45cm水槽で飼う事ができますが、繁殖を狙うなら3〜4ペアを60cm水槽で飼うと良い結果が出易いです。

そんなに泳ぎ回る魚ではありませんが、泳ぐ力は強く、かなりの確率で飛び出し易い魚であるためフタは必需品です。

水温は24〜28℃であれば問題ありません。ヒーターを使って温度を一定に保ちましょう。

水質は中性〜弱酸性を好んでいます。

フィルターについて

どんなフィルターでも使う事ができます。

作りたい水景に合わせてフィルターを選ぶのも良いです。

強すぎる水流は苦手なので、調節弁やつまみで水流を調節します。

底砂について

川砂や砂利、ソイルを使う事ができます。

水草をたくさんレイアウトに使う場合はソイルがオススメです。

餌について

何でもよく食べてくれます。

フレークタイプやペレットタイプの人工飼料やフリーズドライしたタイプもモリモリ食べてくれます。

冷凍アカムシ等も喜んで食べるので、たまに食べさせてあげましょう。

水換え、掃除について

汚れ具合によりますが、週に一度、1/3〜1/2の量の水を換えます。

水道水は必ずカルキ抜きをしてから使います。

ガラス面の汚れはスポンジで擦り落とします。

フィルターの掃除は、ウールマット等の物理濾材は洗って再利用し、傷みや汚れが酷くなったら交換します。

飼育方法はこのような感じですが、本種は繁殖も簡単なので、

繁殖方法と繁殖にオススメなアイテムも紹介したいと思います。

アプロケイルス・スマラグドの繁殖方法について

画像引用元:チャームPayPayモール店

この魚は繁殖も簡単で、状態良く育ったペアがいれば人前でも繁殖行動を見せてくれます。

繁殖は状態の良いペアが不可欠です。

繁殖行動は体力を使うため、痩せた個体や病み上がりの個体ではすぐに弱ってしまったり、良い卵を産めない等の問題が出てしまいます。

まずはじっくり時間をかけて、状態良く育てていきましょう。

また、無計画な繁殖はいけません。産まれた個体の未来も見据えてから臨みましょう。

健康な夫婦が大事!

状態の良いペアの特徴は?

オスメスどちらにも共通しているポイントは

  1. 胴体がしっかりとしており、不自然に太かったり細くなっていない。
  2. 病気ではない。
  3. 成魚の特徴がしっかり出ている。

この3つが重要なポイントです。

特に太り過ぎは内臓脂肪の影響によって繁殖機能がダメージを受けると言われており、かなり気を付けるべきポイントです。

餌を頻繁にあげすぎたりすると太ってしまうため注意が必要です。

理想は「脂肪ではなく筋肉がしっかりついた魚体」です。

餌で体力をつけてあげよう

繁殖は体力がいる行動です。

特にメスは卵にかなりの栄養を持っていかれてしまうため、栄養価の高い餌を与えましょう。

人工飼料だけでなく、冷凍アカムシやブラインシュリンプ、フリーズドライ飼料等をメニューに加えます。

また、人工飼料の中にはナマズのような肉食魚用の餌もあり、栄養価も高いので応用ができます。

1日に2〜3回、3分程で食べきれる量を与えます。

活きの良いエサを!

雌雄の動きや変化に注目!

状態良く仕上がった雌雄は次第に行動や体に変化が表れます。

複数匹飼育をしていると、オスは自分の力を誇示するため、他のオスと頻繁に小競り合いをするようになります。

また、メスには優しく寄り添い、各ヒレをいっぱいに広げてアピールをするようになります。

メスは体に変化が起きます。お腹に卵を持つため、下腹部がふっくらとしてきます

オスと比べても分かりやすいです。

また、照明で体が若干透けて見える時に卵もうっすらと確認する事ができます。

尻ビレ付近までふっくらしてくれば産卵も間近です。

繁殖行動について

オスは抱卵したメスにアプローチを何度も繰り返すようになります。

メスがそれに応えると、オスはウィローモスや背の低い水草のところまでエスコートします。

その後、ペアは体を互いにピッタリと寄せ合い小刻みに震えながら産卵、放精をします。

この時よく見ると、オスが背ビレと腹ビレでメスを抱き寄せているのが確認できます。

熱いハグ!

卵を回収しよう

石や流木に活着させたウィローモスを産卵床としてくれれば、そのまま取り出して別に用意した水槽に入れるだけでも良いのですが、

腐敗を防ぎ、孵化率を上げるために一粒ずつ産卵床から取り出す方がオススメです。

アプロケイルス・スマラグドの卵は大きさ1mm程もあり、他のメダカの卵より多く丈夫なため簡単に摘まんで採卵できます。

また、粘着糸が卵に付いており、卵の一つがカビてしまうと粘着糸で繋がっていたり隣あった卵もカビてしまうため、一粒ずつ丁寧に採取します。

カビちゃうから一個づつ丁寧に

繁殖・産卵、卵の維持に便利なアイテム

ウィローモス

石や流木に活着させるレイアウトで有名なコケの仲間です。

これを活着させた物を水槽に入れておくとペアで寄り添い産卵する姿を見る事ができます。

モスコットン、リシアネット

モスコットンはアヌビアスのような水草やウィローモスを石や流木に縛り、活着させるための糸です。

リシアネットは元々リシアというコケを沈めるために使う物ですが、ウィローモスを入れて沈めるとネットに活着して増え、産卵床として利用できます。

毛糸

100均等で売っている毛糸も産卵床として利用できます。

まず、手にぐるぐると巻き付けます。

10回程巻き付けたら手を抜いて、ぐるぐるの束の真ん中辺りを毛糸や糸で縛ります。

最後に両脇の輪になっている部分をハサミで切ります。

そうしてできた物を石等に縛って沈めて使います。

メチレンブルー

白点病の治療薬としても有名ですが、卵の腐敗防止にも一役買ってくれます。

未受精卵やカビた卵が白濁するので分かりやすくなります。

卵のお世話について

別に用意した水槽に卵を移します。

空気量を調節してエアレーションをしますが、卵が水流で巻き上がらないくらいの量にします。

水温は高過ぎると発生や成長も早いですが、奇形が出やすくなるため、24〜26℃くらいで焦らずゆっくりと発生させます。

この頃は水換えは控えます。

水質や温度の急変で卵が死んでしまう可能性があります。

カビが出た場合はすぐに取り出します。

しばらくすると…?

産卵からしばらくすると、卵は細胞分裂が進み少しずつ体ができてきます。

卵の中が少しずつ黒っぽくなり、目や心臓が確認できるようになります。さらにしばらくすると、卵の中でぐるぐると動き始めます。ここまでくると孵化も間近です。

アプロケイルス・スマラグドの卵は孵化までに約2週間程かかります。

いよいよ孵化!稚魚の育て方とアレコレ

孵化直後は?

孵化したばかりの稚魚は、お腹にヨークサックという栄養の詰まった袋があるため、生まれて2〜3日は餌を与える必要がありません。

大きさは5mm近くあり、親と違って黒っぽい体色をしています。

生まれてすぐに上層を泳ぎますが、泳ぎが下手なのでホバリングしている事が殆どです。

稚魚は水質、水温の急変に非常に弱いので注意が必要です。

孵化3日目…

この頃になると餌を食べ始めるようになります。

餌には市販のメダカの稚魚用人工飼料がとてもオススメです。

食べ残しやフンはスポイトで吸い出しましょう。

孵化7日〜

餌も食べて順調に育っている個体は上層をよく泳ぐようになり、より積極的に餌を食べるようになります。

この頃になると水換えもできるようになります。

水槽のサイズにもよりますが、小さな容器ならスポイトで水を1/3程吸い出し、新しい水をゆっくりと足していきます。

30〜45cm程の大きさの場合はエアチューブを使い、1/3の量をサイフォン式を利用して水を抜き、ゆっくりと水を足していきます。

サイフォン式とは?

サイフォン式は、水槽を高い位置に、バケツを低い位置に置いたらエアチューブの片方の端を水槽に入れてもう片方を口で少し吸い上げてバケツの方へ向けると水が抜けていくという方法です。

ホースでも可能ですが、共通の注意点があります。水を吸い上げ過ぎて飲まないようにしましょう。

孵化12日〜

この頃になると、成長の早い個体は1cmくらいの大きさに育っている事があります。

ちょっと小競り合いも出てくる頃なので、大きさや力に差がある個体は分けて飼育すると生存率が上がります。

また、ごく僅かではありますが体に煌めきが見え始めます。

孵化30日〜

大きさも2cm近くなってきます。

ここまできたらエアレーションではなくフィルターを設置します。

稚魚用の投げ込み式フィルターやスポンジフィルターがオススメです。

水流は調節弁等を利用して調節します。

体の煌めきも少しずつ増し、アプロケイルス独特の体つきになってきます。

また、餌も細かい顆粒タイプやベビーブラインシュリンプを食べられるようになります。

孵化2ヶ月〜

順調であれば3.5cm程の大きさに成長します。

まだまだ小さいですが、ほぼ安心サイズと言えます。体の煌めきも範囲が広くなり、派手メダカの片鱗が見え隠れしてきます。

飛び出す力も強いので、フタが必須です。

なつ
なつ
ここまで育てば繁殖は成功と言っても良いと思います。

まとめ

卵生メダカの中でも大きめの種類であるアプロケイルス・スマラグドは卵も大きいため採卵しやすく、コツさえ掴めば初心者の方でも繁殖ができます。

なつ
なつ
自分の家で手間暇かけて殖やした魚達は、愛着もより強く感じるものです。

美しいだけでなく、丈夫で繁殖も楽しむ事ができる彼らは、実は安価で手に入れる事もでき、本当に良いとこ尽くしの熱帯魚なのです。

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