はじめに
どんなに大切に飼育されている魚達でもちょっとしたキッカケで病気になってしまう事があります。
例えば
- 水温の急変
- 水質の悪化
- 寄生虫や病魚を水槽に持ち込んでしまう
など、その原因は様々です。
今回は大切な魚達を襲う病気の種類や特徴と治療方法についてご紹介したいと思います。
便利なアイテムや病気の要因等も記事に盛り込みました。
何故病気になってしまうの?
魚達はほんの些細なキッカケで病気になってしまう事があります。
水温の急変、あるいは水温が適温ではない
飼っている魚達の種類の適温を知り、水温を一定に保つことは飼育の基本であり、とても大切な事です。
水温の変化に強い種類もいますが、多くの種類がダメージを負ってしまいます。
寒い→暖かい→寒いが何度も繰り返されたら体力を奪われて弱り、病気になってしまいます。
また魚達には種類によって適温があり、これより高過ぎたり低すぎたりすると体力を減らし、弱ってしまいます。
この弱ったスキをついて病気が発生してしまうのです。
よく聞く水温の急変の例は、ヒーターの故障によって水温を保てなくなってしまうという例です。
最近では最初から温度が設定されているヒーターもあるためかなり重宝しますが、ヒーターにも寿命があるので1〜2年程使ったら新しい物に買い換えるようにするとこのような事故は起きにくくなります。
また、サーモスタットという、ヒーターと組み合わせる事で細かく水温調整が可能な物もあります。
この場合はヒーターが壊れてもヒーターの部分だけ取り替えれば良いのですが、一体型のタイプはヒーターが壊れると全体がダメになってしまい水温を維持する事ができなくなります。
水換え等のメンテナンスの際には必ず壊れていないか確認するようにしましょう。
水質の悪化
餌の与え過ぎや水換えをサボってしまうと水槽内にアンモニア等の有害物質が蓄積してしまったり、良くない細菌が繁殖してしまいます。
また、過密飼育をすると魚もストレスが溜まったり、水の汚れが早くなってしまいます。
有害物質によって体が弱ってしまったところに病原菌が付いて病気が発生してしまうので、水換え等のメンテナンスはサボらないようにしましょう。
自然界から切り取られた彼らの世界は、今暮らしている水槽の中だけなのです。
ケガをしてしまった
これはアベニーパファーの記事の時も紹介しましたが、ケガをした事によってその傷口から細菌感染する事があります。
ケガにも様々な要因があり、ケンカやイジメ、レイアウトアイテムにぶつかってしまった、さらには網で掬われた事等があります。
あまり尖ったレイアウトアイテムは魚が何かに驚いた拍子にぶつかる事があるため使わない方が無難です。
また、「網で掬ってケガ」に納得しない方もいると思うので補足します。傷みが酷く、毛羽立った古い網は新しい物に買い換えた方が良いです。
現に体を守るための鱗や粘膜の一部が剥がれてしまい、そこから病気になってしまったケースもあるので甘く見ない方が良いです。
病気の魚を入れてしまった
最近ではなかなか無い事だと思いますが、可能性は0ではありません。
群泳のために複数匹買った時に病気の魚が紛れ込んでいる事があります。
これを防ぐには店員任せにせず、自分の目でしっかり健康な個体を見抜き、選ぶ事が重要です。
また、購入しようとした魚の入った水槽で全体を見た時に病気の兆候がある個体が多かった場合は買うのを諦めましょう。
無理に連れ帰ると水槽内に病気を持ち込む可能性が高くなり、大事な魚達が病に倒れてしまう事も少なくありません。
これは私のやり方ですが、ショップの方と仲良くなって自分の欲しい個体を自分で掬わせてもらっています。
これで最低限病気の魚を水槽に持ち込むという事はありません。
これは病気なの?健康チェックポイント
大切な魚達が健康であるか、その観察のポイントを紹介していきたいと思います。
このポイントを覚えれば、新しい魚を迎え入れる時に元気な個体を選ぶ事ができ、病気の個体を水槽に持ち込む可能性を大幅に減らす事ができます。
泳ぎ方はおかしくないか?
元気なくフラフラと泳いだり、小刻みに震えて痙攣したりしている魚は病気か寄生虫感染の可能性があります。
目は大丈夫?
意外と見落としがちなのですが、目も大事なチェックポイントです。白っぽく濁っていたり、飛び出している場合は注意が必要です。
体の表面は大丈夫?
一番見やすい部分ですが、白い点や粉のような物や付着物がないか確認します。
口は大丈夫?
口も見落としやすいポイントです。口の周りに付着物が付いていたり、爛れている場合は注意が必要です。
ヒレ、エラは大丈夫?
ヒレをたたんでいたり、エラがあまり動かなかったり、あるいは異常に呼吸が早かったりした場合は注意が必要です。
餌食いは大丈夫?
餌の時に元気よくちゃんと食べてくれているか、しっかり観察しましょう。
病気の種類、特徴、治療方法について
白点病
アクアリウムの世界では有名な病気で、白点虫という原虫が寄生する事で起きる病気です。
体表やヒレ、エラ等に白い小さな点が出現しますが、放っておくと点の数がどんどん増えていき最終的には弱って死んでしまいます。
また、不快感があるらしく、かかった魚も白点虫を落とそうと体を流木や底砂に擦り付けてしまい、擦り傷ができて細菌感染症を発症する事もある厄介な病気です。
治療方法
白点病は重症化されると非常に厄介で水温を上げる方法は治療にかなりの時間を使うため、魚病薬による治療方法を紹介します。
白点病は意外としつこく、完治まで2〜3週間以上かかる事があります。メチレンブルーやグリーンF、マラカイトグリーンでの薬浴は最低でも一週間に一度、半分の水換えをし、新たに薬を投薬します。
グリーンF系の中でもグリーンFクリアーは二週間に一度、アグテンの場合は3日に一度くらいの感覚で半分の水換えを行い、新たに投薬して薬浴します。
これを体の白点がなくなり、再発しなくなるまで続けます。
まだ点の数が少ない初期症状の場合は10Lに対し50gの塩を混ぜて作った塩水で塩水浴をする事で塩水浴をする事でゆっくりと治療する事ができます。
この方法は卵生メダカ等の塩分に強い種類が多く、薬品に弱い魚によく使われています。
ナマズの仲間や一部の薬品に弱い魚の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
ウーディニウム症(別名:コショウ病、ベルベット病)
こちらも有名な病気の一つで、病気にかかった魚の体に白コショウの粉末でもまぶしたかのような乳白色〜薄黄色っぽい粉のような物が付着しているのが特徴です。
また、かかった魚はヒレをたたんで力なく泳いだり、体をプルプルと震わせたりします。白点病とは違い、「点々」ではないため容易に判別ができます。
発症のキッカケは水質悪化や病気の魚を持ち込んでしまう事等が挙げられますが、逆に水槽やフィルターの掃除をしっかりしていれば病魚を持ち込まない限りそうそう発症しない病気でもあります。
病気の原因になっているのはウーディニウムという鞭毛虫で、魚の体表やヒレ、エラ等に寄生する事で発症します。
治療方法
グリーンF系の魚病薬やマラカイトグリーン、メチレンブルーを投薬し、薬浴します。
ウーディニウムは塩分にも弱いため、初期症状の時や若干の塩分に強い種類の魚には10Lの水に対し、30〜50gの塩を混ぜて塩水を作り、塩水浴をする事で治療する事もできます。
また、塩水とマラカイトグリーン等の魚病薬を併用する事でよりスムーズに治療する事もできます。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類は、規定量の1/5〜1/2の量の魚病薬を様子を見ながら投薬し、薬浴をします。
カラムナリス症(尾腐れ病)
この名前で記載したのは今回の記事で初めてですが、以前の記事でも別の病名で紹介しています。
この病気は症状の出た部位によって呼び方が変わり、尾腐れ病、口腐れ病、エラ腐れ病等があります。
初期症状は魚体の一部に白〜黄色っぽい物が付着したかのように見え、充血も確認できます。
尾腐れ病の症状は、感染した尾ビレが溶け始め、次第に裂けてボロボロになっていき弱々しく水面を漂うようになり、やがて死に至ります。
他の部位でもその症状は酷く、口やエラのある頭部は爛れたようにボロボロになって死に至ってしまう恐ろしい病気です。
また、ケンカ等による外傷から感染する事も知られています。
発症の原因はカラムナリスという細菌に感染する事で発症します。
感染力が強く、病気の進行も早いため、かかると死亡率も高い非常に厄介な細菌です。
治療方法
細菌であるという特徴を逆手にとって、塩分に強い種類の魚であれば塩分濃度1%以上の塩水で塩水浴をさせる方法があります。
これは細菌の1%以上塩分濃度のあるところでは発育できないという弱点を突いた方法です。
しかし、全ての魚達に使える方法ではないため、薬浴には観パラDやグリーンFゴールド、グリーンF、パラザンD等の魚病薬を使います。
5〜7日に一度、半分の量の水換えを行い、再び投薬して薬浴をします。
これを患部の症状をよく観察し、患部の付着物が消滅し、ヒレが再生したり、口やエラ等も再生するまで行います。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類には魚病薬を規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し薬浴します。
水カビ病(別名:綿カビ病、綿かぶり病)
その名の通り、魚の体に水カビが着生した事によって起こる病気です。
体内にカビの菌糸が入り込むため、患部が白く爛れたようになるのも大きな特徴です。放っておくとカビにどんどん体を蝕まれ、生きながらに体をボロボロに分解されて死んでしまいます。あまりにも残酷です。
発症のキッカケは餌の与え過ぎや餌の残りを放置した事により水カビを発生させてしまった事が大きいです。
また、生物濾過やバクテリアが機能していないと残った餌が分解されずにカビてしまうため、水槽内の環境や水質にも問題があると言っても良いです。
発症の原因は発生した水カビの浮遊していた物がケンカ等でできた魚体の傷口に付着、そこから繁殖する事で発症します。
治療方法
着生したカビの量が少なく、ヒレの先のように局部的だったりした場合はピンセット等で取り除いてから薬浴をしたり、薄めた魚病薬を塗布します。
着生範囲が広い場合は、菌糸もより深く体内に入り込んでいるため引きちぎるような事はせず、すぐに薬浴をします。
また、ハサミ等で魚体に着生した水カビのフサフサした部分を切り落としてから薬浴や塗布をするのも効果的です。
薬浴にはマラカイトグリーンやメチレンブルー、グリーンF系の魚病薬やアグテン等を投薬します。
5〜7日に一度、半分くらいの量の水換えを行い、再び投薬して薬浴をします。着生した水カビはかなりしつこく、治療にもかなりの時間を必要とします。
また、治療用に使う水を塩分濃度0.3〜0.5%の塩水にする事で治療中の個体の浸透圧調整を促し、体力の回復を助ける事ができます。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
薬浴は着生した水カビが消滅し、菌糸の入っていた患部が再生するまで行います。
松かさ病
非常に悪名高い細菌感染症で知られています。
特徴は発症した個体の鱗の下に分泌液が溜まった事により鱗が逆立って膨らみ、まるで松かさのようになってしまいます。
初期症状では体表の数ヶ所に充血も確認する事ができます。
この充血は病気の進行に伴い範囲も広くなります。病気の進行は早く、あっという間に鱗が逆立ってしまいます。
発症のキッカケは水の腐敗による水質の悪化や体力と免疫力の低下、病気の魚を持ち込んでしまった事等が挙げられますが、古い餌を食べた事で発症する事もあります。
治療方法
非常に死亡率が高く、治療に長い期間が必要です。
水換えの頻度を増やし、キレイな水質を保つ事が感染を防ぐ方法です。
治療にはグリーンFゴールドや観パラD、パラザンD、エルバージュ等の魚病薬を投薬して薬浴します。
3〜5日に一度、半分の量の水換えを行い、再び投薬して薬浴をします。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
非常にしぶとい病気で、病気の完治まで2ヶ月近くかかる事もあります。
ポップアイ
こちらは最近見なくなってきましたが、かかる可能性は充分ありますので紹介します。
この病気の最大の特徴は目が大きく飛び出したようになる事です。
視界が悪くなるのか餌を発見できず食べられなくなってさらに体力を落としてしまったり、目が取れてしまう事もあります。
発症のキッカケは水の腐敗による水質の悪化が主な原因です。
発症の原因は松かさ病の原因と同じ細菌であるエロモナス・ハイドロフィラです。感染する場所が鱗の下ではなく、ポップアイの場合は目の下の部分となっています。
治療方法
こちらもエロモナス症の一種という事もあり、治療には長い時間が必要です。
グリーンFゴールドやエルバージュ等の魚病薬を投薬して薬浴をします。3〜5日に一度、半分の量の水換えを行い、再び投薬して薬浴をします。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
目の飛び出し具合にもよりますが、早い段階で治療ができれば治せない病気ではありません。
穴あき病
その名の通り、鱗が剥がれ落ちて剥き出しの体に穴が空いたようになる病気です。
初期段階では鱗が白くなり剥がれ落ちます。
鱗が剥がれただけでも痛々しいのに、鱗の下の組織が溶けたように穴が空いて筋肉組織が剥き出しの状態になってしまいます。
発症のキッカケは水の腐敗による水質の悪化や、病気の魚を持ち込んでしまった事、古い餌を食べてしまった事等が挙げられます。
発症の原因はエロモナス・サルモニシダという細菌が全身に感染する事で起こります。穴あき病、松かさ病、ポップアイはエロモナス菌が原因で引き起こされ、そのどれもが悪い水質の水で飼育された事が大きなキッカケとなっているため、常にキレイな水を保つ事が最大の防止策となっています。
治療方法
観パラDやグリーンFゴールド、パラザンD、エルバージュ等の魚病薬を投薬して薬浴をします。
また、水槽の水を塩分濃度0.3〜0.5%の塩水にする事で浸透圧の調整を助け、病魚の体力回復を促す事ができます。
3〜5日に一度、半分の量の水換えを行い、再び投薬して薬浴を行います。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
ツリガネムシ病(別名:エピスティリス症)
初期段階は魚の体表に白点病より少し大きめの白点が見られます。
病気が進行するにつれて患部は盛り上がって充血し、鱗が剥がれ落ちて筋肉組織が見えるようになります。
穴あき病とよく似た症状のため判断が難しいですが、ヒレにも白い細かな付着物が見られる症状があります。
発症のキッカケは水質の悪化や病気の魚を持ち込んでしまった事が挙げられます。
発症の原因はツリガネムシ(エピスティリス)という原生動物が着生する事で起こります。
治療方法
ニューグリーンFやグリーンFクリアー等のグリーンF系やアグテン等の魚病薬を投薬し、薬浴します。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
吸虫病(別名:ダクチロギルス症、ギロダクチルス症)
熱帯魚だけでなく、日本淡水魚にもよく見られる病気です。
エラブタの動きが早く、体の動きが鈍くなってしまうという症状が特徴です。この病気にかかった魚は何とか寄生虫を落とそうと、体やエラブタをレイアウトアイテムや底砂に擦り付けます。
発症のキッカケは病気の魚を持ち込んでしまった事が挙げられます。
発症の原因は吸虫がエラの中に寄生する事で起こります。エラに吸虫が寄生するとエラブタが膨れ、閉まらなくなります。
さらに寄生虫が増えてしまうとエラが塞がれてしまい呼吸困難になって死んでしまいます。
治療方法
リフィッシュという寄生虫駆除薬による薬浴が効果的ですが、副作用があるため熱帯魚に使うのは非常にリスクがあります。
こちらは鯉や金魚等の丈夫な種類に使います。
熱帯魚にはトロピカルNを投薬して薬浴をします。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類には規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
イカリムシ病
金魚や鯉、大型熱帯魚等によく見られる寄生虫が原因で起こる病気です。体のあちこちに短いヒモのような寄生虫が飛び出しているため、かなり分かりやすい病気です。
イカリ型の頭部が魚体に食い込んでいるため、その周囲には充血が見られる事があります。
治療方法
実は体から飛び出している成虫には寄生虫駆除薬が効かないため、まずはピンセット等で引き抜く必要があります。
この時引っ張り過ぎてイカリムシの体が千切れて頭部が魚体に残ってしまうと、そこから新しい体が生えてしまうため慎重に引き抜く必要があります。
成虫の除去が終わったら、幼虫の除去のために2週間置きに2〜3回寄生虫駆除薬による薬浴を行います。リフィッシュは金魚や鯉に使いますが、熱帯魚にはトロピカルNを使います。
ウオジラミ症(チョウ症)
ウオジラミという0.5〜1cm程の大きさの円盤型の体をした寄生虫が魚の体表に寄生する病気です。
目に見えるのは成虫で、ウオジラミは寄生した魚から吸血するため患部はうっすらと充血していたり、栄養分を奪われているためヒレが白っぽく濁ったりします。
発症のキッカケは寄生された魚を持ち込んでしまった事が挙げられます。
イカリムシと同じように、大型肉食魚の飼育のために与えている小赤が寄生されている場合があります。
発症すると寄生虫を落とそうと体を底砂やレイアウトアイテムに擦り付ける行動をとります。
治療方法
イカリムシと同じように成虫には寄生虫駆除薬が効かないため、ピンセット等で取り除く必要があります。
ウオジラミの除去が終わったら寄生虫駆除薬を投薬して薬浴します。リフィッシュは成虫、幼虫に効きますが使える魚の種類が限られるため、熱帯魚にはトロピカルNを投薬し薬浴します。
ナマズの仲間や薬品に弱い種類の場合は規定量の1/5〜1/2の量を様子を見ながら投薬し、薬浴します。
様々な魚病薬の種類
メチレンブルー
白点病、尾腐れ病、水カビ病の治療に効能があります。
青色の水溶液で、薬浴する水量に合わせて投薬します。
ニューグリーンF
白点病、尾腐れ病、水カビ病、外傷細菌性感染症の治療に効能があります。
市販の胃腸薬のように包まれていたり、ボトルに入れられて売られています。
アグテン
白点病、尾腐れ病、水カビ病に効能があります。
グリーンFゴールド
尾腐れ病や細菌感染症、擦り傷等の外傷に効能があります。
エルバージュエース
尾腐れ病、松かさ病、カラムナリス症、擦り傷等の外傷治療に効能があります。
厄介極まりないカラムナリスとエロモナスに対処する事ができるため、常備しておくとすぐに治療する事ができます。
観パラD
穴あき病や松かさ病等はエロモナス症に効能があります。
トロピカルN
ウオジラミやイカリムシ等の寄生虫に効能があります。同じく寄生虫に効能があるリフィッシュと違い副作用がなく、熱帯魚にも使えるため常備しておけば、急な寄生虫感染に対処する事ができます。
塩
と思う方もいると思いますが、塩分濃度0.3〜0.5%の塩水で塩水浴をするだけで初期段階の白点病やウーディニウム症を治療する事もできます。
また、浸透圧を調整する腎臓の負担を軽減させて体力回復を促したり、殺菌効果も併せ持ちます。
魚病薬の注意点について
確かに魚病に対して効能がありますが、その多くは強力な薬品が多く、規定量を間違えると魚達にとって毒となってしまいます。
早く治したいのは分かりますが、焦って多く薬を投薬する事は止めましょう。
また、病気が発生した水槽にそのまま使える魚病薬もありますが、基本的に病魚を隔離して使う物が殆どです。
そのまま水槽に使えるタイプであったとしても、その水槽にエビや貝等の無脊椎動物がいる場合は使うのを止めた方が無難です。
魚病薬は治療にとても便利ですが、薬品である事を忘れてはいけません。
何で別の水槽にも病気が…?
あるアイテムで病気を拡散させている可能性が!
複数水槽を持っている方にたまにある事ですが、最初に病気が出た水槽とは別の水槽で次々と病気が発生する事があります。
それは魚を掬うための「網」と赤虫等を与える時に使う「スポイト」です。
網は使い回す事が多いですが、その分網に病気の原因となる細菌や寄生生物が付着してしまう事も多いため、少々手間かもしれませんが、網は使う度に水道水で洗ったりしてキレイに保ちましょう。
また、スポイトについては餌を与える時に吸入口が水槽の水に入ったり、水を吸ったりしてしまうため、内部に細菌等が残ってしまう可能性があります。
物によっては洗いづらいですが、しっかり内部も洗いましょう。
スポイトは「こまごめピペット」のような取り外し可能なタイプが個人的にオススメで、使った後に部品を取り外して分ける事ができ、それぞれ洗って消毒できます。
余裕がある場合は、水槽ごとに専用の網やスポイトを用意するのも他の水槽への拡散防止になります。
「ヨウ素濾過器」でさよなら白点病!
ヨウ素が魚病にかなり効果が高いのは有名ですが、実際使うと殺菌効果だけでなく毒性も強いため非常に使い勝手が悪いです。
ですが、ヨウ素濾過器シリーズを使えばそのようなリスクもなく、しつこい白点病とさよならできるのです。また、殺菌効果もあるため細菌感染症を抑制する事までできます。
ヨウ素濾過器シリーズのメーカーはアクア工房株式会社で、魚病対策に効果があるものの、ランニングコストが高いUV殺菌灯に代わるアイテムとして世に解き放たれました。
海水、淡水どちらにも使用でき、水草やサンゴ、生物濾過の要である濾過バクテリアにも影響がないため、魚病対策に役立つ事間違いなしのアイテムです。
私も海水の水槽ではありますが使った事があります。白点病が出てしまったバスレット水槽で使ったところ、3日目あたりから白点が減っていき、3週間後にはキレイさっぱり白点が消えて完治しました。
まとめ
魚たちの病気はアクアリウムをやっていると、必ずと言って良い程ぶつかる試練です。
病気の原因は様々ですが、それを治療できる魚病薬があるのはとても心強いものです。
しかし、それでも病気から助ける事ができない事もあるのです。
病気を防ぐ一番の方法は、基本的にキレイで良好な水質を保ち、水温も一定に保つことです。
また、病気の魚を見抜く方法も分かってしまえば病気の魚を水槽に持ち込む事も少なくなります。
魚達と暮らすという事は病気とも向き合っていかなければなりません。