ブラインシュリンプとは
ブラインシュリンプとは
正式名称:アルテミア・サリーナと呼ばれる塩水に住むものすごく小さなエビの仲間です。
稚魚用のベビーフードとして有名で、卵を購入するほか、そのままブラインシュリンプを育てて繁殖することもできます。
筆者が今回使用したのは「テトラ ブラインシュリンプエッグ」です。
ブラインシュリンプは稚魚に与えるフードとして最適です。
また、親魚も食べることができ「高栄養価で色揚げ効果も期待できる活餌」ということで、飼育している淡水魚たちにこのブラインシュリンプを与えることにしました。
ただ、この卵で購入するブラインシュリンプは卵から孵す(沸かす)のにちょっと苦労が必要です。
できるだけ設備投資をせずに、少量を頻回に稚魚に与える方法を調べた結果、
「皿式」という、今回の条件にぴったりの方法があることがわかり、早速挑戦しました。
今回挑戦したのはこのブラインシュリンプを沸かす方法の“皿式”と呼ばれている、簡単な方法です!
ブラインシュリンプ皿式とは?
皿式と呼ばれるブラインシュリンプを沸かせるための方法は、
どこにでもあるお菓子のトレイと食塩さえあれば出来るので簡単です!
早速手順を紹介してまいります。
ブラインシュリンプ皿式に必要なもの・環境・手順
①孵化するための容器
通常、シャーレや浅いトレイを使います。
筆者はお菓子の袋に入っていた薄手の透明なトレイ(16㎝×20㎝×深さ4㎝)を使うことにしました。
※お煎餅とかに入っているアレです。
薄いトレイであれば、イチゴのパックやタッパーなどなんでも良いのですが、
不要になった時に捨てやすいのでお菓子トレイはお勧めです。
②2~3%の塩水
2Ⅼのペットボトルに浄水器の水1Ⅼ+「瀬戸のあら塩」20g
を入れて、よく振って溶かします。
水も塩もご自宅の台所にあるもので大丈夫です。
塩水は1回200㏄位しか使わないので、一度調整したものを何度か分けて使うことができます。
※塩水はペットボトルに作り置きしておくと次回簡単でいいです。
③水温:25~28度
水温を25~28度くらいで調整します。
夏場では室温が26~30度位になりますので、室内で孵化させることができます。
冬場はヒーターなどを使用しましょう。
④テトラブラインシュリンプエッグ
耳かきくらいのスプーンで3杯分をいれます。
一度にいれるブラインシュリンプの量が多すぎると、孵化したときに幼生が酸素不足になって死んでしまう可能性もございます。適量で。
お値段は500円ほどです。
⑤エアーポンプは使用しないでOK
トレイの場合は、空気に触れる水面が多いです。
水面から空気中の酸素が勝手に作成した食塩水の中に溶け込むので、水深を浅くしておくだけで大丈夫です。
ペットボトルや専用ケースの場合、エアレーションが必要になりますが、
皿式ではエアレーションは要りません。これも皿式の良いところですね。
⑥そのまま一日放置
塩水をトレイの深さ1センチ位まで入れ、ブラインシュリンプエッグをいれます。
トレイを前後左右にゆすってよく混ぜます。スポイトなどを使って攪拌しても大丈夫です。
筆者は手元に良い感じのものがなかったので、トレイを発泡スチロールの板に置いて板ごとゆさぶって混ぜることにしました。
そのまま部屋の隅に放置し、20時間から30時間で、ブラインシュリンプが孵化します。
ブラインシュリンプは光に集まる習性があるので、
トレイを窓辺に置くと孵化した幼生が明るい窓のほうに集まり、塩水が濃いオレンジ色になります。
この集まったブラインシュリンプをスポイトで掬っていきます。
⑦スポイトで与えていく
オレンジ色の部分(ブラインシュリンプの幼生)を塩水ごとスポイトで吸い出し稚魚に与えます。
塩水を稚魚のいる水槽に入れたくない場合などは、
- 目の細かいネット
- 紅茶の茶こし機
- コーヒーフィルター
のようなもので、一度ブラインシュリンプの入った食塩水ごと水道水にさらして食塩を落とします。
また、ブラインシュリンプの殻はなるべく吸い込まないようにしましょう。
卵の殻まで一緒に吸い出してしまうと、幼生と一緒に殻も水槽に入れることになり、
その稚魚水槽の水質悪化の原因になってしまいます。
皿式とほかの方法の比較
皿式では少量の幼生を沸かすことができ、セッティングも簡単なので、忙しい日々において、新鮮な幼生を毎日魚に与えることができます。
大量に幼生を沸かしてしまうと、
- 冷凍保存するか(面倒くさい)
- すべて魚に与えるか(魚が太る)
- 捨てるか(もったいない)
ということになります。
こちらの方法だとブラインシュリンプの孵化が不要になったとき、お菓子のトレイを捨てるだけなので片付けが簡単です。
エアーポンプや孵化器といった、専用器具も不要です。
最後に
従来やっていた、ペットボトルによるベランダでのブラインシュリンプ孵化に変えて今年は、「皿式」に挑戦してみました。
皿式は
- エアレーションなし
- 少量ごと何度でも好きなだけ作れ
る簡単な方法です。
稚魚が孵ったばかりのアクアリウムの方にはこのブラインシュリンプ・皿式をお勧めいたします。