「小型美魚」と呼ばれる熱帯魚は数多く知られており、クラウンキリーやミクロラスボラ・エリスロミクロン、ネオンテトラなどは世代を超えて人々に愛され続けています。
そして、今もなお新たな小型美魚が発見、入荷されており、アクアリウムの世界は日々進化を遂げています。
そんな中、今回皆様にご紹介させていただく種類がコイ科の小型熱帯魚「ミクロラスボラ・ブルーネオン」です。
ブルーネオンは、以前本ブログでご紹介した事があるミクロラスボラ・エリスロミクロンと同じグループに入っていた事がある小型美魚であり、ピカピカのメタリックグリーンの体色に穏やかな性格、水草との相性も良い事から人気が高い種類となっています。
1,ピカピカ輝く小型美魚!ミクロラスボラ・ブルーネオンの特徴について!
①分類
流石にずっとミクロラスボラ・ブルーネオンと書き続けるのは大変なので、本ブログでは「ブルーネオン」と表記させていただきます。
ブルーネオンは「コイ目コイ科」に分類されており、学名は「Microdevario kubotai」となっています。以前の学名は「Microrasbora kubotai」で、どちらの学名にもある「kubotai」は本種を発見、輸出に貢献したと言われている「久保田氏」にちなんで名付けられました。
②生息地について
東南アジアのタイ南部の河川に生息しているとされています。
③大きさはどのくらい?
ブルーネオンは成長しても約3〜3.5cmほどしかないため、小型水槽で飼育する事ができます。
④どんな見た目をしているの?
体型はエリスロミクロンに似た流線型をしていますが、ブルーネオンの方が若干スマートな体型をしており尾柄も細く、尾ビレの切れ込みも深めです。
全体的な体高がエリスロミクロンより低いため、頭部が小さく目がとても目立ちます。
体側の真ん中辺りからメタリックグリーンのラインが入り、お腹側にも広がっています。透明感のある体からは腹膜が透けて見え、腹膜の玉虫色と体色のメタリックグリーンが合わさってより美しい輝きを放っています。
背中側には強い色彩はありませんが、光が当たる角度によってネオンブルーの輝きを放ち、青と緑のコンビネーションを楽しむ事ができます。
各ヒレはほぼ透明ですが、調子の良い個体はうっすらと黄色みを帯びてきます。
⑤どんな物を食べているの?
野生下のブルーネオンは、小さな落下昆虫やイトミミズなどの水生生物、生まれたばかりの稚エビやミジンコなどの甲殻類を主に捕食しています。
⑥気になる性格は?
ブルーネオンは穏やかな性格をしており、野生下でも群れを作って生活しています。
他種にイタズラをする事がないため混泳にも向いており、混泳相手として選ばれる事も多いです。
⑦どこでお迎えできる?気になるお値段は?
ブルーネオン自体は人気も高くポピュラーな種類なので取り扱われている事が比較的多く、アクアショップやアクアリウムにも力を入れている総合ペットショップ、通販などでお迎えする事ができます。
本種は群れを作るといった性質上ショップもある程度の匹数をまとめ売りしている事もあるので、群泳や混泳を楽しみたい方はまとめ売りがオススメです。
⑧寿命はどのくらいなの?
ブルーネオンの寿命は飼育環境によって違いがあります。
飼育下での寿命は1〜3年と言われており、年老いた個体は肌荒れや年齢によって体色の輝きが次第に弱くなってしまいます。
2,ミクロラスボラ・ブルーネオンを飼育する時の注意点について
ブルーネオンは小型美魚として高い人気を誇っており、入荷も比較的多い種類です。
〜🍈ブルーネオン飼育の注意すべきポイント🍈〜
- 口が小さいので餌のサイズに気を付ける事。
- 痩せやすいのでしっかり観察し、状態に応じた餌を与える事。
- 入荷直後は弱っている事が多いのですぐに選ばない事。
- 導入直後や環境の変化に弱いため水合わせは慎重に行う事。
- 水質の悪化に弱い面があるため定期的に水換えと水槽掃除を行う事。
これらが挙げられます。
環境に一度慣れてくれればブルーネオン自体は飼育しやすい種類なのですが、どうしても環境変化や水質の悪化には弱いので気を付ける必要があります。
3,ミクロラスボラ・ブルーネオンの飼育方法について
①お迎え
ブルーネオンは小型美魚の中でも比較的取り扱われている事が多く、お迎えしやすい種類です。
アクアショップやアクアリウムにも力を入れている総合ペットショップでお迎えする事ができます。
近くに熱帯魚を取り扱っているショップがない場合は通販を利用すると早く安全にお迎えできます。
ショップでブルーネオンを見つけた場合は健康チェックの他に「入荷日」もあれば確認しておきましょう。
入荷して間もない個体は体調が不安定で体力もないため、立ち上げが難しくなってしまいます。
ブルーネオンの場合は入荷日から最低でも1週間は空けてから選ぶようにした方が無難です。
また、お迎えする時は必ず健康チェックをします。
⭐通販のメリット!
一昔前までは通販は質が悪いという話が多かったのですが、梱包や運送方法が改善し質の悪い業者が淘汰されるようになったため現在では元気な魚達を安心してお迎えできるようになりました。
そんな通販はメリットも多く、その1つとして「入荷直後の個体は販売していない事」が挙げられます。
②水合わせ、導入
ブルーネオンは環境や水質の変化に弱いため、慎重に水合わせをしてから水槽に導入しなくてはいけません。
まずは30〜45分ほど水槽に浮かべて水温を合わせます。水温を合わせ終わったら袋を開封して中の水を1/5〜1/4取り除き、水槽の水を同量加えます。
水槽の水を加えてから30〜45分ほど様子を見て異常がなければ袋の中の水がほぼ水槽の水になるまでこの行程を繰り返します。
最後の水合わせ後も特に異常が見られなければ、水槽に放ってあげましょう。
水槽に放たれたブルーネオンは環境の変化に驚いている状態なので、最初の頃は群れで水草や流木の影に隠れている事が多いです。
③水槽、フタについて
成長しても3.5cmほどしかないブルーネオンは小型水槽で群れで飼育する事ができます。
使うフィルターにもよりますが、大体の目安として30cm水槽で5〜7匹、45cm水槽で10匹くらい飼育ができます。
混泳を考えている場合は混泳相手の事や遊泳スペースを考えながら、泳がせる匹数を調整するようにしましょう。
フタについてですが、ブルーネオンはコイ科であり、中層を活発に泳ぐ遊泳力が強い種類です。
⭐120cm水槽でも存在感抜群!
小型美魚の悩みと言えば60〜90cm水槽だとまだ観賞しやすいのですが、120cm以上となると存在感が薄れてしまい、相当派手な体色や陽気な性格でない限りは迫力に欠けてしまうというものがあります。
この120cm以上の水槽では大きさや体色のメリハリがあるエンペラーテトラやカージナルテトラなどのカラシンが主で、コイ科の熱帯魚だとブルーアイラスボラやファイヤーラスボラが定番でした。
しかし、ブルーネオンは1匹1匹は小さな輝きかも知れませんが、30匹以上の群泳にするととてつもない存在感を放ちます。
この群泳を作る時に最初はメタリックグリーンが薄い幼魚であったとしても、そこは大切に飼い込むほど体色が揚がるコイ科の仲間です。成長と共に色味を増していき、光輝く大群泳へと変身します。
ブルーネオンが放つのメタリックグリーンは本種にしか出す事ができない唯一無二の輝きであり、実際に群泳を作った飼育者にしか味わう事ができない贅沢な光景です。
④水質、水温について
ブルーネオンは中性〜弱酸性の水質であれば飼育できますが、特に弱酸性の水質を好んでいるため生息環境の再現と色揚げのためにも弱酸性の水質で飼育する事をオススメします。
phとしては5.5〜6.5を大体の目安にし、アルカリ性に傾かないようにしましょう。ちなみにネオンブルーはph4.5までは大丈夫と言われています。
水温に関してですが、23〜26℃くらいであれば問題なく飼育できます。水温を目視できるように、水温計もセットしておくと安心です。
また、水温を安定させるためにオートヒーターやサーモスタット付きヒーターなどを入れて、水温を一定に保つようにしましょう。
■phを下げ過ぎると悪影響が!
ミクロラスボラの仲間の中では低いphを好むブルーネオンですが、この数値が低くなりすぎてしまうと体調に悪影響が出てしまいます。
肌荒れを起こしてしまう他、水質が悪化すればすぐに病気になってしまいますし、目が白濁してしまい視力を失ってしまう事もあります。
⑤底砂について
大磯砂やサンゴ砂のように水質をアルカリ性に傾けてしまう作用がない物であれば、ブルーネオンの飼育に使う事ができます。
⑥フィルターについて
飼育している匹数や水槽の大きさにもよりますが、基本的にどのフィルターも飼育に使う事ができます。
小型水槽であればパワーフィルターや外掛け式フィルターなどが比較的濾過力がありますが、45cm以上の場合は濾過力が高い上部式フィルターや外部式フィルターがオススメです。
■強過ぎる水流はNG!
小型美魚の中でもコイ科とあって遊泳力が強いブルーネオンですが、強過ぎる水流だと流されてしまい無駄に体力を消費してしまいます。
また、水流が強い場合は揚水力も強いため、体力が少ない幼魚だと吸い寄せられてしまう事もあります。
⑦シェルター(隠れ家)について
ブルーネオンは基本的に群れで行動するため、何かに驚いたりしない限りは割りと前面に出て姿を見せてくれる種類です。
⑧水草について
彼らは水草にイタズラしないため相性が非常に良く、水草レイアウト水槽の熱帯魚として選ばれる事も珍しくありません。
「アマゾンソード」や「ピグミーサジタリアス」「マヤカ」「パールグラス」も入手や栽培がしやすい水草ですが、故郷に合わせて「ミクロソリウム」や「クリプトコリネ」「タイ・ニムファ」「タイガーロータス」も育てやすく美しい水草です。
「タイ・ニムファ」や「リスノシッポ」のように赤く染まる水草は水景のワンポイントになり、ブルーネオンのメタリックな色合いを引き立ててくれます。
⭐ちょっと高級な水草が欲しい方には「ブセファンドラ」がオススメ!
こちらも東南アジア原産の水草ですが、採集された場所によって色味や葉の質感が異なるため高い人気があります。
一部の種類は「組織培養」されているため他の水草よりは少し高価ではありますが、比較的手に入りやすくなっています。
また、アヌビアスのように「サトイモ科」に分類されているブセファンドラは石や流木に活着させる事もできるます。
Q,水草を上手く育てるにはどうしたら良いの?
A,ライトや底砂、肥料を上手く使いましょう。
状態良く手入れされた水草水槽は美しく、誰もが一度は憧れを抱く事でしょう。
しかし、水質や手入れが良くないと苔むして枯れてしまう事も少なくありません。
せっかく水草を植えたのに上手く育たない場合はライトの種類や日照時間を変えてみたり、水草用の肥料を使ってみてください。
水草用肥料には固形タイプ、液体タイプがあり、水草水槽に使われやすいソイルは水草のための栄養を添加済みだったりします。
固形タイプは水草の根から数cm離した所に入れる事でゆっくりと栄養を溶け込ましていきます。
液体タイプの場合は吸収率が高いため「アマゾンチドメグサ」のように水中にも根を出す水草やクロロフィルが少なくなって白っぽくなってしまった水草に対する栄養補給にも使えます。
ただし、入れすぎると逆に水草を枯らしたりコケを殖やす原因になってしまうため、使用量の目安を確認して使うようにしましょう。
⭐初めてのCO2添加に不安な方にはコレ!
CO2は水草水槽を作るためにはかなり重要であり、リスノシッポやウォーターマッシュルームなどはCO2や液肥の添加があった方が状態良く成長できます。
しかし、CO2の添加は間違ってしまうと水槽の環境が悪くなってしまい、魚達が死んでしまうという事故も起きてしまうため添加したいけど不安という方も少なくありません。
そこで筆者がオススメするのが「CO2タブレット」です。
これには「水草CO2ブロック」「水草一番CO2ブロック」「水草のためのCO2タブレット」など様々な商品が販売されており、パッケージに書かれている使用量の目安を守れば誰でも簡単にCO2を添加する事ができます。
また、テトラからは液体タイプの「CO2プラス」という商品が販売されており、こちらも手軽に使う事ができます。
⑨照明(ライト)について
観賞魚用のライトであれば特に問題はありません。
現在は様々なライトが販売されており「クリアLEDパワー」なども明るさや寿命の長さから、あらゆる熱帯魚や日淡の照明としてオススメしています。
ブルーネオンの場合は明るいライトより、敢えてやや暗めのライトの方が個人的にオススメで、ブルー寄りの照明だとメタリックグリーンの体色と背中のブルーが引き立ち、ネオンブルーの良さをより実感していただけると思います。
⑩混泳について
ブルーネオンは大人しい性格をしているため、肉食性が強い種類や気が強い種類でなければ混泳させる事ができます。
チョコレートグラミーやピグミーグラミー、ネオンテトラやレモンテトラ、コリドラス、オトシンクルスなど様々な種類を混泳相手として選べるため、逆に混泳相手に悩んでしまいます。
⑪給餌について
ネオンブルーは人工飼料にも慣れやすいため餌の種類で悩む事はそうそうありません。
むしろ、口の大きさに合わせて餌を与える事が長期飼育の秘訣と言えます。
餌として顆粒タイプや細かいフレークタイプの人工飼料、乾燥ミジンコ、冷凍ブラインシュリンプベビーやコペポーダ、アカムシなどを良く食べてくれます。
特に冷凍アカムシやイトミミズを与える場合は注意が必要で、ブルーネオンの大きさや冷凍飼料の太さによっては上手く食べられない事があるので与える前にハサミで細かく切ってあげるようにしましょう。
給餌の感覚ですが、1日2回数分で食べきれる量を与えます。目安としては餌を少しずつ与え、ブルーネオン達のお腹が軽くポッコリしたくらいに留めておくと良いでしょう。
人工飼料は水を吸って若干膨らむため、お腹がパンパンになるまで与えてしまうとしばらく経ってから餌を吐き出してしまいます。
また、混泳水槽の場合は餌に集まり過ぎて、ちゃんと餌が食べれているか分かりにくい事があります。
この対策として、底生のコリドラスやボティアには底モノ用の沈下性フードを与え、中〜上層を泳ぐネオンブルー達には少しずつ餌を与えていきます。
そうする事でコリドラス達も餌を食べれますし、ネオンブルー達も満腹になった個体から少しずつ餌から離れていくため、食べていない個体を確認しやすくなります。
⑫水換え、水槽掃除について
水槽の大きさや汚れ具合、飼育している匹数にもよりますが大体1週間〜10日に1度、1/4〜1/2の量の水換えと水槽掃除を行います。
特に水量が少ない小型水槽の場合はレギュラー水槽より水換えや水槽掃除を定期的にしないと病気が出やすくなってしまうため注意が必要です。
まず、飼育器具の電源を切ります。次にライトやフタ、水温計を外して安全な場所に移動させます。
この時ライトが消えた事でネオンブルー達がパニックになる事があるため飛び出しには注意しなければなりません。
掃除の準備ができたら、水槽壁面のヌメリや茶ゴケなどの汚れを落としていきます。メラミンスポンジやスクレーパー、コケクロスなどで簡単に擦り落とす事ができるので、どれか1つは持っていると掃除が捗ります。
壁面掃除が終わったらレイアウトに使っている石や流木に付いた汚れを掃除します。レイアウトに変更がない場合は歯ブラシなどで汚れている部分を掃除がしますが、レイアウトに変更がある場合は一度水槽から出してからタワシなどで掃除しましょう。
レイアウトしている水草が伸びすぎていたり、枯れ葉やコケが目立つ場合はトリミングをして長さを揃えたり枯れ葉を取り除きます。
トリミングは市販のハサミでもできますが、水槽を見ながらより細かく手入れしたい場合はアクアリウム専用のトリミングバサミがオススメです。
ネオンブルーは緑系の熱帯魚ではありますが、トリミングをする時に水草から上手く逃げる事が多いのでハサミで傷付けてしまったという事は少ないですが、トリミングで出た不要な葉を回収する時に誤ってネットで掬ってしまう事があるため葉の回収には注意しましょう。
また、トリミングで出た不要な葉は必ず燃えるゴミとして処分し、決して野外に捨てないでください。
近年帰化してしまった水草が問題となっており、その多くが野外に捨てられてしまった事が原因と言われています。
水槽内の掃除や水草のトリミングが終わったら、フィルターに揚水パイプがある場合は取り外し、専用のブラシで中の汚れを落とします。
投げ込み式フィルターやパワーフィルターなどの一体型濾過材の場合は目詰まりを改善するために飼育水で優しく洗います。
上部式フィルター、外部式フィルターの場合は飼育水でウールマットを優しく洗い、汚れを落とします。
これらの一体型濾過材、物理濾過材は汚れや傷みが酷くなったり濾過力が落ちて来た場合は新しい物と交換しましょう。
大体の掃除が終わったら、水槽の底に溜まった汚れをクリーナーパイプを使って水ごと排出します。
この時ネオンブルー達にクリーナーパイプを近付け過ぎて吸い込まないように注意が必要です。
水の排出が終わったら、あらかじめ用意しておいた新しい水を水槽に足していきます。この水は必ずカルキ抜きと水温合わせを済ませましょう。
水の足し方ですが、一番簡単なのはカップで水を汲み、水槽の壁面を伝わせて静かに足す方法です。
他にも底砂にお皿を置いて、そこに水を足していく方法や水面にビニールを敷いてその上から水を足す方法などがあります。
水を足し終わったら揚水パイプを取り付け、フタやライトを設置して飼育器具の電源を入れたら水槽掃除と水換えは終了です。
上部式フィルターと外部式フィルターの生物濾過槽についてですが、2週間に一度、飼育水で軽く洗って溜まった汚れを落とします。
生物濾過材は商品によって交換目安が違うため、自分が使っている濾過材の交換目安を把握しておくようにしましょう。
4,ミクロラスボラ・ブルーネオンがかかりやすい病気と治療方法について
要点さえ押さえてしまえば飼育しやすい種類ではありますが、飼育環境が悪いとすぐに病気にかかってしまい短命に終わってしまう事があります。
①痩せ過ぎ
ブルーネオンが幼魚の頃や、上手く餌が食べれない時に起きやすい病気です。腹骨が浮き上がるだけでなく、背中の肉も落ちてしまい非常に危険な状態です。
治療方法としては、ブラインシュリンプベビーやイトミミズなどの栄養価が高い餌を与え、食べさせる事です。
ブルーネオンは小さい分体力がないため、放置しておくと餌が食べられなくなるほど弱ってしまいます。
日々の観察で「何か骨が浮いてきたような」と違和感を感じたらすぐに栄養価の高い餌を食べさせるようにしましょう。
②コショウ病(ベルベット病、ウーディニウム症)
体表に白〜淡黄色の粉状の付着物が現れる病気で、ネオンブルーの場合は白点病よりコショウ病にかかりやすい面があります。
特に幼魚の頃や入荷、導入間もない頃にかかりやすく、水質が悪化すると徐々に付着物が現れる事があります。
コショウ病は主に水質悪化や病気の魚を導入してしまった事が原因ですが、定期的に水換えや水槽、フィルターの掃除をする事で予防する事ができる病気としても知られています。
治療方法ですが、ネオンブルーは塩分に弱いため薬浴をします。使う薬品はメチレンブルー、マラカイトグリーン、グリーンF系です。
病魚を治療用水槽に移したら規定量の薬品を投薬して治療を開始します。治療中は5〜7日に一度、半分の水換えをしてから新たに投薬します。
③白点病
病気の常連とも言える白点病は、体表に白い粒々が現れる病気です。粒が大きいため前述したコショウ病と見分ける事ができます。
白点病は放っておくと少しずつ数が増えていき、仕舞いにはエラなどを塞いで魚を殺してしまいます。
また、白点は痒いのか、病魚は流木や底砂に体を擦り付けるようになり、そこで付いた傷が新たな病気の原因になる事があるため油断は禁物です。
原因は水温の急変や水質悪化などが挙げられます。
治療は薬浴を行い、使う薬品はグリーンF系、メチレンブルー、マラカイトグリーン、アグテンです。
病魚を治療用水槽に移し、規定量を投薬して治療を開始します。
水換えの間隔は使った薬品によって違い、アグテンの場合は3日に一度、メチレンブルーとマラカイトグリーン、グリーンFの場合は一週間に一度、グリーンF系の中でも「グリーンFクリアー」は2週間に一度、半分の水換えをして新たに投薬します。
④エロモナス病
松かさ病やポップアイなどの病名を持つ悪名高き病気ですが、原因となるエロモナス菌は常在菌なのでいかに良い飼育環境で健康に飼育できているかが試される病気でもあります。
初期症状では体表の至る所に充血が見られ、症状の進行と共にウロコが逆立つようになったり目が飛び出してしまいます。
発生原因ですが、水の腐敗や古い餌を食べてしまった事、病気の魚を導入してしまった事、水質悪化による免疫機能の低下などが挙げられます。
特にネオンブルーは充血やウロコの逆立ちが見つけづらいため注意が必要です。
治療は薬浴を行い、使う薬品は観パラD、パラザンD、エルバージュ、グリーンFゴールドです。
病魚を治療用水槽に移したら規定量の薬品を投薬して治療を開始します。治療中は3〜5日に一度、半分の水換えをして新たに投薬します。これを体表のウロコが治り、充血もなくなって泳げるようになるまで続けます。
5,ミクロラスボラ・ブルーネオンの繁殖について
意外かも知れませんが、ブルーネオンは水草レイアウト水槽で群泳させていると知らない内に繁殖している事があります。
①雌雄判別について
ネオンブルーには大きな雌雄差がないため、幼魚の時に判別するのは難しいです。
〜♠️オスの特徴♠️〜
- 体型がスレンダー。
- 成熟するとヒレをキビキビ動かしながらメスにアピールする。
〜♥️メスの特徴♥️〜
- オスよりお腹がふっくらしている。
- 体型が少し丸みを帯びている。
②繁殖形態について
ブルーネオンは水草やウィローモスなどの根元に卵を産み付けます。
③稚魚のお世話について
ブルーネオンを繁殖専用の水槽で殖やしたという話はあまり聞きませんが、水草レイアウト水槽でブルーネオンを群泳させていると自然繁殖する事があります。
ブルーネオン自体がとても小さいため、卵だけでなく稚魚もかなり小さい事が想定されます。
この稚魚の生存確率を水槽内の水草が左右しており、隠れ家の役割を果たしたり水槽に自然に沸いた微生物が稚魚の餌となるようです。
④繁殖用水槽について
ブルーネオンは自然繁殖がほとんどですが、雌雄判別ができ、オスのアピールを確認できたら繁殖用水槽を立ち上げ、数ペアを移動させてみても良いでしょう。
⑤孵卵、稚魚お世話中の水温について
自然繁殖する熱帯魚なので、孵卵中の水温は親魚の飼育環境と同じくらいで良いでしょう。
まとめ
今回はメタリックグリーンの小型美魚「ミクロラスボラ・ブルーネオン」について皆様にご紹介させていただきました。
ブルーネオンは弱酸性のキレイな水を好んでいるため、いかに彼ら好みの環境を作れるかがかなりポイントになってくる熱帯魚です。
しかし、一度飼育環境に慣れれば、口の大きさに合わせた餌を与え、水質や水温を急変させるような事がない限りは意外と丈夫な面もあるため、本当に最初の導入と水質さえ気を付ければ本種でしか見られない緑色の輝きを眺める事ができます。
また、ネオンブルーの群泳はメタリックグリーンと背中のブルーが水草や流木に良く映え、1つの生き物のように動く群れはいつでも眺めていたくなるような妖しい美しさに満ち溢れています。